プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA SuiteでのSOAアプリケーションの開発
12c (12.1.3)
E53007-05
目次へ移動
目次

前
次

52 SOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズ

この章では、BPELプロセス・サービス・コンポーネントで使用可能なカスタマイズ機能を使用して、SOAコンポジット・アプリケーションをカスタマイズする方法について説明します。ここでは、カスタマイズ可能なアプリケーションの作成、バーティカル・バージョンのアプリケーションのカスタマイズ、および顧客バージョンのアプリケーションのカスタマイズを行う方法について説明します。また、次のバージョンのアプリケーションにアップグレードする方法についても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

52.1 SOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズの概要

この項では、SOAコンポジット・アプリケーションをカスタマイズするライフ・サイクルについて説明します。たとえば、次の各組織では、同じコンポジットを使用する必要があるとします。ただし、若干の変更が必要です。

  • コア・アプリケーション開発チーム

  • バーティカル・アプリケーション・チーム

  • 顧客

コア・アプリケーション開発チームでは、カスタマイズ可能な基本コンポジットを作成し、バーティカル・アプリケーション・チームに提供します。バーティカル・アプリケーション・チームでは、提供されたコンポジットを特定の業界(通信業界など)向けにカスタマイズします。調整されたソリューションは、通信業の顧客に販売されます。顧客は、特定の地理的なビジネス・ニーズに対応するためにコンポジットをさらにカスタマイズします。原則的には、1つの基本コンポジットと、複数レイヤーのカスタマイズ・コンポジットがあります。コンポジット・ライフ・サイクルの後半で、コア・アプリケーション開発チームは基本コンポーネントの新バージョンを作成し、バーティカル・アプリケーション・チームと顧客のアップグレード・サイクルをトリガーします。

レイヤー値は、指定されたカスタマイズ・レイヤーの値です。レイヤーとそのレイヤー値は1対多の関係です。カスタマイズを実行するレイヤーからレイヤー値を選択します。たとえば、Countryというカスタマイズ・レイヤーを表すカスタマイズ・クラスを指定するとします。次に、USAChinaIndiaなどの、その値に対する国を指定できます。Oracle JDeveloperをカスタマイズを実行するために「カスタマイズ開発者」ロールで再起動する場合、Oracle JDeveloperの「カスタマイズ・コンテキスト」ウィンドウからレイヤーのUSAなどのレイヤー値(つまり国)から1つを選択する必要があり、これは、その国に対するカスタマイズを作成することを意味します。

52.2 カスタマイズ可能なコンポジットの作成

この項では、カスタマイズ可能な基本SOAコンポジット・アプリケーションの作成に必要な手順の概要を示します。

52.2.1 カスタマイズ・クラスの作成方法

この項では、カスタマイズ・クラスを作成する方法について説明します。この例では、MyCustomizationLayerという名前のカスタマイズ・レイヤーのクラスを作成します。

カスタマイズ・クラスを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloperでJavaクラスの作成ウィザードを起動するには、「ファイル」「ギャラリから」「一般」「Java」の順に選択します。
  2. 次のクラスを拡張するJavaクラスを作成します。
    oracle.tip.tools.ide.fabric.custom.GenericSOACustomizationClass
    
  3. カスタマイズ・クラスに次のコンテンツを指定します。
    package myCustomizationPackage;
    
    import oracle.tip.tools.ide.fabric.custom.GenericSOACustomizationClass;
    
    public class MyCustomizationClass extends GenericSOACustomizationClass {
    
        public MyCustomizationClass() {
            super();
    
            // set the customization layer name
            setName("MyCustomizationLayer");
        }
    }
    

    カスタマイズ・クラスに正しいカスタマイズ・レイヤーが設定されるようにするには、コンストラクタに次をパラメータなしで追加して、カスタマイズ・レイヤー名を設定する必要があります。

     // set the customization layer name        
            setName("MyCustomizationLayer");
    

    オプションで、パラメータ付きのコンストラクタを削除することもできます。

    「Javaクラスの作成」ウィザードによって次のコンテンツが自動的に生成されます。

    package myCustomizationPackage;
    
    import oracle.tip.tools.ide.fabric.custom.GenericSOACustomizationClass;
    
    public class MyCustomizationClass extends GenericSOACustomizationClass {
        public MyCustomizationClass(String string, String string1) {
            super(string, string1);
        }
    
        public MyCustomizationClass() {
            super();
        }
    }
    

    カスタマイズ・クラスを有効にするには、SOAプロジェクトをビルドしてカスタマイズ・クラスをコンパイルします。

  4. 「アプリケーション」ウィンドウで、「SOAプロジェクト」を右クリックして「ビルドSOA_project_name.jpr」を選択します。
  5. Oracle JDeveloperの下部にある「ログ」ウィンドウで出力を確認して、ビルドが成功したことを確認します。

