35 BPMNプロセスのサービス・コンポーネントとエンジンの監視

この章では、BPMNプロセス・サービス・コンポーネントとサービス・エンジンの監視方法(監査証跡とプロセス・フローの表示、リクエストとスレッド・パフォーマンス統計の監視およびデプロイ済BPMNプロセスの監視を含む)について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

詳細は、次の項を参照してください。

35.1 BPMNプロセス・サービス・コンポーネントの監査証跡とプロセス・フローの表示

この項では、ビジネス・フロー・インスタンスのBPMNプロセス・サービス・コンポーネントに関する監査証跡とプロセス・フローの表示方法について説明します。

注意:

この項では、ビジネス・フロー・インスタンスが起動されていることを前提としています。そうでない場合は、「ビジネス・フローのテスト・インスタンスの起動」を参照してください。
複数のメッセージが短い間隔でスローされた場合、これらのメッセージは送信された順序では処理されません。このことは、プロセス・インスタンスの監査証跡を確認すると明らかになります。

BPMNプロセス・サービス・コンポーネントの監査証跡とプロセス・フローを表示する手順は、次のとおりです。

次のいずれかのオプションを使用して、このページにアクセスします。

SOAインフラストラクチャのメニューから...	ナビゲータのSOAフォルダから...
「ホーム」→「デプロイ済コンポジット」の順に選択します。「コンポジット」セクションで、特定のSOAコンポジット・アプリケーションを選択します。	「soa-infra」の下にある、特定のSOAコンポジット・アプリケーションを選択します。

選択したコンポジット・アプリケーションに対する「ダッシュボード」ページが表示されます。

「フロー・インスタンス」タブをクリックします。

次のいずれかの方法を使用して、アプリケーションのインスタンスを選択します。
- このアプリケーションの最新のインスタンスの場合は、「最新のインスタンス」リンクをクリックします。
- フォルトがあるインスタンスの場合は、「フォルトがあるインスタンス」リンクをクリックします。
- リカバリ可能なインスタンスの場合は、「リカバリ可能なインスタンス」リンクをクリックします。
「検索」ページが表示されます。

図GUID-DE03A881-8C7E-4D8C-ACA1-7B75EBEAD561-default.pngの説明

検索基準を入力し、「検索」をクリックしてインスタンスのリストを表示します。

図GUID-3DE95952-7499-4FE5-91B4-355FE03F357D-default.pngの説明
必要なインスタンスを選択し、「詳細の表示」をクリックしてインスタンスに関する追加情報を次のタブで構成される表に表示します。
- 「フォルト」タブには、SOAコンポジット・アプリケーションを構成するサービス、サービス・コンポーネントおよび参照で発生しているフォルトが表示されます。情報には、エラー名、フォルト名、フォルト所有者、フォルト時間、リカバリなどがあります。「表示」オプションを使用して表示する列を選択します。
- 「コンポジット・センサー値」タブには、SOAコンポジット・アプリケーションのサービス・バインディング・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネントに組み込まれているコンポジット・センサーの詳細が表示されます。コンポジット・センサーは、設計時にOracle JDeveloperで、サービス・バインディング・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネントに追加できます。サービス・コンポーネントにはコンポジット・センサーを追加できません。
- 「コンポジット」タブには、フロー内の一連のコンポジットが表示されます。
選択したインスタンスのフローIDをクリックして、「フローのトレース」ページを表示します。

図GUID-3BCC7983-2E37-4A03-946C-8DFAA84A9347-default.pngの説明

フローのトレースは、フローIDによって識別されるメッセージ・フローのランタイム追跡で、このページの右上隅に表示されます。フローIDを使用すると、様々なコンポジットのインスタンス間のメッセージ・フローを追跡できます。フローのトレースでは、フローに含まれているコンポジットのすべてのサービス、参照、コンポーネントがリストされます。

