この章では、Oracle Managed File Transferを使用して、ソース、ターゲットおよび転送で構成されるファイル配信構造を設計する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Managed File Transferコンソールで「設計」ページを使用してファイル転送を設計する前に、紙またはホワイトボードの上で転送を設計する必要があります。
転送は、1つのソースを1つ以上のターゲットとリンクするアーティファクトです。転送には、転送に影響を与えるコンテンツ・フィルタや他のアクションを追加できます。転送を作成する前に、転送で実行する必要がある内容の詳細を決定する必要があります。次の仕様について検討します。
送信元。ここからファイルを転送します。ソースと呼ばれます。
宛先。ここにファイルを転送します。ターゲットと呼ばれます。
送信元と宛先が、ファイル・システム・ディレクトリとWebサービス・エンドポイントURLのどちらであるか。送信元と宛先は、B2BやHealthcareなどの他のアプリケーションに存在することも可能です。
ファイルのサイズが大きい場合、ファイルではなく、参照をWebサービス宛先に渡すことができます。
送信元と宛先のアクセス・パラメータ: ユーザー名、パスワード、セキュリティ証明書およびファイル・システム権限
ファイル形式: バイナリ、XMLまたはテキスト
形式または名前に基づいて一部のファイルを追加または除外する必要があるかどうか。
ファイルを圧縮または圧縮解除する必要があるかどうか。
ファイルを暗号化または復号化する必要があるかどうか。
ファイルを名前変更、移動、アーカイブまたは削除する必要があるかどうか。
ファイル配信を特定の時刻または時間範囲にスケジュールする必要があるかどうか。
注意:
「アーティファクト検索」タブを使用して、変更を加えて再使用または再作成できるソース、ターゲットまたは転送が存在するかどうかを確認できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTオンライン・ヘルプのアーティファクト検索に関する項を参照してください。
ソースとターゲットは、複数の転送で再使用できます。複数の転送で1つのソースを使用することは、転送ファンアウトと呼びます。1つの転送で複数のターゲットを使用することは、ターゲット・ファンアウトと呼びます。1つのソースとそれに関連付けられているすべての転送とターゲットをまとめてフローと呼びます。
ソースをターゲットとして使用することおよびターゲットをソースとして使用することはできません。ただし、ターゲットとソースが同じ場所を参照することはできます。したがって、ある転送のターゲットを別の転送のソースにすることで、転送チェーンを作成できます。
各転送の仕様を決定することに加えて、全体的なファイル配信構造の中で必要なファンアウトとチェーンを綿密に計画する必要があります。「Oracle Managed File Transferの機能的なユース・ケース・パターン」の例を参照してください。
ターゲットの作成およびソースとターゲットの作成は、どちらが先でもかまいません。ただし、転送をデプロイするには、1つのソースと少なくとも1つのターゲットが必要です。
このプロセスの手順は次のとおりです。
必要なプロパティのほとんどが設定されている転送が既存の場合は、それを複製して使用できます。「既存の転送の複製」を参照してください。
コンテンツ・フィルタは、転送に適用するファイル名と拡張子のパターン条件を指定します。コンテンツ・フィルタが定義されていない場合、ソース・エンドポイントのすべてのファイルが転送されます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
転送タブを開いてターゲットの左側にある矢印をクリックすると、ターゲット・タイプに応じて異なるターゲット固有のオプションの転送設定が表示されます。
ターゲット・タイプが「ファイル」、「FTPリモート」または「sFTPリモート」である場合、サブフォルダ設定が表示されます。これにより、転送固有のサブフォルダがターゲットの場所に追加されます。
ターゲット・タイプがHTTP SOAベースのWebサービス・タイプ(「B2B」、「Healthcare」、「SOAP」、「SOA」、「Service Bus」または「ODI」)である場合、次の「配信プリファレンス」が表示されます。
配信方法: 配信方法として、「インライン」または「参照」(デフォルト)を指定します。「インライン」の場合、実際のファイルはSOAメッセージ・ペイロードで送信されます。「参照」の場合は、ファイルへのリンクが送信されます。
参照タイプ: 参照タイプとして、「FTP」(デフォルト)、「ファイル」または「sFTP」を指定します。内部ポート番号と外部ポート番号を、「管理サーバーのプロパティ」ページの「拡張配信プロパティ」領域で設定できます。
最大インライン・サイズ(バイト): インライン配信の最大サイズをバイト単位で指定します。
転送にターゲットを追加した後、その転送を編集して、圧縮、圧縮解除(ファイル・タイプのみ)、暗号化または復号化を前処理アクションとして追加できます。圧縮解除は、ファイル・タイプのターゲットの後処理アクションとしても追加できます。
ソースの前処理を構成できます。「ソース処理アクションの設定」を参照してください。
前処理と後処理のカスタム・アクションも作成できます。「カスタム・コールアウトによる転送の処理」を参照してください。
