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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Composerによるビジネス・プロセスの開発
12c (12.1.3)
E56243-04
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14 複合データ型を使用したデータ構造の定義

この章では、複合データ型を使用してプロセスベースのビジネス・アプリケーションで必要なデータ構造を定義する方法を説明します。Oracle Business Process Management (Oracle BPM)のビジネス・オブジェクトは複合データ型です。複合データ型は、BPMプロジェクトのビジネス・カタログの構成部分として定義します。定義した複合データ型は、アプリケーション内のデータを格納する複合データ・オブジェクトの定義に使用できます。

この章の内容は次のとおりです。

14.1 複合データ型の概要

複合データ型を使用して、Oracle BPMアプリケーションで必要なデータ構造を作成できます。複合データ型を使用すると、関連するデータ型をグループにまとめることができます。これにより、他のユーザーに対してプロセスが管理および読取りやすくなります。

Oracle Business Process Composerを使用すると、手動か、XMLスキーマに基づいて複合データ型を作成できます。

複合データ型の構造は、次の3つのコンポーネントで構成されます。

  • モジュール

    モジュールは、複合データ型内で階層構造の作成を可能にするコンテナです。各複合データ型には、最上位レベルのモジュールを1つ含める必要があります。モジュール内には、複合データ型または他のモジュールを作成できます。

  • 複合データ型

    モジュール内では、1つ以上の複合データ型を定義できます。複合データ型には、他の複合データ型またはモジュールを含めることができます。

  • 属性

    属性は複合データ型の最下位レベルのコンポーネントです。属性によって、複合データ型内のデータ型が定義されます。

また、複合データ型と属性には、ドキュメントの追加もできます。ドキュメントを追加すると、BPMプロジェクトでコラボレーションしている他のユーザーに対してデータ構造がわかりやすくなります。

次のプロセス例では、必要なデータを処理するため、異なる2つの複合データ型が定義されます。図14-1は、これらがビジネス・コンポーネント・エディタにどのように表示されるかを示しています。

図14-1 サンプル・プロジェクトで定義される複合定義型

図14-1の説明が続きます
「図14-1 サンプル・プロジェクトで定義される複合データ型」の説明

14.2 複合データ型の使用

Oracle Business Process Composerを使用すると、複合データ型とそのモジュールおよび属性を作成、編集および削除できます。

Oracle Business Process Composerを使用すると、手動か、XMLスキーマに基づいて複合データ型を作成できます。

14.2.1 複合データ型を手動で作成する方法

複合データ型は、ビジネス・コンポーネント・エディタから手動で作成できます。複合データ型を手動で作成する際は、複合データ型で使用されるモジュール、オブジェクトおよび属性間の階層関係を定義できます。複合データ型には、次のものを組み込むことができます。

  • 単純なデータ型

  • データ型の配列

  • 他の複合データ型をコンポーネントとして使用する複合データ型

注意:

モジュール、複合データ型および属性は、作成後に名前を変更できません。

図14-2に示されるように、次の新規ビジネス・コンポーネントはプロジェクトの「ようこそページ」にある「プロジェクト・コンポーネント」パネルから作成できます。

  • ビジネス・オブジェクト

  • ビジネス例外

  • 列挙オブジェクト

図14-2 プロジェクトの「ようこそページ」 - ビジネス・コンポーネント

図14-2の説明が続きます
「図14-2 プロジェクトの「ようこそページ」 - ビジネス・コンポーネント」の説明

14.2.1.1 新規ビジネス・オブジェクトの作成

新規ビジネス・オブジェクトを作成するには:

  1. プロジェクトの「ようこそページ」で、「ビジネス・コンポーネント」をクリックします。

  2. 図14-3に示されるように、「新規」アイコンをクリックして、「新規ビジネス・オブジェクト」を選択し、新規ビジネス・オブジェクトウィザードを開きます。

    図14-3 新規ビジネス・オブジェクトウィザード

    図14-3の説明が続きます
    「図14-3 新規ビジネス・オブジェクトウィザード」の説明
  3. 新しい複合データ型(ビジネス・オブジェクト)の名前を入力します。