52.2.2 カスタマイズ可能なコンポジットの作成方法

カスタマイズ可能なコンポジットを作成する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloperを起動し、「デフォルトのロール」を選択します。
  2. 「ファイル」メニューから「新規」「アプリケーション」「SOAアプリケーション」の順に選択し、「OK」をクリックします。
  3. SOAアプリケーションの作成ウィザードで、次の手順に従います。
  4. SOAアプリケーションの作成ウィザードの「SOA設定の構成」ダイアログ(手順3の3)で、「BPELプロセスによるコンポジット」「カスタマイズ可能」の両方のチェック・ボックスを選択して、「終了」をクリックします。
  5. BPELプロセスを設計します。

    注意:

    変換を設計する場合は、XSLTマップ・エディタでのカスタマイズに関する次の制限に注意してください。

    • ターゲット・パネル内のノードを右クリックすると表示される「テンプレートに作成」オプションが無効になります。

    • 「XSLマップのテスト」オプションは、インポートされたXSLファイルに対するテンプレートの呼出しとテンプレートの適用については無効になります。このオプションは名前付きテンプレートに対して適用され、一致属性を持つテンプレート・ルールには適用されません。

  6. scopeアクティビティを作成して、BPELプロセスをカスタマイズします。デフォルトではBPELプロセスはカスタマイズ可能でないため、このアクションが必要です。

    注意:

    「カスタマイズ開発者」ロールでOracle JDeveloperにログインしている場合は、composite.xmlファイル、.bpelファイル(Oracle BPEL Process Managerの場合)、.xslマップ・ファイルおよび.mplanファイル(Oracle Mediatorの場合)のみカスタマイズできます。

  7. スコープを右クリックし、「カスタマイズ可能」を選択します。スコープを開いて右クリックすると、「カスタマイズ可能」オプションは表示されません。
  8. 「アプリケーション」ウィンドウで、「アプリケーション・リソース」「ディスクリプタ」「ADF META_INF」の順に開きます。
  9. adf-config.xmlファイルを開き、「MDS」タブを選択します。
  10. 図52-1に示すように、「追加」アイコンをクリックして必要なカスタマイズ・クラスを追加します。

    実際の環境では、「SOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズの概要」の例に示すとおり、カスタマイズ・クラスは、コア・アプリケーション・チームによって提供されます。独自のカスタマイズ・クラスを使用する場合は、カスタマイズ・クラスのJARファイルをプロジェクトに追加して、adf-config.xmlファイルでそのクラスを使用できるようにする必要があります。

    図52-1 カスタマイズ・クラス

    図52-1の説明が続きます
    「図52-1 カスタマイズ・クラス」の説明
  11. SOAプロジェクトを右クリックし、「デプロイ」を選択します。

    注意:

    scopeアクティビティが空の場合は、コンパイル・エラーが返されます。空のアクティビティをscopeアクティビティにドラッグして、コンパイルを渡すことができます。

  12. 「デプロイメント・アクション」ページで「SARファイルの生成」を選択します。これにより、JARファイル・パッケージが作成されます。このJARは、SOAアーカイブ(SAR)とも呼ばれます。
  13. アプリケーションをソース・コード・コントロール・システムにチェックインします。これで、バーティカル・アプリケーション・チームに提供するファイルの準備が整いました。

カスタマイズ・クラスの作成方法の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』を参照してください。

52.2.3 XSDまたはWSDLファイルの追加方法

XSDまたはWSDLファイルを追加する手順は、次のとおりです。

「カスタマイズ開発者」ロールでログインすると、XMLスキーマまたはWSDLドキュメントをOracle JDeveloperで追加することができます。

  1. 「アプリケーション」ウィンドウで「Oracle SOA Suite」プロジェクトを右クリックします。
  2. 「SOA」を選択します。
  3. 作成するアーティファクトを次の中から選択します。
    • XMLスキーマの作成

