5荷揚原価管理

この章の内容は次のとおりです。

荷揚原価管理の概要

Oracle Fusion Landed Cost Management (荷揚原価管理)を使用すると、輸送費、取扱手数料、保険、関税、税金などのサプライ・チェーン原価について、財務的な可視性を確保できます。このようなタイプの手数料は、品目の原価のかなりの部分を占めることがあります。荷揚原価管理を使用すれば、これらの手数料を、財務プロセスや意思決定アクティビティ全体に正確に組み込むことができます。荷揚原価管理では、まずこれらの原価を見積もり、その後、実績金額が判明したらその金額で原価を更新して、出荷、オーダーおよび製品に割り当てることができます。これにより組織は、利益を最大化し、未処理負債の可視性を改善し、競争力を強化し、複雑な取引アクティビティが規制要請に準拠していることを確認できます。

荷揚原価管理では、主に次の3つのタスクが実行されます。

  • 手数料の取得: 荷揚原価管理では、運送費や保険などの手数料を取得できます。これらの手数料は、取得された後、取引操作と呼ばれるエンティティにグループ化されます。取引操作とは、ビジネス・トランザクションやビジネス・プロセスの単一インスタンスを表す論理エンティティのことで、ユーザーはこの中にすべての手数料を取得することができます。例としては、単一の出荷やコンテナがこれに該当します。

  • 配賦の実行: 手数料には、資材購買オーダー・スケジュールが関連付けられています。これは、取引操作に含まれているか、またはその取引操作の影響を受ける購買オーダー・スケジュールです。購買オーダー・スケジュールが取引操作の手数料に対して参照されると、手数料金額が配分されてそれぞれの購買オーダー・スケジュールに割り当てられ、さらに、それらのスケジュールで実行される受入に割り当てられます。

  • 会計の作成: 最後のステップは、発生したすべての手数料の計上です。これは、受入会計と原価会計にすべての手数料情報を転送することで実行されます。

荷揚原価管理は、次のアプリケーションと連携します。

  • Oracle Fusion Purchasing: 荷揚原価管理は、資材購買オーダー(PO)情報を受信します。取引操作手数料は、購買オーダー・スケジュールに関連付けられ、購買オーダー・スケジュールと受入に対して比例的に割り当てられます。

  • Oracle Fusion Receipt Accounting (受入会計): 荷揚原価を管理する際に実行されるタスクでは、受入会計からのデータが使用されます。受入会計は、荷揚原価手数料を見越計上するための会計仕訳を作成します。

  • Oracle Fusion Cost Management (原価管理): 荷揚原価管理からの手数料は、原価管理で、品目原価の一部として配賦されます。商品が在庫に搬送されると、荷揚原価手数料が在庫評価に配賦されます。

  • Oracle Fusion Tax (税金): 荷揚原価管理からの手数料には、税金が適用される場合があります。手数料は、荷揚原価管理で定義されます。税金は、税金アプリケーションをコールすることによって自動的に計算されます(該当する場合)。

  • Oracle Fusion Payables (買掛管理): ほとんどの場合、サプライヤは自社が提供するサービスについて請求書を送信します(特に、運送費)。これらの請求書が荷揚原価の取引操作で定義された手数料に関連している場合は、受入に適用される荷揚原価手数料に、請求書金額を自動的に関連付けることができます。たとえば、品目の受入が実行される際、受入では、運送業者からの船荷証券番号が指定されます。その後、運送業者の請求書が処理されると、請求書明細でその船荷証券番号が参照されます。運送業者の請求書が荷揚原価アプリケーションに対してインタフェースされると、受入と請求書明細に共通する船荷証券番号が自動的に関連付けられます。その結果、荷揚原価アプリケーションは受入の運送費手数料の見積金額と、請求書で請求されている運送費手数料の実際の金額とを比較し、計算された原価差異に応じて、受入の原価を調整します。

