この章では、Oracle Coherence原型を使用して、Oracle Coherenceアプリケーションを作成、ビルドおよびデプロイする方法について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
Mavenプラグインおよび原型がOracle Coherenceグリッド・アーカイブ(GAR)プロジェクト用に提供されています。表11-1に、Maven座標を示します。
表11-1 CoherenceでのMaven座標
アーティファクト | groupId | artifactId | version |
---|---|---|---|
Coherenceプラグイン |
|
|
|
Coherence原型 |
|
|
|
表11-2に、Oracle Coherenceプラグインでサポートされているゴールを示します。
Coherence Maven原型を使用して新規Coherenceプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを発行してください。
mvn archetype:generate -DarchetypeGroupId=com.oracle.coherence -DarchetypeArtifactId=maven-gar-archetype -DarchetypeVersion=12.1.3-0-0 -DgroupId=org.mycompany -DartifactId=my-gar-project -Dversion=1.0-SNAPSHOT
このコマンドにより、Mavenのarchetype:generate
ゴールが実行され、原型から新規プロジェクトを作成できます。表11-3に、パラメータを示します。
表11-3 Coherenceプロジェクトのパラメータ
パラメータ | 目的 |
---|---|
|
新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup IDを識別します。これは、 |
|
新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact IDを識別します。これは、 |
|
新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョンを識別します。これは、 |
|
新規プロジェクトのgroup IDを識別します。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。 |
|
新規プロジェクトのartifact IDを識別します。通常、これはプロジェクトの識別子です。 |
|
新規プロジェクトのversionを識別します。新規プロジェクトの場合、これは通常 |
また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。
mvn archetype:generate
プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。
表11-4で説明されているように、プロジェクトには複数のファイルが含まれています。
表11-4 Coherenceプロジェクト用に作成されるファイル
ファイル | 目的 |
---|---|
|
新規プロジェクトについて記述するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイル。プロジェクトに指定したMaven座標が含まれ、Coherence Mavenプラグインを使用してプロジェクトをgarファイルにビルドするための適切なプラグイン定義も含まれます。 |
|
初期Coherenceキャッシュ構成ファイルです。 |
|
GARファイルの初期Coherence GARデプロイメント・ディスクリプタです。 |
|
初期Coherence Portable Object Format (POF)構成ファイルです。プラグイン・オプション |
プロジェクトでPOFを使用する場合は、次のパラメータをプロジェクトのPOMファイルに追加する必要があります。
パラメータ | 目的 |
generatePof |
このプラグイン・オプションがtrue である場合は、POF構成ファイルが生成され、最終GARファイルに挿入されます。構成ファイルは、GARのクラスパスでクラスcom.tangosol.io.pof.annotation.Portable が注釈付けされたすべてのクラスをスキャンして生成されます。デフォルトでは、POF構成メタデータは生成されません。 |
適切に生成されたpof-config.xml
を使用してGARを生成するには、POMのGARプラグイン構成ファイルに次を追加します。
<build> <plugins> … <plugin> <groupId>com.oracle.coherence</groupId> <artifactId>maven-gar-plugin</artifactId> <version>12.1.3-0-0</version> <extensions>true</extensions> <configuration> <generatePof>true</generatePof> </configuration> </plugin> … </plugins> </build>
プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。
プロジェクトのソース・コードをコンパイルするには、次のコマンドを実行します。
mvn compile
コンパイル済のソースをGARにパッケージ化するには、次のコマンドを実行します。これにより、パッケージ化までのすべてのステップ(コンパイルを含む)が実行されることに注意してください。
mvn package
GARをWebLogic Server環境のCoherence Containerにデプロイするには、いくつかの追加構成をプロジェクトのPOMファイルに追加する必要があります。これは、次の例に示すように、Oracle WebLogic Mavenプラグインを使用してGARをデプロイする命令を追加することで行います。
<plugin> <groupId>com.oracle.weblogic</groupId> <artifactId>weblogic-maven-plugin</artifactId> <version>12.1.3-0-0</version> <executions> <!--Deploy the application to the server--> <execution> <phase>pre-integration-test</phase> <goals> <goal>deploy</goal> </goals> <configuration> <adminurl>t3://localhost:7001</adminurl> <user>weblogic</user> <password>welcome1</password> <!--The location of the file or directory to be deployed--> <source>${project.build.directory}/${project.build.finalName}.${project.packaging}</source> <!--The target servers where the application is deployed--> <targets>AdminServer</targets> <verbose>true</verbose> <name>${project.build.finalName}</name> </configuration> </execution> </executions> </plugin>
このセクションをPOMに追加した後、次のコマンドを使用してGARをコンパイルおよびパッケージ化し、WebLogic Serverにデプロイします。
mvn verify
実際のアプリケーションでは、GARプロジェクトだけでなく、GARで確立されたCoherenceキャッシュを操作するなんらかのクライアント・プロジェクトも存在する場合があります。Coherence GARおよびCoherence GARと相互作用するWebアプリケーション(WAR)が含まれた例については、第15章「Mavenを使用した実際のアプリケーションのビルド」を参照してください。