ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成
12c (12.1.3)
E56223-02
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

3 コマンド行からのリポジトリ作成ユーティリティの実行

この章では、コマンド行からRCUを実行する方法について説明します。

コマンド行インタフェース(CLI)は、アプリケーションのデプロイ時に、Oracle Fusion MiddlewareインストーラおよびEnterprise Managerとの統合を行うために必要です。また、Xサーバーが構成されていない場合や、適切な表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合にも、CLIを使用できます。

この章は、次の項で構成されています。

3.1 コマンド行の構文およびパラメータ

RCUのコマンド行インタフェースの構文は、次のとおりです。

rcu mode operation {parameters}

2つのモード(-silentおよび-interactive)と、4つの操作(-createRepository-generateScript-dataLoadおよび-dropRepository)があり、コマンドは次のように記述できます。

rcu [-silent | -interactive] [-createRepository | -generateScript | -dataLoad | -dropRepository] {parameters}

この項の表では、各モード、操作およびパラメータについて説明します。

表3-1では、コマンド行から使用可能なRCUモードを示して説明します。

表3-1 コマンド行から使用可能なRCUモード

コマンド 説明

-silent

コマンド行から最小限のやり取りで、またはやり取りなしでRCUを実行します。

詳細は、第3.2項を参照してください。

-interactive

RCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

(指定されているかどうかに関係なく)このコマンドにより、コマンド行で指定されたとおりに、特定の画面に情報をあらかじめ設定することができます。あらかじめ情報を設定できるのは、「リポジトリの作成」および「データベース接続の詳細」です。

詳細は、第3.3項を参照してください。


表3-2では、コマンド行から実行可能なRCU操作を示して説明します。

表3-2 コマンド行から実行可能なRCU操作

コマンド 説明

-createRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを作成します。

詳細は、第3.4項を参照してください。

-generateScript

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、システム・ロード用のスクリプトを生成します。

詳細は、第3.5項を参照してください。

-dataLoad

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリにデータをロードします。

詳細は、第3.6項を参照してください。

-dropRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを削除します。

詳細は、第3.7項を参照してください。


表3-3では、様々なコマンド行パラメータを示して説明します。

表3-3 RCUのコマンド行パラメータとその説明

パラメータ 必須 有効な操作 説明

-compInfoXMLLocation

いいえ

すべて

ComponentInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/config (UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\oracle_common\rcu\config (Windowsオペレーティング・システム)です。

-storageXMLLocation

いいえ

すべて

StorageInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/config (UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\oracle_common\rcu\config (Windowsオペレーティング・システム)です。

-databaseType

いいえ

すべて

接続するデータベースのタイプ。

完全なDBA権限を持つユーザーとしてシステム・ロードと製品ロードを同時に実行する場合、有効なオプションはORACLESQLSERVERIBMBD2MYSQLまたはEBRです。

システム・ロードおよび製品ロードを同時に実行する権限を持たないが、スクリプトを生成する必要がある場合は、ORACLEおよびEBRデータベース・タイプのみを使用できます。

システム・ロードおよび製品ロードの詳細は、第1.2.1項を参照してください。

-connectString

はい

すべて

データベースに接続するための資格証明。

OracleまたはEBR対応のデータベースについては、次の形式を使用します。

host:port:sid

その他すべてのデータベース・タイプについては、次の形式を使用します。

server_name/host:port:database_name

-edition

いいえ

すべて

エディション名。これは、databaseType=EBRを指定する場合にのみ有効です。

-dbUser

はい

すべて

データベース・ユーザー名(たとえば、Oracleデータベースのデフォルトのユーザー名はSYS)。

-dbRole

いいえ

すべて

データベース・ユーザー・ロール(たとえば、OracleデータベースのSYSユーザーの場合はSYSDBA)。

-unicodeSupport

いいえ

-createRepository

-dropRepository

Unicodeのサポートについて、YesまたはNoを指定します。デフォルトはYesです。これは、databaseType=SQLSERVERを指定する場合にのみ有効です。

