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Oracle® Fusion Middleware Oracle HCM Cloudアダプタの使用
リリース12.1.3
E67365-01
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アダプタのアーキテクチャ

このアダプタには、次の主な機能が含まれます。

サービス・カタログ・サービス

アダプタ構成中に指定するWSDLのURLは、サービス・カタログ・サービスWSDLのURLである必要があります。サービス・カタログ・サービスは、統合用として使用可能な外部サービスのリストを返すFusion Applicationサービスです。サービス・カタログ・サービスには次の機能があります。

  • クラウド・インスタンスでプロビジョニングされます。

  • 特定のクラウド・インスタンスに関するパブリック外部サービス情報を提供します。これには、パッチおよびカスタマイズに導入されている新しいサービスが反映されます。

  • サービス・カタログ・サービスがプロビジョニングされたクラウド・インスタンス上のパブリック外部サービスのエンドポイントおよびメタデータを取得します。返される情報は、特定のクラウド・インスタンスに固有のものであり、インスタンスに適用されたパッチに導入されている可能性がある新しいサービスが反映されます。パートナおよび顧客は、Oracle Applicationsクラウド内のOracle Fusion Applicationsでこのサービスを使用することにより、クラウド・インスタンス上で使用可能なSOAPサービスをプログラムで検出したり、ビジネス・オブジェクトを管理するためのSOAPサービスを呼び出すために必要なメタデータを取得できます。

ビジネス・オブジェクト

サービスによって実装されるビジネス・オブジェクトは、属性のコレクションが含まれる論理エンティティの階層で構成されています。たとえば、オポチュニティ・サービスはオポチュニティ・ビジネス・オブジェクト上で定義されます。オポチュニティ・ビジネス・オブジェクトは、オポチュニティ・コンタクトやオポチュニティ・リードなどの多くのエンティティで構成されています。ビジネス・オブジェクトは、サービスの動作基盤となる機能オブジェクトです。これには、オポチュニティ、セールス・アカウント、セールス・リード、マーケティング、キャンペーンおよびセールス・フォーキャストなどが含まれます。

ビジネス・オブジェクト通知

ビジネス・オブジェクトは関連オブジェクトにグループ化され、関連オブジェクトはより高度な関連オブジェクトにグループ化されます。たとえば、オポチュニティ・サービス・ビジネス・オブジェクトには次の値が含まれます。
  • CRM : Opportunity Management: オポチュニティ

上記の値は、サービスがオポチュニティ・オブジェクトに対して動作していることを意味します。オポチュニティ・オブジェクトはオポチュニティ管理と呼ばれる関連オブジェクト・セットにグループ化され、関連オブジェクトはCRM (Customer Relationship Management)と呼ばれるより大規模な関連オブジェクト・セットにグループ化されます。オポチュニティ管理グループに含まれる他のビジネス・オブジェクトは、販売方法および販売収益です。CRM内の他の論理ビジネス・プロセス・グループは、リード管理およびパートナ管理です。

ビジネス・オブジェクト・サービスのライフサイクル

ビジネス・オブジェクト・サービスは、次の3つのライフサイクル・フェーズを通過します。

  • アクティブ: このフェーズは、サービスが最初に提供された時点で開始され、非推奨になる時点まで継続します。

  • 非推奨: サービスは、新しいバージョンのサービスに取って代わられた場合や、将来のリリースで廃止が予定されている場合に非推奨となる可能性があります。非推奨ステータスは、サービスが依然としてサポートされているが将来のリリースで廃止されることを意味します。

    非推奨サービスは、これらがサポートされていないことを意味するわけではありません。これらは、廃止されるまでサポートが継続されます。非推奨サービスは、非推奨サイクルを通過する必要があります。このサイクル中、このサービスが将来的に取り消されることがユーザーに通知されます。ただし、このサービスは依然としてサポートが必要なサービスのままです。

    選択したビジネス・オブジェクトまたはサービスのライフサイクル値が非推奨である場合、警告メッセージが表示されます。ビジネス・オブジェクトまたはサービスによって置換ビジネス・オブジェクトまたはサービスに関する情報が取得された場合、この情報も表示される場合があります。この情報は、サービスのWSDL内の注釈要素内の情報です。

    サービスWSDLの一部を次に示します。

    <wsdl:documentation xmlns:oer="http://xmlns.oracle.com/oer">
    <name>Opportunity Service</name>
    <description>A service to create, update, get, find, or delete opportunities.
     WARNING: This service will be deprecated and replaced with a newer version in the upcoming release.</description>
    <oer:lifecycle>Active</oer:lifecycle>
    <oer:compatibility>Supported - Backward Compatibility Assured</oer:compatibility>
    . . .
    <oer:category name="lbo">
    <value>CRM-CRM : MOO-Opportunity Management : MOO_OPPORTUNITY-Opportunity</value>
    </oer:category>
    </wsdl:documentation>

    新しいサービスは、より新しいアクティブ・バージョンのサービスを消費する必要があり、既存の顧客は、より新しいアクティブ・バージョンのサービスに移行する必要があります。

  • 廃止: サービスは、もはや出荷またはサポートされていません。

サポータビリティ

パブリック外部SOAPサービスは、廃止されるまでライフサイクル全体にわたってサポートされます。逆に、プライベートだと見なされており、パートナおよび顧客による消費の対象ではないサービスは、サポートされません。

クラウド・サービス

クラウドWebサービス(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloud用)は、クラウド(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)と統合するためのプログラムを構築するために使用できるAPI (Application Programming Interface)へのアクセスを提供します。APIは、クラウド・オブジェクトへのインタフェースが記述された一連のWSDLファイルで構成されています。これは、クラウド情報(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloud用など)にアクセスするためのプログラム・インタフェースを提供します。顧客アプリケーションでは、標準のWebサービス開発ツールを介してWSDLファイルを使用します。WebサービスAPIを使用すると、クラウド(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)と統合するためのプログラムを構築できます。

クライアント統合の一般的な例としては、CRMアプリケーションやバックオフィス・アプリケーションとの統合があります。クラウド(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)から販売情報やマーケティング情報を取得し、財務アプリケーションや他のバックオフィス・アプリケーションで使用できます。たとえば、最近クローズしたオポチュニティに関する情報をWebサービス・インタフェースを介して取得し、Webサービス・ユーザー・インタフェースを持つ注文入力システムにこの情報を挿入できます。また、バックオフィス・アプリケーションからの情報を格納し、カスタム・フィールドで表示することにより、ユーザーが簡単にアクセスできるようにすることもできます。

セキュリティ

Fusion Webサービスにアクセスする前に、クラウド・サービス(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)にアタッチされているセキュリティ・ポリシーに従ってユーザー資格証明を提供する必要があります。認証が成功したら、ユーザーはログインし、データをアクセスおよび取得するためのWebサービス・リクエストを発行できるようになります。クラウドWebサービスはすべてステートレス(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)です。この場合、各Webサービス・コールはアトミック・トランザクションであり、永続セッションには関連付けられていません。ステートレスWebサービス・コールの管理は、基礎となるFusionフレームワークによって処理され、エンド・ユーザーからは分離されます。