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Oracle® Fusion Middleware SOA Suite WLSTコマンド・リファレンス
12c (12.1.3)
E57589-03
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4 Oracle Enterprise SchedulerのカスタムWLSTコマンド

Oracle Enterprise Schedulerジョブを管理するには、Oracle Enterprise Scheduler (ESS)コマンドを使用します。シェル・スクリプトと同様に便利な多くのコマンドによって実行が簡単になります。ネイティブ・コマンドについては「Oracle Enterprise Schedulerのカスタム・ネイティブ・コマンド」、シェル・スクリプトについては「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明します。

注意:

Oracle Enterprise SchedulerのカスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle共通ホームからWLSTスクリプトを起動する必要があります。Oracle Fusion Middlewareの管理のカスタムWLSTコマンドの使用に関する項を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 ネイティブ呼出し

次の手順に、この章で説明するWLSTネイティブ・コマンドを実行する方法を示します。これらのコマンドの多くに便利なシェル・スクリプトを使用でき、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されています。

  1. 次のディレクトリに移動します。

    $ORACLE_HOME/common/bin

  2. 次のJARアーカイブをクラス・パスに配置します。
    • MW_HOME/oracle_common/modules/oracle.jmx_11.1.1/jmxframework.jar

    • MW_HOME/WLS_HOME/lib/weblogic.jar

    • MW_HOME/ORACLE_HOME/ess/lib/ess-admin.jar

  3. 次のコマンドのいずれかを実行します。
    • wlst.sh (Linux)

    • wlst.cmd (Windows)

  4. WLS管理サーバーに接続します。次に例を示します。

    connect('weblogic', 'weblogic1', 't3://hostabc:7001')

  5. WLSTコマンドを呼び出します。

4.1.1 プリント文の有効化および無効化

Oracle Enterprise Schedulerのプリント出力は、次のように明示的に有効または無効にできます。対話形式の使用では、プリントを有効にする必要があります。デフォルトでは、Oracle Enterprise Schedulerのプリントは有効になっています。

  • enableESSPrint() — Oracle Enterprise SchedulerのWLSTコマンドのプリント出力を有効にします。

  • disableESSPrint() — Oracle Enterprise SchedulerのWLSTコマンドのプリント出力を無効にします。

4.1.2 ヘルプの利用

WLSTコンソールでは、次のように入力して使用可能なOracle Enterprise Schedulerのネイティブ・コマンドのリストを取得できます。

wls:/offline> help('OracleScheduler')

コマンドの使用方法の情報を取得するには、help('command_name')と入力します。次に例を示します。

wls:/offline> help('manageSchedulerRuntimeConfig')

4.2 「Oracle Enterprise Schedulerのカスタム・ネイティブ・コマンド」

Oracle Enterprise Schedulerのサーバー、構成、ジョブ・リクエストおよびログを管理するには、表4-1に示されたOracle Enterprise Schedulerコマンドを使用してください。3列目の「オンライン」とは、実行中の管理サーバーに接続している場合にのみ、そのコマンドが使用できることを意味します。「オフライン」とは、実行中のサーバーに接続していない場合にのみ、そのコマンドが使用できることを意味します。

表4-1 Oracle Enterprise Scheduling Serviceの基本コマンド

使用するコマンド 用途 使用するWLST

manageSchedulerRuntimeConfig

様々な構成パラメータを追加、変更、削除および表示します。

オンライン

getSchedulerRequestContent

リクエストの実行完了後にリクエストに対するログおよび出力データ・ファイルを取得します。

オンライン

querySchedulerRequests

ホスティング・アプリケーションの名前、状態、実行の経過時間に基づいて、リクエストを検索および一覧表示します。

オンライン

manageSchedulerRequest

リクエストの状態を手動で、取消し、リカバリまたは完了します。

オンライン

manageSchedulerServer

サーバーで実行中のOracle Enterprise Schedulerアプリケーションを起動、停止およびステータスの取得をします。

オンライン

submitSchedulerRequest

Oracle Enterprise Schedulerへの実行のジョブ・リクエストを発行します。

オンライン

manageSchedulerJobDefn

Oracle Enterprise Schedulerのジョブ定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズ、更新)します。

オンライン

manageSchedulerSchedule

Oracle Enterprise Schedulerのスケジュール定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズ、更新)します。

オンライン

4.2.1 「構成パラメータの管理(追加/削除/修正/取得)」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.1.1 説明

様々な構成パラメータを追加、変更、削除および表示します。

4.2.1.2 構文

manageSchedulerRuntimeConfig(app,type,[operation],[name],[val])

引数 定義

app

ランタイム構成を管理するホスティング・アプリケーションの名前です。

type

プロパティのタイプです。APPまたはESSのいずれかが可能です。

operation

オプション。実行する操作。次のうちの1つ。

  • 追加(add)

  • 変更(mod)

  • 削除(del)

  • 取得(get)

  • すべて取得(getall)

name

(getall操作用のオプション)構成パラメータの名前です。

val

(del/get/getall操作用のオプション)パラメータに対して設定する値です。

4.2.1.3

  • ENVパラメータfooを値"bar"とともに追加

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="add", name="foo", val="bar")
    
  • ENVパラメータfooの値の取得

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="get", name="foo")
    
  • すべてのENVパラメータのリストの取得

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="getall") manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP")
    
  • ENVパラメータfooの値の"barone"への変更

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="mod", name="foo", val="barone")
    
  • ENVパラメータfooの削除

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="del", name="foo")
    
  • タイプESSのすべてのパラメータの表示

    manageSchedulerRuntimeConfig("myapp", "ESS")

4.2.1.4 関連シェル・スクリプト

4.2.2 「リクエストのログおよび出力コンテンツの取得」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.2.1 説明

リクエストの実行完了後にリクエストに対するログおよび出力データ・ファイルを取得します。

4.2.2.2 構文

getSchedulerRequestContent(requestId,contentType,[logLines], [outDir])

引数 定義

requestId

リクエストID

contentType

処理するコンテンツのタイプ。次のいずれかが可能です。

  • LOG

  • OUTPUT

  • BINARY_OUTPUT

  • TEXT_OUTPUT

このコマンドは、デフォルトではBINARY_OUTPUTおよびTEXT_OUTPUTの両方をチェックします。

logLines

オプション。リクエスト・ログから読み取られる行数です。デフォルト値は1000です。

outDir

オプション。出力ファイルをダンプするディレクトリの絶対パスです。デフォルトでは、このコマンドは現在のディレクトリを使用します。

4.2.2.3

  • リクエストID 123のリクエスト・ログの取得

    getSchedulerRequestContent(123, "LOG")
    
  • リクエスト123のすべての出力を取得

    getSchedulerRequestContent(123, "OUTPUT")
    
  • リクエスト123のすべての出力を取得し、それをディレクトリ/tmpに保存

    getSchedulerRequestContent(123, "OUTPUT", outDir="/tmp")
    