注意:
後処理は、ファイル配信の後に実行されます。したがって、配信が成功して後処理が失敗した場合、「監視」ページの「ダッシュボード」タブの「アクティブな配信」ビューと「ファイル・ファインダ」ビューに表示されるステータスは異なります。具体的には、「アクティブな配信」ビューでは「完了」ステータスが表示されますが、「ファイル・ファインダ」ビューでは「失敗」ステータスが表示されます。
注意:
ソースとそのソースを使用するターゲットに同じ処理アクションを追加すると、そのアクションが2回実行されます。たとえば、ソースとターゲットに圧縮を追加すると、転送するファイルが2回圧縮されます。
複数ファイルの前処理の圧縮解除は、ターゲット・タイプがSOAP、SOA、Service BusおよびODIの場合にのみサポートされます。その他のターゲット・タイプでは、圧縮ファイルに複数のエントリがある場合には、前処理の圧縮解除エラーが発生します。
注意:
Oracle Managed File Transferの外部でFTPクライアントを使用してバイナリ・ファイルをソースの場所にコピーする際は、バイナリ転送として構成する必要があります。そうしないと、ファイルが破損する可能性があります。圧縮や暗号化などの処理アクションは正常に動作しない可能性があります。
転送でファイルをターゲットに配信する前に、ファイルを圧縮または圧縮解除できます。どちらのアクションも、転送構成で指定できます。
前処理での複数ファイルの圧縮解除は、「配信方法」が「参照」に設定されている、SOAP、SOA、Service BusおよびODIの各タイプのターゲットでのみサポートされます。この場合、ZIPファイル内のファイルは一意のランダムなディレクトリに抽出され、このディレクトリへの参照のみがターゲットに送信されます。このディレクトリは、ターゲット・レポートの「ターゲット前処理」セクションにリストされます。詳細は、「ターゲット・レポート」を参照してください。
注意:
複数ファイルの圧縮解除の後に追加されている処理関数は無視されます。他のタイプのターゲットを前処理で圧縮解除して複数ファイルが生成される場合、圧縮解除アクションでエラーが発生します。
このプロセスの手順は次のとおりです。
転送する前に、ファイルを暗号化または復号化できます。どちらのアクションも、転送構成で指定できます。
注意:
暗号化アクションまたは復号化アクションを追加する前に、PGPキーストアを構成し、証明書をインポートする必要があります。
制限されている鍵の長さまたはアルゴリズムを使用してMFTの外部でPGPツールによってペイロードが暗号化されている場合、MFTでの復号化は失敗します。このような制限のほとんどは、JAVA_HOME\jre7\lib\securityディレクトリでJREレベルで指定されています。
このプロセスの手順は次のとおりです。
ターゲット・タイプがファイルの場合のみ、転送の後に、ファイルを圧縮解除できます。このアクションは、転送構成で指定できます。
後処理での複数ファイルの圧縮解除はサポートされています。この場合、圧縮解除されたファイルは、ターゲットの場所の下のZIPファイルと同じ名前(拡張子なし)のディレクトリに抽出されます。たとえば、ターゲットの場所が/tmp/mft、複数エントリを持つ転送されたファイルの名前がorder.zipである場合、圧縮解除されたファイルは/tmp/mft/orderに抽出されます。
注意:
複数ファイルの圧縮解除の後に追加されている処理関数は無視されます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
最小限の設定でソースを作成できます。作成した後は、編集してさらに設定を追加できます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
必要なプロパティのほとんどが設定されているソースが既存の場合は、それを複製して使用できます。「既存のソースの複製」を参照してください。
Oracle Managed File Transferには、次のソース・タイプがあります。
FTP埋込みソース・タイプを使用することは、ファイルをOracle Managed File Transferに埋め込まれているFTPサーバーにアップロードして、Oracle Managed File Transferがそのファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「フォルダ」は、ファイル転送元の埋込みFTPサーバー・ディレクトリを指定します。
注意:
ソースがデプロイおよび有効化される前から埋込みFTPソース・ディレクトリに存在するファイルは無視されます。デプロイまたは有効化の後にディレクトリにアップロードされたファイルのみが検出され、転送されます。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-FTP埋込みに関する項を参照してください。
sFTP埋込みソース・タイプを使用することは、ファイルをOracle Managed File Transferに埋め込まれているsFTPサーバーにアップロードして、Oracle Managed File Transferがそのファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「フォルダ」は、ファイル転送元の埋込みsFTPサーバー・ディレクトリを指定します。
注意:
ソースがデプロイおよび有効化される前から埋込みsFTPソース・ディレクトリに存在するファイルは無視されます。デプロイまたは有効化の後にディレクトリにアップロードされたファイルのみが検出され、転送されます。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-sFTP埋込みに関する項を参照してください。
FTPリモート・ソース・タイプを使用することは、Oracle Managed File Transferの外部のFTPサーバーからファイルを転送することを意味します。表2-1に、「ソース」ダイアログのFTPリモート・タイプ固有の設定を示します。
表2-1 「ソース」ダイアログのFTPリモート・ソース・タイプの設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
ホスト名 |
ホスト名を指定します。 |
フォルダ |
ファイルの転送元のディレクトリを指定します。 |
ユーザー |
ソースにアクセスするユーザーを指定します。 |
パスワード |
ユーザー・パスワードを指定します。 |
パスワードの確認 |
ユーザー・パスワードを確認します。 |
制御ポート |
ソースのポートを指定します。 |
SSL |
選択されている場合、SSLの使用を指定します。これはオプションです。 |
暗黙的SSL |
選択されている場合、暗黙的SSLの使用を指定します。これはオプションです。 |
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-FTPリモートに関する項を参照してください。
MVSメインフレーム・システムのFTPリモート・ソース・タイプを作成する際には、拡張プロパティで「リスト・パーサー・キー」としてMVSを選択する必要があります。
MVS FTPレスポンス形式では、MVSはHFS(UNIXスタイル)レスポンスまたはMVSネイティブ・レスポンス形式を使用するよう構成できます。
MVS転送のFTPリモート・ソース設定
次の図で示すようにFTPリモート・ソース・タイプを構成します。
注意:
次に示す形式では、次のプロパティを選択する必要があります。ディレクトリの変更=”true”
「コンテンツ・フォルダ」は必須で、「'FOLDER'」の形式にする必要があります。
FTPパス・セパレータ = ””
絶対パス開始 = ””
リスト・パーサー・キー = MVS
sFTPリモート・ソース・タイプを使用することは、Oracle Managed File Transferの外部のsFTPサーバーからファイルを転送することを意味します。表2-2に、「ソース」ダイアログのsFTPリモート・タイプ固有の設定を示します。
表2-2 「ソース」ダイアログのsFTPリモート・ソース・タイプの設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
ホスト名 |
ホスト名を指定します。 |
フォルダ |
ファイルの転送元のディレクトリを指定します。 |
ユーザー |
ソースにアクセスするユーザーを指定します。 |
パスワード |
ユーザー・パスワードを指定します。 注意: MFTは、$で始まるプロパティをパラメータとして扱います。$で始まるsFTPパスワードについては、$の前にバックスラッシュ(または円記号)を追加してください。これが該当するのは、先頭の$についてのみです。それ以外の$がパスワードにあっても、そこにはバックスラッシュ(または円記号)を追加しないでください。例: $xyz$123の場合、パスワードは\$xyz$123と入力します。 |
パスワードの確認 |
ユーザー・パスワードを確認します。 |
制御ポート |
ソースのポートを指定します。 |
認証タイプ |
認証タイプとして、パスワードまたは公開鍵を指定します。 注意: リモートSFTPサーバーの場合、秘密鍵パスフレーズはサポートされません。 |
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-sFTPリモートに関する項を参照してください。
ファイル・ソース・タイプを使用することは、ローカル・ファイル・システムまたはネットワーク接続システムからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「フォルダ」は、ファイル転送元のディレクトリを指定します。このディレクトリは、Oracle Managed File Transferからアクセス可能である必要があります。
Oracle Managed File Transferは、Oracle SOA Suiteと同じファイル・アダプタを使用します。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-ファイルに関する項を参照してください。
SOAP Webサービス・タイプを使用することは、Webサービス・エンドポイントからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送元のWebサービス・エンドポイントを指定します。
WebサービスとしてOracle Managed File Transferと統合する場合の詳細は、「Webサービスとの統合」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-SOAPに関する項を参照してください。
