簡易インタフェースでの抽出の定義
この例は、データ・グループ、レコードおよび属性の作成など、簡易インタフェースを使用したHCM抽出の作成方法を示しています。
FAST銀行は、世界中に子会社を持つグローバル組織です。外部のレポート要件の一部として、FAST銀行は会社全体の部門と従業員の詳細を取得する必要があります。この情報は、XMLファイルで第三者に、従業員詳細が部門別にグループ化されたヘッドカウント・レポートとしてHRマネージャに送信する必要があります。
次の表では、このシナリオにおける主な決定事項を要約しています。
考慮する意思決定事項 |
この例の場合 |
---|---|
このタイプのレポートを作成するには、いくつの抽出を作成するか。 |
1つの抽出定義を作成してヘッドカウント・レポートを定義します。 |
いくつのデータ・グループを作成するか。 |
情報の機能グループが2つあるため、2つのデータ・グループ(1つは部門用、もう1つは従業員用)を作成します。 |
いくつのレコードを作成するか。 |
データ・グループ内の属性のサブグループに基づいてレコードの数を決定します。この例では、部門データ・グループ用に次の2つのレコードを作成します。
従業員データ・グループ用に1つのレコード(Employee Details)を作成します。 |
いくつの属性を作成するか。 |
レポートに必要な特定の情報に基づいて属性の数を決定します。Department Detailsレコードには次の属性を作成します。
Department Summaryレコードには次の属性を作成します。
Employee Detailsレコードには次の属性を作成します。
|
FastFormulaを作成するか。 |
FastFormulaは、次のレベルで使用できます。
|
抽出定義の作成
-
「抽出定義」ページで、「追加」アイコンをクリックします。
-
次の詳細を使用して抽出定義を作成します。
フィールド名
エントリ
Name
FAST Bank Extract
ノート: アプリケーションは、この名前を使用してXML出力ファイルを生成します。開始日
2010年1月1日
タイプ
HRアーカイブ
コンシューマ
未定義
ノート: 「コンシューマ」フィールドで「レポート」を選択すると、抽出がレポート目的であり、データが外部アプリケーションとインタフェースされていないことを示します。ノート: 「アーカイブ検索」抽出タイプでは、「コンシューマ」フィールドは表示されません。追加詳細
HRマネージャ
ノート: 抽出タイプ「アーカイブ検索」の場合、および「コンシューマ」フィールドで「レポート」を選択した場合、「追加詳細」フィールドは表示されません。ノート: 「コンシューマ」フィールドには、HCM抽出によって生成されたデータが送信またはインタフェースされるコンシューマ名または外部アプリケーションを含めることができます。また、「追加詳細」フィールドに詳細を追加して、アプリケーションやコンシューマの名前を取得することもできます。「コンシューマ」フィールドには値リストがあります。アプリケーションまたはコンシューマ名がリストにない場合は、「追加詳細」フィールドに名前を指定できます。テンプレートとして使用できる事前定義済抽出がある場合は、「ソース・テンプレート」リストから選択します。ノート: コンシューマ名またはデータがインタフェースされる外部アプリケーションの取得により、顧客の統合パターンおよび要件に関連する情報が得られます。この情報は、Oracleが共通の統合パターンを識別して事前定義済テンプレートを提供するのに役立ち、抽出の作成および定義プロセスの簡素化につながります。 -
「OK」をクリックします。抽出定義が保存され、抽出のタイプに基づいてパラメータが自動的に生成されます。パラメータによって抽出の出力が制御されます。
「編集」アイコンを使用して、デスクトップ・インタフェースで抽出を開きます。デスクトップ・インタフェースを使用して、ドラッグ・アンド・ドロップ・システムを使用せずにHCM抽出を作成および定義します。抽出を定義するためのほとんどのタスクは、簡易インタフェースで実行できます。
抽出データ・グループとレコードの作成
-
「設計」アイコンを選択して、データ・グループとレコードを作成します。
-
ルート・データ・グループを次の情報で作成します。
「保存」をクリックします。フィールド名
エントリ
Name
Departments
タグ名
Departments
ユーザー・エンティティ
PER_EXT_SEC_ORGANIZATION_UE
スレッド・データベース・アイテム
抽出組織ビジネス・グループID
RESTサービスを介したオブジェクト・スナップショットのサポートを許可するには、「オブジェクト・スナップショット使用可能」を選択します。これを選択すると、オブジェクト・スナップショット・キー属性も有効になります。「オブジェクト・スナップショット・キー」属性は、スレッド・データベース・アイテム(抽出組織ビジネス・グループID)から導出されます。
