この章では、Oracle JDeveloperのアクセシビリティ機能について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
オラクル社は、障害のあるお客様にもオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントを簡単にご利用いただけることを目標としています。Oracle JDeveloperでは、アクセシビリティの各機能をサポートしています。Oracle製品のアクセシビリティに関する追加情報は、次の場所の「Oracle Accessibility Program」を参照してください。
スクリーン・リーダーなどの障害支援技術がJavaベースのアプリケーションやアプレットで動作するためには、Windowsベースのコンピュータに、SunのJava Access Bridgeをインストールしておく必要があります。スクリーン・リーダーの設定手順と、推奨される最小テクノロジ・スタックの詳細は、「Oracle JDeveloperのインストール」を参照してください。
Oracle JDeveloperには、アクセシビリティをサポートするための機能が用意されています。
Oracle JDeveloperでは、JDeveloperの各機能に対するキーボード・アクセスをサポートしています。キーボード・アクセスの概要は、後述します。JDeveloper内部でのキーの割当て方法、およびコマンドに設定されているショートカット・キーのサマリーは、キーボード・ナビゲーションのトピックを参照してください。
キーボード・アクセスによって、メニューおよびツールバーでは次の機能を使用できます。
ユーザーはどのメニュー項目にも移動し、それを起動することができます。
すべてのツールバー機能は、メニュー項目からもアクセスできます。
すべてのメニューおよびメニュー項目には、一意で機能的なニーモニック・キーが用意されています。
ウィンドウおよびソース・エディタ内のすべてのコンテキスト・メニューを起動することができます。
使用頻度の高いメニュー項目には、一意のアクセラレータ・キーが用意されています。
「アプリケーション」ウィンドウ、「構造」ウィンドウ、ソース・エディタ、「プロパティ」ウィンドウ、「制約」、プロファイラ、「デバッガ」ウィンドウ、「ヘルプ」ウィンドウ、「ログ」ウィンドウおよびBC4J TesterなどのJDeveloper IDEのウィンドウでは、次の機能を使用できます。次の操作が可能です。
開いているすべてのウィンドウ間、ウィンドウまたはペイン内のすべてのノード間、ウィンドウ内のタブ間の自由な移動
ウィンドウまたはペインへのフォーカスの移動
ウィンドウまたはペイン内のすべてのコントロールの起動と、基本的な操作の実行
「プロパティ」ウィンドウでプロパティを移動および更新します。
ソース・エディタでのコード・インサイトおよびコード・テンプレートの使用。
状況依存のヘルプ・トピックの呼出し、任意のヘルプ・トピックの選択と表示、ナビゲーションおよびビューア・タブ間の移動
該当するJDeveloperのウィンドウを開く、閉じる、ドッキング/ドッキング解除する、最小化、リストアおよび最大化する各操作。
ヒント:
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Oracle JDeveloperのダイアログおよびウィザードでは、次の機能を使用できます。
すべてのウィザードおよびダイアログで、任意のコントロールへ移動し、コントロールを起動できます。
[Tab]キーによるフォーカス移動の順序は、論理的で一貫しています。
コントロールには、必要に応じてニーモニック・キーが用意されています。
ランタイム・アプリケーションにおいても、コントロールの移動と起動が可能です。これには、Javaアプリケーション、HTMLアプリケーション、アプレット、JSF (Faces)アプリケーション、JSPおよびサーブレットなど、Oracle JDeveloperで作成するすべての実行可能ファイルが該当します。ランタイム・アプリケーションでは、次の操作が可能です。
すべてのランタイム・アプリケーションにおける、任意のコントロール間の移動。
すべてのランタイム・アプリケーションにおける、任意のコントロールの起動。
スクリーン・リーダーを使用した場合の、JDeveloperの読上げへの対応は次のとおりです。
メニューおよびツールバーで使用した場合:
すべてのメニューおよびメニュー項目を読み上げます。
ウィンドウのツールバー項目を含む、すべてのツールバー項目を読み上げます。
すべてのツールバー項目のヒント・テキストを読み上げます。
JDeveloper IDEのウィンドウで使用した場合:
開いているすべてのウィンドウを読み上げます。
タブなど、各ウィンドウ内のすべてのコンポーネントを読み上げます。
IDEの下部、およびソース・エディタ内のステータス・テキストを読み上げます。
ダイアログおよびウィンドウで使用した場合:
すべてのウィザードおよびダイアログ内の、すべてのコントロールを読み上げます。
ヒント・テキストを読み上げます。