  • リクエスト123のすべてのテキスト出力を取得し、それをディレクトリ/tmpに保存

    getSchedulerRequestContent(123, "TEXT_OUTPUT", outDir="/tmp")
    
  • リクエスト123のすべてのバイナリ出力を取得し、それをディレクトリ/tmpに保存

    getSchedulerRequestContent(123, "BINARY_OUTPUT", outDir="/tmp")
    
  • リクエストID 123のリクエスト・ログの最初の100行を取得

    getSchedulerRequestContent(123, "LOG", logLines=100)
    

4.2.2.4 関連シェル・スクリプト

4.2.3 リクエストの検索および一覧表示

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.3.1 説明

ホスティング・アプリケーションの名前、状態、実行の経過時間に基づいて、リクエストを検索および一覧表示します。このコマンドは、長時間実行しているリクエストの検出に使用できます。

4.2.3.2 構文

querySchedulerRequests([app],[state],[days],[hours],[minutes])

引数 定義

app

オプション。ホスティング・アプリケーションの名前です

state

オプション。リクエスト状態を指定します。次のいずれかです。

  • WAIT

  • READY

  • RUNNING

  • COMPLETED

  • BLOCKED

  • HOLD

  • CANCELLING

  • EXPIRED

  • CANCELLED

  • ERROR

  • WARNING

  • SUCCEEDED

  • PAUSED

  • PENDING_VALIDATION

  • VALIDATION_FAILED

  • SCHEDULE_ENDED

  • FINISHED

  • ERROR_AUTO_RETRY

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

デフォルトで、このコマンドはRUNNINGを指定します。

days

オプション。日数を指定します。

hours

オプション。時間数を指定します。

minutes

オプション。時間数を指定します。

4.2.3.3

  • RUNNING状態のすべてのリクエストの取得

    querySchedulerRequests()
    or
    querySchedulerRequests(state="RUNNING")
    
  • 取り消されたすべてのリクエストの取得

    querySchedulerRequests(state="CANCELLED")
    
  • 実行してから2日を過ぎているすべてのリクエストの取得

    querySchedulerRequests(days=2)
    
  • 実行してから10時間を過ぎているすべてのリクエストの取得

    querySchedulerRequests(hours=10)
    
  • アプリケーションmyappに対して実行しているすべてのリクエストの取得

    querySchedulerRequests(appName="myapp")
    

4.2.3.4 シェル・スクリプト

4.2.4 リクエストの管理

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.4.1 説明

手動によるリクエストの取消し、リカバリ、完了またはリクエストの詳細を取得します。

4.2.4.2 構文

manageSchedulerRequest(requestId,operation,[asyncStatus], [statusMessage])

引数 定義

requestid

リクエストIDの指定

operation

次の操作のどれを実行するかを指定します。

  • CANCEL

  • RECOVER

  • COMPLETE

  • GETDETAIL

asyncStatus

COMPLETE操作に必要です。指定されたリクエストに対して設定するステータスを指定します。次のいずれかを指定する必要があります。

  • SUCCESS

  • PAUSE

  • WARNING

  • ERROR

  • CANCEL

  • UPDATE

  • BIZ_ERROR

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

statusMessage

COMPLETE操作に必要です。操作を説明する限定的なステータス・メッセージを指定します

4.2.4.3

  • リクエスト123の取消し

    manageSchedulerRequest(123, "CANCEL")
    
  • リクエスト123のリカバリ

    manageSchedulerRequest(123, "RECOVER")
    
  • リクエスト123の完了

    manageSchedulerRequest(123, "COMPLETE", asyncStatus="ERROR", statusMessage="Completed by Admin")

4.2.4.4 関連シェル・スクリプト

4.2.5 「Oracle Enterprise Schedulerサーバーの管理」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.5.1 説明

サーバーで実行中のOracle Enterprise Schedulerアプリケーションの起動、停止またはステータスを取得します。Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを起動すると、Oracle Enterprise Schedulerプロセッサ・スレッドが起動され、リクエスト処理を開始できます。Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを停止すると、Oracle Enterprise Schedulerプロセッサが停止または休止され、新しいリクエストが処理されなくなります。

4.2.5.2 構文

manageSchedulerServer(operation)

引数 定義

operation

次の操作のどれを実行するかを指定します。

  • START

  • STOP

  • STATUS

4.2.5.3

  • Oracle Enterprise Schedulerの停止

    manageSchedulerServer("STOP")
    
  • Oracle Enterprise Schedulerプロセッサの現在の状態の取得

    manageSchedulerServer("STATUS")
    

4.2.5.4 関連シェル・スクリプト

4.2.6 「Oracle Enterprise Schedulerへのジョブ・リクエストの発行」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.6.1 説明

Oracle Enterprise Schedulerへの実行のジョブ・リクエストを発行します。

4.2.6.2 構文

submitSchedulerRequest(appName,[jobName],[schMeth],[note], [schName],[RschName],[schDesc],[o_time],[begin_time], [frequency],[freqNum],[count],[end_time],[month],[week],[day], [date],[reqParams])

注意:

ジョブ定義は事前定義する必要がありますが、スケジュールはこのコマンドを使用してアドホック方式で定義できます。

引数 定義

appName

ジョブ用のホスティング・アプリケーションの名前です。

jobName

現在のリクエストに使用されるジョブ定義の名前です。(パッケージ名を含む)パス名は完全修飾される必要があります。完全修飾されていない場合、コマンドはデフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/customを使用します。

schMeth

オプション。次のスケジュール方法のどれを使用するかを指定します。

  • IMMEDIATE (I) - 他のパラメータは不要です。これはデフォルトの方法で、schMeth引数が指定されない場合に使用されます。

  • ONCE (O) - この方法が使用された場合、o_time引数が必要です。

  • SCHEDULE (S) - この方法が使用された場合、schName引数が必要です。

  • RECURRING (R) - この方法が使用された場合、RschNameおよびfrequency引数が必要です。

    引数schDescbegin_timefreqNumcountend_timemonthweekdaydateおよびfrequencyは、Recurring(R)方法の場合のみ有効です。「frequency」値に基づいたパラメータの組み合せは次のとおりです。

    オプションSECOND| MINUTE | HOUR | DAY | WEEKのいずれかとともにRecurring (R)方法を使用した場合、引数freqNumbegin_time、[count | end_time]を使用する必要があります。

    MONTHオプションとともに繰返し(R)方法を使用した場合、引数[{week day} | date] begin_time [count | end_time]を使用する必要があります。

    YEARオプションとともに繰返し(R)方法を使用する場合、引数 [month ({week day} | date)] begin_time [count | end_time]を使用する必要があります。