ノート: 「オブジェクト・スナップショット使用可能」オプションは、ルート・データ・グループに対してのみ表示されます。オブジェクト・スナップショットREST APIの詳細は、『Oracle HCM Cloud REST API』ガイドの「オブジェクト・スナップショットRESTエンドポイント」を参照してください。
-
「オブジェクト名」表で「部門」データ・グループを右クリックし、「レコードの追加」を選択します。
-
「Department Summary」と「Department Details」という2つのレコードを作成します。次の情報が表示されます。
フィールド
Department Summary
Department Details
Name
Department Summary
Department Details
タグ名
Department_Summary
Department_Details
タイプ
詳細レコード
詳細レコード
プロセス・タイプ
FastFormula
FastFormula
生成済FastFormula
EXT_DEPARTMENT_SUMMARY_300100570400213
EXT_DEPARTMENT_DETAILS_300100570489764290
-
「保存してクローズ」を選択します。「部門」データ・グループを右クリックして「子データ・グループの追加」を選択することで、別のデータ・グループを作成します。
-
データ・グループを次の情報で更新します。
フィールド名
エントリ
Name
Employees
タグ名
Employees
ユーザー・エンティティ
PER_EXT_SEC_ASSIGNMENT_UE
スレッド・データベース・アイテム
抽出アサイメントPerson ID
-
「オブジェクト名」表で「従業員」データ・グループを右クリックし、「レコードの追加」を選択します。「Employee Details」という名前のレコードを追加します。次の情報が表示されます。
フィールド
Department Summary
Name
Employee Details
タグ名
Employee_Details
タイプ
詳細レコード
プロセス・タイプ
FastFormula
生成済FastFormula
EXT_EMPLOYEE_DETAILS_300100570400495
抽出データ・グループ接続の作成
-
「従業員」データ・グループの「接続データ・グループ」タブを選択し、「追加」アイコンを選択して接続を追加します。
-
データ・グループ接続を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。
フィールド名
エントリ
親データ・グループ
Departments
親データ・グループ・データベース・アイテム
PER_EXT_ORG_ORGANIZATION_ID
データ・グループ・データベース・アイテム
PER_EXT_ASG_ORG_ID
-
「フィルタ」タブを選択して、各データ・グループのデータ・グループ・フィルタ基準を定義します。
フィルタ基準
フィルタリング条件のセットを定義すると、データ抽出を制限できます。アプリケーションではこれらの条件を使用して、抽出データ・グループ基準を使用して抽出データ・グループの抽出を実行します。データ・グループ・フィルタを式またはFastFormulaとして指定でき、その一方または両方を選択できます。使用可能なデータベース・アイテム、パラメータおよび演算子(条件および論理)を使用して基準を構築できます。フィルタ基準は、HCM抽出において実行時にユーザー・エンティティSQLに追加するとより効率的になります。基準を式として指定できない場合は、FastFormula内にロジックを配置し、定義にそれを含めます。FastFormulaはYまたはNの値を戻して、レコードを抽出する必要があるかどうかを示します。基準とFormulaの両方を指定した場合は、両方の条件が適用されます。
属性の作成
-
「部門」データ・グループで「部門詳細」レコードを選択し、「属性」タブ、「追加」アイコンの順に選択します。
-
Department Detailsレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。
フィールド名
属性入力
属性入力
Name
Department Name
Department Location
タイプ
データベース・アイテム・グループ
データベース・アイテム・グループ
データベース・アイテム・グループ
組織名
組織事業所国
-
「Department Summary」レコードを選択し、前述の方法で次の抽出属性詳細を入力します。
-
Department Summaryレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。
フィールド名
属性入力
属性入力
属性入力
Name
Record Code
Report Date
Employee Count