SOAソース・タイプを使用することは、SOAアプリケーションのWebサービス・インタフェースからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定は場所のURLで、SOAが使用するWebサービス・エンドポイントの接尾辞の部分を指定します。
例: http://<HOST:PORT/mftapp/services/transfer/<URL>?WSDL
Oracle Managed File TransferとOracle SOA Suiteの統合の詳細は、「Oracle SOA Suiteとの統合」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-SOAに関する項を参照してください。
Service Busソース・タイプを使用することは、Oracle Service BusアプリケーションのWebサービス・インタフェースからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送元のWebサービス・エンドポイントを指定します。
Oracle Managed File TransferとOracle Service Busの統合の詳細は、「Oracle Service Busとの統合」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-Service Busに関する項を参照してください。
B2Bソース・タイプを使用することは、Oracle B2B取引パートナからファイルを転送することを意味します。B2Bが配置されている場合、必須設定はありません。最も重要な設定として、「取引パートナ名」および「ドメインの別名」があり、それぞれファイル転送元のエンドポイントおよびファイル転送元のドメインを指定します。
Oracle Managed File Transferで取引パートナを定義するには、「B2Bとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-B2Bに関する項を参照してください。
Healthcareソース・タイプを使用することは、HealthcareドメインのOracle B2Bからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「エンドポイント名」は、ファイル転送元のエンドポイントを指定します。もう1つの重要な設定として「ドメインの別名」があり、ファイル取得元のドメインを指定します。
Oracle Managed File TransferでHealthcareドメインを定義するには、「Healthcareとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-Healthcareに関する項を参照してください。
ODIソース・タイプを使用することは、Oracle Data IntegratorアプリケーションのWebサービス・インタフェースからファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送元のWebサービス・エンドポイントを指定します。
Oracle Managed File TransferでODIドメインを定義するには、「Oracle Data Integratorとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ソース作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのソース-ODIに関する項を参照してください。
ソースを作成した後、そのソースを編集して、圧縮、圧縮解除、暗号化または復号化などの処理アクションを追加できます。
転送の処理アクションを構成できます。「転送の前処理と後処理のアクションの設定」を参照してください。
前処理と後処理のカスタム・アクションも作成できます。「カスタム・コールアウトによる転送の処理」を参照してください。
注意:
ソースとそのソースを使用する転送に同じ処理アクションを追加すると、そのアクションが2回実行されます。たとえば、ソースと転送に圧縮を追加すると、転送するファイルが2回圧縮されます。
前処理の圧縮解除では、複数のエントリがある圧縮ファイルでエラーが発生します。
注意:
Oracle Managed File Transferの外部でFTPクライアントを使用してバイナリ・ファイルをソースの場所にコピーする際は、バイナリ転送として構成する必要があります。そうしないと、ファイルが破損する可能性があります。圧縮や暗号化などの処理アクションは正常に動作しない可能性があります。
転送する前に、ファイルを圧縮または圧縮解除できます。どちらのアクションも、ソース構成で指定できます。
注意:
ソースでの複数ファイルの圧縮解除はサポートされていません。SOAP、SOA、Service BusまたはODIの各タイプのターゲットで前処理アクションとして、またはファイル・タイプのターゲットで後処理アクションとしてのみサポートされます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
転送する前に、ファイルを暗号化または復号化できます。どちらのアクションも、ソース構成で指定できます。1つの暗号化または復号化のアルゴリズムをソース構成に追加できます。
注意:
暗号化アクションまたは復号化アクションを追加する前に、PGPキーストアを構成し、証明書をインポートする必要があります。
