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Oracle® Fusion Middleware Oracle ADFデスクトップ統合によるアプリケーションの開発
12c (12.1.3)
E59438-01
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3 開発環境の設定

この章では、ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションを統合するために開発環境を設定する方法、ADFデスクトップ統合のアップグレードと削除を行う方法、およびVisual Studio tools for Microsoft Officeをローカライズする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 開発環境の設定について

開発環境を設定するには、正しいバージョンのJDeveloper、Microsoft OfficeおよびMicrosoft Internet Explorerがインストールされている必要があります。詳細は3.2項「必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア」を参照してください。

必要なソフトウェアがあることを確認した後、次の作業を行って開発環境の設定を完了してください。


注意:

このガイドの手順では、Windows 7オペレーティング・システムおよびMicrosoft Excel 2007を使用していることを想定しています。他のエディションのWindowsおよびExcelでは手順が異なることがある点に注意してください。


3.2 必要なOracle ADFモジュールおよびサード・パーティ製ソフトウェア

ExcelワークブックとFusion Webアプリケーションの統合を開始する前に、必要なOracle ADFモジュールとサード・パーティ製ソフトウェアをインストールして構成する必要があります。

3.3 ADFデスクトップ統合と協働するExcelの構成

ADFデスクトップ統合からMicrosoft Excelにアクセスできるようにするには、Microsoft Excelの設定を構成する必要があります。この手順は一度だけ実行するだけで済みます。

Excelで統合Excelワークブックを実行可能にするには:

  1. Excelを起動します。

  2. 「Microsoft Office」ボタンをクリックして、「Excelオプション」を選択します。

  3. 「Excelオプション」ダイアログで、Trust Centerタブを選択し、「Trust Centerの設定」をクリックします。

  4. Trust Centerダイアログで、マクロ設定タブを選択し、図3-1に示すようにVBAプロジェクト・オブジェクト・モデルに対するアクセスを信頼チェック・ボックスをクリックします。

    図3-1 Excelのトラスト・センター・ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています
  5. 「OK」をクリックします。

Fusion Webアプリケーションと統合されたExcelワークブックの保護の詳細は、第11章「統合Excelワークブックの保護」を参照してください。

3.4 ADFデスクトップ統合のインストール

ADFデスクトップ統合の設定ツールを実行する際は、次のリストにあるソフトウェアがフレームワークをインストールするシステム上にインストールされているかどうかが検証されます。ソフトウェアのこれらのピースのうちインストールされていないものがあれば、設定ツールは自動的にダウンロードして、指定した順番にインストールします。

  1. Windows Installer 3.1

  2. Microsoft .NET Framework

    Microsoft .NET Framework 4は、Microsoft .NET Frameworkをターゲットに開発されるアプリケーションの実行に必要な実行時ファイルおよび関連ファイルを提供します。フレームワークはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。


    注意:

    • Microsoft .NET FrameworkのClient Profileエディションは、ADFデスクトップ統合を実行するには不十分なので、ダウンロードしないでください。

    • Microsoft .NET Frameworkのインストールには、インストールするシステムの再起動が必要な場合があります。再起動の後、設定ツールからインストールを完了するように推奨されます。


  3. Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime

    Microsoft OfficeシステムのVSTOソリューションを実行するには、Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime(バージョン4)が必要です。Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtimeはhttp://www.microsoft.com/download/からダウンロードできます。

  4. ADFデスクトップ統合のアドイン

    ADFデスクトップ統合のアドインはJDeveloperから、またはMW_HOME\jdeveloper\adfdiの設定ツールからインストールできます。ADFデスクトップ統合の設定方法の詳細は、3.4.1項「ADFデスクトップ統合の設定方法」を参照してください。

    ADFデスクトップ統合のインストールは、現在のWindowsユーザー・プロファイルに対して固有である点に注意してください。システム上に複数のWindowsユーザー・プロファイルがあり、特定のユーザー・プロファイルからADFデスクトップ統合Excelワークブックを使用する場合は、それぞれのユーザー・プログラムファイルにログインしてADFデスクトップ統合のアドインをインストールする必要があります。詳細は、3.4.1項「ADFデスクトップ統合の設定方法」を参照してください。

3.4.1 ADFデスクトップ統合の設定方法

ADFデスクトップ統合のアドインには、デザイナ・エディションとランタイム・エディションの2つがあります。統合Excelワークブックを作成してテストするにはデザイナ・エディションを、エンド・ユーザーがADFデスクトップ統合および統合Excelワークブックを使用できるようにするにはランタイム・エディションをそれぞれ使用します。


注意:

同じシステムに両方のエディションのADFデスクトップ統合をインストールしないでください。


ADFデスクトップ統合のアドインをインストールするために管理者権限は必要ありませんが、追加のソフトウェアのダウンロードとインストールを試行するインストーラを実行するための管理者権限が必要となることがあります。また、Internet Explorerのプロキシ設定が、*.microsoft.comへのアクセスを許可するように構成されているかも確認してください。これは、インストーラが足りない前提条件のソフトウェアをMicrosoftのWebサイトから自動的にダウンロードしようとするためです。

デフォルトではインストーラは英語で実行されます。『Oracle ADFアプリケーションの管理』のADFデスクトップ統合インストーラのローカライズに関する項の手順に従って、表示される言語を変更できます。

開始する前に:

ADFデスクトップ統合の要件について理解しておくと役立ちます。詳細は3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。

デザイナ・エディションのADFデスクトップ統合をインストールするには:

  1. JDeveloperを開きます。

  2. 「ツール」メニューから、図3-2に示すように「ADFデスクトップ統合のインストール」を選択します。

    図3-2 JDeveloperの「ツール」メニュー

    この図は周囲のテキストで説明しています

    注意:

    ADFデスクトップ統合のインストール・メニュー・オプションは、JDeveloperのWindowsインストールでのみ使用可能です。


  3. ダイアログ・ボックスに表示される手順に従い、必要なコンポーネントを正しくインストールします。

    インストール処理中にエラーが発生した場合、旧バージョンのADFデスクトップ統合を削除したかどうか確認してください。詳細は3.5項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。

  4. プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合の設定を完了します。


ヒント:

デザイナ・エディションのADFデスクトップ統合は、MW_HOME\jdeveloper\adfdi\bin\excel\addin\designerディレクトリで使用可能なsetup.exeを実行してもインストールできます。


システム上にJDeveloperのインスタンスが複数あったり、既存のADFデスクトップ統合のアドインのインスタンスがある場合、インストールの手順を実行する前に3.8項「複数のインスタンスのJDeveloperを持つシステムでのADFデスクトップ統合の使用」の情報を確認してください。

ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションをインストールする場合は、H.1項「ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションのインストール、アップグレードおよび削除」を参照してください。

3.5 ADFデスクトップ統合の削除

ADFデスクトップ統合のアドインを設定したシステムから削除するには、Microsoft Windowsのコントロール パネルを使用します。ADFデスクトップ統合を削除した後は、ADFデスクトップ統合を再インストールしないかぎり、このシステム上で統合Excelワークブックを使用できなくなります。

ADFデスクトップ統合のアドインを削除するには:

  1. Windowsの「スタート」ボタンをクリックして、「コントロール パネル」を選択します。

  2. 「コントロール パネル」で、「プログラムと機能」を選択して開きます。

  3. 「プログラムのアンインストールまたは変更」ウィンドウで Oracle ADFデスクトップ統合のExcel用アドインのエントリを選択して「アンインストール」をクリックします。


注意:

複数のユーザー・プログラムファイルにADFデスクトップ統合をインストールした場合、各ユーザー・プログラムファイルから削除する必要があります。


3.6 ADFデスクトップ統合のアップグレード

旧バージョンのADFデスクトップ統合を使用している場合、最新バージョンにアップグレードする必要があります。

ADFデスクトップ統合のアドインをアップグレードするには:

  1. 旧バージョンのADFデスクトップ統合をアンインストールします。

    詳細は3.5項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。

  2. 最新バージョンのOracle JDeveloperをダウンロードしてインストールします。

  3. 新しいバージョンのADFデスクトップ統合をインストールします。

    詳細は3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。


注意:

旧バージョンのADFデスクトップ統合をアンインストールしないと、新しいインストーラが古いインストーラとまったく同じ場所にある場合を除いてエラーが発生します。


3.6.1 統合Excelワークブックを最新バージョンのADFデスクトップ統合に移行する方法

ADFデスクトップ統合のアドインをアップグレードした後で統合Excelワークブックを開くと、ワークブックのADFデスクトップ統合のバージョン情報が検出され、クライアント・システムにインストールされたバージョンと比較されます。必要な場合は、統合ワークブックの構成をクライアントにインストールしたバージョンにアップグレードするように求められます。


注意:

古いADFデスクトップ統合クライアント(バージョンX)を使用して作成した統合Excelワークブックは、新しいバージョンのADFデスクトップ統合クライアント(バージョンX+1)が実行するシステムで移行する必要はありませんが、新しいクライアント(バージョンX+1)で使用されて保存された統合Excelワークブックは、古いクライアント(バージョンX)では動作しない可能性があります。

統合Excelワークブックがインストール済のADFデスクトップ統合クライアントと互換性がない場合、ワークブックを開くとメッセージが表示されます。そのような場合、新しいワークブックと対話するには、ADFデスクトップ統合クライアントの新しいバージョンをインストールする必要があります。