「トレース」セクションにあるフローの例では、フローに関連するサービス・バインディング・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネントでメッセージが正常に受信されて処理されています。
「フォルト」セクションで、フォルトを選択します。

選択すると、「トレース」セクションでは、フォルトが発生した行が強調表示されます。
フォルトを閉じると、「トレース」セクションの選択がクリアされます。
「コンポジット・センサー値」セクションを開いて、コンポジット・センサーを表示します。
「コンポジット・センサー値」タブで、センサーを選択します。

選択すると、「トレース」セクションでは、コンポジット・センサー・データが収集された行が強調表示されます。

「トレース」セクションの「インスタンス」列で、特定のBPMNプロセス・サービス・コンポーネントのインスタンスをクリックします。サービス・コンポーネントのインスタンスはこのセクションからアクセスできます。サービスと参照にはアクセスできません。

「インスタンス」ページが表示されます。

GUID-F37276D6-DD1B-4E14-8A8E-0C0B4F6888F1-default.pngの説明が続きます

図GUID-F37276D6-DD1B-4E14-8A8E-0C0B4F6888F1-default.pngの説明

これらのページを使用して、BPMNプロセス・サービス・コンポーネント・インスタンスの監査証跡、フローおよびフォルトを表示します。次のリンクを使用すると、インスタンスに関するその他の詳細を表示できます。

「フローのトレース」リンク: ページの左上隅にあるブレッドクラムをクリックすると、該当するBPMNコンポーネント・インスタンスが含まれるビジネス・フロー・インスタンスのフローのトレースにアクセスできます。
「情報」アイコン: BPMNコンポーネント名(ページ・タイトル)の右側にある「情報」アイコンをクリックすると、このBPMNインスタンスの履歴情報が表示されます。この情報はインスタンスのサマリーであり、インスタンスID、インスタンスの起動時間、最終変更時間、インスタンス状態(実行中など)、フォルト数などが含まれます。

このアイコンは、BPMNプロセスおよびOracle Mediatorの「監査証跡」ページにのみ表示され、ヒューマン・タスクおよびビジネス・ルールのページには表示されません。

最初に「インスタンス」ページを開くと、デフォルトで「監査証跡」プロセス・インスタンスの詳細が表に表示されます。BPMNプロセス内のアクティビティに関する実行の詳細が表示されます。ドロップダウンを使用して、詳細をリスト、ツリーまたはグラフィカル・ビューとして表示できます。リストで表示するよう選択した場合、表示するプロセス・タイプも選択できます。「すべて」、「ヒューマン・アクティビティ」、「サービス・アクティビティ」、「ビジネス・ルール・アクティビティ」、「サブプロセス」、「イベント」、「ゲートウェイ」、「スクリプト・アクティビティ」および「その他のアクティビティ」を選択できます。

「リスト」表には次の情報が含まれます。

列	説明
アクティビティ	プロセス内で使用可能なすべてのBPM構成を、実行される順序でリストします。次のものがあります。イベント: 開始、終了、シグナル、スロー、メッセージの捕捉。アクティビティ: ユーザー・タスク、ビジネス・ルール・タスク、サービス・タスク、コール・アクティビティ、サブプロセス。ゲートウェイ: 包含、排他、パラレル、イベント・ベースおよび複合。
ステータス	インスタンス一時停止中、インスタンス・フォルト、アクティビティ・フォルト、アクティビティ完了など、アクティビティのステータスが表示されます。
開始	アクティビティが開始された時間を示すタイムスタンプ。
終了	アクティビティが終了した時間を示すタイムスタンプ。
場所	アクティビティの場所を示します。

「監査証跡」はツリー表示でも表示できます。「監査証跡」をツリー表示にすると、割込みタイマーまたは非割込みタイマーがツリー構造に表示されます。割込みタイマーの場合、期限切れになると中断される期日がノードに表示されます。