ランタイム・アプリケーションで使用した場合:
すべてのランタイム・アプリケーション内の、すべてのコントロールを読み上げます。
JDeveloperのユーザー・インタフェースでは、色およびフォントの選択を柔軟にすることによって、視覚障害を持つユーザーのための操作性を向上しています。フォントおよび色については、次のような機能があります。
エディタの表示に使用されるフォントの種類およびサイズを指定できます。
製品のすべての機能は、白または灰色の背景色と、黒のテキスト色を使用しています。
色付きの文字、下線表示または画像のみに依存して情報を提示することはありません。
JDeveloperでは、どのような状況でも、ユーザーへのフィードバックが音声のみで行われることはありません。音声によるフィードバックには、常にスクリーン上の表示が伴います。たとえば、エラーまたは不正な操作が発生した場合のプロンプトには、常に警告音が伴います。
JDeveloperでは、カーソルの点滅やアニメーションの使用は最小限に抑えられています。
ソース・エディタでのカーソルの点滅を除き、すべての機能で、点滅による表示は使用していません。
すべての機能で、アニメーション表示は使用していません。
「アプリケーション」ウィンドウのノード上で[Enter]キーを押すと、そのファイルに対してデフォルト・エディタが開きます。デザイン・ビューではなくソース・ビューまたは履歴ビューでJSPファイルを表示する場合など、ドキュメントに使用可能なエディタ間の切替えを行うには、[Alt]+[Page Up]や[Alt]+[Page Down]のアクセラレータ・キーを使用して、「ウィンドウ」→「移動先」→「右のエディタ」、および「ウィンドウ」→「移動先」→「左のエディタ」の各メニュー・コマンドを起動できます。
複数行の編集フィールド内のテキストをスクリーン・リーダーで読み上げる場合は、[Shift]キーを押しながら、最初のカーソル位置に応じて矢印キーでカーソルを上または下に移動することで、テキストを選択できます。
「ログ」ウィンドウで例外スタックHTMLリンクまたはJavadocリンクを生成すると、これらはリンクとして認識されなくなり、スクリーン・リーダーでプレーン・テキストとして読み上げます。リンクにアクセスするには、カーソルのフォーカスを「ログ」ウィンドウに設定します。マウスで右クリックするか、[Shift]+[F1]キーを同時に押し、コンテキスト・メニューから「別名保存」を選択します。「ログ」ウィンドウの内容がHTMLファイルとして保存されます。この保存したHTMLファイルをプロジェクトまたはアプリケーションにリソースとして追加します。ファイルを「アプリケーション」ウィンドウから開くとOracle JDeveloper HTML/JSPビジュアル・エディタが起動し、リンクを正しく表示できます。HTML/JSPビジュアル・エディタでファイル内を移動し、リンクにアクセスします。
JDeveloperでは、キーボードの操作、IDEの表示属性、時間設定などユーザーの必要に応じた様々なカスタマイズ機能が提供されています。すべてのカスタマイズ機能は、「プリファレンス」ダイアログにまとめられています。必要に応じて操作性を最適化するためには、次のデフォルト設定を、使いやすくカスタマイズした設定に変更することをお薦めします。
デフォルトのアクセラレータ・キーは、「ツール」→「設定」→「ショートカット・キー」ページで追加および変更できます。操作に慣れた初期設定キーマップをロードすることもできます。
競合するアクセラレータ・キーをJAWSに渡すには、マップ済アクセラレータ・キーを変更する方法以外に、[Insert]キーを押しながら[F3]キーを押してから、競合するアクセラレータ・キーの組合せを入力する方法があります。
Oracle JDeveloperのデフォルトのルック・アンド・フィールは、「ツール」→「設定」→「環境」ページで変更できます。ルック・アンド・フィールは、メニューやボタンなどのオブジェクトの表示色および形状を決定します。
エディタでの表示に使用されるフォントおよびフォント・サイズは、「ツール」→「プリファレンス」→「コード・エディタ」→「フォント」ページで変更できます。
ソース・エディタで構文ハイライトに使用されるフォント・スタイルおよび前景色と背景色は、「ツール」→「設定」→「コード・エディタ」→「構文の色指定」ページで変更できます。
Oracle JDeveloperには、視覚障害を持つユーザーのための機能と同等の、高度なビジュアル機能が用意されています。
UIおよびビジュアル・エディタ。ソース・エディタに、同等の機能があります。ソース・エディタでは、ページやUI要素を完全に設計できます。
「コンポーネント」ウィンドウ。ソース・エディタに同等の機能があります。「コンポーネント」ウィンドウで選択可能な要素やタグを、ソース・エディタにも入力できます。
キーストロークを使用して、「コンポーネント」ウィンドウからコンポーネントをUIまたはビジュアル・エディタに追加できます。
Oracle JDeveloperには、モデリング機能もあります。キーストロークのみを使用してダイアグラムでエレメントを作成、編集および移動できます。