Oracle Fusion Receipt Accountingを実装することは、荷揚原価管理を使用する前提条件となります。一方、Oracle Fusion Cost Accountingの実装はオプションです。Cost Accountingを実装した場合は、Cost Accountingでも荷揚原価手数料を表示できます。荷揚原価管理の実装については、これらの荷揚原価手数料の発生源に基づいて、複数のオプションが利用可能です。これらのオプションは、1つ以上を組み合せて実装することができます。荷揚原価手数料の発生源には次のものがあります。

  • サービス・プロバイダまたはサプライヤからの買掛/未払金請求書。

  • サービスに対するサプライヤ購買オーダー。

  • サプライヤまたはその他のソースから提供される見積。

次の表では、荷揚原価管理をサポートするタスクおよびプロセスについて説明します。「受入会計」作業領域で、これらのタスクおよびプロセスにアクセスできます。

タスク 説明

取引操作の管理

資材の購買オーダー受入に関連付けられた荷揚原価手数料を取得するには、取引操作を作成および編集します。

購買オーダーで荷揚原価をレビュー

購買管理から資材購買オーダーおよび関連する手数料を表示し、購買オーダーの取引操作を作成します。

手数料請求書関連付けの管理

取引操作手数料明細と自動的に関連付けられた請求書を表示し、一致しない請求書を識別して訂正し、取引操作を作成して請求書に関連付けます。

荷揚原価プロセスの管理

サード・パーティ手数料を取引操作に関連付け、割り当てるように、プロセスを予定します。

荷揚原価プロセスのレビュー

荷揚原価処理の詳細、パラメータおよびエラーをレビューします。

取引操作テンプレートの管理

取引操作および関連する手数料のテンプレートを作成および編集します。

荷揚原価手数料の消込

関連するサード・パーティ手数料の割当および配賦が過剰または不足している購買オーダー・スケジュールおよび購買オーダー受入を表示し、差異を調整するプロセスを実行します。

品目荷揚原価の表示

商品の購買オーダー受入、関連するサード・パーティ手数料、合計荷揚原価および荷揚原価の予想と実績の差異をレビューします。

荷揚原価手数料の分析

ビジネス・ユニット、在庫組織およびルート間で、資材原価やサード・パーティ手数料を含めた荷揚原価トレンドを比較し、評価します。

資材の購買オーダー受入に関連付けられた荷揚原価手数料を取得するには、取引操作を作成します。取引操作は、資材出荷に対して発生すると見込まれる荷揚原価手数料をグループ化するために使用するエンティティです。ユーザーは、今後の出荷に対応する取引操作を作成して、その出荷について発生した荷揚原価手数料を取得することができます。また、実際の出荷後に取引操作を作成することもできます。取引操作は、「荷揚原価」作業領域の「取引操作の管理」ページで作成します。

取引操作テンプレートを作成すると、繰り返しの購買について、取引操作のメイン・フィールドに値を事前入力できます。テンプレートでは、取引操作の構造を定義します(手数料、参照タイプ、ルート、通貨、税金など)。内税と外税の両方が荷揚原価でサポートされています。

取引操作を作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。

  2. 「荷揚原価」タスク・リストから、「取引操作の管理」を選択します。

  3. 「取引操作の作成」をクリックし、必須フィールドに値を入力します。次の表で、フィールドについて説明します。

フィールド 説明

手数料ビジネス・ユニット

手数料の購買依頼発行ビジネス・ユニット。

手数料基準

手数料が取得されるレベル。手数料基準オプションは次のとおりです。

  • 集計。手数料が合計金額である場合は、配賦基準を使用して配賦を指定します。

  • ユニット当たり。品目のユニット当たりの固定レートです。手数料は「レート」フィールドに入力されます。

  • 品目価格のパーセント。正規の品目価格のパーセンテージです。手数料は「レート」フィールドに入力されます。

  • その他の手数料のパーセント。取引操作内の別の手数料のパーセンテージです。これは、別の手数料に適用する税金をモデル化するのに役立ちます。手数料は、「関連手数料」明細に次のように入力されます。