タイマーのスケジューリング・タイプ	非割込み	割込み
イベント・サブプロセス	タイマーのスケジューリング・ノードは、このタイマーがトリガーされるプロセス・レベルまたはサブプロセス・レベルに表示されます。	「期日」はタイマーが開始したときに閉じるノードに設定されます。
境界タイマー	タイマーのスケジューリング・ノードは、このタイマーがバインドされるアクティビティ・レベルまたはサブプロセス・レベルに表示されます。	「期日」はタイマーが開始したときに、閉じるか取り消されるノードに伝播されます。
中間タイマー	FLOW_NODE_INイベントはスケジューリングを、FLOW_NODE_OUTは終了を示します。	期日は伝播されません。

35.2 BPMNプロセス・サービス・エンジンのパフォーマンス統計の監視

サービス・エンジンで実行しているすべてのBPMNプロセス・サービス・コンポーネントについて、保留中およびアクティブなリクエストとスレッド・パフォーマンス統計を監視できます。

BPMNプロセス・サービス・エンジンのリクエストとスレッド統計を監視する手順は、次のとおりです。

次のいずれかのオプションを使用して、このページにアクセスします。

SOAインフラストラクチャのメニューから...	ナビゲータのSOAフォルダから...
「サービス・エンジン」→「BPMN」の順に選択します。	「soa-infra」を右クリックします。「サービス・エンジン」→「BPMN」の順に選択します。

「統計」タブをクリックします。

「統計」ページに、次の詳細が表示されます。
- サービス・エンジン内の保留中のリクエスト数。このグラフを使用して、実行を待機中のバックログ・リクエストを表示できます。
- サービス・エンジン内のアクティブ・リクエスト数。このグラフは、現在のサービス・エンジンの負荷を判断するために使用します。ほとんどのリクエストが即時処理されるため、極度の負荷状態でのみグラフにデータが表示されます。
- サービス・エンジンのスレッド統計。この表を使用して、BPMNプロセス・サービス・エンジンのスレッド・パフォーマンスの詳細を表示します。詳細には、パフォーマンス・カテゴリに使用されるスレッド数(アクティブ・スレッド数、最大アクティブ・スレッド数など)が含まれます。
図GUID-2CA414AB-37BF-4E3A-A0A8-7DDFCC5FAB04-default.pngの説明

BPMNプロセスのチューニングとパフォーマンス・プロパティの詳細は、パフォーマンスのチューニングを参照してください。

35.3 サービス・エンジンにデプロイされたBPMNプロセスの監視

サービス・エンジンで実行しているBPMNプロセス・サービス・コンポーネントで構成されたすべてのデプロイ済SOAコンポジット・アプリケーションを監視できます。

注意:

サブタスクはOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにはリストされません。

サービス・エンジンにデプロイされたBPMNプロセスを監視する手順は、次のとおりです。

次のいずれかのオプションを使用して、このページにアクセスします。

SOAインフラストラクチャのメニューから...	ナビゲータのSOAフォルダから...
「サービス・エンジン」→「BPMN」の順に選択します。	「soa-infra」を右クリックします。「サービス・エンジン」→「BPMN」の順に選択します。

「デプロイ済コンポーネント」タブをクリックします。

図GUID-A843D3E5-C1B4-4437-92AC-641FC5297832-default.pngの説明

「デプロイ済コンポーネント」ページに、次の詳細が表示されます。
- デプロイ済の特定のSOAコンポジット・アプリケーションを検索するためのユーティリティ。基準を指定して「検索」をクリックします。
- サービス・エンジンで実行しているBPMNプロセス・サービス・コンポーネントで構成されたデプロイ済SOAコンポジット・アプリケーションの詳細。サービス・コンポーネント名、SOAコンポジット・アプリケーションおよび現在のステータスが表示されます。
特定のサービス・コンポーネントのホーム・ページにアクセスするには、「名前」列で特定のサービス・コンポーネントをクリックします。

特定のSOAコンポジット・アプリケーションのホーム・ページにアクセスするには、「コンポジット」列で特定のSOAコンポジット・アプリケーションをクリックします。