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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Managementプロジェクトの移行
12c (12.1.3)
E59419-04
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5 カタログの移行の理解

この章では、ビジネス・カタログ、事前定義済カタログ、およびイントロスペクトされたコンポーネントの移行を説明します。

この章の内容は次のとおりです。

5.1 ビジネス・カタログの移行

BPM移行ユーティリティにより、次のマッピングを使用してビジネス・カタログのコンポーネントが移行されます。

表5-1 ビジネス・カタログのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

モジュール

モジュール

BPMオブジェクト

ビジネス・オブジェクト

詳細は、「BPMオブジェクトの移行」を参照してください。

ビジネス例外

ビジネス例外

詳細は、「ビジネス例外の移行」を参照してください。

イントロスペクトされたオブジェクト

「イントロスペクトされたコンポーネントの移行」を参照してください

テスト・オブジェクト

移行されません。

列挙

列挙

次の要素の移行は制限されます。

  • Plumtreeコンポーネントを使用するスクリプト

  • JARファイルからイントロスペクトされた列挙を使用するプロジェクト

  • プロジェクトの依存性

これらの制限事項の詳細は、「制限事項」を参照してください。

5.1.1 ビジネス例外の移行

BPM移行ユーティリティでは、ビジネス・オブジェクトの移行と同様に例外を移行します。ただし、BPM 12c例外では、errorInfoという名前の属性1つのみが許可されるため、BPM移行ユーティリティではBPM 10gR3例外の名前を使用し、属性を1つのみ持つ例外を作成します。また、BPM 10gR3例外のすべての属性が含まれているビジネス・オブジェクトを作成し、元の例外の名前に接尾辞ExceptionPayloadを付加した名前を付けます。移行されたBPM 12c例外のerrorInfo属性は、このビジネス・オブジェクトを型として使用します。

5.2 BPMオブジェクトの移行

BPM移行ユーティリティでは、BPMオブジェクトが次のように移行されます。

表5-2 BPMオブジェクトの移行

BPMオブジェクト要素 12cの移行

名前

移行されます

属性

一部移行されます。詳細については、表5-3を参照してください。

メソッド

BPMスクリプトに移行されます。

詳細は、「Business Process Languageの移行の理解」を参照してください。

グループ

移行されません

プレゼンテーション

一部移行されます。

詳細は、「BPMオブジェクト・プレゼンテーションの移行」を参照してください。

継承

移行されます

ビジネス・オブジェクト間の継承の移行のみがサポートされています。詳細は、「既知の問題」を参照してください。

比較可能なプロパティ

移行されません

抽象プロパティ

移行されません

5.2.1 BPMオブジェクト属性の移行

BPM移行ユーティリティでは、BPMオブジェクト属性を次のように移行します。

表5-3 BPMオブジェクト属性の移行

10gr3属性要素 12cの移行

名前

移行されます。

ドキュメント

移行されます。

イメージ、フォント・タイプ、フォント・スタイル(太字、イタリック、下線など)およびフォント色は移行されません。

ほとんどの型が移行されます。詳細な説明は、表5-4を参照してください。

オーバーライドされたアクセス

移行されません。

有効な値

移行されません。

主キー

移行されません。

チェック式

移行されません。

必須の式

移行されません。

BPM移行ユーティリティでは、BPMオブジェクト属性の型が次のように移行されます。

表5-4 属性の型の移行

12cの移行

単純な型

Anyを除き、無効な型に移行されます。この場合は、BPM移行ユーティリティの実行後、有効な型を手動で選択する必要があります。

BPMオブジェクト・タイプ

移行されます

Java/事前定義済カタログ・タイプ

移行されません

RegExp

移行されません。属性は型が無効な型として作成されます。移行を手動で完了する必要があります。

配列

単純な型およびBPMオブジェクト型の配列は移行されます。

ビジネス・カタログの事前定義型配列はANY型の配列として移行されます。

AssociativeArray

移行されません。属性は型が無効な型として作成されます。移行を手動で完了する必要があります。

イテレータ

移行されません。属性は型が無効な型として作成されます。移行を手動で完了する必要があります。

仮想

移行されません。属性は通常の属性として作成されます。

5.2.2 BPMオブジェクト・プレゼンテーションの移行

BPM 10gR3の各オブジェクト・プレゼンテーションは、BPM 12cヒューマン・タスクに移行されます。

ヒューマン・タスクのペイロードには、BPM 10gR3 BPMオブジェクト・プレゼンテーションに表示される属性が含まれます。BPMグループのように移行がサポートされていない属性の型は、ヒューマン・タスクのペイロードに含まれません。

BPM移行ユーティリティにより、各ヒューマン・タスクについてタスク・フォーム・ウィザード・コンテキスト・ファイルが生成されます。このファイルには、レイアウトおよび参照情報が含まれます。タスク・フォーム・ウィザードを使用してフォームを作成すると、BPMオブジェクト・プレゼンテーションの設計に使用したレイアウトおよび参照情報を使用できます。

