この章では、ドキュメント定義を作成および削除するプロセスについて説明します。また、ドキュメント・プロトコルの概念についても説明します。
ドキュメント定義の作成は、Oracle B2Bプロセス・フローの2番目のステップです。ドキュメント定義では、メッセージの検証に使用されるドキュメント・プロトコル(ドキュメント・プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプ)が指定されます。ドキュメント定義には、EDIおよびHL7メッセージの場合はECSファイル、XMLメッセージの場合はXSD/DTDを使用できます。
トランザクションのホスト取引パートナとリモート取引パートナの両方で、同じドキュメント定義を使用します。ドキュメント定義は、ドキュメント・プロトコル、プロトコル・バージョンおよびドキュメント・タイプの標準に準拠する必要があります。これは、Oracle B2Bドキュメント・エディタでドキュメント・ガイドライン・ファイルを作成し(ステップ1)、Oracle B2Bインタフェースでこれらのファイルをインポートしてドキュメント定義を作成(ステップ2)すれば難しいことではありません。
この章の内容は次のとおりです。
ドキュメント・プロトコルの詳細は、ドキュメント・プロトコルの使用 を参照してください
Oracle B2Bドキュメント・エディタで、カスタム・プロトコルおよび様々なガイドライン・ドキュメントを使用して、ほとんどのプロトコルを定義できます。新規ドキュメント・プロトコルを追加する場合は、常にカスタム・ドキュメントです。
Oracle B2Bでは、次のドキュメント・プロトコルをサポートしています。
カスタム
EDI_EDIFACT
EDI_X12
HL7
OAG
PositionalFlatFile
RosettaNet
UCCNet
UserDefined
ドキュメント定義の一部として、ドキュメント・ガイドライン・ファイルを指定します。このファイルは通常、Oracle B2Bドキュメント・エディタで作成されます(カスタム・ドキュメント用には、Oracle B2Bドキュメント・エディタは使用できません)。検証が有効な場合、実行時のペイロードは、使用するドキュメント定義ファイルのタイプに準拠している必要があります。
図4-1に示すように、ドキュメント・プロトコルは階層とみなすことができます。
ドキュメント・プロトコルは、複数のドキュメント・プロトコル・バージョンで構成できます。ドキュメント・プロトコル・バージョンは、複数のドキュメント・タイプで構成できます。ドキュメント・タイプは、複数のドキュメント定義で構成できます。通常、1つのドキュメント定義で作業を開始し、そのドキュメント定義を様々な取引パートナ向けにカスタマイズします。
図4-2に、EDI X12に適用されるドキュメント・プロトコル階層を示します。
Oracle B2Bインタフェースでは、ドキュメント定義を作成する際、そのドキュメント定義の名前にドキュメント・プロトコル階層が反映されます。
DocumentProtocol—Version—DocumentType—DocumentDefinitionName
例4-1に、EDI EDIFACTドキュメントに対する定義に反映される階層を示します。
例4-2に、Health Care 7受付/面会通知、およびX12バージョン4010発注に対するドキュメント定義の例を順番に示します。
例4-1 EDI EDIFACTドキュメントに対するドキュメント定義名
ドキュメント・プロトコル: EDI_EDIFACT
ドキュメント・プロトコル・バージョン: D98A
ドキュメント・タイプ: ORDERS
ドキュメント定義: ORDERS_def
結果のドキュメント定義:
EDI_EDIFACT-D98A-ORDERS-ORDERS-def
例4-2 HL7ドキュメントとX12ドキュメントに対するドキュメント定義名
HL7-2.3.1-ACK_A01-ACK_A01_Doc_Def
EDI_X12-4010-850-850def
Oracle B2Bドキュメント・エディタを使用してトランザクション・セット・ファイルを作成した後、Oracle B2Bインタフェースを使用してドキュメント定義を作成し、トランザクション・セット・ファイルをインポートします。
注意:
ドキュメント・バージョン、ドキュメント・タイプおよびドキュメント定義は、作成後には編集できなくなります。特定のドキュメント要素(バージョン、タイプまたは定義)を削除して、新しく作成する必要があります。作成後にドキュメント要素を更新すると、メタデータの不整合、メタデータ検証の問題、ランタイム・エラーが発生する原因となる場合があります。