制限されている鍵の長さまたはアルゴリズムを使用してMFTの外部でPGPツールによってペイロードが暗号化されている場合、MFTでの復号化は失敗します。このような制限のほとんどは、JAVA_HOME\jre7\lib\securityディレクトリでJREレベルで指定されています。
このプロセスの手順は次のとおりです。
ソースを作成した後、そのソースを編集して、アーカイブおよび削除をファイル操作として追加できます。ファイルをアーカイブするように構成している場合、そのファイルは指定された物理ターゲット・ディレクトリにコピーされます。ファイルを削除するように構成している場合、そのファイルは削除されます。アーカイブ・アクションまたは削除アクションは、ファイルのOracle Managed File Transferのコピーではなく、ターゲット・システムのコピーに適用されることに注意してください。
このプロセスの手順は次のとおりです。
最小限の設定でターゲットを作成できます。作成した後は、編集してさらに設定を追加できます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
必要なプロパティのほとんどが設定されているターゲットが既存の場合は、それを複製して使用できます。「既存のターゲットの複製」を参照してください。
Oracle Managed File Transferには、次のターゲット・タイプがあります。
Oracle Managed File Transferは、埋込みFTPサーバー・ターゲットまたは埋込みsFTPサーバー・ターゲットをサポートしません。
FTPリモート・ターゲット・タイプを使用することは、Oracle Managed File Transferの外部のFTPサーバーにファイルを転送することを意味します。表2-3に、「ターゲット」ダイアログのFTPリモート・タイプ固有の設定を示します。
表2-3 「ターゲット」ダイアログのFTPリモート・ターゲット・タイプの設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
ホスト名 |
ホスト名を指定します。 |
フォルダ |
ファイルの転送先のディレクトリを指定します。 |
ユーザー |
ターゲットにアクセスするために使用するユーザーを指定します。 |
パスワード |
ユーザー・パスワードを指定します。 |
パスワードの確認 |
ユーザー・パスワードを確認します。 |
制御ポート |
ターゲットのポートを指定します。 |
SSL |
選択されている場合、SSLの使用を指定します。これはオプションです。 |
暗黙的SSL |
選択されている場合、暗黙的SSLの使用を指定します。これはオプションです。 |
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-FTPリモートに関する項を参照してください。
MVSメインフレーム・システムのFTPリモート・ターゲット・タイプを作成する際には、拡張プロパティで「リスト・パーサー・キー」としてMVSを選択する必要があります。
MVS FTPレスポンス形式では、MVSはHFS(UNIXスタイル)レスポンスまたはMVSネイティブ・レスポンス形式を使用するよう構成できます。ターゲット・タイプがMVS HFS (UNIXスタイル)を使用する場合、他のUNIXシステムと同じように拡張プロパティを構成できます。たとえば、パス・セパレータとしての「/」の使用です。ただし、MVSシステムがMVSネイティブ・レスポンス形式のみを使用する場合、FTPリモート・ターゲット・タイプを次の必須プロパティで構成する必要があります。
「コンテンツ・フォルダ」フィールドは使用されませんが、必須フィールドです。プレースホルダとしてなんらかのテキストを入力する必要があり、空白フィールドにしておくことはできません。たとえば、コンテンツ・フォルダ =”'FOLDER'”と入力します。
「FTPパス・セパレータ」フィールドは、空白にしておく必要があります。たとえば、FTPパス・セパレータ =””です。
「ファイル命名規則」フィールドでは、ファイルへの絶対パスを指定します。パスにはファイル名を含む必要があり、一重引用符で囲む必要があります。このフィールドは、ファイル命名規則=”MFTOUT.MFT%SEQ%.CSV”'の形式にする必要があります。たとえば、'QA.TEST.FILE 'です。
デフォルトの日付書式を変更します。たとえば、yyyy/mm/ddです。
絶対パス開始 = ””
リスト・パーサー・キー = MVS
次の図に示すように拡張プロパティを構成できます。
sFTPリモート・ターゲット・タイプを使用することは、Oracle Managed File Transferの外部のsFTPサーバーにファイルを転送することを意味します。表2-4に、「ターゲット」ダイアログのsFTPリモート・タイプ固有の設定を示します。
表2-4 「ターゲット」ダイアログのsFTPリモート・ターゲット・タイプの設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
ホスト名 |
ホスト名を指定します。 |
フォルダ |
ファイルの転送先のディレクトリを指定します。 |
ユーザー |
ターゲットにアクセスするために使用するユーザーを指定します。 |
パスワード |
ユーザー・パスワードを指定します。 |
パスワードの確認 |
ユーザー・パスワードを確認します。 |
制御ポート |
ターゲットのポートを指定します。 |
認証タイプ |