      プロジェクトで新しいXMLスキーマ・ファイルを追加する、「XMLスキーマの作成」ダイアログを起動します。完了すると、新しいスキーマ・ファイルが自動的に開きます。

    • WSDLドキュメントの作成

      プロジェクトで新しいWSDLファイルを追加する、WSDLの作成ダイアログを起動します。

52.2.4 BPELプロセスでのカスタマイズ・アクティビティの検索方法

Oracle JDeveloperのBPELプロセスでカスタマイズ・アクティビティを検索できます。

カスタマイズしたアクティブを検索する手順は、次のとおりです。

  1. 「カスタマイズ開発者」ロールを使用してOracle JDeveloperにアクセスします。
  2. デザイナの上部にあるBPELプロセスの「検索」メニューで、図52-2に示すように「カスタマイズ検索」を選択します。

    図52-2 「カスタマイズ検索」オプション

    図52-2の説明が続きます
    「図52-2 「カスタマイズ検索」オプション」の説明

    デザイナの下部にある「ログ」ウィンドウの「カスタマイズの検索」タブに検索結果が表示されます。

52.2.5 Oracle JDeveloperでの検証エラーの解決に関する必知事項

カスタマイズ・ロールでは、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリによってカスタマイズとベース・メタデータがマージされます。マージにより、スキーマに対して無効なXMLドキュメントが作成される可能性があります。MDSリポジトリのマージでは、マージによって常に有効なXMLドキュメントが作成されることを確認するためのスキーマ検証は起動されません。このため、メタデータUIエディタをレンダリングするためにメタデータの妥当性に依存するMDSクライアントに問題が発生する可能性があります。

composite.xmlなどのSOAファイルが無効になる場合は、Oracle JDeveloper「ソース」ビューに切り替えて、XMLソースを直接修正する必要があります。「ソース」ビューが編集不可(「カスタマイズ開発者」ロールを使用してOracle JDeveloperにアクセスした場合など)の場合は、Oracle JDeveloperの「構造」ウィンドウを使用してXMLソースを修正する必要があります。

たとえば、カスタマイズ可能なスコープを含むBPELプロセスで基本SOAコンポジット・アプリケーションを作成したとします。基本アプリケーションのSARファイルが新しいアプリケーションにインポートされ、「カスタマイズ開発者」ロールでOracle JDeveloperにアクセスするとき、次のコンポーネントが追加されました。

  • アウトバウンド・ファイル・アダプタ

  • ファイル・アダプタを起動するためのinvokeアクティビティ(カスタマイズ可能なスコープに追加)

バージョン2の基本SOAコンポジット・アプリケーションが作成されたときに、同期Oracle Mediatorサービス・コンポーネントが追加されました。これにより、BPELプロセス・サービス・コンポーネントへのルーティング・ルールが更新されました。

その後、バージョン2のベース・アプリケーションのSARファイルが、カスタマイズされたアプリケーションにインポートされました。ユーザーが「カスタマイズ開発者」ロールを使用してOracle JDeveloperにアクセスしたときに、無効なコンポジット・エラーが表示されました。「構造」ウィンドウのcomposite.xmlファイルには、次のように、一連のサービス・コンポーネントおよび参照バインディング・コンポーネントの無効な構造が表示されました。次の例に詳細を示します。

<component> </component>
<reference> </reference>
<component> </component>

<reference>コンポーネント(この場合、バージョン1のベース・アプリケーションでは、ユーザーが「カスタマイズ開発者」ロールを使用してOracle JDeveloperにアクセスしたときに追加されたアウトバウンド・ファイル・アダプタ)は、最後に表示されている必要があります。次の例に詳細を示します。

<component> </component>
<component> </component>
<reference> </reference>

このエラーを解決するには、「構造」ウィンドウに移動し、これらのコンポーネントをコピーして正しい順序で貼り付けます。このアクションにより、コンポジット検証エラーが解決されます。

52.2.6 シーケンスの競合の解決に関する必知事項

この項では、シーケンスの競合の解決方法の例を説明します。

シーケンスの複雑さを解決する手順は、次のとおりです。

  1. バージョン1のSOAコンポジット・アプリケーションをカスタマイズします。

    たとえば、「カスタマイズ開発者」ロールでOracle JDeveloperにログインしているときに、BPELプロセスのカスタマイズ可能なscopeアクティビティに新しいアクティビティを追加します。BPELプロセスにより、新しいアクティビティが追加されるsequenceアクティビティが作成されます。

  2. バージョン2のSOAコンポジット・アプリケーションを作成します。

    バージョン2コンポジットで、同じカスタマイズ可能なスコープに新しいアクティビティを追加すると、新しいsequenceアクティビティが作成されます。

  3. バージョン2のSOAコンポジット・アプリケーションをカスタマイズされたアプリケーションにインポートします。
  4. 「カスタマイズ開発者」ロールでOracle JDeveloperを開きます。

