プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busの管理
12c (12.1.3)
E53003-05
目次へ移動
目次

前
次

13 セキュリティ・ポリシーのモニターと管理

Fusion Middleware Controlを使用すると、ユーザーのService Busサービスにアタッチされたポリシーを、その使用状況メトリックと違反メトリックも含め、モニターおよび管理できます。また、ポリシー・セットをグローバルに付加し、ポリシーのオーバライドを定義して、ユーザーのサービスに対してポリシーをアタッチおよびデタッチすることもできます。

この章の内容は次のとおりです。

13.1 セキュリティ・ポリシーについて

セキュリティ・ポリシーにより、組織全体で一貫性のあるWebサービスの管理と保護のためのフレームワークが提供されます。Service Busでは、プロキシ・サービスとビジネス・サービスにポリシーをアタッチします。

Service Busプロジェクトに含まれる個別のサービスに対するポリシーは、JDeveloperOracle Service BusコンソールおよびFusion Middleware Controlで管理できます。どちらのコンソールも、ランタイム構成をサポートしています。Fusion Middleware Controlを使用する場合は、ポリシー・セットを作成することで、ポリシーをグローバルにアタッチすることもできます。

この章では、Fusion Middleware Controlでポリシーのモニターと管理を実行する方法について説明します。Oracle Service BusコンソールおよびOracle JDeveloperでポリシーを操作する方法の詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』の「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。

13.2 グローバル・ポリシーの構成

Fusion Middleware Controlでポリシー・セットを使用すると、Service Busプロジェクトに含まれる複数のサービスにポリシーを割り当てることができます。このようなポリシーは、グローバル・ポリシーと呼ばれます。

グローバル・ポリシー・セットを作成すると、セットに含まれるポリシーは、ポリシー・セットの構成と一致するプロキシ・サービスまたはビジネス・サービスに自動的にアタッチされます。一致するサービスでグローバル・ポリシー・セットのポリシーを使用するには、OWSMポリシーを使用してサービスを構成する必要があります。

ポリシー・セットの構成では、ポリシー・サブジェクトを定義し、ポリシーをアタッチするサービスのドメイン名、アプリケーション名、およびリソース・パス(project_name/folder/subfolder形式)のいずれかを定義します。ポリシーをアタッチできるService Busのサービスは、次のとおりです。

  • JCAビジネス・サービス

  • JCAプロキシ・サービス

  • RESTfulビジネスサービス

  • RESTfulプロキシ・サービス

  • SOAPビジネス・サービス

  • SOAPプロキシ・サービス

グローバル・ポリシー・アタッチメントおよびポリシー・セットの詳細は、『Oracle Web Services Managerの理解』のポリシー・セットを使用したグローバル・ポリシー・アタッチメントに関する項を参照してください。それぞれに対して選択するポリシー・サブジェクトの詳細は、『Oracle Web Services Managerの理解』のポリシー・サブジェクトの理解に関する項を参照してください。

13.2.1 グローバル・ポリシー・セットの作成方法

ポリシー・セットを作成する場合は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』のFusion Middleware Controlを使用したポリシー・セットの作成に関する項の手順に従ってください。

13.2.2 グローバル・ポリシーのサービスを有効化する方法

Fusion Middleware Controlでグローバル・ポリシー・セットを有効化および無効化できるようにするだけでなく、ビジネス・サービスおよびプロキシ・サービスでポリシーを使用する、または使用しないように構成することもできます。グローバル・ポリシーを使用するには、ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスでのOWSMポリシー・ストアからのポリシーの使用を有効化する必要があります。これは、JDeveloperまたはOracle Service Busコンソールのいずれかで構成します。詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』JDeveloperでOracle Web Services Managerポリシーをアタッチする方法に関する項とコンソールでOracle Web Services Managerポリシーをアタッチする方法に関する項を参照してください。

グローバル・ポリシーのサービスを有効化するには:

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」またはプロジェクト・ナビゲータで、グローバル・ポリシーを有効化するビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスを検索します。
  2. サービスを右クリックして、「開く」を選択します。