    -ソース手数料の品目値

    -手数料金額のパーセンテージ

  • ユニット当たり変数。ユニット当たりと似ていますが、特定の購買オーダー明細スケジュールに対して指定されます。スケジュールに応じて、手数料のレートが異なることがあります。レートは、手数料明細に関連付けられた購買オーダー・スケジュール・レベルで直接定義されます。

  • 品目価格の変数パーセント。品目価格のパーセントと似ていますが、特定の購買オーダー明細スケジュールに対して指定されます。スケジュールに応じて、手数料のパーセンテージが異なることがあります。レートは、手数料明細に関連付けられた購買オーダー・スケジュール・レベルで直接定義されます。

配賦基準

購買オーダー・スケジュールに手数料を配賦するために使用する基準。配賦基準オプションは次のとおりです。

  • 均等。総計手数料値が、手数料明細に関連付けられた購買オーダー・スケジュール間で均等に割り当てられます。

  • 数量。総計手数料値が、各購買オーダー・スケジュールにある数量の比率で割り当てられます。

  • 容積。総計手数料値が、各購買オーダー・スケジュールにある容積(ベース単位で表されます)の比率で割り当てられます。

  • 重量。総計手数料値が、各購買オーダー・スケジュールにある重量(ベース単位で表されます)の比率で割り当てられます。

  • 品目値。総計手数料が、購買オーダー・スケジュールにある品目値(購買オーダー価格を数量で乗算した値)の比率で割り当てられます。

  • 手動配賦ファクタ。総計手数料が、ユーザーによって指定された手動ファクタに基づいて、手数料明細にある購買オーダー・スケジュール・レベルで購買オーダー・スケジュールに割り当てられます。

関連付けられた手数料参照を識別するもの(船荷証券など)。

取引操作手数料とは、購買オーダー・スケジュールへの配賦や、その後の受入への配賦のための、見積または実際の荷揚原価手数料のことです。荷揚原価手数料とは、資材を受け入れて所有するプロセスで発生する、追加資材サプライヤ手数料とサード・パーティ手数料のことです。手数料の配賦に関する詳細は、「手数料明細ステータス」フィールドに取得されます。次の表に、手数料明細ステータスの値の説明を示します。

手数料明細ステータス 説明

新規

これは、新規の手数料明細に割り当てられる初期ステータスです。

購買オーダー・スケジュール関連付け待ち

手数料明細は正常に保存されましたが、購買オーダー・スケジュールが手数料に関連付けられていません。

配賦の準備完了

手数料明細が正常に保存され、次の条件が満たされました。

  • 購買オーダー・スケジュールが手数料明細に関連付けられている。

  • 適用可能なユニット当たりの値とパーセンテージの値が「レート」フィールドに入力されている。

適用可能なユニット当たりの値とパーセンテージの値が手数料明細に入力されていない場合は、警告メッセージが表示されます。

取引操作テンプレートから取引操作を作成すると、作成プロセスを簡略化できます。取引操作テンプレートは、繰り返しの購買に使用できます。同じような取引操作を複数回作成する必要がある場合には、テンプレートを作成します。そうすることで、整合性を確保しやすくなります。取引操作テンプレートには、サプライヤ、手数料明細、参照タイプ、ルートおよびその他の関連情報が含まれます。テンプレートを使用して取引操作を作成すると、それらすべての情報が取引操作にコピーされます。必要であれば、コピーされた情報を変更することもできます。取引操作テンプレートは、「荷揚原価管理」作業領域の「取引操作テンプレートの管理」ページで管理します。