    次のエラーが表示されます。

    Sequence element is not expected
    

52.2.6.1 競合を解決する手順:

  1. 「構造」ウィンドウに移動します。

  2. シーケンスを展開します。

  3. 各コンポーネントをコピーし、別のシーケンスに貼り付けます。

  4. コピー元のシーケンス内のコンポーネントを削除します。

  5. シーケンスが空の場合は削除します。

52.2.7 カスタマイズされたアプリケーションのコンパイルおよびデプロイに関する必知事項

コア・アプリケーション、バーティカル・アプリケーションまたは顧客レベルでカスタマイズされたアプリケーションをデプロイまたはコンパイルすると、次の例に示すように、予期しないID属性を説明した警告メッセージが表示されます。これらのメッセージは無視して問題ありません。スキーマ定義に必要な単純型要素が含まれていないために、これらのメッセージが表示されます。これらのメッセージにより、カスタマイズされたコンポジットが正常にデプロイされないわけではありません。

[scac] warning: in
 /scratch/qizhong/my-jdev/mywork/CompositeTestApp2/Project2/composite.xml(22,32): 
 Schema validation failed for
 /scratch/qizhong/my-jdev/mywork/CompositeTestApp2/Project2/composite.xml<Line 22,
 Column 32>: XML-24535: (Error) Attribute
 'http://www.w3.org/XML/1998/namespace:id' not expected.
    [scac] warning: in
 /scratch/qizhong/my-jdev/mywork/CompositeTestApp2/Project2/composite.xml(23,32): 
 Schema validation failed for
 /scratch/qizhong/my-jdev/mywork/CompositeTestApp2/Project2/composite.xml<Line 23,
 Column 32>: XML-24535: (Error) Attribute
 'http://www.w3.org/XML/1998/namespace:id' not expected. 

52.3 バーティカル・アプリケーションのカスタマイズ

この項では、バーティカルSOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズに必要な手順の概要を示します。

注意:

異なるレイヤー値の同じSOAコンポジット・アプリケーションをカスタマイズしないでください。レイヤー値は、「SOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズの概要」で説明するとおり、ベース・コンポジットに対して行ったカスタマイズです。カスタマイズ用にサポートされているのは、1つのレイヤー値のみです。別のレイヤー値をサポートする必要がある場合は、必ずベース・コンポジットを別のプロジェクトにインポートし、コンポジット名を、カスタマイズするレイヤー値に固有のものに変更します。このアプローチは、同じコンポジット名で異なるレイヤー値をデプロイしないようにするデプロイメントの場合にも便利です。

52.3.1 バーティカル・アプリケーションのカスタマイズ方法

バーティカル・アプリケーションをカスタマイズする手順は、次のとおりです。

  1. 次のいずれかの方法を使用して、カスタマイズ・レイヤーのレイヤー値を追加します。

    1. アプリケーション固有のレイヤー値を追加するには、図52-3に示すように、「デザインタイム・カスタマイズ・レイヤー値の構成」リンクをクリックします。

      図52-3 「デザインタイム・カスタマイズ・レイヤー値の構成」リンク

      図52-3の説明が続きます
      「図52-3 「デザインタイム・カスタマイズ・レイヤー値の構成」リンク」の説明
    2. レイヤー値を追加します。

      値を指定してファイルを保存すると、「アプリケーション・リソース」のMDS DTフォルダにCustomizationLayerValues.xmlファイルが表示されます。カスタマイズ・クラスはレイヤー名を提供し、CustomizationLayerValues.xmlファイルはレイヤー値を提供します。どちらも必要です。この場所のファイルをダブルクリックすると、その他の変更を行うためのエディタが開きます。

    または

    1. すべてのアプリケーションに適用可能なグローバル値を追加するには、$JDEV_HOME/jdeveloper/jdevCustomizationLayerValues.xmlファイルを開き、カスタマイズ・レイヤーのレイヤー値を追加します。たとえば、値Communicationsindustryレイヤーに追加します。

      <cust-layers xmlns="http://xmlns.oracle.com/mds/dt">
        <cust-layer name="industry">
          <cust-layer-value value="communications" display-name="Communications"/>
        </cust-layer>
      </cust-layers>
      