    繰返し(R)方法を使用する際は、スケジュールは今後の使用のためMDSに格納され、記憶域の場所は指定されたスケジュール名に基づきます。

例は、「例」を参照してください。

note

オプション。ジョブ・リクエストの簡単な説明を指定します。

schName

オプション。事前定義済のスケジュール定義の名前を指定します。(パッケージ名を含む)パス名は完全修飾される必要があります。完全修飾されていない場合、コマンドはデフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/customを使用します。

RschName

オプション。繰返し(R)オプションをschMeth引数に使用してスケジュールを定義する場合、スケジュールの名前を指定します。

schDesc

オプション。アドホック・スケジュールを説明する文字列値を指定します。デフォルトでは、この値は"Custom Ad-Hoc Schedule"です。

o_time

オプション。「ワンタイム」実行の時間を指定します。形式は、HH:MM:SS:DD:MM:YYYYです。

begin_time

オプション。繰返しスケジュールの開始時間を指定します。形式は、HH:MM:SS:DD:MM:YYYYです。

frequency

オプション。繰返しスケジュールの頻度を指定します。有効な値は、SECONDMINUTEHOURDAYWEEKMONTHYEARです。

freqNum

オプション。繰返しスケジュールの繰返し間隔を指定する整数値です。デフォルト値は「1」です。

count

オプション。リクエストの繰返しの最大数を指定します。

end_time

オプション。繰返しスケジュールの終了時間を指定します。形式は、HH:MM:SS:DD:MM:YYYYです。

month

オプション。frequencyYEARLYと指定された場合、何月かを指定します。有効な値は1-12です。

week

オプション。ある月の週を指定します。有効な値は1-6LASTです。

day

オプション。曜日を指定します。有効な値は1-7で、「1」は月曜日を表します。

date

オプション。月の特定の日を指定します。有効な値は1-31LASTです

reqParams

オプション。ディクショナリとして指定された他のリクエスト・パラメータまたはプロパティを指定します。

4.2.6.3

これらの例では次の変数が使用されています。

変数

HOSTING_APP

EssDemoApp

SCHEDULE_NAME

/oracle/apps/ess/custom/MySch

JOB_DEF_NAME

/oracle/apps/ess/demopackage/BasicJavaJob

  • 即時ジョブ実行のリクエストの発行(ワンタイムのみ)

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME)
    
  • 指定された時間にワンタイム・ジョブ実行のリクエストを発行

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME, schMeth='O',  o_time='21:10:30:03:05:2012')
    
  • 繰返しスケジュールでジョブ・リクエストを発行。この繰返しは、2012年5月3日の時刻21:10:30から始めて、3回繰り返されるまで実行されます。追加のリクエスト・パラメータは、reqName =testおよびPRIORITY= 10です。この繰返しは、今後の使用のためにMDSリポジトリにも保持されます。

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME, schMeth='R', RschName=SCHEDULE_NAME, frequency='MINUTE', freqNum=2, count=3, begin_time='21:10:30:03:05:2012', reqParams={'reqName':'test','PRIORITY':'10'})
    
  • 事前定義済のスケジュールを使用してジョブ・リクエストを発行

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME, schMeth='S',  schName=SCHEDULE_NAME)
    
  • 月の繰返しスケジュールでジョブ・リクエストを発行。リクエストの説明は、「Request with monthly schedule」です。繰返しスケジュール名および説明は、それぞれRschNameおよびschDescを使用して指定されます。

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME, note='Request with monthly schedule', schMeth='R', RschName=SCHEDULE_NAME+'1', schDesc='Monthly_schedule', frequency='MONTH', freqNum=2, begin_time='21:10:30:03:05:2012', week=5, day=4, end_time='21:10:30:04:05:2013')
    
  • 1年ごとに繰返すスケジュールでジョブ・リクエストを発行。リクエストの説明は、「Request with yearly schedule」です。繰返しスケジュール名および説明は、それぞれRschNameおよびschDescによって指定されます。

    2012年5月3日の21:10:30から始めて、5月の最終日(31日)に実行され、3年ごとに5回繰り返し実行されます。

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME,note='Request with yearly schedule',schMeth='R',RschName=SCHEDULE_NAME+'2', schDesc='Yearly_schedule', frequency='YEAR',freqNum=3,begin_time='21:10:30:03:05:2012',month=5, date='LAST',count=5)
    
  • 1時間ごとに繰返すスケジュールでジョブ・リクエストを発行。このスケジュールはMDSに格納されます。この繰返しは、現在の時刻に始めて、1時間ごとに繰り返されるように設定されます。

    submitSchedulerRequest(HOSTING_APP, JOB_DEF_NAME,schMeth='R', RschName=SCHEDULE_NAME,schDesc='HOURLY_schedule',frequency='HOUR')
    

4.2.6.4 関連シェル・スクリプト

4.2.7 「Oracle Enterprise Schedulerのジョブ定義の管理」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.7.1 説明

Oracle Enterprise Schedulerのジョブ定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズ、更新)します。

operationSHOWに設定された場合およびjobNameが指定された場合、コマンドはこの特定のジョブ定義の詳細を返します。それ以外の場合、コマンドはアプリケーションの一部であるすべてのジョブ定義のリストを表示します。

operationCREATEに設定された場合、コマンドは新しく作成されたジョブ定義のMetadataObjectIDを返します。

operationDELETECUSTOMIZEまたはUPDATEに設定された場合、コマンドは操作の成功または失敗に応じて0または-1を返します。

4.2.7.2 構文

manageSchedulerJobDefn(operation,appName,[jobName],[jobType], [desc],[props])

引数 定義

operation

ジョブで次の操作のどれを実行するかを指定します。

  • SHOW (S)

    特定のアプリケーションの一部であるジョブ定義のリストを表示します。ジョブ名が指定された場合、そのジョブ定義のみの詳細を表示します。

    この操作が使用された場合、appName引数が必要となり、jobNameがオプションになります。

  • CREATE (N)

    MDS内の(パラメータとして指定された)関連するアプリケーションのネームスペースに新しいジョブ定義を作成します。

    この操作が使用される場合、appNamejobNameおよびjobType引数が必要となり、descおよびpropsがオプションとなります。

  • DELETE (D)

    指定されたジョブ定義をMDSから削除します。

    この操作が使用される場合、appNameおよびjobName引数が必要になります。

  • CUSTOMIZE (C)

    既存のジョブ定義のカスタマイズ可能なプロパティを変更します。使用可能なカスタマイズ可能なプロパティは次のとおりです。SYS_retriesSYS_prioritySYS_requestCategorySYS_request_timeoutenableTraceenableTimeStatistics

    この操作が使用される場合、appNamejobNameおよびprops引数が必要になります。

  • UPDATE (U)

    既存のジョブ定義を指定されたプロパティ値で更新します(オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します)。