ユーザーは、取引操作を使用して、資材の購買オーダー受入に関連付けられた荷揚原価手数料をシミュレートし、見積もることができます。ユーザーは、今後の出荷に対応する取引操作を作成して、その出荷について発生した荷揚原価手数料を取得することができます。荷揚原価機能を使用すると、輸送費、取扱手数料、保険、関税、税金などのサプライ・チェーン原価について、財務的な可視性を確保できます。荷揚原価は品目の原価のかなりの部分を占めることがあるため、荷揚原価を財務プロセスや意思決定に正確に組み込むことが重要です。取引操作は、「荷揚原価」作業領域の「取引操作の管理」ページで作成します。購買オーダー番号や事前出荷通知(ASN)などの様々な識別子に基づいて、購買オーダーを取引操作に関連付けることができます。

見積荷揚原価を作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。

  2. 「タスク」パネルから、「荷揚原価プロセスの管理」を選択します。

  3. 「資材購買オーダー・データの準備」プロセスを問い合わせて実行します。このプロセスは、荷揚原価用に選択できる承認済購買オーダーのリストを更新します。

  4. 「タスク」パネルから、「取引操作テンプレートの管理」を選択します。

  5. 必要なテンプレートを検索し、「テンプレートから作成」ボタンをクリックします。取引操作名を入力し、取引操作を保存します。

  6. (オプション)。受入会計配分に含めない手数料明細について、「仮」オプションを有効化します。このオプションは、見積原価についてのみ適用可能です。

  7. 「デフォルト資材購買オーダーの関連付け」ボタンをクリックします。

  8. 「選択して追加」ボタンをクリックし、必要な購買オーダーを検索して選択します。購買オーダー番号や出荷番号(ASN)などの様々な識別子に基づいて、購買オーダーを取引操作に関連付けることができます。これにより、すべての取引操作手数料が、取引操作ヘッダーで指定された資材購買オーダーに関連付けられます。

  9. 「保存」をクリックします。アプリケーションによって購買オーダーが取引操作手数料明細に関連付けられた後、手数料明細ステータスの上にマウスを重ねると、「配賦の準備完了」というメッセージが表示されます。

  10. 手数料をクリックします。ページの「手数料詳細」領域に、手数料に関連付けられた購買オーダー明細スケジュールが表示されます。

  11. 取引操作ヘッダーの「処理」メニューで、「手数料の配賦」を選択します。手数料明細ステータスが自動的に更新され、アイコンの上にマウスを重ねると、「正常に配賦済」というメッセージが表示されます。「荷揚原価手数料」領域には、各手数料の合計金額が表示されます。これは、購買オーダー内の品目が完全に受け入れられたときに適用されると予想される、見積手数料金額です。

  12. 取引操作ヘッダーの「処理」メニューで、「ステータスの更新」を選択します。

  13. 取引操作ステータスを「オープン」に設定します。これにより、この取引操作内の手数料が、取引操作で参照される購買オーダーに対して受け入れられた品目の資材原価に追加されることが、受入会計に知らされます。受入アプリケーションで受入を作成し、送信します。

  14. 「ナビゲータ」メニューから「ツール」を選択し、「予定済プロセス」を選択して、「受入から原価計算へのトランザクションの転送」プロセスを実行します。

  15. 「荷揚原価」作業領域で、「タスク」メニューから「荷揚原価プロセスの管理」ページに移動します。「荷揚原価手数料の配賦」プロセスを選択し、「パラメータの定義」リージョンで、「受入に手数料を適用」オプションを「はい」に設定します。プロセスを送信します。

  16. (オプション)。「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。「タスク」メニューから、「受入会計配分の作成」を選択します。

  17. 「タスク」メニューから「品目荷揚原価の表示」を選択します。購買オーダー番号と受入を選択します。表示される品目荷揚原価には、資材および荷揚原価手数料が含まれます。

ノート: サービスPOから手数料を作成するには、手数料基準として「集計」を選択し、サービス購買オーダーを選択する必要があります。「購買オーダー番号」には、固定価格サービス・タイプの購買オーダーのみがリストされます。「購買オーダー番号」、サービス購買オーダー番号および「サービス購買オーダー・スケジュール」を指定します。

