この章では、ADFデスクトップ統合Summitサンプル・アプリケーションの概要を説明します。ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、サンプルのFusion Webアプリケーションと統合されたいくつかのMicrosoft Excelワークブックが含まれています。
この章の内容は次のとおりです。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションは、ADFデスクトップ統合の主な機能を説明する、サンプルのデモンストレーションのセットです。各サンプルには、開発者ガイドでも確認することができる、特定の機能が含まれています。サンプルはすべて同じ基礎となるデータベース・スキーマを使用します。これにより簡単にソース・コードにアクセスでき、スタンドアロン方式で実行時の動作を経験できます。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションをダウンロードおよび実行する前に、第3章「開発環境の設定」での説明のとおり開発環境を設定します。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションをダウンロードするには:
Oracle JDeveloper Release 12cをダウンロードおよびインストールします。詳細は、Oracle JDeveloperのインストールに関する項を参照してください。
Oracle Technology Networkから、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのZIPファイル(SummitADF_DI1213.zip
)をダウンロードします。
http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=E26099_01&id=jdevcodesamples
SummitADF_Schema1213.zip
ファイルをダウンロードし、Summit ADFスキーマをインストールします。詳細は、Oracleアプリケーション開発フレームワークによるFusion Webアプリケーションの開発のSummit ADFスキーマのインストール方法に関する項を参照してください。
ADFデスクトップ統合をインストールします。詳細は3.4項「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行するには:
SummitADF_DI1213.zip
ファイルの内容をローカル・ディレクトリに展開します。
JDeveloperでSummitADFdi.jws
ファイルを開きます。
このファイルはSummit_ADFDI
ディレクトリにあります。
「アプリケーション」ウィンドウで、Modelプロジェクトをクリックして展開します。
「モデル」→「アプリケーション・ソース」→「oracle.summitdi.model」→Model.jpxファイルを開きます。
「一般」タブで「接続」グループを展開し、「追加」アイコンをクリックして、データベース接続を作成します。
「データベース接続の作成」ダイアログで、表2-1のように各自の環境に合せて接続情報を追加します。
表2-1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのデータベース接続プロパティ
プロパティ | 説明 |
---|---|
ユーザー名 |
|
パスワード |
|
ホスト名 |
データベースのホスト名。 例:
|
JDBCポート |
データベースのポート。 例:
|
SID |
データベースのSID。 例:
|
「接続テスト」をクリックして接続を確認し、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。
Model.jpx
ファイルを保存します。
Modelプロジェクトを右クリックして、Model.jprのリビルドを選択します。
ViewControllerプロジェクトを展開して、「Webコンテンツ」→MainPage.jsfを選択します。
MainPage.jsfを右クリックして、「実行」を選択します。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションにより、エンド・ユーザーは統合Excelワークブックをダウンロードできます。
エンド・ユーザーがJDeveloperでADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行すると、デフォルトのブラウザでアプリケーションのホーム・ページが開きます。エンド・ユーザーは、ホーム・ページから様々な統合Excelワークブックをダウンロードできます。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションでは、異なる要件を満たすために、様々な統合Excelワークブックが提供されます。エンド・ユーザーは、スライダ・コントロールを使用して、または使用可能なデモのドロップダウン・リストから、様々なワークブックをナビゲートおよびダウンロードできます。
表2-2に、メニュー・オプションと、ダウンロードされる統合Excelワークブックを示します。
ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、EditCustomers.xlsx
、EditWarehouses.xlsx
、EditCustomerSearch.xlsx