-skipCleanupOnFailure

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

スキーマの作成に失敗した場合に、スキーマのクリーンアップをスキップするかどうか。有効な値はYesまたはNoのいずれかです。デフォルトはNoです。

-scriptLocation

いいえ

-generateScript

システム・ロード・リポジトリに対して生成されたスクリプトを保存する場所を指定します。

-useSamePasswordForAllSchemaUsers

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

すべてのスキーマに同じパスワードを使用するかどうか。有効な値は、trueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。

-selectDependentsForComponents

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

ご使用のコンポーネントの依存スキーマが、RCUによって自動的に選択されるかどうか。有効な値は、trueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。

-variables

いいえ

すべて

variablename=value形式のカンマ区切り変数。RCU環境変数のリストについては、第3.8項を参照してください。

-schemaPrefix

いいえ

すべて

スキーマの接頭辞。スキーマ接頭辞の詳細は、第1.2.5項および第A.4項を参照してください。

-component

はい

すべて

追加または削除するコンポーネントのID。1つのコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID

複数のコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID -component component_ID

有効なコンポーネント(スキーマ) IDのリストについては、付録Bを参照してください。依存コンポーネントが原因で複数のコンポーネントが必要な場合があります。たとえば、Audit Services (IAU)のスキーマがまだ存在しない場合は、Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマは作成できません。このような場合は、両方のスキーマを指定する必要があります。

-component OPSS -component IAU

-tablespace

はい

-createRepository

-generateScript

コンポーネントの表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。

-tempTablespace

はい

-createRepository

-generateScript

コンポーネントの一時表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。


3.2 -silentコマンドの使用

コマンドを入力した後、最小限のやり取りでRCUを実行するには、-silentを指定します。このコマンドでは、必須のコマンド行パラメータをすべて指定する必要があります。例:

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component component

このシナリオでは、データベースおよびコンポーネント・スキーマのパスワードをコマンド行で指定するように求められます。複数のコンポーネントを指定する場合は、コンポーネントの指定順にパスワードを入力するように求められます。

コマンド行とのやり取りをまったく行わないようにする場合は、必要なパスワードをすべて含むテキスト・ファイル(1行に1個のパスワード)を作成し、-fオプションを使用してこのパスワード・ファイルをRCUに渡すことができます。たとえば、passwordfile.txtというファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component component1_name -component component2_name -f < passwordfile.txt

passwordfile.txtファイルの行は、次の順になります。

database_password
component1_schema_password
component2_schema_password

ファイルのパスワードを、コマンド行のコンポーネントと同じ順序で指定することが重要です。

インストールが完了したら、パスワード・ファイルを削除する必要があります。パスワードはクリアテキスト形式で保持されるため、インストール後もパスワード・ファイルが残っていると、セキュリティ上の危険があります。

3.3 -interactiveコマンドの使用

-interactiveを指定してRCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

RCU操作を効率よく進めるために、コマンド行で情報を指定してグラフィカル・インタフェースに追加できます。たとえば、RCUを次のコマンドで実行するとします。

./rcu

「データベース接続の詳細」ページには、次のように空白のフィールドが表示されます。

RCUの「データベース接続の詳細」画面
図database_interactive_1.gifの説明

一方、コマンド行でいくつかのパラメータを指定してRCUを実行するとします。

./rcu -interactive -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser SYS -component MDS

「データベース接続の詳細」ページには、コマンド行で指定された情報が反映されます。

RCUの「データベース接続の詳細」画面
図database_interactive_2.gifの説明

3.4 コマンド行からのリポジトリの作成

リポジトリを作成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -createRepository
   [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|EBR]]
   -connectString database_connect_string
   [-edition edition_name]
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-unicodeSupport [Yes|No]]
   [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]]
   [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
   [-selectDependentsForComponents [true|false]]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema_prefix]
   -component component_ID
   -tablespace component_tablespace_name
   -tempTablespace component_temp_tablespace_name

