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Oracle® Fusion Middleware Oracle Coherenceリモート・クライアントの開発
12c (12.1.3)
E56210-03
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2 クライアント・ディストリビューションのインストール

この章では、Coherence C++および.NETのクライアント・ディストリビューションのインストール手順について説明します。Javaクライアント用の別個のディストリビューションはありません。Java Extendクライアントは、Coherence for Javaを使用して作成されます。

この章には次の項が含まれます:

2.1 Coherence for Javaのインストール

Coherence for Javaディストリビューションは、JavaベースのExtendクライアントの構築および使用の際に使用します。Coherence for Javaをインストールするには、『Oracle Coherenceでのアプリケーションの開発』のOracle Coherence for Javaのインストールに関する項を参照してください。

2.1 C++クライアント・ディストリビューションのインストール

Oracle Coherence for C++ディストリビューションは、C++ Extendクライアントの開発および実行の際に使用します。ディストリビューションの最新バージョンは、Oracle Technology NetworkのCoherence製品に関するページからダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/htdocs/coherence.html

この項は次のトピックで構成されています。

2.2.1 サポートされている環境

表2-1は、Coherence for C++がサポートされているプラットフォームおよびオペレーティング・システムのリストです。

表2-1 Coherence for C++がサポートされているプラットフォームとオペレーティング・システム

オペレーティング・システム コンパイラ アーキテクチャ

Microsoft Windows Server 2003以降

MSVC 2010、MSVC 2012

x86、x64

Sun Solaris 10+

SunPro 5.9以降脚注 1 ,脚注 2 

SPARC、x86、x64

Linux

GCC 4.1.2以降、GNU libc 2.5以降

x86、x64

Apple OS X 10.7+脚注 3 脚注 4 

GCC 3.4以降

x64


脚注 1 具体的には、Sun C++ 5.9 SPARCパッチ124863-14以降がサポートされています。

脚注 2 具体的には、Sun C++ 5.9 x86/x64パッチ124864-14以降がサポートされています。

脚注 3 OS X Lion (10.7)とMountain Lion (10.8)が含まれます。

脚注 4 Apple OS X 10.9 (Mavericks)でC++アプリケーションを作成するとき、コマンド"g++" ("CC"に対するものとして)でコンパイルして、パラメータ"-mmacosx-version-min=10.7"を使用する必要があります。

2.2.2 Microsoft固有の要件

Microsoft Windowsにデプロイする場合は、MSVCベースのアプリケーションの場合と同様に、対応するMSVCランタイム・ライブラリをデプロイメント・コンピュータにインストールする必要があります。

2.2.3 Coherence for C++ディストリビューションの抽出

Coherence for C++はZIPファイルとして配布されます。ZIPユーティリティまたはunzipコマンド行ユーティリティを使用して、ターゲット・コンピュータの任意の場所にZIPファイルを解凍します。抽出されたファイルは、coherence-cppという単一のディレクトリ内にまとめられています。

次の例では、unzipユーティリティを使用して、/optディレクトリ(UNIXベースのオペレーティング・システムで推奨されるインストール・ディレクトリ)にディストリビューションを抽出します。unzipユーティリティが使用できない場合は、ターゲットのオペレーティング・システムで提供されているZIPユーティリティを使用します。

unzip /path_to_zip/coherence-cpp-version_number-platform-architecture-compiler.zip -d /opt

次の例では、unzipユーティリティを使用して、Windowsオペレーティング・システムのC:\ディレクトリにディストリビューションを抽出します。

unzip C:\path_to_zip\coherence-cpp-version_number-platform-architecture-compiler.zip -d C:\

インストール・ディレクトリに含まれているディレクトリの説明は、次のとおりです。

  • bin – このディレクトリに含まれるsanka.exeは、共有ライブラリ内に埋め込まれている実行可能クラスを起動するアプリケーション・ランチャです。

  • doc – このディレクトリには、Coherence for C++に関するドキュメント(APIドキュメントを含む)が含まれています。

  • include - このディレクトリには、Coherence APIを使用し、アプリケーションとともにコンパイルする必要があるヘッダー・ファイルが含まれています。