サービス購買オーダーから手数料を作成すると、購買オーダー番号が手数料関連付けの参照になるため、手数料参照なしでも自動的に、手数料明細が請求書明細に関連付けられます。

参照タイプは、荷揚原価手数料の請求書を取引操作手数料と自動的に照合するために使用されます。これらは通常、ビジネス・プロセスで使用される文書名であり、請求書と荷揚原価管理の両方で表示できます(たとえば、船荷証券や出荷番号など)。

請求書は、「買掛/未払金」作業領域の荷揚原価処理に対して指定されます。請求書を荷揚原価として指定するには、請求書の作成または編集ページにある「請求書明細」セクションで、「荷揚原価」オプションを有効化します。その後、「手数料参照」ダイアログ・ボックスで手数料詳細を入力できます。請求書明細が計上されたら、原価の原価管理への転送プロセスを送信して、請求書配分を買掛管理から原価管理へと転送し、さらに処理できるようにします。

ユーザーは、取引操作を使用して、資材の購買オーダー受入に関連付けられた荷揚原価手数料を作成することができます。ユーザーは、今後の出荷に対応する取引操作を作成して、その出荷について発生した荷揚原価手数料を取得することができます。取引操作は、「荷揚原価」作業領域の「取引操作の管理」ページで作成します。購買オーダー番号や事前出荷通知(ASN)などの様々な識別子に基づいて、購買オーダーを取引操作に関連付けることができます。

実績荷揚原価を作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「買掛/未払金」作業領域に移動し、請求書を作成します。「荷揚原価」タブの使用可能オプションを選択して、請求書明細を荷揚原価処理用に有効化します。

  2. 「参照」のプラス・アイコンを選択し、「手数料名」、「参照タイプ」、および「参照値」を追加します。これらのフィールドは、請求書明細を取引操作手数料明細と照合するために使用されます。変更内容を保存します。

  3. 「請求書処理」メニューから「検証」を選択します。「請求書要約」タブで、検証ステータスが「検証済」に更新されていることを確認します。

  4. 「請求書処理」メニューから「元帳に転記」を選択します。「請求書要約」タブで、会計ステータスが「計上済」に更新されていることを確認します。請求書を保存してクローズします。

  5. 「ナビゲータ」メニューから、「ツール」を選択し、「予定済プロセス」を選択します。「原価の原価管理への転送」を検索して選択し、必要なパラメータを設定します。期限日は、請求書作成日以降の日付にする必要があります。プロセスを送信します。

  6. 「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。

  7. 「タスク」パネルから、「取引操作の管理」を選択します。取引操作を作成し、必須フィールドに値を入力します。変更内容を保存します。

  8. 取引操作に手数料明細を追加し、「手数料参照」フィールドに値を入力します。「一致時に自動的に関連付け」オプションを有効化します。

    手数料参照情報は、一致する参照データがある請求書を自動的に関連付けるために使用されます。

  9. 税金アプリケーションを使用して税金を自動的に計算する場合は、「自動税金計算の使用可能」オプションを選択します。

  10. 「デフォルト資材購買オーダーの関連付け」ボタンをクリックします。

  11. 「選択して追加」ボタンをクリックし、必要な購買オーダーを検索して選択します。購買オーダー番号や出荷番号(ASN)などの様々な識別子に基づいて、購買オーダーを取引操作に関連付けることができます。これにより、すべての取引操作手数料が、取引操作ヘッダーで指定された資材購買オーダーに関連付けられます。

  12. 「保存」をクリックします。アプリケーションによって購買オーダーが取引操作手数料明細に関連付けられた後、手数料明細ステータスの上にマウスを重ねると、「配賦の準備完了」というメッセージが表示されます。