  4. ドロップダウン・リストから親モジュールを選択します。

    複合データ型を新規作成する際は、親モジュールを選択する必要があります。現在モジュールが存在しない場合、新しく作成する必要があります。新規のモジュールを作成するには、次のようにします。

    1. 「+」アイコンをクリックします。

    2. 新しいモジュールの名前を入力して、「OK」をクリックします。

  5. 「XSDから」チェック・ボックスを選択したときに表示されるドロップダウン・リストから、スキーマを選択します。

  6. 「終了」をクリックして新規ビジネス・オブジェクトを作成するか、次のステップに進んで属性およびメソッドを追加します。

  7. 属性を追加するには「次」をクリックします。

    図14-4に示されるように「属性」ダイアログが表示されます。

    図14-4 新規ビジネス・オブジェクトウィザード - 「属性」ダイアログ

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 新規ビジネス・オブジェクトウィザード - 「属性」ダイアログ」の説明
  8. 「新規」アイコンをクリックして、属性を追加します。

    名前を入力し、型をデフォルトの「文字列」から変更する場合は「タイプの変更」をクリックします。

  9. 「終了」をクリックして新規ビジネス・オブジェクトを作成するか、次のステップに進んでメソッドを追加します。

  10. 「次へ」をクリックします。

    「メソッド」ダイアログが表示されます。「新規」(+)アイコンをクリックして、新規メソッドを追加します。

  11. 「終了」をクリックします。

    図14-2に示されるように、プロジェクトの「ようこそページ」の「ビジネス・コンポーネント」に新しい複合データ型が表示されます。

14.2.1.2 新規例外の作成

新規例外を作成する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクトの「ようこそページ」で、「ビジネス・コンポーネント」をクリックします。

  2. 図14-5に示されるように「新規」アイコンをクリックして、「新規ビジネス例外」を選択し、「新規ビジネス例外」ダイアログを開きます。

    図14-5 「新規ビジネス例外」ダイアログ

    図14-5の説明が続きます
    「図14-5 「新規ビジネス例外」ダイアログ」の説明
  3. 新規ビジネス例外の名前を入力します。

  4. ドロップダウン・リストから親モジュールを選択します。

    複合データ型を新規作成する際は、親モジュールを選択する必要があります。現在モジュールが存在しない場合、新しく作成する必要があります。新規のモジュールを作成するには、次のようにします。

    1. 「+」アイコンをクリックします。

    2. 新しいモジュールの名前を入力して、「OK」をクリックします。

  5. 型をデフォルトの「文字列」から変更する場合は「タイプの変更」をクリックします。

  6. 「作成」をクリックして、新規例外を作成します。

14.2.1.3 新規列挙オブジェクトの作成

新規列挙オブジェクトを作成する手順は、次のとおりです。

  1. プロジェクトの「ようこそページ」で、「ビジネス・コンポーネント」をクリックします。

  2. 図14-6に示されるように「新規」アイコンをクリックして、「新規列挙オブジェクト」を選択し、新規列挙オブジェクトウィザードを開きます。

    列挙オブジェクト(列挙)は、変数を事前定義された定数セットにできる特殊なデータ・オブジェクトです。

    図14-6 新規列挙オブジェクトウィザード

    図14-6の説明が続きます
    「図14-6 新規列挙オブジェクトウィザード」の説明
  3. 新規列挙オブジェクトの名前を入力します。

  4. ドロップダウン・リストから親モジュールを選択します。

    複合データ型を新規作成する際は、親モジュールを選択する必要があります。現在モジュールが存在しない場合、新しく作成する必要があります。新規のモジュールを作成するには、次のようにします。

