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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
12c (12.1.3)
E53006-03
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9 エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの準備

この章では、Oracle Service-Oriented Architecture (SOA)エンタープライズ・デプロイメント用にデータベースを準備する手順について説明します。

この章には次のトピックが含まれます:

9.1 エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの準備の概要

この章では、Oracle Fusion Middlewareエンタープライズ・デプロイメントの一環として、サポートされているデータベースを構成する方法について説明します。

ほとんどのOracle Fusion Middleware製品では、サポートされているデータベースに特定の一連のスキーマがインストールされている必要があります。これらのスキーマは、Oracle Fusion Middlewareのリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してインストールします。

エンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle Fusion Middleware製品スキーマに高可用性Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースをお薦めします。

9.2 データベース要件について

データベースが次の各項に記載されている要件を満たしていることを確認します。

9.2.1 サポートされているデータベース・バージョン

次の情報を利用して、Oracle Fusion Middlewareの各リリースでサポートされているデータベース、および現在稼働中のOracleデータベースのバージョンを確認してください。

Oracle Fusion Middlewareでは、データベースがAL32UTF8文字セットに対応している必要があります。データベースの文字セットの選択に関する情報は、データベースのドキュメントを確認してください。

エンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle RACデータベースへの接続にGridLinkデータ・ソースを使用することをお薦めします。GridLinkとともにOracle Single Client Access Name (SCAN)機能を使用するには、Oracle RACデータベース・バージョンがOracle Database 11gリリース2 (11.2)以降のEnterprise Editionであることが必要です。


注意:

GridLinkデータ・ソースおよびSCANの使用方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のアクティブなGridLinkデータ・ソースの使用に関する項を参照してください。

9.2.2 その他のデータベース・ソフトウェア要件

エンタープライズ・トポロジでは、RACデータベースの2つのインスタンスをホストする2つのデータベース・ホスト・コンピュータがデータ層にあります。これらのホストをDBHOST1、DBHOST2と呼びます。

エンタープライズ・トポロジをインストールまたは構成する前に、次のソフトウェアがDBHOST1とDBHOST2にインストール済であり使用可能であることを確認する必要があります。

  • Oracle Clusterware

    詳細は、Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド(Linux版)を参照してください。

  • Oracle Real Application Cluster

    詳細は、Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド(LinuxおよびUNIX版)を参照してください。

  • Oracle RACデータベース・インスタンス間の時間同期

    サーバー移行で構成された、Fusion Middlewareクラスタ内のサーバーで使用されているデータベース・インスタンスのクロックは、同期化されている必要があります。

  • 自動ストレージ管理(オプション)

    詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

9.2.3 エンタープライズ・デプロイメントのPROCESSESデータベース初期化パラメータの設定

表9-1に、いくつかの標準的なOracle SOA Suiteエンタープライズ・トポロジと、各トポロジでPROCESSES初期化パラメータの設定時に使用する必要がある値を示します。

この情報は、Oracle RACデータベースをエンタープライズ・デプロイメント用に構成するときの指針として利用してください。

表9-1 必要な初期化パラメータ

構成 パラメータ 必要な値 パラメータ・クラス

SOA

PROCESSES

300以上

静的

BAM

PROCESSES

100以上

静的

SOAおよびBAM

PROCESSES

400以上

静的

SOAおよびOSB

PROCESSES

800以上

静的


SQL*Plusを使用して初期化パラメータの値をチェックするには、SHOW PARAMETERコマンドを次のように使用します。

  1. SYSユーザーとして、SHOW PARAMETERコマンドを次のように発行します。

    SQL> SHOW PARAMETER processes;

  2. 次のコマンドを使用して初期化パラメータを設定します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET processes=300 SCOPE=SPFILE;
    
  3. データベースを再起動します。

パラメータ値の変更に使用する方法は、パラメータが静的であるか動的であるかと、データベースがパラメータ・ファイルとサーバー・パラメータ・ファイルのどちらを使用するかによって異なります。


注意:

パラメータ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、およびパラメータ値の変更方法の詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。

9.3 データベース・サービスの作成

複数のOracle Fusion Middleware製品が同じデータベースを共有する場合は、個別の専用のデータベース・サービスに接続するように、各製品を構成する必要があります。

サービスを使用したOracleデータベースへの接続の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』のサービスおよびVIPアドレスを使用したOracleデータベースへの接続の概要に関する項を参照してください。

また、データベース・サービスはデフォルトのデータベース・サービスとは別のものにしてください。データベース・サービスの作成および管理の詳細な手順は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドの自動ワークロード管理の概要に関する項を参照してください。

ランタイム接続のロード・バランシングでは、ロード・バランシングを有効にする各サービスのサービス・レベルの目標を使用してOracle RACロード・バランシング・アドバイザを構成する必要があります。

SERVICE_TIMEまたはTHROUGHPUTについて、Oracle RACロード・バランシング・アドバイザを構成できます。接続のロード・バランシングの目標は「短い」に設定します。11gリリース1のデータベースについては、この変更にDBMS_SERVICEパッケージを使用します。11gのリリース2では、かわりにsrvctlコマンド・ユーティリティを使用します。

srvctlユーティリティを使用してデータベース・サービスを作成および変更できます。


注意:

この項に示す手順は、Oracle Database 11g Release 2 (11.2)を対象としています。これ以外のサポートされているデータベースをご使用の場合は、該当するドキュメント・ライブラリで最新のリリース別の情報を参照してください。

データベース・サービスを作成および変更する手順は次のとおりです。

  1. SQL*Plusにログオンして、サービスを作成します。

    sqlplus "sys/password as sysdba"
     
    SQL> EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE
    (SERVICE_NAME => 'soaedg.example.com',
    NETWORK_NAME => 'soaedg.example.com'
    ); 
    

    注意:

    Oracle RACデータベースのサービス名には小文字を使用し、続けてドメイン名を指定します。例:

    soaedg.example.com



    注意:

    EXECUTE DBMS_SERVICEコマンドを1行で入力します。

    DBMS_SERVICEパッケージの詳細は、Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプのリファレンスを参照してください。


  2. サービスをデータベースに追加し、srvctlを使用してインスタンスに割り当てます。

    srvctl add service -d soadb -s soaedg.example.com -r soadb1,soadb2
    
  3. サービスを起動します。

    srvctl start service -d soadb -s soaedg.example.com
    

    注意:

    SRVCTLを使用したデータベース・サービスの作成および管理の詳細な手順は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのSRVCTLを使用したサービスの管理に関する項を参照してください。

  4. 適切なサービスの目標用にサービスを変更します。

    srvctl modify service -d soadb -s soaedg.example.com -B SERVICE_TIME -j SHORT
    

    または

    srvctl modify service -d soadb -s soaedg.example.com -B         THROUGHPUT  -j SHORT
    

    別のサービス定義の詳細は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのロード・バランシング・アドバイザに関する項を参照してください。

9.4 Oracleデータベースでのラージ・オブジェクト(LOB)に対するSecureFilesの使用

Oracle Database 11gリリース1以降、新しいLOB記憶域アーキテクチャであるSecureFilesが導入されました。Oracle Fusion Middlewareスキーマ、特にOracle SOA SuiteスキーマにはSecureFilesの使用をお薦めします。

詳細は、Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイドのOracle SecureFiles LOBの使用に関する項を参照してください。

Oracle 12cデータベースでは、SecureFilesを使用するためのデフォルト設定はPREFERREDです。これは、LOBまたは親LOB (LOBがパーティションまたはサブパーティション内にある場合)でBasicFiles LOBが明示的に指定されていなければ、データベースがSecureFiles LOBの作成を試みることを意味します。Oracle Fusion MiddlewareスキーマではBasicFilesを明示的に指定しません。したがって、Oracle 12cデータベースがインストールされている場合、Oracle Fusion MiddlewareのLOBはデフォルトでSecureFilesになります。

Oracle 11gデータベースでは、db_securefileシステム・パラメータによってSecureFiles使用ポリシーが制御されます。このパラメータは動的に変更できます。SecureFilesを使用するには次のオプションがあります。

  • "PERMITTED: SecureFilesの作成を許可します(これがdb_securefileのデフォルト設定です。デフォルトの格納方式ではBasicFilesが使用されます)

  • "FORCE: すべての(新規) LOBをSecureFilesとして作成します

  • "ALWAYS: LOBをSecureFilesとして作成しようと試みますが、作成できない場合(ASSMが無効の場合)はBasicFilesに戻します

この他にも、db_securefileパラメータには次の値があります。

  • "IGNORE: SecureFilesを作成する試行を無視します

  • "NEVER: 新しいSecureFilesの作成を許可しません

Oracle 11gデータベースの場合、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)でOracle Fusion Middlewareスキーマを作成する前に、db_securefileパラメータをFORCEに設定することをお薦めします。

SecureFilesセグメントは、表領域を自動セグメント領域管理(ASSM)によって管理する必要があります。つまり、ASSMが無効になっていると、SecureFilesでのLOB作成が失敗します。ただし、Oracle Fusion Middlewareの表領域は、デフォルトではASSMが有効な状態で作成されます。したがって、デフォルトの構成では、Oracle Fusion Middlewareスキーマに対してSecureFilesを有効にするために何かを変更する必要はありません。

9.5 データベース・バックアップ戦略について

エンタープライズ・デプロイメントのインストールおよび構成の重要な点として、現在の環境をバックアップすることをお薦めします。たとえば、製品ソフトウェアをインストールし、特定のOracle Fusion Middleware製品のスキーマを作成した後で、データベース・バックアップを実行してください。バックアップを実行すれば、後の構成手順で何か問題が発生しても、すばやくリカバリを実行できます。

この目的のために独自のデータベース・バックアップ戦略を使用することも、オペレーティング・システムのツールやRMANを使用して単純にバックアップすることもできます。

特に、Oracle Automatic Storage Managementを使用してデータベースを作成した場合は、Oracle Recovery Managerの使用をお薦めします。可能な場合、オペレーティング・システムのツール(tarなど)を使用してコールド・バックアップも実行できます。

9.6 Oracle SOA Suiteへのデータベース増分管理戦略の導入

Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメントでは、Oracle SOA Suiteデータベースの増分管理など、データベース管理者にかかわる課題がいくつか存在します。データベース管理の重要性を軽視すると、データベースが本番環境に移行したときに問題が発生する可能性があります。

容量、テストおよび監視のための適切な戦略および計画の決定方法については、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理のデータベースの増大に対する計画の概要に関する項を参照してください。