  • lib – このディレクトリにはCoherence for C++ライブラリが含まれています。coherence.dllファイルは、開発およびランタイム用のメイン・ライブラリです。これについては、このドキュメント全体で詳細に説明します。

2.3 .NETクライアント・ディストリビューションのインストール

Oracle Coherence for .NETディストリビューションは、.NET Extendクライアントの開発および使用の際に使用します。ディストリビューションの最新バージョンは、Oracle Technology NetworkのCoherence製品に関するページからダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/htdocs/coherence.html

この項は次のトピックで構成されています。

2.3.1 前提条件

Coherence for .NETを使用するには、次のものが必要です。

  • Microsoft .NET 2.0以上のランタイムとSDK:

    http://www.microsoft.com/download/en/default.aspx

    .NETクライアント・インストーラは、.NETフレームワーク3.5以前が存在するかのデプロイメント・チェックを実行します。適切なバージョンが存在しないと、デプロイメント・チェックは失敗します。Windows 8で.NETフレームワーク4.5を使用するシステムでは、.NETフレームワーク3.5を有効にして、デプロイメント・チェックを通るようにします。.NETフレームワーク3.5を有効にするには、コントロール・パネルを使用して「プログラムと機能」「Windows機能の有効化または無効化」の順に選択します。.NETクライアントのインストールが完了すると、.NETフレームワーク3.5を無効にできます。.NETフレームワーク3.5をWindows 8にインストールする方法の詳細は、次を参照してください。

    http://windows.microsoft.com/en-us/windows-8/net-framework-windows-8

  • サポートされているMicrosoft Windowsオペレーティング・システム(前述の該当する.NETランタイムのシステム要件を参照)

  • MSHelp 2.xランタイム。これは、Visual Studio 200x、および次のリストにあるMicrosoft製品に含まれています。

    http://www.helpware.net/mshelp2/h20.htm#MS_H2_Runtime

  • Coherence for Javaディストリビューションの一部として提供されているexample.zipファイル内の例を構築および実行するには、Microsoft Visual Studio 2008以上が必要です。

2.3.2 インストーラの実行

Coherence for .NETは、インストーラを含むZIPファイルとして配布されています。ZIPユーティリティまたはunzipコマンド行ユーティリティを使用して、ターゲット・コンピュータの任意の場所にインストーラを抽出します。次の例では、unzipユーティリティを使用して、C:\ディレクトリにインストーラを抽出します。

unzip C:\path_to_zip\coherence-net-version_number.zip -d C:\

インストーラを実行する手順は、次のとおりです。

  1. ZIPファイルの抽出先のディレクトリで、coherence-net-version.msiファイルをダブルクリックします。

  2. インストーラの指示に従ってインストールを完了します。


注意:

インストーラの実行中に、インストールをロールバックすると表示された場合は、実行モードのレベルを上げてインストーラを実行します。たとえば、管理者の権限でコマンド・プロンプトからMSIファイルを実行すれば、インストール・プロセスを完了できます。Windows 7の場合は、コマンド・プロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。

インストール・ディレクトリに含まれているディレクトリの説明は、次のとおりです。

  • bin – このディレクトリにはCoherence for .NETライブラリが含まれています。Coherence.dllファイルは、開発およびランタイム用のメイン・ライブラリです。これについては、このドキュメント全体で詳細に説明します。

  • config – このディレクトリには、Coherenceクライアント構成ファイル用のXMLスキーマと、Coherenceで定義したユーザー定義型に対するPOF構成ファイルが含まれています。

  • doc – このディレクトリには、Coherence for .NETに関するAPIドキュメントが含まれています。APIドキュメントは、HTMLヘルプ(Coherence.chm)、MSHelp 2.0およびMS Help Viewerです。