    ビジネスまたはプロキシ・サービス定義エディタが表示されます。

  3. 次のいずれかを行います。
    • JDeveloperの場合は、「ポリシー」タブをクリックします。

    • Oracle Service Busコンソールの場合は、「セキュリティ」タブをクリックして、「ポリシー」を選択します。

  4. 「ポリシー」ページで、使用可能なポリシー・バインディング・モデルのリストから「OWSMポリシー・ストアから」を選択します。

    アタッチするポリシーを選択する必要はありませんが、必要に応じてポリシーを個別にアタッチできます。

  5. ポリシーの構成が終了したら、「保存」をクリックします。
  6. ランタイムの変更をアクティブ化するには、「アクティブ化」をクリックします。

13.2.3 グローバル・ポリシーのサービスを無効化する方法

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスに有効化されたポリシーがあり、サービスがグローバル・ポリシー・セットの構成と一致する場合、そのセットのポリシーはサービスに自動的に適用されます。これは、サービスのポリシーを無効化することで回避できますが、それはポリシーを個別にアタッチできないということも意味します。これは、JDeveloperまたはOracle Service Busコンソールのいずれかで構成します。詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』JDeveloperでOracle Web Services Managerポリシーをアタッチする方法に関する項とコンソールでOracle Web Services Managerポリシーをアタッチする方法に関する項を参照してください。

グローバル・ポリシーのサービスを無効化するには:

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」またはプロジェクト・ナビゲータで、グローバル・ポリシーを無効化するビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスを検索します。
  2. サービスを右クリックして、「開く」を選択します。

    ビジネスまたはプロキシ・サービス定義エディタが表示されます。

  3. 次のいずれかを行います。
    • JDeveloperの場合は、「ポリシー」タブをクリックします。

    • Oracle Service Busコンソールの場合は、「セキュリティ」タブをクリックして、「ポリシー」を選択します。

  4. 「ポリシー」ページで、使用可能なポリシー・バインディング・モデルのリストから「ポリシーなし」を選択します。
  5. ポリシーの構成が終了したら、「保存」をクリックします。
  6. ランタイムの変更をアクティブ化するには、「アクティブ化」をクリックします。

13.3 セキュリティ・ポリシーのモニター

Fusion Middleware Controlを使用すると、ドメイン内のサービスで使用されているポリシーは、各プロキシ・サービスまたは各ビジネス・サービスで使用されているポリシーの表示によってモニターできます。

さらに、発生したポリシー違反を表示することも、各ポリシーの使用状況を表示および分析することもできます。

13.3.1 サービスにアタッチされたポリシーの表示

ビジネス・サービスまたはプロキシ・サービスの「ポリシー」ページには、あるサービスに対してグローバルにアタッチされたポリシーと直接アタッチされたポリシーがすべて表示されます。サービスの「ポリシー」ページには、様々な方法でアクセスできます。次に示す手順では、プロジェクトの「サービス・ヘルス」ページからアクセスする方法について説明します。

サービスにアタッチされたポリシーを表示するには:

  1. Fusion Middleware Controlで、「SOA」「service-bus」を開きます。
  2. 表示するサービスを含むプロジェクトの名前をクリックします。

    プロジェクトの「サービス・ヘルス」ページが表示されます。

  3. 「サービス」タブで、表示するポリシーを持つサービスの名前をクリックします。

    選択したサービスの「ダッシュボード」が表示されます。

  4. 「ポリシー」タブをクリックします。

    「ポリシー」ページに、グローバルにアタッチされたポリシーと直接アタッチされたポリシーの両方が一覧表示されます。

    図13-1 プロキシ・サービスの「ポリシー」ページ

    図13-1の説明が続きます
    「図13-1 プロキシ・サービスの「ポリシー」ページ」の説明
  5. 「直接アタッチされたポリシー」表に有効なポリシーのみを表示するには、表の上にある「有効のみ」をクリックします。

    有効なポリシーの詳細は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の有効なポリシー・セットの計算方法に関する項を参照してください。

13.3.2 ポリシー使用状況のモニター

サービスで使用しているポリシーを変更する前に、どのサブジェクトが特定のポリシーを使用しているかを確認するために、使用状況分析を実行するようにしてください。データベース・ベースのOWSMリポジトリでは、ポリシー使用状況の情報のみが、有効化されたサービスに対してのみ使用できます。「WSMポリシー」ページには、ポリシーがアタッチされているサブジェクトの数が表示されます。その後で、ポリシーがアタッチされた、選択したタイプのポリシー・サブジェクトのリストを表示できます。

ポリシー使用状況をモニターするには:

  1. Fusion Middleware Controlの上部にある「WebLogicドメイン」メニューをクリックし、「Webサービス」をポイントして、「WSMポリシー」を選択します。

    「WSMポリシー」ページが表示されます。

  2. ポリシーの一覧表示にフィルタを適用するには、名前またはカテゴリを入力するか、保存済の検索を選択します。「検索」をクリックします。
  3. 選択したポリシーのアタッチメント列で数字をクリックして、「使用状況分析」ページを表示します。
  4. ローカル・ドメイン内のポリシー・サブジェクトのみを表示するには、「表示オプション」フィールドで「ローカル・ドメイン」を選択します。すべてのドメインのポリシー・サブジェクトを表示するには、「エンタープライズ」を選択します。
  5. ポリシーがアタッチされている別のポリシー・サブジェクトを表示するには、「サブジェクト・タイプ」メニューからサブジェクト・タイプを選択します。

    「サブジェクト・タイプ」メニューには、ポリシーがアタッチされているサブジェクト・タイプごとのアタッチメント数が示されます。

13.3.3 ポリシー違反の表示

サービスの「ポリシー」タブに表示されるポリシーの一覧では、フォルトのあるポリシーに対してポリシー違反の数が示されます。

ポリシー違反をモニターするには:

  1. 構成するサービスの「ポリシー」ページにアクセスします(「サービスにアタッチされたポリシーの表示」を参照)。
  2. 「直接アタッチされたポリシー」表で、「合計違反」列を調べてフォルトのあるポリシーを特定します。
  3. 「違反」列の数字をクリックして、フォルトについての詳細情報を表示します。

13.4 セキュリティ・ポリシーの管理

Fusion Middleware Controlでは、ポリシーのアタッチとデタッチ、ポリシー・プロパティのオーバーライド、およびグローバル・ポリシーの作成を実行することで、セキュリティ・ポリシーを管理できます。

グローバル・ポリシーの詳細は、「グローバル・ポリシーの構成」を参照してください。

13.4.1 サービスへのセキュリティ・ポリシーの直接アタッチ

セキュリティ・ポリシーをサービスにアタッチするには:

  1. 構成するサービスの「ポリシー」ページにアクセスします(「サービスにアタッチされたポリシーの表示」を参照)。
  2. 「直接アタッチされたポリシー」表の上にある、「アタッチ/デタッチ」をクリックします。

    「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウが表示されます。

    図13-2 「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウ

    図13-2の説明が続きます
    「図13-2 「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウ」の説明
  3. 「使用可能」リストで、アタッチするポリシーを選択して、「アタッチ」をクリックします。
  4. この手順を、アタッチするポリシーごとに繰り返します。
  5. 「検証」をクリックして、構成を検証します。
  6. 「OK」をクリックして、「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウを閉じます。

    新しいポリシーが、「直接アタッチされたポリシー」表に表示されます。

13.4.2 サービスからのポリシーのデタッチ

サービスからポリシーをデタッチするには:

  1. 構成するサービスの「ポリシー」ページにアクセスします(「サービスにアタッチされたポリシーの表示」を参照)。
  2. 「直接アタッチされたポリシー」表の上にある、「アタッチ/デタッチ」をクリックします。

    「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウが表示されます。

  3. 「直接アタッチされたポリシー」リストで、デタッチするポリシーを選択して、「デタッチ」をクリックします。
  4. この手順を、デタッチするポリシーごとに繰り返します。
  5. 「検証」をクリックして、構成を検証します。
  6. 「OK」をクリックして、「ポリシーのアタッチ/デタッチ」ウィンドウを閉じます。

    「直接アタッチされたポリシー」表からポリシーが削除されます。

13.4.3 セキュリティ・ポリシーのオーバーライド

サービスに直接アタッチされたポリシーの構成はオーバライドできます。これにより、各サービスまたはクライアント単位で、それらに新しいポリシーを作成することなく、構成を更新できるようになります。この方法では、デフォルト構成の値を定義するポリシーを作成して、それらの値をランタイムの要件に基づいてカスタマイズできます。プロキシ・サービスまたはビジネス・サービスの構成でオーバーライドを定義できます。詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』の「ビジネス・サービスとプロキシ・サービスの保護」を参照してください。

Fusion Middleware Controlで、セキュリティ・ポリシーをオーバーライドするには:

  1. オーバーライドするポリシーを特定します(「サービスにアタッチされたポリシーの表示」を参照)。
  2. 「直接アタッチされたポリシー」表で、オーバーライドを定義するポリシーを選択して、「ポリシー構成のオーバーライド」をクリックします。

    「セキュリティ構成の詳細」ダイアログが表示され、オーバーライド可能な値を持つプロパティが一覧表示されます。

  3. 「値」列で、プロパティごとにオーバーライド値を入力して、「適用」をクリックします。