また、BPM移行ユーティリティでは、10gR3のBPMオブジェクト・プレゼンテーションのコールが移行済ヒューマン・タスクの使用に移行されます。

BPMオブジェクト・プレゼンテーションの移行の結果は次のようになります。

  • ヒューマン・タスク

    ヒューマン・タスクには、BusinessObjectFullName、"_"、PresentationNameおよび".xml"を連結した名前が付けられます

  • FormWizardInfoファイル

    このファイルには、フォームで使用された属性およびフォームのレイアウトに関する情報が含まれます。

    これは、"TaskFormUiCtx_"、BusinessObjectName、"_"およびPresentationName+".xml"を連結した名前を使用してHumanTaskディレクトリに格納されます

  • ペイロード・ファイル

    このファイルの名前と場所は、ヒューマン・タスクAPIによって定義されます。

タスク・フォーム・ウィザードでFormWizardInfoファイルを使用するには、ヒューマン・タスク・エディタを開き、「タスク・フォームの自動生成」オプションを選択します。ヒューマン・タスクと一致する名前のFormWizardInfoファイルが存在する場合、このオプションが選択可能になります。

5.3 事前定義済カタログの移行

BPM 12cでは、事前定義済カタログはサポートされていません。可能な場合、移行ユーティリティにより、事前定義済コンポーネントのメソッド使用はBPM 12cの対応するものに移行されます。

表5-5に、事前定義済カタログのすべてのコンポーネント・グループ(Fuegoブロック)を示し、可能な場合、どのようにすればBPM 12cで同様の動作が得られるかを説明しています。

表5-5 事前定義済カタログの移行

コンポーネント 12cの移行 詳細

Plumtree

使用不可

使用不可

Java

BPMスクリプトで使用可能

スクリプト・タスクおよびビジネス・メソッドでの使用は、Groovyから使用可能な同様のJavaメソッド起動に移行されます。単純な型またはビジネス・オブジェクトを取って返すメソッドのみが移行されます。

Javaタイプを返すメソッドは移行できません。

コンポーネントjava.net.InetAddressは移行できません。移行するメソッドにこのコンポーネントからのメソッドのコールが含まれている場合、移行はコンパイル・エラーで失敗します。推奨する回避策は、このコンポーネントを使用する10gR3プロジェクトのコードの行をコメント化し、移行を完了した後、コードのコメント化を解除して、手動で移行することです。

Fuego – XML – XMLObject

一部

XML定義はXSDファイルに移行されます。

ネイティブな使用(宣言、変数割当てなど)はBPMスクリプトに移行されます。

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – XML – DynamicXML

使用不可

遷移および条件には、ネイティブXPATHサポートを使用します。

Fuego – ルール

使用不可

複雑なビジネス・ルールは、Oracle Business Rulesを使用してください。

単純なビジネス・ルールの場合、この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – Social

使用不可

UMSアダプタを使用します。

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego - テスト

使用不可

Oracle BPM Studioのデバッガを使用します。詳細は、Oracle Business Process Management Studioによるビジネス・プロセスの開発BPMプロジェクトのデバッグを参照してください。

Fuego – RQL

使用不可

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – JMX

使用不可

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – UI

使用不可

-

Fuego – Webサービス

一部

Webサービス定義はWSDLファイルに移行されます。Oracle BPM SuiteおよびOracle SOA Suiteでは、Webサービス起動のネイティブ・サポートを提供しています。

Fuego – PAPI

手動移行

-

Fuego – FDI

使用不可

使用不可

Fuego – Util

使用不可

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – Lib

使用不可

この情報の一部は、BPM 12cの事前定義済変数によってサポートされています。また、カスタム拡張の作成に、BPMスクリプトおよび移行マッパー・フレームワークの使用も検討してください。

Fuego – Lang

使用不可

-

Fuego – Net

使用不可

-

Fuego – NetX

使用不可

-

Fuego – Msg

使用不可

-

Fuego – Auth

使用不可

-

Fuego – Bis

使用不可

-

Fuego – Chart

使用不可

チャートおよびレポート機能には、Oracle BAMを使用してください。

Fuego – Corba

使用不可

この機能を置換するカスタム・コンポーネントを追加するように、スクリプト・マッピング・フレームワークおよびスクリプト・カスタム・ライブラリを拡張できます。すると、fuegoブロック・コンポーネントの使用を、作成したカスタム・コンポーネントに移行できます。

Fuego – EJB

使用不可

-

Fuego – IO

使用不可

-

Fuego – SQL

使用不可

データベース・アダプタを使用します。

Fuego – COM

使用不可

レポートには、Oracle Business Intelligence Publisherを使用してMicrosoft ExcelおよびMicrosoft Wordレポートを生成します。