    この操作が使用される場合、appNamejobName、およびdescpropsのいずれかまたは両方の引数が必要になります。

appName

ジョブのホスティング・アプリケーションの論理名を指定します。

jobName

オプション。ジョブ定義の名前を指定します。作成、削除または更新の操作では、デフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/custom/が指定された名前の前に付加されます。

jobType

オプション。新しいジョブ定義の作成に使用されるジョブ・タイプの名前を指定します。名前にパッケージが含まれない場合、デフォルト値/oracle/as/ess/core/の接頭辞が名前に付加されます。

desc

オプション。新しいジョブ定義の説明を指定します。

props

オプション。ディクショナリとして指定された他のリクエスト・パラメータまたはプロパティを指定します。

注意:

  • ジョブ定義の作成、削除および更新では、jobName引数の値を(パッケージ名を含む)完全修飾名とすることができますが、デフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/customが常に接頭辞として付加されます。

  • 前の注意で示されているように、/oracle/apps/ess/customネームスペースにあるジョブ定義のみを作成、削除、または更新でき、事前パッケージ済ジョブ定義は変更できません。

  • jobType引数に完全修飾パス名を指定しない場合、デフォルト・パッケージ(/oracle/as/ess/core/)の接頭辞が名前に付加されます。

4.2.7.3

これらの例では次の変数が使用されています。

変数

HOSTING_APP

EssNativeHostingApp

JOB_DEF_PREDEF

/oracle/apps/ess/TestJob

JOB_DEF_NAME

TestJob_wlst

JOB_TYPE_NAME

JavaJobType

JOB_DESC

My WLST Test Defn

PARAMS

'SYS_retries':1,'myParam':'xyz'

  • HOSTING_APPのネームスペースにあるすべてのジョブ定義の表示

    manageSchedulerJobDefn('SHOW',HOSTING_APP)
    
  • HOSTING_APPのジョブ定義(JOB_DEF_PREDEF)部分の詳細表示

    manageSchedulerJobDefn('SHOW',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_PREDEF)
    
  • 新しいジョブ定義/oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstHOSTING_APPのネームスペースに/oracle/as/ess/core/JavaJobTypejobType値で作成

    manageSchedulerJobDefn('CREATE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME, jobType=JOB_TYPE_NAME)
    
  • /oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstという名前の新しいジョブ定義をHOSTING_APPネームスペースにjobType /oracle/as/ess/core/JavaJobTypeおよびJOB_DESCの値の説明とともに作成

    manageSchedulerJobDefn('CREATE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME,jobType=JOB_TYPE_NAME,desc=JOB_DESC)
    
  • /oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstという名前の新しいジョブ定義をHOSTING_APPネームスペースにjobType /oracle/as/ess/core/JavaJobTypeで、JOB_DESCおよびPARAMSで定義された説明およびパラメータとともに作成

    manageSchedulerJobDefn('CREATE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME,jobType=JOB_TYPE_NAME,desc=JOB_DESC,props=PARAMS)
    
  • ジョブ定義/oracle/apps/ess/custom/JOB_DEF_NAMEを新しい説明JOB_DESCで更新

    manageSchedulerJobDefn('UPDATE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME,desc=JOB_DESC)
    
  • ジョブ定義/oracle/apps/ess/custom/JOB_DEF_NAMEをプロパティPARAMSで更新

    manageSchedulerJobDefn('UPDATE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME,props=PARAMS)
    
  • HOSTING_APPのジョブ定義/oracle/apps/ess/custom/JOB_DEF_NAMEを削除

    manageSchedulerJobDefn('DELETE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_NAME)
    
  • HOSTING_APPの事前パッケージ済ジョブ定義JOB_DEF_PREDEFをカスタマイズ可能なプロパティSYS_retriesおよびSYS_priorityを使用してカスタマイズ

    manageSchedulerJobDefn('CUSTOMIZE',HOSTING_APP,jobName=JOB_DEF_PREDEF,props={'SYS_retries':2,'SYS_priority':3})

4.2.7.4 関連シェル・スクリプト

4.2.8 「Oracle Enterprise Schedulerのスケジュール定義の管理」

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.2.8.1 説明

Oracle Enterprise Schedulerのスケジュール定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズ、更新)します。

operationSHOWに設定された場合およびschNameが指定された場合、コマンドはこの特定のスケジュール定義の詳細を表示します。それ以外の場合、コマンドはアプリケーションの一部であるすべてのスケジュール定義のリストを表示します。コマンドは、操作が成功したか失敗したかに応じて0または-1を返します。

operationCREATEに設定された場合、コマンドは新しく作成されたスケジュール定義のMetadataObjectIDを返します。

operationDELETEまたはUPDATEに設定された場合、コマンドは操作が成功したか失敗したかに応じて0または-1を返します。

4.2.8.2 構文

manageSchedulerSchedule(operation,appName,[schName],[schDesc], [begin_time],[frequency],[interval],[count],[end_time],[month], [week],[day],[date])

引数 定義

operation

ジョブで次の操作のどれを実行するかを指定します。

  • SHOW (S)

    特定のアプリケーションの一部であるスケジュール定義のリストを表示します。

    この操作が使用された場合、appName引数が必要となり、schNameがオプションになります。

  • CREATE (C)

    MDS内の(パラメータとして指定された)関連するアプリケーションのネームスペースに新しいスケジュール定義を作成します。

    このオプションが使用される場合、appNameschNameおよびfrequency引数が必要となり、schDescがオプションとなります。

  • DELETE (D)

    指定されたジョブ定義をMDSから削除します。

    この操作が使用される場合、appNameおよびschName引数が必要になります。

  • UPDATE (U)

    既存のスケジュール定義を指定されたプロパティ値で更新します(オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します)。

    この操作が使用される場合、appNameschName、およびschDescfrequencyのいずれかまたは両方の引数が必要になります。

appName

ジョブのホスティング・アプリケーションの論理名を指定します。

schName

オプション。スケジュール定義の名前を指定します。作成、削除および更新の操作では、/oracle/apps/ess/custom/という名前のデフォルト・パッケージが、指定された名前の前に付加されます。

schDesc

オプション。定義の作成または更新時にスケジュール定義の説明を指定します。

begin_time

オプション。繰返しイベントの開始時間を指定します。形式は、HH:MM:SS:DD:MM:YYYYです。

frequency

オプション。繰返しの頻度。有効な値は、SECONDMINUTEHOURDAYWEEKMONTHYEARです。

オプションSECONDMINUTEHOURDAYWEEKのいずれかを使用する場合、引数intervalbegin_time、[count | end_time]を使用する必要があります。

MONTHオプションを使用した場合、引数[(week day) | date] [begin_time ] [count | end_time]を使用する必要があります。