およびWarehouseLocations.xlsx
統合Excelワークブックが用意されています。
EditCustomers.xlsx
ワークブックではエンド・ユーザーは次のことができます。
表形式で顧客データをダウンロードおよび表示
ワークブックの情報を変更およびアップロード
データの複数の行をアップロード
EditWarehouses.xlsx
ワークブックではエンド・ユーザーは次のことができます。
ナビゲーション形式で倉庫データをダウンロードおよび表示
ワークブックの倉庫情報を変更およびアップロード
ユーザーが別のレコードに移動するとすぐに更新された情報がアップロードされます。
EditCustomerSearch.xlsx
ワークブックではエンド・ユーザーは次のことができます。
表形式で顧客データをダウンロードおよび表示
国別に顧客をフィルタ
WarehouseLocations.xlsx
ワークブックではエンド・ユーザーは次のことができます。
表形式で倉庫データとその場所をダウンロードおよび表示
すべての倉庫の地域を変更およびアップロード
更新された情報をアップロード
この章の次の項では、ワークブックの機能の詳細な情報と実装の詳細への参照を提供します。
実行時に、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブックは、エンド・ユーザーがFusion Webアプリケーションにログオンするのに使用できる、Excelのリボン・タブをレンダリングします。図2-2は、EditWarehouses.xlsx
ワークブックのリボンにある実行時のWarehousesタブを示しています。
EditCustomers.xlsx
ワークブックなどの一部のワークブックでは、ADF表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションからダウンロードされた情報をホストします。このコンポーネントを使用して、エンド・ユーザーは行を編集し、変更した行をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。
次の項では、ダウンロード機能の実装方法の詳細を説明します。
Fusion Webアプリケーションに統合するそれぞれのワークシートには、関連するページ定義ファイルが必要です。
たとえば、EditCustomers.xlsx
ワークブックのCustomers
ワークシートは、ページ定義ファイルExcelCustomers.xml
ページ定義ファイルと関連付けられています。JDeveloperで、「アプリケーション」ウィンドウの次のノードを展開して、このファイルを表示します。
ViewController > 「アプリケーション・ソース」 > oracle.summitdi.view > pageDefs
ページ定義ファイルの構成方法の詳細は、4.3項「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用」を参照してください。
ADF表コンポーネントDownload
アクションは、Fusion Webアプリケーションからワークシートにデータをダウンロードします。このアクションを起動する方法の詳細は、7.4項「ADF表コンポーネントにデータをダウンロードするためのOracle ADFコンポーネントの構成」を参照してください。
EditCustomers.xlsx
ワークブックでは、ワークシートStartup
イベントはADF表コンポーネントDownload
アクションを含むアクション・セットを起動します。ワークシート・イベントの構成の詳細は、8.2.4項「ワークシート・イベントからアクション・セットを起動する方法」を参照してください。
EditCustomers.xlsx
およびEditWarehouses.xlsx
ワークブックを使用して、エンド・ユーザーは、ADF表コンポーネントおよびフォーム・コンポーネントによりFusion Webアプリケーションからダウンロードされた顧客および倉庫情報を編集できます。UpdateComponent
プロパティが構成されている実行時ADF表コンポーネントの列を使用して、エンド・ユーザーは値を変更したり、変更をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。たとえば、エンド・ユーザーはEditCustomers.xlsx
のName、PhoneおよびAddress列に表示される値を変更できます。
StatusやChangedなど他の列は、ADF表コンポーネントに表示されて、アップロード操作や変更された列のステータス情報を提供します。
次の項では、この機能の実装方法の詳細を説明します。
ADF表コンポーネントの挿入の詳細は、7.3項「ExcelワークシートへのADF表コンポーネントの挿入」を参照してください。
Excel式の使用の詳細は、8.10項「統合Excelワークブックでの計算済セルの使用」を参照してください。
StatusやChangedなど特殊な列の詳細は、7.12項「ADF表コンポーネント内の特殊な列」を参照してください。
統合ワークブックを使用すると、エンド・ユーザーはADF表コンポーネントの変更済データをFusion Webアプリケーションにアップロードできます。アクション・セットが、ADF表コンポーネントのUpload
アクションを起動する実行時「アップロード」ボタン用に構成されています。この機能の実装の詳細は、7.8項「ADF表コンポーネントから変更をアップロードするためのADFコンポーネントの構成」を参照してください。