Service Bus MBeansをJavaプログラムおよびWLSTスクリプトで使用すると、開発環境からテスト環境、ステージング環境を経て、最終的に本番環境に至るまで、Service Bus構成のプロモーションを自動化できます。
この付録の内容は次のとおりです。
ヒント:
Service Bus APIは、Oracle Service Bus Java APIリファレンスを参照してください。
これらのMBeanは、Service Busシステムのセッションおよび構成を管理する際に役立つデプロイメント機能を提供します。
SessionManagementMBean
: このMBeanは、セッションの作成、アクティブ化、破棄、または既存のセッションの名前を返すために使用します。
ALSBConfigurationMBean
: このMBeanは、Service Bus構成のインポートとエクスポート、環境固有の情報(エンドポイントURIなど)の更新およびService Bus構成とリソースの問合せを行うために使用します。
デプロイメント時に様々なカスタマイズ・オプションを適用できます。様々な環境変数を使用して、環境を移行する際の設定を保持または調整することが可能です。
これらのインタフェースは、com.bea.wli.sb.management.configuration
パッケージ内にあります。
Service Busセッションを使用すると、異なるユーザーが相互に干渉することなく構成データの個々の部分を更新できます。
セッションとは、基本的には名前付きのサンドボックスであり、ここでの変更内容はアクティブ化されるまで、他のユーザーおよびコア・データ(Service Busの実行対象のデータ)から分離されます。リソースとService Busの構成を変更するには、セッションを作成し、作成したセッションで変更を実行する必要があります。セッションをアクティブ化した場合にのみ、変更はコア・データに反映されます。セッションの名前が同じでない限り、複数のセッションを作成できます。
各MBeanタイプ(SessionManagementMBean
を除く)には、セッションごとに1つのインスタンスがあります。セッションが作成されると、新しい一連のMBeanインスタンス(MBeanタイプごとに1つ)が自動的に生成されます。各MBeanタイプの1つのインスタンスが、Service Busデータ・キャッシュに保存されているコア・データを操作します。セッションが破棄またはアクティブ化されると、セッションに作成されたMBeanインスタンスは破棄されます。ただし、コア・データで動作するMBeanインスタンスは破棄されません。コア・データで動作するMBeanインスタンスでは、更新操作はサポートされていません。
Service BusセッションはOracle Service Busコンソールを使用して作成します。SessionManagementMBean
インタフェースのメソッドは、コンソールで提供される対話機能と直接的に対応していて、それらの機能のコンソールと同じ順序で実行する必要があります。次の表に、SessionManagementMBean
インタフェースで使用できるメソッド、およびメソッドによって実行されるタスクを示します。
表B-1 セッション管理メソッド
作業内容 | 使用するメソッド |
---|---|
ユーザー指定の名前が付いた新しいセッションを作成します。 |
createSession(String session) |
セッションをアクティブ化します。 |
activateSession(String session, String description) |
変更をアクティブ化せずにセッションを削除します。 |
discardSession(String session) |
特定のセッション名のセッションが存在しているかどうかを確認します。このメソッドは、そのセッションが存在しない場合にtrueを返します。 |
sessionExists(String session) |
SessionManagementMBean
インタフェースのリファレンス資料、Javaの使用例、およびJavaクライアントやスクリプトでMBeanを使用する方法を示したサンプル・コードは、Oracle Service Bus Java APIリファレンスのcom.bea.wli.sb.management.configuration.SessionManagementMBean
のドキュメントを参照してください。このドキュメントには、セッションの作成方法、セッションを作成するためのSessionManagementMBean
の取得方法、作成したセッションとコア・データを操作するためのALSBConfigurationMBean
の取得方法などを示すコード例も含まれています。
ALSBConfigurationMBean
インタフェースを使用すると、Service Busドメインで、リソースの問合せ、エクスポートおよびインポート、検証エラーの取得、環境値の取得と設定、リソース構成の全般的な管理をプログラムで実行できるようになります。
Service Bus構成は、プロキシ・サービス、WSDLファイル、ビジネス・サービスなど、Service Busリソースを含む単純なJARとしてパッケージ化されています。これらのリソースは、複数のプロジェクトにまたがるものにしたり、構成情報の一部だけを含めたりできます。たとえば、プロジェクトのサブセットだけをエクスポートしたり、プロジェクト全体をエクスポートしたり、多数のプロジェクトのリソースのサブセットをエクスポートしたりできます。
ALSBConfigurationMBean
インタフェースのリファレンス資料は、Oracle Service Bus Java APIリファレンスのcom.bea.wli.sb.management.configuration.ALSBConfigurationMBean
のドキュメントを参照してください。
Service Busの構成は、Oracle Service Busコンソール、JDeveloperまたはFusion Middleware Controlを使用して作成されます。これらはJARファイルでエクスポートして保存されます。構成JARファイルをエクスポートしておくと、その構成を別のService Busドメインにインポートし、構成に含まれる環境固有の値を新しい環境の値に合せて変更することで、構成をプロモートできます。
ALSBConfigurationMBean
インタフェースのメソッドを使用すると、Service Busドメインで次のようなリソースの管理を行うことができます。
リソースの問合せ、エクスポート、およびインポート(ZIPファイルからのリソースのインポート、およびプロジェクト・レベルでのリソースのエクスポートを含む)
環境値の取得と設定
新しいIDを持つプロジェクト、フォルダ、またはリソースのクローンを作成します。
指定したリストにあるすべてのリソースからの既存の参照を、新しい参照のセットに変更します。
複数のプロパティを同時にカスタマイズします。
検証エラーの取得
ALSBConfigurationMBean
インタフェースに用意されているメソッドの詳細は、Oracle Service Bus Java APIリファレンスを参照してください。
ALSBConfigurationMBean
およびCustomization
クラスのメソッドを使用して、環境固有の情報を更新できます。これには、次の作業が含まれます。
プロキシ・サービスとビジネス・サービスの構成のエンドポイントの値を更新する
ファイル、電子メールおよびFTPトランスポート構成のディレクトリ要素を更新する
環境値を直接設定する
問合せに指定されている環境固有の値を検索する
問合せに指定されている環境値を検索し、環境値パターンに一致するすべての値を特定のパラメータに置き換える
ALSBConfigurationMBean
およびCustomization
のメソッドの詳細は、Oracle Service Bus Java APIリファレンスを参照してください。インポートのカスタマイズはALSBImportPlan
クラスによってサポートされています。このドキュメントには、Service Busの構成のインポート方法とエクスポート方法、環境値の変更方法、リソースの問合せ方法などを示すコード例も含まれています。
セキュリティ構成と他のすべての環境固有の設定は、Fusion Middleware Controlを使用して対話的に更新する必要があります。