YEARオプションを使用した場合、引数[month ({week day} | date)] [begin_time] [count | end_time]を使用する必要があります。

interval

オプション。frequencyオプションで使用する繰返し間隔を指定します。これは整数値で、デフォルト値は1です。

count

オプション。リクエストの繰返しの最大数を指定します。この値は、整数になります。

end_time

オプション。繰返しの終了時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

month

オプション。frequencyYEARに設定された場合、何月かを指定します。有効な値は1-12です。

week

オプション。ある月の週を指定します。有効な値は1-6およびLASTです。

day

オプション。曜日を指定します。有効な値は1-7で、1は月曜日を表します。

date

オプション。月の日にちを指定します。有効な値は1-31およびLASTです。

4.2.8.3

これらの例では次の変数が使用されています。

変数

HOSTING_APP

EssNativeHostingApp

PREDEF_SCHEDULE

/oracle/apps/ess/demo/seeded/MyPredefinedSch

SCHEDULE_NAME

MyWlstSchedule

SCH_DESC

Description for WLST test schedule

  • HOSTING_APPのネームスペースにあるすべてのスケジュール定義の表示

    manageSchedulerSchedule('SHOW',HOSTING_APP)
    
  • HOSTING_APPのスケジュール定義PREDEF_SCHEDULEの詳細表示

    manageSchedulerSchedule('SHOW',HOSTING_APP,schName=PREDEF_SCHEDULE)
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに説明SCH_DESCとともに作成。繰返しスケジュールは次のとおり。

    • 2分ごとに実行

    • 2012年5月3日の21:10:30に開始

    • 3回の反復で完了

    manageSchedulerSchedule('CREATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME, schDesc=SCH_DESC,frequency='MINUTE',interval=2,count=3, begin_time='21:10:30:03:05:12')
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。繰返しスケジュールは次のとおり。

    • 2か月ごとに5週目(該当する場合)の木曜日に実行

    • 2012年5月3日の21:10:30に開始

    • 2013年5月4日の21:10:30まで継続

      manageSchedulerSchedule('CREATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME, frequency='MONTH',interval=2, begin_time='21:10:30:03:05:12', week=5, day=4, end_time='21:10:30:04:05:13')
      
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。繰返しスケジュールは次のとおり。

    • 3年ごとに5月の最終日(5月31日)に実行

    • 2012年5月3日の21:10:30に開始

    • 5回の反復で完了

    manageSchedulerSchedule('CREATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME, frequency='YEAR',interval=3,begin_time='21:10:30:03:05:12',month=5,date='LAST',count=5)
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。この繰返しスケジュールは、今から始めて、1時間ごとに実行します。

    manageSchedulerSchedule('CREATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME, frequency='HOUR')
    
  • /oracle/apps/ess/custom/SCHEDULE_NAMEという名前のスケジュール定義を説明SCH_DESCで更新します。繰返しスケジュールは変更されません。

    manageSchedulerSchedule('UPDATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME,schDesc=SCH_DESC)
    
  • /oracle/apps/ess/custom/SCHEDULE_NAMEという名前のスケジュール定義を次の新しい繰返しスケジュールで更新します。1分ごとに実行されます。

    manageSchedulerSchedule('UPDATE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME, frequency='MINUTE')
    
  • /oracle/apps/ess/custom/SCHEDULE_NAMEという名前のHOSTING_APPスケジュール定義を削除。

    manageSchedulerSchedule('DELETE',HOSTING_APP,schName=SCHEDULE_NAME)

4.2.8.4 関連シェル・スクリプト

4.3 Oracle Enterprise Schedulerのバッチ削除リクエスト

ジョブ・リクエスト・データは、Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ストアの表にレコードとして保存されます。これらのジョブ・リクエスト・レコードは、データベース管理者がSQLパージ・スクリプトを使用してデータベースから物理的にパージするまで、ランタイム・ストアから削除されません。リクエストは、物理的にパージする前に、論理的に削除する必要があります。Oracle Enterprise Schedulerでは、リクエストを削除するには、ユーザーが特定のリクエストに対して削除操作を行う方法と、Oracle Enterprise Schedulerの管理者がバッチ削除リクエストを発行する方法の2つの方法があります。

バッチ削除機能では、Oracle Enterprise Schedulerの管理者はリクエストを一括で削除できます。Oracle Enterprise Schedulerの管理者は削除基準のセットを定義し、Oracle Enterprise SchedulerランタイムMBeanインタフェースを使用してバッチ削除リクエストを発行します。バッチ・ジョブの削除基準は、アプリケーション・リクエスト・パラメータの形式で指定されます。発行されたバッチ削除リクエストは、Oracle Enterprise Schedulerによって提供されるJava実行可能ファイル用の事前定義済ジョブ定義を使用します。バッチ削除ジョブ定義メタデータは、ESSAPPメタデータ・リポジトリで定義されます。

バッチ削除ジョブの実行時、ジョブは完了した絶対的な親とインスタンス親のどちらのリクエストがそのバッチ削除リクエストに対して指定された削除基準を満たしているかを判断し、それらのリクエストに対するリクエスト階層を削除します。バッチ削除ジョブは、ESSAPPのコンテキストで実行されます。

4.3.1 batchDeleteSchedulerRequestコマンド

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.3.1.1 説明

バッチ削除ジョブのリクエストを発行します。(MDS内の)事前定義済のスケジュールを使用するか、ワンタイム実行時間を指定できます。これらのどちらも指定されない場合、リクエストはただちに開始されます。リクエスト・パラメータは削除基準の指定に使用します。

バッチ削除ジョブの実行時、ジョブは完了した絶対的な親とインスタンス親のどちらのリクエストがそのバッチ削除リクエストに対して指定された削除基準を満たしているかを判断します。バッチ削除ジョブは、それらのリクエストに対するリクエスト階層を削除します。

4.3.1.2 構文

batchDeleteSchedulerRequests([desc],[schId],[start],[end], [params])

引数 定義

desc

オプション。バッチ削除リクエストの説明を指定します。

schId

オプション。使用する(事前定義済の)スケジュールの完全修飾名を指定します。何も指定されない場合、デフォルト・パッケージは/oracle/as/ess/essapp/custom/です。

start

オプション。リクエストを開始する時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

end

オプション。リクエストを終了する時間。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

params

オプション。ディクショナリとして指定されたリクエスト・パラメータ。パラメータの詳細は「バッチ削除パラメータ」で説明しています。

4.3.1.2.1 バッチ削除パラメータ

バッチ削除ジョブは、アプリケーション・リクエスト・パラメータを使用してバッチ削除基準およびその削除ジョブの基本結果情報を指定します。クラスoracle.as.scheduler.job.BatchDeleteProperty.javaは、バッチ削除パラメータの定数を定義します。削除基準パラメータは、次の2つの表で説明します。