Fuego – Dynamic

使用不可

-

5.4 イントロスペクトされたコンポーネントの移行

BPM 12cではコンポーネントのイントロスペクションはサポートされていませんが、Oracle BPM Suiteの機能またはOracle SOA Suiteの機能を使用する外部コンポーネントとの統合をサポートしています。

表5-6に、BPM 10gR3のイントロスペクトされたコンポーネントがどのようにBPM 12cに移行されるかを示します。

表5-6 イントロスペクトされたコンポーネントの移行

テクノロジ 12cの移行

ビジネス・オブジェクト

自動移行。

COM

使用不可。

.NET

使用不可。

SQL

使用不可。

BPM 12cのスタック・レベルのデータベース・アダプタを使用できます。

SQL問合せ

使用不可。

EJB

BPM 12cでは使用不可。Oracle SOA Suiteを使用してEJBを追加できます。

列挙

自動移行。

XMLスキーマ

移行ユーティリティは、イントロスペクトされたスキーマ・メタデータを使用して、移行されたプロジェクトにXSDファイルを作成します。

詳細は、「イントロスペクトされたXMLスキーマの移行」を参照してください。

JNDI

使用不可。

JMX

使用不可。

JPD

使用不可。

Webサービス統合を使用して、この機能を再作成できます。

Java

ライブラリは手動で移行する必要があります。BPMスクリプトから、それに含まれているメソッドとクラスを起動します。詳細は、Oracle Business Process Management Studioによるビジネス・プロセスの開発のBPMスクリプトの作成に関する項を参照してください。

Oracle Service Bus

移行ユーティリティにより、WSDL定義ファイルが作成されます。

SAP

使用不可。

Corba

使用不可。

Webサービス

WSDLは、XMLスキーマの説明と同様の制限付きで移行されます。「イントロスペクトされたXMLスキーマの移行」を参照してください。

BPM 12cではBPMスクリプトからWebサービスを起動することはできないため、Webサービスを起動するBusiness Process Languageコードの移行はできません。Webサービスはサービス・タスクを使用して手動で統合できます。

5.4.1 イントロスペクトされたXMLスキーマの移行

BPM移行ユーティリティでは、XMLスキーマを次のように移行します。

  • XMLスキーマは、BPMプロジェクトのSOA/Schemasディレクトリにコピーされます。

  • WSDL定義は、BPMプロジェクトのSOA/WSDLsディレクトリにコピーされます。

インポート・タグ

イントロスペクトされたXMLスキーマまたはWSDL定義にインポート・タグが含まれていて、その結果、インポートされたスキーマに対応する追加のファイルが生成される可能性があります。

イントロスペクトされたメタデータには、元のファイル名が保存されていません。BPM移行ユーティリティでは、10gR3のイントロスペクトされたコンポーネントのコンテナ・モジュール名に、ファイルが複数存在する場合は相対的な番号を付加した名前が、これらのファイルに付けられます。

この場合は、移行ユーティリティによってログにメッセージが追加され、ファイルの名前を変更するよう警告されます。ファイルの名前を変更する際は、必ずこれらのファイルへの参照の名前も変更してください。

ネームスペースのサポート

BPM 10gR3ではネームスペース定義のないスキーマがサポートされていますが、BPM 12cではサポートされていません。ネームスペース定義が含まれないスキーマを移行する必要がある場合、次のいずれかを実行します。

  • 元のスキーマにネームスペースを追加し、移行プロセスを実行する前に、再度イントロスペクトします。

  • ファイルを手動で移行済プロジェクトにコピーします。インポート・タグが正しい場所を指すように確認してください。

また、WSDL定義に含まれている埋込みスキーマも変更してください。

保護されたネームスペース

次のネームスペースは12cバージョンで内部的に使用されています。10gr3プロジェクトがこのネームスペースを使用している場合、移行を実行する前に変更する必要があります: http://xmlns.oracle.com/bpel/workflow/

ファイル名の検証

BPM 12cでは、有効なXMLスキーマおよびWSDL定義が必要です。BPM移行ユーティリティによって移行中に無効な名前が検出された場合、警告メッセージがログに記録され、移行が続行されます。無効な名前は、10gR3イントロスペクション中に無効な構造が無視されたことが原因になっている可能性があります。

コンパイルの問題を回避するために、BPM 12cでこれらのファイルの名前を変更する必要があります。

5.5 プロジェクト依存関係の移行

BPM移行ユーティリティでは、プロジェクトの依存関係プロパティを移行しません。プロジェクトに他のプロジェクトとの依存関係が存在する場合、BPM移行ユーティリティによって、ソース・プロジェクトのビジネス・カタログ・コンポーネントが移行先の12c BPMプロジェクトのビジネス・カタログに移行されます。

移行されたカタログには、BPM 10gR3の元のプロジェクトの、ベース・プロジェクトおよび依存プロジェクトの両方のコンポーネントが含まれます。