2.3.3 Coherence .NETバージョン番号マッピング

Coherenceアセンブリは、カスタム・バージョン番号マッピングを使用します。Oracleバージョン番号は5桁 (N.N.N.N.N)を使用しますが、.NETバージョン番号は4桁(N.N.N.N)までしか使用できません。.NETのバージョン規則をサポートするために、.NETのバージョンの4桁目にOracleの4桁目および5桁目を組み合せます。

.NETのバージョンの4桁目の作成には次の計算が使用されます:

.NET4桁目= Oracle4桁目 * 1000 + Oracle5桁目

.NETのバージョンの4桁目をOracleのバージョンの5桁目に変換するには次の計算が使用されます:

Oracle4桁目= int(.NET4桁目 / 1000)

Oracle5桁目= .NET4桁目 - (Oracle4桁目 * 1000)

例:

.NETバージョン番号 Oracleバージョン番号
12.1.2.0 12.1.2.0.0
12.1.2.1 12.1.2.0.1
12.1.2.1000 12.1.2.1.0
12.1.2.1001 12.1.2.1.1
12.1.2.2010 12.1.2.2.10
12.1.2.10010 12.1.2.10.10


注意:

ロギングでは.NETの4桁目がOracleの4桁目および5桁目に変換されるため、JavaおよびC++のログ・メッセージと同じようにロギング・メッセージが表示されます。

2.3.4 Coherence for .NETのデプロイ

Coherence for .NETには、専用のデプロイメント構成は必要ありません。bin\フォルダにあるCoherence.dllへの参照を、Microsoft.NETアプリケーションに追加するのみです。

2.4 Coherence*Extendのバージョン間の互換性

ExtendプロトコルとPOFシリアライズの互換性はポイント・リリース間(1.0、1.1など)では維持されますが、メジャー・リリース間(1.0、2.0など)では維持されない可能性があります。


注意:

POFでは、後方互換のシリアライズ変更がサポート可能なため、POFを使用する場合は互換性が要求されます。

12.1.2.0.1より前のリリースでは、Extendクライアントはクラスタ・プロキシとの前方互換性のみをサポートしています。つまり、Extendクライアントは、(同じメジャー・リリース内の)同じバージョン番号以上のクラスタ・プロキシと接続可能です。

リリース12.1.2.0.1以降では、Extendクライアントはクラスタ・プロキシとの前方互換性および後方互換性を両方ともサポートしています。つまり、Extendクライアントは、より小さいバージョン番号またはより大きいバージョン番号のクラスタ・プロキシと接続可能です。たとえば、12.1.2.0.2のExtendクライアントは、12.1.2.0.1のプロキシに接続できます。Extendクライアントの後方互換性は、12.1.2.0.1よりも前のプロキシ・バージョン(12.1.2.0.0およびプロキシ・バージョン3.7.1以前を含む)ではサポートされていません。

Coherence 12.1.2.0.0のExtendクライアントは、12.1.2.0.0以降のクラスタ・プロキシが必要です。12.1.2.0.0以外(たとえば12.1.2.0.1や12.1.2.0.2)のCoherence 12.1.2のExtendクライアントでは、12.1.2.0.1以降のクラスタ・プロキシが必要です。

クラスタ・プロキシの後方互換性は、パッチ適用を目的としています。これによって、プロキシ・サーバーおよびクラスタがパッチ適用される前にExtendクライアントが新しいパッチ・バージョンにアップグレードされることを可能にします。ただし、クラスタもパッチ適用するまでは、Extendクライアントは最新の機能および修正を使用できません。ベスト・プラクティスとしては、クラスタは常に最新バージョンにアップグレードしておく必要があります。

Coherence 12.1.3の後方互換性の例外

Coherence 12.1.3クラスタ・プロキシは、バージョン3のExtendクライアント(3.3、3.4、3.5、3.6および3.7)と後方互換性があります。つまり、バージョン3のクライアントは、12.1.3のクラスタ・プロキシと接続可能です。12.1.3の後方互換性は、前述のCoherence*Extendのメジャー・リリース互換性ポリシーの例外の1つです。クラスタ・プロキシの12.1.3より後のバージョンには、現在の例外が含まれず、後方互換性が維持されません。