  13. 手数料をクリックします。ページの「手数料詳細」領域に、手数料に関連付けられた購買オーダー明細スケジュールが表示されます。

  14. 取引操作ヘッダーの「処理」メニューで、「ステータスの更新」を選択し、ステータスを「オープン」に設定します。

    これにより、この取引操作内の手数料が、取引操作で参照される購買オーダーに対して受け入れられた品目の資材原価に追加されることが、受入会計に知らされます。受入アプリケーションで受入を作成し、送信します。

  15. 取引操作ヘッダーの「処理」メニューで、「手数料の配賦」を選択します。手数料明細ステータスが更新され、アイコンの上にマウスを重ねると、「正常に配賦済」と表示されます。「荷揚原価手数料」領域には、各手数料の合計金額が表示されます。これは、購買オーダー内の品目が完全に受け入れられたときに適用されると予想される、見積手数料金額です。

  16. 「荷揚原価」作業領域で、「タスク」メニューから「荷揚原価プロセスの管理」ページに移動します。「請求書データの準備」プロセスを選択し、実行します。

  17. 「荷揚原価プロセスの管理」ページで、「取引操作手数料への請求書の関連付け」プロセスを選択し、実行します。

  18. 「荷揚原価」作業領域で、「タスク」メニューから「手数料請求書関連付けの管理」ページに移動し、必要な請求書を選択します。関連ステータスを「すべて」に設定します。「関連付け詳細」リージョンに請求書の関連ステータスが表示されます(関連付け属性、手数料明細詳細、対応する請求書明細詳細、および各手数料明細の照合ステータスを含む)。

  19. 「荷揚原価」作業領域で、「取引操作の管理」ページに移動します。必要な取引操作を検索し、編集のために開きます。「手数料明細ステータス」が「再配賦が必要」に設定されます。

  20. 「手数料の配賦」ボタンをクリックします。取引操作に実績手数料が追加されます。

「荷揚原価プロセスの管理」ページから「取引操作手数料への請求書の関連付け」プロセスを実行すると、「手数料請求書関連付けの管理」ページが更新されます。手数料請求書関連付けの詳細は、「関連ステータス」フィールドに取得されます。次の表で、関連ステータスの値について説明します。

関連ステータス 説明

新規

デフォルトの初期ステータスです。

関連

請求書明細は取引操作手数料明細に自動的に関連付られています。

手動関連付け

請求書明細は取引操作手数料明細に手動で関連付られています。

レビューが必要

請求書明細には一致する取引操作手数料明細がありますが、レビューして関連付けを確認する必要があります。

適切な一致

取引操作手数料明細と請求書明細の間に、複数の一致があります。ユーザーは、正しい一致を選択し、関連付けを確認する必要があります。

潜在的一致

取引操作手数料明細および請求書明細の「調達ビジネス・ユニット」、「サプライヤ」および「サプライヤ・サイト」のみが一致します。手数料参照を使用して見つかった一致はありません。

一致なし

請求書明細に対して取引操作手数料への請求書の関連付けプロセスが実行されましたが、一致が見つかりませんでした。

取消済

請求書明細は買掛/未払金で取り消されています。

スプレッドシートでの取引操作手数料のアップロード

ユーザーは、既存の取引操作への一括データ更新にスプレッドシートを使用できます。追加、編集および削除操作を実行して、手数料情報を更新できます。スプレッドシートを使用した一括更新は、次の項目に対して実行できます。

  • 荷揚原価手数料

  • 荷揚原価手数料参照

  • 荷揚原価関連手数料

ADF Desktop Integratorは、スプレッドシートで手数料を取得するための前提条件で、「ナビゲータ」メニューの「ツール」セクションからインストールできます。

スプレッドシート内の取引操作手数料を取得するには、次のステップを実行します。

  1. 「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。

  2. 「荷揚原価」タスク・リストから、「スプレッドシートで取引操作手数料を取得」を選択します。

  3. 「手数料の取得」スプレッドシートをダウンロードします。

  4. スプレッドシートを開きます。アプリケーションに接続するかどうかを尋ねるポップアップ・メッセージが表示されます。「はい」をクリックして、サインオン資格証明を入力します。