    1. 「+」アイコンをクリックします。

    2. 新しいモジュールの名前を入力して、「OK」をクリックします。

  5. 型をデフォルトの「文字列」から変更する場合は「タイプの変更」をクリックします。

  6. 「終了」をクリックして新規列挙オブジェクトを作成するか、次のステップに進んで列挙アイテムを追加します。

  7. 「次」をクリックして、列挙アイテムを追加します。

    「列挙アイテム」ダイアログが表示されます。

  8. 「新規」アイコンをクリックして、列挙アイテムを追加します。名前と値を入力して、「OK」をクリックします。

  9. 「終了」をクリックして、新規列挙オブジェクトを作成します。

14.2.2 複合データ型作成時の処理

図14-2に示されるように、定義した複合データ型はプロジェクト・コンポーネント・パネルのビジネス・コンポーネントにある複合データ型のリストに表示されます。複合データ型を使用し、それをベースとして新規複合データ・オブジェクトを作成できます。また、複合データ型は、他の複合データ型の定義にも使用できます。

14.2.3 複合データ型の編集方法

複合データ型の作成後は、その属性、メソッドの型を追加または変更したり、ドキュメントを追加できます。また、例外、列挙オブジェクト、列挙アイテムの追加もできます。追加可能なコンポーネントは、図14-7に示すように階層内で強調表示したコンポーネントに基づきます。

図14-7 新規ビジネス・コンポーネントの追加例

図14-7の説明が続きます
「図14-7 新規ビジネス・コンポーネントの追加例」の説明

階層内でビジネス・コンポーネントを強調表示すると、ビジネス・コンポーネント・エディタの右側にその詳細が表示されます。詳細の編集またはドキュメントの追加が可能です。

階層内でコンポーネントを右クリックすると、そのコンポーネントの削除、コンポーネントの移動または階層内のセクションの折りたたみを選択できます。

新規モジュール、新規複合データ型または属性を追加する手順は、次のとおりです。

  1. 作成した複合データ型をクリックします。

    図14-8のようにビジネス・コンポーネント・エディタが開きます。

    図14-8 ビジネス・コンポーネント・エディタ

    図14-8の説明が続きます
    「図14-8 ビジネス・コンポーネント・エディタ」の説明
  2. 必要に応じて、複合データ型内に新しいモジュールを作成します。

    1. 複合データ型を右クリックして、「新規モジュール」を選択します。

    2. 新規モジュールの名前を入力して、「OK」をクリックします。

      新規モジュールを作成した後に、必要に応じてサブモジュールを追加作成できます。

  3. 必要に応じて、新しい複合データ型を作成します。

    1. モジュールを右クリックし、「新規ビジネス・オブジェクトの追加」を選択します。

    2. 名前を入力して「OK」をクリックします。

      複合データ型のリスト内に、新規の複合データ型が表示されます。必要に応じて、複合データ型内に追加の複合データ型またはサブモジュールを作成できます。

  4. 新しい属性を追加します。

    1. 複合データ型を選択して、メニューから「新規属性の追加」を選択します。

    2. 属性の名前を入力し、ドロップダウン・メニューからタイプを選択します。

  5. 「OK」をクリックします。

14.2.4 複合データ型、モジュールまたは属性の削除方法

ビジネス・コンポーネント・エディタを使用して、複合データ型、そのモジュールまたは属性を削除できます。

複合データ型、モジュールまたは属性を削除する手順は、次のとおりです。

  1. 図14-2に示されるように、プロジェクトの「ようこそページ」で、「ビジネス・コンポーネント」をクリックします。
  2. 削除する複合データ型の右にマウスを置きます。
  3. 「削除」アイコンをクリックし、「OK」をクリックします。

    注意:

    削除した複合データ型、モジュールまたは属性は復元できません。他のコンポーネントを含むモジュールまたは複合データ型を削除すると、コンポーネントも削除されます。ただし、削除された複合データ型またはモジュールに、いずれかの複合データ型に基づく属性が含まれる場合、その複合データ型は削除されません。