  2. Oracle JDeveloperを起動し、「デフォルトのロール」を選択します。

  3. コア・アプリケーションとは異なる名前で新しいSOAアプリケーションを作成します。

  4. 「ファイル」メニューから、「インポート」「SOAアーカイブをSOAプロジェクトへ」の順に選択します。

  5. 「参照」をクリックし、「カスタマイズ可能なコンポジットの作成」でコア・アプリケーション・チームが作成したコンポジット・アーカイブのJARファイルを選択します。

  6. 「コンポジット名」フィールドで、コアSOAプロジェクトとは別の名前を入力します。

    注意:

    SOAプロジェクトは選択しないでください。インポートするJARファイルには、新規SOAプロジェクトを作成する必要があります。

  7. 「カスタマイズ用にインポート」チェック・ボックスを選択します。

  8. 「アプリケーション」ウィンドウで、プロジェクトを右クリックし、「SOA」「カスタマイズ可能」の順に選択します。

  9. Oracle JDeveloperを再起動します。

    「カスタマイズ・コンテキスト」ダイアログに、使用可能なカスタマイズ・レイヤーとレイヤー値が表示されます。

  10. 図52-4に示すように、カスタマイズするレイヤーおよび値を選択します(この例では、レイヤーindustryおよび値Communicationsが選択されています)。

    図52-4 カスタマイズ・コンテキスト

    図52-4の説明が続きます
    「図52-4 カスタマイズ・コンテキスト」の説明
  11. SOAコンポジット・エディタで、BPELプロセスをダブルクリックしてOracle BPELデザイナにアクセスします。

    編集できるのは、カスタマイズ可能に設定されているscopeアクティビティのみです。図52-5に示す例では、コア・アプリケーション・チームが1つのスコープのみをカスタマイズ可能に設定しています。BPELプロセスのその他のアクティビティは無効になり、編集できません。

    図52-5 カスタマイズ可能な1つのスコープ

    図52-5の説明が続きます
    「図52-5 カスタマイズ可能な1つのスコープ」の説明
  12. 「アプリケーション」ウィンドウで「SOAプロジェクト」を右クリックし、「デプロイ」を選択してカスタマイズ・コンポジット(SAR)のJARファイルを作成します。

    デプロイメントはカスタマイズ・ロールが使用可能な状態で起動されるため、現在のカスタマイズ・コンテキストに基づいて適切なレイヤーの基本コンポジットが自動的にマージされます。

  13. アプリケーションをソース・コード・コントロール・システムにチェックインします。

    JARファイルには、次のカスタマイズ・レベルの基本プロセスとして順に機能するマージされたコンポジットが格納されます。これで、JARファイルを顧客に提供できるようになりました。

注意:

「カスタマイズ開発者」ロールでOracle JDeveloperにログインしているときに、WSDLファイルおよびXSDファイルを作成できます。「アプリケーション」ウィンドウで、プロジェクト名を右クリックし、「SOA」「WSDLドキュメントの作成」または「SOA」「XMLスキーマの作成」の順に選択します。

52.4 顧客バージョンのカスタマイズ

この項では、顧客バージョンのSOAコンポジット・アプリケーションのカスタマイズに必要な手順の概要を示します。

52.4.1 顧客バージョンのカスタマイズ方法

顧客バージョンをカスタマイズする手順は、次のとおりです。

  1. 次のいずれかの方法を使用して、カスタマイズ・レイヤーのレイヤー値を追加します。

    1. アプリケーション固有のレイヤー値を追加するには、「バーティカル・アプリケーションのカスタマイズ」の手順1に示すように、「デザインタイム・カスタマイズ・レイヤー値の構成」リンクをクリックします。

    2. レイヤー値を追加します。

      値を指定してファイルを保存すると、「アプリケーション・リソース」のMDS DTフォルダにCustomizationLayerValues.xmlファイルが表示されます。この場所のファイルをダブルクリックすると、その他の変更を行うためのエディタが開きます。

    または

    1. すべてのアプリケーションに適用可能なグローバル値を追加するには、$JDEV_HOME/jdeveloper/jdevCustomizationLayerValues.xmlファイルを開き、カスタマイズ・レイヤーのレイヤー値を追加します。たとえば、North America値およびAsia Pacific値をsiteレイヤーに追加します。

      <cust-layers xmlns="http://xmlns.oracle.com/mds/dt">
        <cust-layer name="site">
          <cust-layer-value value="communications" display-name="North America"/>
          <cust-layer-value value="communications" display-name="Asia Pacific"/>
        </cust-layer>
      </cust-layers>
      