  5. 「手数料の取得」タブで、更新される取引操作を検索します。結果セットから、手数料明細と、対応する取引操作データがスプレッドシートに入力されます。

  6. 必要な編集、追加または削除操作を行います。「変更済」列が自動的に更新され、どの行が変更されたかを確認するための変更インジケータ・アイコンが表示されます。

  7. 「アップロード」をクリックして変更内容を適用します。

  8. 「手数料参照の取得」タブと「関連手数料の取得」タブで、必要な手数料について上記のステップを繰り返します。

ビジネス・ユニット、在庫組織およびルート間で、資材原価やサード・パーティ手数料を含めた荷揚原価トレンドを比較し、評価できます。荷揚原価差異と手数料分析は、「荷揚原価管理」作業領域の「荷揚原価手数料の分析」ページと「荷揚原価差異の分析」ページで表示できます。荷揚原価の手数料と差異は、次のような主要ディメンションに基づいて分析できます。

  • 品目カテゴリ

  • 品目名

  • 手数料名

  • サプライヤ

荷揚原価差異を分析するには、次のステップを実行します。

  1. 「ナビゲータ」メニューから、「受入会計」を選択します。

  2. 「タスク」パネルから、「荷揚原価プロセスの管理」を選択します。

  3. 荷揚原価データの要約プロセスを実行します。

    このプロセスは、荷揚原価データを多面的な分析用に準備します。

  4. 「タスク」パネルから、「荷揚原価差異の分析」を選択し、必要な検索フィールドに値を入力します。

  5. 荷揚原価手数料の表示基準リストで、「ビジネス・ユニット」を選択します。

    ページに荷揚原価手数料データが表示されます(展開可能なツリー表内の計上済金額、見積金額および実績金額を含む)。

  6. 「トレンド」アイコンをクリックして、データをグラフ形式で表示します。

荷揚原価管理に関するFAQ

荷揚原価とは何ですか。

荷揚原価とは、資材の購買と受入に関連付けられた資材原価と追加荷揚原価手数料の合計のことです。

荷揚原価手数料とは何ですか。

荷揚原価手数料とは、資材を受け入れて所有するプロセス(別のパーティが保管する預託シナリオを含む)で発生する、追加資材サプライヤ手数料とサード・パーティ手数料のことです。

取引操作は、資材出荷に対して発生すると見込まれる荷揚原価手数料をグループ化するために使用するエンティティです。ユーザーは、今後の出荷に対応する取引操作を作成して、その出荷について発生した荷揚原価手数料を取得することができます。また、実際の出荷後に取引操作を作成することもできます。

参照タイプとは、取引操作内の荷揚原価手数料に関連付けられたビジネス文書(船荷証券など)のことで、手数料の監査証跡を提供するものです。参照タイプは、実績手数料金額を取得するために請求書とも照合されます。

はい。取引操作には、1つ以上のサービス・プロバイダからの複数通貨の手数料を含めることができます。

手数料請求書を手数料請求書の関連付けタスク用に有効化するには、次の条件が適用されます。

  • 請求書明細タイプが、「品目」、「運送費」または「その他」である必要があります。

  • 請求書明細の「荷揚原価」セクションで、使用可能オプションが選択されている必要があります。

  • 「検証」および「元帳に転記」請求書処理を完了します。請求書ステータスが「検証済」かつ「計上済」である必要があります。

  • 「ツール」→「予定済プロセス」ページから、「原価の原価管理への転送」プロセスを実行します。これにより、請求書が荷揚原価管理での処理用に利用可能になります。

  • 「荷揚原価プロセスの管理」ページから、「請求書データの準備」プロセスを実行します。

  • 「荷揚原価プロセスの管理」ページから、「取引操作手数料への請求書の関連付け」プロセスを実行します。