データ型
テキスト
日付
数値
タイプ
文字列
パラメータ・エレメント
要約エレメント
文字列値
999
NA
NA
パラメータ
有効日
NA
NA
集計関数
NA
NA
Count
集計レコード名
NA
NA
Employees Employee Details
-
「Employees」データ・グループ内の「Employee Details」レコードを選択し、同じ方法で次の抽出属性詳細を入力します。
-
Employee Detailsレコードの抽出属性を作成するために、次の表に示すように、フィールドを設定します。
フィールド名
属性入力
属性入力
属性入力
Name
Full Name
Gender
Date of Birth
開始日
1/1/00
1/1/00
1/1/00
データ型
テキスト
テキスト
日付
タイプ
データベース・アイテム・グループ
デコード・データベース・アイテム・グループ
データベース・アイテム・グループ
データベース・アイテム・グループ
個人氏名
個人性別
個人生年月日
提供オプションの定義
-
「提供」アイコンを選択してから「追加」アイコンを選択して、提供オプションを定義します。
-
次の表に示すように、提供オプションのフィールドを設定します。
フィールド
値
値
開始日
1/1/00
1/1/00
終了日
12/31/12
12/31/12
BIパブリッシャ・テンプレート
ReportLayout
EFTLayout
出力タイプ
PDF
EFT
提供タイプ
Email
FTP
提供オプション名
Email to HR
FTP to 3rd Party
出力名
HeadcountReport
EFTReport
-
FTP提供タイプのサーバー、ユーザー名、パスワードなどの追加情報を入力します。
-
レポート・カテゴリとして「FAST Bank Extract」と入力し、「送信」をクリックします。
-
抽出定義詳細を表示し、「検証」ボタンを選択して「検証」ページで構造が有効であることを確認します。
-
「XMLスキーマのエクスポート」を選択して、この抽出設定のXMLスキーマ定義(.XSD)ファイルをダウンロードします。このエクスポート済ファイルには、抽出定義の構造(データ・グループ、レコードおよび属性)が含まれています。
抽出のプレビュー
抽出をプレビューして、定義を送信する前に抽出設計を検証できます。プレビューを使用すると、定義済パラメータ(がある場合)に特定のパラメータ値を指定して、サンプル・データ・セットの出力構造を検証できます。-
プレビューする抽出を開き、「プレビュー」タブに移動します。
-
「パラメータ」セクションに値を入力します。抽出実行の追加診断を収集するには、「診断」セクションで「デバッグ」を「はい」に設定して抽出を実行します。
-
スレッド・オブジェクトIDフィールドに値を入力して、抽出に定義された特定のスレッド・データベース・アイテムのデータを抽出します。スレッド・オブジェクトIDフィールドを空白のままにすると、ランダム・サンプル・データが抽出されます。
ノート: スレッド・オブジェクトIDは、スレッド・データベース・アイテムが定義されている抽出に対してのみ表示されます。ノート: 効率の向上のために、スレッド・データベース・アイテムを使用して抽出を定義することをお薦めします。 -
「プレビュー」をクリックしてプレビュー・プロセスを開始します。
ノート:「プレビュー」ボタンは、抽出定義の検証後にのみ有効になります。 -
「ダウンロード」をクリックして、BIパブリッシャ・テンプレートを作成するために生成されたサンプルXML出力をダウンロードします。トラブルシューティングに使用できるログ・ファイルもダウンロードされます。
抽出の送信
抽出定義によって、抽出と同じ名前の抽出プロセス(給与フロー)が自動的に作成されます。抽出プロセスを使用すると、複数のタスクの実行順序(タスクの前、後など)を定義できます。
-
「抽出の送信」タスクを選択し、「FAST Bank Extract」プロセスを選択します。
-
「次」を選択します。
-
「給与フロー」(抽出プロセス)に「FAST Bank Extract - Jan 2012」と入力します。
-
「終了日」に「1/1/15」と入力します。
-
「次」を選択します。タスクが抽出プロセスの異なる他のタスクに依存している場合は、対応詳細を指定できます。たとえば、このタスクは、別のタスクが実行中のため待機する必要があります。
-
「次」を選択して抽出をレビューします。抽出をスケジュールするか、すぐに実行します。
-
「送信」を選択します。
-
「OKしてチェックリストを表示」を選択して、プロセスのステータスを表示します。
-
「抽出結果の表示」タスクを選択して、抽出の実行結果をレビューします。「FAST Bank Extract」プロセスを検索します。
-
「FAST Bank Extract - Jan 2012」の「タスクに進む」を選択し、眼鏡をクリックして、レポート名の選択によりレポート出力を表示します。