正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocationパラメータは-componentパラメータの前には指定しないでください。

-componentを指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、付録Bに一覧表示されています。

スキーマを作成する前に、ロードするコンポーネントのすべての依存性を認識し、指定する必要があります。たとえば、SOAINFRAスキーマはMDSスキーマとORASDPMスキーマに依存します。MDSスキーマとORASDPMスキーマの両方を指定せずにSOAINFRAスキーマをロードしようとした場合、またはMDSスキーマとORASDPMスキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、ロードが実行される前にRCUが停止します。

次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを作成するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -createRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS

3.5 コマンド行からのシステム・ロード・スクリプトの生成

システム・ロード・スクリプトを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -generateScript
   [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|EBR]]
   -connectString database_connect_string
   [-edition edition_name]
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]]
   [-scriptLocation script_location]
   [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
   [-selectDependentsForComponents [true|false]]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema_prefix]
   -component component_ID
   -tablespace component_tablespace_name
   -tempTablespace component_temp_tablespace_name

正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocationパラメータは-componentパラメータの前には指定しないでください。

-componentを指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、付録Bに一覧表示されています。

スクリプトの作成前に、すべてのコンポーネントの依存関係を意識して指定する必要があります。たとえば、SOAINFRAスキーマはMDSスキーマとORASDPMスキーマに依存します。MDSスキーマとORASDPMスキーマの両方を指定せずにSOAINFRAスキーマを指定する場合、またはMDSスキーマとORASDPMスキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、操作が完了する前にRCUが停止します。

次に、UNIXオペレーティング・システムでシステム・ロード・スクリプトを作成するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -generateScript -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -scriptLocation /home/Oracle/Products/Oracle_Home/oracle_common/rcu/log/logdir.date_timestamp -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS

3.6 コマンド行からのリポジトリへのデータのロード

リポジトリにデータをロードするためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -dataLoad
   [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|EBR]]
   -connectString database_connect_string
   [-edition edition_name]
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]]
   [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
   [-selectDependentsForComponents [true|false]]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema_prefix]
   -component component_ID

次に、UNIXオペレーティング・システムでデータのロードを実行するサンプル・コマンドは次のとおりですう。

./rcu -silent -dataLoad -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS

3.7 コマンド行からのリポジトリの削除

リポジトリを削除するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -dropRepository
   [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
   [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
   [-databaseType [ORACLE|EBR]]
   -connectString database_connect_string
   [-edition edition_name]
   -dbUser database_username
   [-dbRole database_user_role]
   [-unicodeSupport [Yes|No]]
   [-variables variablename=value]
   [-schemaPrefix schema prefix]
   -component component_ID

正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocationパラメータは-componentパラメータの前には指定しないでください。

また、スキーマを削除する場合は、スキーマの依存関係も意識する必要があります(付録Bを参照)たとえば、一部のスキーマにはMDSスキーマが必要であり、MDSスキーマを削除すると、MDSスキーマを必要とするすべてのスキーマが機能しなくなります。

次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを削除するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -dropRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS

3.8 RCU環境変数

表3-4は、RCUが環境から取得する変数を示しています。その環境変数が設定されていない場合は、デフォルト値が使用されます。

表3-4 RCU環境変数

変数 デフォルト 説明

RCU_LOG_LOCATION

ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/log (UNIXオペレーティング・システム)

ORACLE_HOME\oracle_common\rcu\log (Windowsオペレーティング・システム)

RCUログ・ファイルの場所。

RCU_TIMESTAMP_LOG_DIR

true

RCUログ・ファイル用にlogdir.yyyy-dd_hh-mmという形式のディレクトリを作成するかどうかを決定します。

この変数をtrueまたはfalseに設定します。

RCU_LOG_NAME

rcu.log

RCUログ・ファイルの名前。

RCU_LOG_LEVEL

ERROR

RCUログ・レベルを決定します。

この変数をSEVEREERRORNOTIFICATIONTRACEのいずれかに設定します。