パラメータ データ型 定数

CriteriaApplication

String

BatchDeleteProperty.CRITERIA_APPLICATION

CriteriaProduct

String

BatchDeleteProperty.CRITERIA_PRODUCT

CriteriaJobDefn

String

BatchDeleteProperty.CRITERIA_JOBDEFN

CriteriaJobExecType

String

BatchDeleteProperty.CRITERIA_JOBEXECTYPE

CriteriaSubmitUser

String

BatchDeleteProperty.CRITERIA_SUBMIT_USER

CriteriaMinimumAge

Integer

BatchDeleteProperty.CRITERIA_MINIMUM_AGE

CriteriaRetentionAgeSuccess

Integer

BatchDeleteProperty.CRITERIA_RETENTION_AGE_SUCCESS

CriteriaRetentionAgeError

Integer

BatchDeleteProperty.CRITERIA_RETENTION_AGE_ERROR

CriteriaProcessLimit

Integer

BatchDeleteProperty.CRITERIA_RETENTION_AGE_WARNING

CriteriaRetentionAgeCancel

Integer

BatchDeleteProperty.CRITERIA_RETENTION_AGE_CANCEL

CriteriaProcessLimit

Long

BatchDeleteProperty.CRITERIA_PROCESS_LIMIT

パラメータ デフォルト値 説明

CriteriaApplication

null(なし)

リクエストが削除されるアプリケーションを指定します。NULLの場合、このパラメータは無視され、削除基準の一部として使用されません。

CriteriaProduct

null(なし)

リクエストが削除される製品を指定します。NULLの場合、このパラメータは無視され、削除基準の一部として使用されません。

CriteriaJobDefn

null(なし)

リクエストが削除されるジョブ定義MetadataObjectIdの文字列表現を指定します。NULLの場合、このパラメータは無視され、削除基準の一部として使用されません。

CriteriaJobExecType

null(なし)

リクエストが削除されるジョブ実行タイプの文字列表現を指定します。NULLの場合、このパラメータは無視され、削除基準の一部として使用されません。

CriteriaSubmitUser

null(なし)

リクエストが削除される発行ユーザーを指定します。NULLの場合、このパラメータは無視され、削除基準の一部として使用されません。

CriteriaMinimumAge

null(なし)

完了したリクエストが削除できるようになるまでの最小日数を指定します。

CriteriaRetentionAgeSuccess

null(なし)

正常に完了したリクエストが削除できるようになるまでの最小日数を指定します。このパラメータ値がNULLの場合、CriteriaMinimumAgeの値が使用されます。

CriteriaRetentionAgeError

null(なし)

失敗で完了したリクエストが削除できるようになるまでの最小日数を指定します。このパラメータ値がNULLの場合、CriteriaMinimumAgeの値が使用されます。

CriteriaProcessLimit

null(なし)

警告が出て完了したリクエストが削除できるようになるまでの最小日数を指定します。このパラメータ値がNULLの場合、CriteriaMinimumAgeの値が使用されます。

CriteriaRetentionAgeCancel

null(なし)

取り消されたリクエストが削除できるようになるまでの最小日数を指定します。このパラメータ値がNULLの場合、CriteriaMinimumAgeの値が使用されます。

CriteriaProcessLimit

null(なし)

バッチ削除ジョブにより処理されるリクエストの最大数を指定します。NULLまたはゼロ(0)の場合、制限はありません。デフォルト値は0(ゼロ)です。

4.3.1.3

  • すべてのパージ可能リクエストの削除

    batchDeleteSchedulerRequests()
    
  • アプリケーションESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEのすべてのパージ可能リクエストの削除

    batchDeleteSchedulerRequests(desc='My purge for ESS NativeApp',params={'CriteriaApplication':'ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME'})
    
  • ジョブ定義が/oracle/apps/ess/custom/MyDefのアプリケーションESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEのすべてのパージ可能リクエストの削除

    batchDeleteSchedulerRequests(desc='My purge for ESS NativeApp',params={'CriteriaApplication':'ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME','CriteriaJobDefn':'JobDefinition://oracle/apps/ess/custom/MyDef'})
    
  • ジョブ・タイプがJAVA_TYPEのアプリケーションESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEのすべてのパージ可能リクエストの削除

    batchDeleteSchedulerRequests(desc='My purge for ESS NativeApp', params={'CriteriaApplication':'ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME', 'CriteriaJobExecType':'JAVA_TYPE'})
    
  • スケジュール/oracle/as/ess/essapp/custom/WeeklySchを使用したバッチ削除ジョブ・リクエストの発行

    batchDeleteSchedulerRequests(desc='Purge using WeekSch',schId='/oracle/as/ess/essapp/custom/WeeklySch')

4.3.1.4 関連シェル・スクリプト

4.4 作業割当てコマンド

表4-2に、Oracle Enterprise Schedulerで作業割当て用に用意されているWLSTコマンドを示します。

表4-2 Oracle Enterprise Schedulerの作業割当てコマンド

コマンド 説明

addProcessorBinding

作業割当てのバインド

createWorkshift

カスタム稼働シフトの作成

deleteWorkAssignment

作業割当てメタデータの削除

deleteWorkshift

稼働シフト・メタデータの削除

queryProcessorBindings

すべてのプロセッサ・バインドの問合せ

queryWorkAssignments

作業割当てメタデータの問合せ

queryWorkSchedules

作業割当てのスケジュール・メタデータの問合せ

queryWorkshifts

稼働シフト・メタデータの問合せ

removeProcessorBinding

プロセッサ・バインドの削除

updateWorkshift

稼働シフト・リソースの更新

4.4.1 addProcessorBinding

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.1.1 説明

作業割当てを現在のOracle Enterprise Schedulerプロセッサにバインドします。

4.4.1.2 構文

addProcessorBinding(workAssignmentName,server=serverName, [isExclusive=None][scope])

引数 定義

workAssignmentName

バインドする作業割当ての名前を指定します。

server

バインドするサーバーの名前を指定します。

isExclusive

オプション。バインディングが排他的(true)であるかどうかを指定します。デフォルト値はfalseです。

scope

オプション。servergroupまたはglobalが可能です。デフォルト値はserverです。

  • serverは指定されたサーバーにバインドします。

  • groupは指定されたサーバーの処理グループにバインドします。

  • globalは分離グループ内のすべての現在および今後のサーバーにグローバルにバインドします。

4.4.1.3

  • 作業割当てをプロセッサにバインド

    addProcessorBinding('mypkg/MyTestWA', server='ess_server1')
    
  • 作業割当てを排他モードでプロセッサにバインド

    addProcessorBinding('SimpleApp', server='ess_server1', isExclusive='true')
    
  • 作業割当てをグローバルにプロセッサにバインド

    addProcessorBinding('SimpleApp',server='ess_server1',scope='global')
    

4.4.2 createWorkshift

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.2.1 説明

時間枠とその枠の間に使用されるリソースを指定するカスタム稼働シフトを作成します。

4.4.2.2 構文

createWorkshift(workshiftName,alloc=allocation, plsqlLimit=limit,asyncJavaLimit=limit,[description=None], [schedName=None],[duration=None])