  2. Oracle JDeveloperを起動し、「デフォルトのロール」を選択します。

  3. コア・アプリケーションまたはカスタマイズ・アプリケーションとは異なる名前で新しいSOAアプリケーションを作成します。

  4. 「ファイル」メニューから、「インポート」「SOAアーカイブをSOAプロジェクトへ」の順に選択します。

  5. 「参照」をクリックし、「バーティカル・アプリケーションのカスタマイズ」でバーティカル・アプリケーション・チームが作成したコンポジット・アーカイブのJARファイルを選択します。

  6. 「カスタマイズ用にインポート」チェック・ボックスを選択します。

  7. 「ツール」メニューから、「ロールの切替え」「カスタマイズ開発者」を選択します。

  8. Oracle JDeveloperを再起動します。

    「カスタマイズ・コンテキスト」ダイアログに、使用可能なカスタマイズ・レイヤーとレイヤー値が表示されます。

  9. 図52-6に示すように、カスタマイズするレイヤーと値を選択します(この例では、siteレイヤーとNorth America値が選択されています)。

    図52-6 カスタマイズ・コンテキスト

    図52-6の説明が続きます
    「図52-6 カスタマイズ・コンテキスト」の説明
  10. BPELプロセスをカスタマイズします。

  11. SOAプロジェクトを右クリックし、「デプロイ」を選択して北米地域のJARファイル(SAR)を作成します。

  12. アプリケーションをソース・コード・コントロール・システムにチェックインします。

52.5 コンポジットのアップグレード

この項では、SOAコンポジット・アプリケーションの次のバージョンへのアップグレードに必要な手順の概要を示します。

52.5.1 コア・アプリケーション・チーム・コンポジットのアップグレード方法

コア・アプリケーション・チームは、不具合の修正、製品の拡張および次のバージョンのコンポジットの作成を実施します。

コア・アプリケーション・チーム・コンポジットをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. 「カスタマイズ可能なコンポジットの作成」で作成したアプリケーションをソース・コントロールからチェックアウトします。
  2. Oracle JDeveloperを起動し、「デフォルトのロール」を選択します。
  3. 不具合を修正し、製品を拡張します。
  4. コンポジットをデプロイし、次のバージョンのJARファイルを作成します。
  5. JARファイルをバーティカル・アプリケーション・チームに提供します。

52.5.2 バーティカル・アプリケーション・チーム・コンポジットのアップグレード方法

バーティカル・アプリケーション・チームは、新しい基本コンポジットをカスタマイズしてJARファイル・バージョンを作成します。

バーティカル・アプリケーション・チーム・コンポジットをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. 「バーティカル・アプリケーションのカスタマイズ」で作成したアプリケーションをソース・コントロールからチェックアウトします。
  2. Oracle JDeveloperを起動し、「デフォルトのロール」を選択します。
  3. チェックアウトしたアプリケーションを開きます。
  4. 「アプリケーション」ウィンドウでプロジェクト・ノードを選択し、現在のプロジェクト・コンテキストを設定します。次の手順のインポート・コマンドでは、選択したプロジェクトにSOAアーカイブをインポートして基本をアップグレードするため、この手順は重要です。
  5. Oracle JDeveloper「ファイル」メニューから、「コア・アプリケーション・チーム・コンポジットのアップグレード方法」で作成された新規リビジョンのJARファイルをインポートします。
  6. 「ツール」メニューから、「ロールの切替え」「カスタマイズ開発者」の順に選択します。
  7. Oracle JDeveloperを再起動します。
  8. 「カスタマイズ・コンテキスト」ダイアログで、カスタマイズするレイヤーと値を選択します(たとえば、industryレイヤーとCommunicationsの値を選択します)。
  9. BPELプロセスを開き、前の手順で選択したコンテキストのレイヤーに、新しい基本コンポーネントをマージできるかどうかを確認します。
  10. ログ・ウィンドウで潜在的な警告およびエラーを確認します。
  11. 必要な場合は、プロセスを変更してエラーおよび警告を修正します。これにより、レイヤーがバックグラウンドで編集されます。
  12. コンポジットをデプロイして、カスタマイズされたJARファイルの次のリビジョンを作成し、アップグレードする顧客に提供します。

52.5.3 カスタマ・コンポジットのアップグレード方法

顧客は、「バーティカル・アプリケーション・チーム・コンポジットのアップグレード方法」のバーティカル・アプリケーション・チームと同じ手順に従って、新しいベース・コンポジットに独自のレイヤーを適用します。