バージョン11.1.1.3.0以前のADFデスクトップ統合クライアントを使用して作成した統合Excelワークブックを移行している場合、アクションを確認する「ワークブックの移行」ダイアログが表示されます。

開始する前に:

ADFデスクトップ統合のアップグレードについて理解しておくと役立ちます。詳細は3.6項「ADFデスクトップ統合のアップグレード」を参照してください。

アップグレード後に統合Excelワークブックを移行するには:

  1. 統合Excelワークブックを開きます。

    「ワークブックの移行」ダイアログにより、図3-3に示すようにワークブックを最新バージョンのADFデスクトップ統合に移行するよう求められます。

    図3-3 ワークブックの移行ダイアログ

    この図は周囲のテキストで説明しています

    統合Excelワークブックを開いて複数のMicrosoft Office Customization Installerエラー・メッセージが表示される場合、メッセージを無視して処理を続行してください。このエラー・メッセージは、ADFデスクトップ統合が旧バージョンの情報を、Excelが検出してエラーを報告するより先にワークブックから削除できないために表示されます。

  2. 「はい」をクリックして、ワークブックを移行します。ADFデスクトップ統合の移行プロセスにより、ワークブックが閉じられて再び開き、最新バージョンのADFデスクトップ統合で使用する準備が完了します。

3.7 旧バージョンのADFデスクトップ統合との統合Excelワークブックの使用

旧バージョンのADFデスクトップ統合が実行するシステムで、新しいバージョンのADFデスクトップ統合により、作成または最後に更新されたワークブックを開くと、ワークブックがインストール済のクライアント・バージョンと互換性がない場合に、エラー・メッセージが表示されます。統合ワークブックおよびインストール済ADFデスクトップ統合クライアントは、Oracleリリース番号の最初の要素が異なる場合には互換性がありません。たとえば、ADFデスクトップ統合クライアントのバージョン12.1.3を使用して作成された統合ワークブックは、バージョン11.1.1.7.0からのクライアントとは互換性がありません。


ヒント:

インストール済クライアントと統合ワークブックのリリース番号を確認するには、「ADFデスクトップ統合について」ダイアログ・ボックスの「バージョン」タブの「ADFデスクトップ統合」および「バージョン別に編集されたワークブック」エントリの値を調べます。


実行時、ADFデスクトップ統合は互換性のないワークブックを無視します。そのワークブック内のデータは削除できませんが、ADFデスクトップ統合はワークブックを非統合ワークブックとして扱い、次の機能が影響を受けます。

設計モードまたはテスト・モードでは、ワークブックは予期したとおりに機能し続けますが、不明な例外や機能の問題が通知される場合があります。

3.8 複数のインスタンスのJDeveloperを持つシステムでのADFデスクトップ統合の使用

あるシステムにインストール可能なADFデスクトップ統合は1つのみです。デフォルトでは、JDeveloperをインストールする際にADFデスクトップ統合はMW_HOME\jdeveloper\adfdiに抽出されます。異なるディレクトリにインストールされた別のバージョンのJDeveloperに移動する場合、旧バージョンのADFデスクトップ統合を削除する必要があります。詳細は3.5項「ADFデスクトップ統合の削除」を参照してください。それから、3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」の説明に従って、新しいバージョンのJDeveloperによりADFデスクトップ統合を設定し、ADFデスクトップ統合のJDeveloperとの整合性を保つ必要があります。

または、JDeveloperのインストールとは関係のないディレクトリでADFデスクトップ統合と設定することも可能です。この方法では、新しいバージョンに移行する前にADFデスクトップ統合を削除する必要がなくなります。

別のディレクトリでADFデスクトップ統合を設定するには:

  1. JDeveloperのインストール用ディレクトリとは関係のないディレクトリを作成します。たとえば、次のようなディレクトリを作成します。

    D:\adfdi-excel-setup

  2. 新しいバージョンのJDeveloperに移行する際、次のディレクトリの内容をコピーします。

    MW_HOME\jdeveloper\adfdi\bin\excel\addin\designer

    コピー先ディレクトリは次のとおりです。

    D:\adfdi-excel-setup

    MW_HOMEはミドルウェア・ホーム・ディレクトリです。

  3. D:\adfdi-excel-setupにあるsetup.exeツールを実行します。

  4. setup.exeのダイアログ・ボックスに表示される説明に従って、新しいバージョンのADFデスクトップ統合を設定します。

  5. プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合の設定を完了します。


警告:

ADFデスクトップ統合をインストールした後は、設定ファイルをコピーしたディレクトリを削除しないでください。システムからADFデスクトップ統合を削除した後は、これらのファイルを削除できます。