引数 定義

workshiftName

作成する稼働シフトの名前を指定します。

alloc

各サーバー・インスタンスに割り当てることができるスレッドの最大数を指定します。

plsqlLimit

分離グループ内でアクティブにできるPL/SQLジョブの最大数を指定します。無制限を指定するには-1を使用します。

asyncJavaLimit

分離グループ内でアクティブにできる非同期Javaジョブ数を指定します。無制限を指定するには-1を使用します。

description

オプション。稼働シフトの説明を指定します。

schedName

オプション。稼働シフトに使用するスケジュールの名前を指定します。

  • スケジュール名が指定された場合、duration引数が必要です。

  • スケジュール名が指定されない場合、稼働シフトは24x7です。

duration

スケジュールを実行するたびに稼働シフトがアクティブになる時間(分)を指定します。schedName引数が使用される場合に必要です。

4.4.2.3

  • 特定のカスタム・パッケージにおいての24x7稼働シフトの作成

    createWorkshift('mypkg/SampleWorkshift', alloc=5, plsqlLimit=15, asyncJavaLimit=10)
    

4.4.3 deleteWorkAssignment

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.3.1 説明

カスタム・ネームスペース内のOracle Enterprise Schedulerの作業割当てを削除します。

注意:

バインドされた作業割当ては削除できません。

4.4.3.2 構文

deleteWorkAssignment(workAssignmentName)

引数 定義

workAssignmentName

削除するカスタム作業割当ての名前を指定します。

4.4.3.3

  • カスタム作業割当ての削除

    deleteWorkAssignment('MyTestWA')

4.4.4 deleteWorkshift

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.4.1 説明

カスタム・ネームスペース内のOracle Enterprise Schedulerの稼働シフトを削除します。

注意:

オンボード・テナントに使用されている稼働シフトまたはバインドされた作業割当ては削除できません。

4.4.4.2 構文

deleteWorkshift(workshiftName)

引数 定義

workshiftName

削除するカスタム稼働シフトの名前を指定します。

4.4.4.3

  • カスタム稼働シフトの削除

    deleteWorkshift('mypkg/TenantWorkshift1')

4.4.5 queryProcessorBindings

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.5.1 説明

プロセッサ・バインドを取得します。

4.4.5.2 構文

queryProcessorBindings(server=serverName)

引数 定義

server

問合せするサーバーの名前を指定します。

4.4.5.3

  • すべてのバインドの取得

    queryProcessorBindings(server='ess_server1')

4.4.6 queryWorkAssignments

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.6.1 説明

すべてのカスタムおよび内部作業割当てを取得します。作業割当てIDを出力します。詳細には、稼働シフトIDおよび特殊化が含まれます。

4.4.6.2 構文

queryWorkAssignments([name=None],[package=None],[options=None])

引数 定義

name

オプション。作業割当て名を指定します。

package

オプション。作業割当てパッケージを指定します。

options

オプション。次の1つ以上のオプションのカンマ区切りのリスト

  • nameLike

    指定された名前を含む名前の問合せ。

  • pkgLike

    指定されたパッケージを含むパッケージの問合せ。

  • details

    追加の詳細を出力。

4.4.6.3

  • すべての作業割当ての出力

    queryWorkAssignments()
    
  • 名前に「Simple」が含まれる作業割当ての詳細の出力

    queryWorkAssignments(name='Simple', options='nameLike,details')
    

4.4.7 queryWorkSchedules

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.7.1 説明

作業割当てのすべてのスケジュールを取得し、スケジュールIDを出力します。詳細には、繰返し、除外、包含が含まれます。

4.4.7.2 構文

queryWorkSchedules([name=None],[package=None],[options=None])

引数 定義

name

オプション。スケジュール名を指定します。

package

オプション。パッケージ名を指定します。

options

オプション。次の1つ以上のオプションのカンマ区切りのリスト

  • nameLike

    指定された名前を含む名前の問合せ。

  • pkgLike

    指定されたパッケージを含むパッケージの問合せ。

  • details

    追加の詳細を出力。

4.4.7.3

  • すべてのスケジュールの取得

    queryWorkSchedules()
    
  • 毎時スケジュールの詳細の取得

    queryWorkSchedules(name='Hourly', options='details')
    

4.4.8 queryWorkshifts

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.8.1 説明

すべての稼働シフトを取得し、稼働シフトIDを出力します。詳細には、スレッド割当ておよび非同期制限が含まれます。

4.4.8.2 構文

queryWorkshifts([name=None], [package=None], [options=None])

引数 定義

name

オプション。稼働シフト名を指定します。

package

オプション。稼働シフト・パッケージを指定します。

options

オプション。次の1つ以上のオプションのカンマ区切りのリスト

  • nameLike

    指定された名前を含む名前の問合せ。

  • pkgLike

    指定されたパッケージを含むパッケージの問合せ。

  • details

    追加の詳細を出力。

4.4.8.3

  • すべての稼働シフトの取得

    queryWorkshifts()
    
  • パッケージに「test」が含まれる稼働シフトを取得し、その詳細を出力

    queryWorkshifts(package='test', options='pkgLike,details')
    

4.4.9 removeProcessorBinding

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.9.1 説明

ローカルまたはグローバルのプロセッサ・バインドを削除します。

4.4.9.2 構文

removeProcessorBinding(workAssignmentName, server=serverName)

引数 定義

workAssignmentName

バインド解除する作業割当ての名前を指定します。

server

バインド解除するサーバーの名前を指定します。

4.4.9.3

  • バインドの削除

    removeProcessorBinding('mypkg/MyTestWA', server='ess_server1')
    

4.4.10 updateWorkshift

コマンド・カテゴリ: アプリケーション管理コマンド

WLSTでの使用: オンライン

4.4.10.1 説明

カスタム稼働シフトの非同期制限およびスレッド割当てを更新します。

4.4.10.2 構文

updateWorkshift(workshiftName,[alloc=None],[plsqlLimit=None], [asyncJavaLimit=None])

引数 定義

workshiftName

更新する稼働シフト名を指定します。

alloc

オプション。最大のローカル・スレッド割当てを指定します。

plsqlLimit

オプション。分離グループ内でアクティブにできるPL/SQLジョブの最大数を指定します。無制限を指定するには-1を使用します。

asyncJavaLimit

オプション。分離グループ内でアクティブにできる非同期Javaジョブの最大数を指定します。無制限を指定するには-1を使用します。

注意:

オプションの引数を1つ以上指定する必要があります。

4.4.10.3

  • 稼働シフトmypkg/SampleWorkshiftのPL/SQL制限を更新します。

    updateWorkshift('mypkg/SampleWorkshift', plsqlLimit=20)
    
  • 稼働シフトmypkg/SampleWorkshiftの両方の非同期制限を更新します。

    updateWorkshift('mypkg/SampleWorkshift', plsqlLimit=25, asyncJavaLimit=50)
    