認証タイプとして、パスワードまたは公開鍵を指定します。 |
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-sFTPリモートに関する項を参照してください。
ファイル・ターゲット・タイプを使用することは、ローカル・ファイル・システムまたはネットワーク接続システムにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「フォルダ」は、ファイル転送先のディレクトリを指定します。このディレクトリは、Oracle Managed File Transferからアクセス可能である必要があります。
Oracle Managed File Transferは、Oracle SOA Suiteと同じファイル・アダプタを使用します。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-ファイルに関する項を参照してください。
SOAP Webサービス・タイプを使用することは、Webサービスにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送先のWebサービス・エンドポイントを指定します。
WebサービスとしてOracle Managed File Transferと統合する場合の詳細は、「Webサービスとの統合」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-SOAPに関する項を参照してください。
SOAターゲット・タイプを使用することは、SOAアプリケーションのWebサービス・インタフェースにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送先のWebサービス・エンドポイントを指定します。
Oracle Managed File TransferとOracle SOA Suiteの統合の詳細は、「Oracle SOA Suiteとの統合」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-SOAに関する項を参照してください。
Service Busターゲット・タイプを使用することは、Oracle Service BusアプリケーションのWebサービス・インタフェースにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送先のWebサービス・エンドポイントを指定します。
Oracle Managed File TransferとOracle Service Busの統合の詳細は、「Oracle Service Busとの統合」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-Service Busに関する項を参照してください。
B2Bターゲット・タイプを使用することは、Oracle B2B取引パートナにファイルを転送することを意味します。B2Bが配置されている場合、必須設定はありません。最も重要な設定として、「取引パートナ名」および「ドメインの別名」があり、それぞれファイル転送先のエンドポイントおよびファイル転送先のドメインを指定します。
Oracle Managed File Transferで取引パートナを定義するには、「B2Bとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-B2Bに関する項を参照してください。
Healthcareターゲット・タイプを使用することは、HealthcareドメインのOracle B2Bにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「エンドポイント名」は、ファイル転送先のエンドポイントを指定します。もう1つの重要な設定として「ドメインの別名」があり、ファイル転送先のドメインを指定します。
Oracle Managed File TransferでHealthcareドメインを定義するには、「Healthcareとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-Healthcareに関する項を参照してください。
ODIターゲット・タイプを使用することは、Oracle Data IntegratorアプリケーションのWebサービス・インタフェースにファイルを転送することを意味します。唯一の必須設定である「URL」は、ファイル転送先のWebサービス・エンドポイントを指定します。
Oracle Managed File TransferでODIドメインを定義するには、「Oracle Data Integratorとの統合」と「ドメインの管理」を参照してください。
ターゲット作成後に編集可能な他の設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware MFTコンポーザ・ヘルプ・オンライン・ヘルプのターゲット-ODIに関する項を参照してください。
ファイル、FTPリモートまたはsFTPリモートのターゲットを作成した後、そのターゲットを編集して、移動および名前変更をファイル操作として追加できます。
このプロセスの手順は次のとおりです。
特定の時刻または時間範囲にのみ実行されるように、ファイル配信をスケジュールできます。スケジュールが構成されていない場合、Oracle Managed File Transferによる処理と同時に、ファイルが配信されます。ソース・スケジュールはソース構成の一部として、ターゲット・スケジュールは転送構成の一部として、それぞれ構成できます。
リスニング対象のソースにスケジュールが定義されている場合、スケジュールされた時刻に達したときにのみファイルが検出されます。リスニング対象ではないソースの場合、ファイルはソースの場所に配置されると同時に検出されますが、ステータスは「スケジュール済」のままです。スケジュールされた時刻に達すると、ファイルが処理および配信されます。このソースを参照するすべての転送は、ソース・スケジュールの時刻に達したときにのみ実行されます。
ターゲットにスケジュールが定義されている場合、スケジュールされた時刻に達したときにのみファイルが配信されます。それまでは、ファイルは、ステータスが「スケジュール済」で、ソースの場所に配置されたままになります。1つの転送が参照する複数のターゲットがスケジュールを共有することはありません。
注意:
スケジュールを追加する前に、スケジュールなしの転送をテストして、正常に動作することを確認します。「転送のデプロイとテスト」を参照してください。
注意:
Oracle Managed File Transferは、OracleSystemUserとしてOracle Enterprise Scheduler Serviceと通信します。このユーザーを削除しないでください。削除した場合、「スケジュールの追加」をクリックすると、OracleSystemUserは存在しませんのメッセージが表示されて、監視レポートの「スケジュール詳細」は空欄になる可能性があります。ユーザーの詳細は、「ユーザーの構成」を参照してください。
このプロセスの手順は次のとおりです。
最小経過時間は、次に示すリスニング・ソース・タイプに適用されます。
リモートsFTP
リモートFTP
ファイル
Storage Cloud Service
Webcenter
スケジュールがこれらのソース・タイプに対して定義されている場合、ポーリング頻度および最小経過時間はスケジュール期間にのみ適用されます。ポーリング頻度の有効期限の前にスケジュールが終了すると、リスニング・ソース・タイプはポーリングされなくなります。
ポーリングのたび、またはスケジュールの有効期限時に、MFTは最小経過時間よりも大きい値の最終変更時間を持つファイルのみをダウンロードします。
転送および関連するソースとターゲットを作成した後、転送をデプロイして有効化し、設計通りに動作することを確認するためにテストします。
注意:
スケジュールを追加する前に、スケジュールなしの転送をテストして、正常に動作することを確認します。「スケジュールの設定」を参照してください。
すべてのアーティファクト・タブに「デプロイ」ボタンがあります。転送でファイルを配信するには、先にデプロイする必要があります。ソースとターゲットは別々にデプロイして、複数の転送で使用できるようにできます。
デプロイメント・プロセスには、次の3つのステップがあります。
デプロイメント・ユーザー・インタフェースに、デプロイするファイルのリストが表示されます。
ファイルの検証が行われます。
検証に成功した場合、アーティファクトがデプロイされます。
転送を初めてデプロイする際、関連付けられているソースとターゲットが保存されるだけでまだデプロイされていなかった場合は、それらも自動的にデプロイされます。ただし、最初のデプロイメントの後は、各アーティファクトは変更が行われるたびに個別に再デプロイする必要があります。
Oracle Managed File Transferは、アーティファクトのバージョンを管理します。アーティファクトをデプロイする場合、その現在のバージョンがデプロイされます。Oracle Managed File Transferランタイム・エンジンは、デプロイされているバージョンのみに基づいて動作します。
デプロイされているアーティファクトを監視、無効化およびアンデプロイできます。「デプロイされたソース、ターゲットおよび転送の監視」を参照してください。
デプロイされた転送をテストするには、転送が配信するように設計されているタイプのテスト・ファイルをソースの場所にコピーします。
コンテンツ・フィルタを適用した場合は、該当しないタイプのファイルが転送されないことを確認することもできます。「コンテンツ・フィルタの設定」を参照してください。
注意:
Oracle Managed File Transferの外部でFTPクライアントを使用してバイナリ・ファイルをソースの場所にコピーする際は、バイナリ転送として構成する必要があります。そうしないと、ファイルが破損する可能性があります。圧縮や暗号化などの処理アクションは正常に動作しない可能性があります。
テスト・ファイルがターゲットの場所に到着したことを確認することによって、転送が動作したことを確認できます。
圧縮や暗号化などの前処理アクションまたは後処理アクションを適用した場合、配信されたファイルを調べて、それらのアクションが実行されていることを確認できます。「ソース処理アクションの設定」と「転送の前処理と後処理のアクションの設定」を参照してください。
移動や名前変更などのアクションが発生したことを確認することもできます。「配信前のファイルのアーカイブと削除」と「配信後のファイルの移動と名前変更」を参照してください。
アクティブな配信のウォッチ
テスト・ファイルのサイズが大きい場合、「監視」ページの「ダッシュボード」タブでその進行状況を監視できます。「アクティブな配信の監視」を参照してください。