4.5 Oracle Enterprise Schedulerの診断ダンプ

Oracle Enterprise Schedulerには、問題の診断を容易にする診断ダンプのセットがあります。これらのダンプはOracle Diagnostics Framework上に構築されます。Oracle Enterprise Schedulerの問題は、通常、リクエストが開始されない場合または想定どおりに完了しない場合に明らかになります。そのようなシナリオにおいて、ユーザーはOracle Enterprise Schedulerの診断ダンプを手動で作成し、そのダンプの情報を使用して問題の診断に役立てることができます。すべてのOracle Enterprise Scheduler診断ダンプを簡単に作成する1つの方法としては、WLSTXXXを使用したXXX Oracle Enterprise Schedulerのインシデントの作成の説明に示すとおり、特定のメッセージIDを持つインシデントを作成する方法があります。

Oracle Enterprise Schedulerの診断ダンプ関連のコマンドは次のとおりです。これらは、「ダンプ・コマンド」で説明されています。

  • executeDump

  • listDumps

  • describeDump

ダンプの動作は、コマンドに対してダンプ名を引数として指定して制御します。有効なダンプ名は、表4-3に示され、使用例は「ダンプ例」に記載されています。


表4-3 Oracle Enterprise Schedulerの診断ダンプ

ダンプ名 説明

ess.applications

分離グループ内の各サーバー上のすべての登録されたOracle Enterprise Schedulerアプリケーションをダンプします。複数のサーバーで登録されたアプリケーションは、このダンプに複数回出現します。

特定のサーバー上のアプリケーションについては、どのバージョンが登録されているか、アプリケーションがアクティブかどうか、および最後にアクティブ化されたのはいつかをチェックできます。

ess.bindings

バインド・モードを含む、このインスタンスへの現在のおよび非アクティブのプロセッサ・バインドをダンプします。完了した非アクティブのバインドには期限切れスケジュールがあり、再度アクティブにできません。完了していない非アクティブのバインドについては、ダンプでは次にアクティブになる稼働シフトとそれがいつアクティブになるかが示されます。このダンプではすべての完了したバインドが示されます。

ess.processor

このインスタンスの現在のプロセッサ情報をダンプします。

プロセッサの状態とアクティブのスレッド数、および有効化されデプロイされたアプリケーションのリストをダンプします。アクティブのスレッド数は、非アクティブ化されたリソースを含むすべてのリソースにわたって使用されているスレッド数です。作業割当ての詳細は、ダンプess.workallocを参照してください。

アプリケーションがリクエストを処理していない場合、プロセッサが実行中であり、アプリケーションがサーバーにデプロイされて有効になっていることを確認してください。

ess.requests

非ターミナル状態の処理グループ内のすべてのリクエストについての詳細情報をダンプします。コアおよび拡張システムのプロパティおよびCPパラメータを含みます。

ess.servers

分離グループ内のすべてのアクティブのサーバーについての、最後のチェックインなどのサーバー情報をダンプします。各サーバーは一定の間隔(デフォルトは1分)でチェックインする必要があります。

1分を過ぎてもサーバーがチェックインしていない場合、問題があることが考えられます。サーバーがしばらくの期間チェックインしなかった場合、Oracle Enterprise Schedulerは、サーバーがダウンし、そのサーバー上で処理されていたリクエストがフェイルオーバーしたとみなすことがあります。

ess.workalloc

最大リソースおよび現在の割当てを含む作業割当てについての詳細情報をダンプします。whereClauseは、作業割当ての効果的な特殊化を示し、これは排他モードでバインドされた作業割当てに相当します。

このダンプではすべての完了したバインドを示さない場合があります。バインドが完了したかどうかを確認するには、ess.bindingsを使用してください。

バインドがない場合、ダンプにはデフォルトの作業割当てについての情報が示されます。

ess.workunits

このプロセス・グループのすべての作業ユニットをダンプします。


4.5.1 ダンプ・コマンド

次の例では、WLSTを起動し、サーバーに接続する方法を示します。

$MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
...
Initializing WebLogic Scripting Tool (WLST) ...
 
Welcome to WebLogic Server Administration Scripting Shell
 
Type help() for help on available commands
 
wls:/offline> connect('weblogic','welcome1','localhost:7001')
Connecting to t3://localhost:7001 with userid weblogic ...
Successfully connected to Admin Server 'AdminServer' that belongs to domain 'base_domain'.
 
Warning: An insecure protocol was used to connect to the
server. To ensure on-the-wire security, the SSL port or
Admin port should be used instead.
 
wls:/base_domain/serverConfig>

注意:

管理サーバーまたは管理対象サーバーに接続できます。ただし、管理サーバーに接続する場合、各ダンプ・コマンドで使用する管理対象サーバーを指定する必要があります。例:

executeDump(name="ess.applications", appName="ESSAPP",server='ess_server1')

WLSTが起動され、サーバーに接続されると、次の項で説明するexecuteDumplistDumpsdescribeDumpコマンドを使用できるようになります。

4.5.1.1 executeDump

executeDumpコマンドは、ダンプ名およびアプリケーション名に基づいて診断ダンプを作成します。

4.5.1.1.1 構文

executeDump(name="dump_name",appName="app_name", [server="server_name"])

引数 定義

name

表4-3に示されたダンプ名。

appName

アプリケーションの名前。

server

オプション。管理サーバーまたは管理対象サーバーに接続できます。管理サーバーに接続する場合、server引数を使用して各ダンプ・コマンドで使用する管理対象サーバー名を指定する必要があります。

4.5.1.2 listDumps

listDumpsコマンドは指定されたアプリケーションで使用可能なダンプを一覧表示します。

4.5.1.2.1 構文

listDumps(appName="app_name")

引数 定義

appName

アプリケーションの名前。

4.5.1.3 describeDump

特定のダンプ・タイプのヘルプを一覧表示します。

4.5.1.3.1 構文

describeDump(name="dump_name")

引数 定義

name

表4-3に示されたダンプ名。

4.5.2 ダンプ例

次の例では、表4-3に一覧表示された診断ダンプの使用方法を示します。

  • 分離グループ内の各サーバー上のすべての登録されたアプリケーションをダンプします。2台以上のサーバーで登録されたアプリケーションは、このダンプに複数回出現します。特定のサーバー上のアプリケーションについては、どのバージョンが登録されているか、アプリケーションがアクティブかどうか、および最後にアクティブ化されたのはいつかをチェックできます。

    executeDump(name="ess.applications",appName="ESSAPP")

  • バインド・モードを含む、このインスタンスに対するプロセッサ・バインドをダンプします。完了した非アクティブのバインドには期限切れスケジュールがあり、再度アクティブにできません。完了していない非アクティブのバインドについては、ダンプでは次にアクティブになる稼働シフトと、それがいつアクティブになるかが示されます。このダンプではすべての完了したバインドが示されます。

    executeDump(name="ess.bindings",appName="ESSAPP")

  • プロセッサの状態とアクティブのスレッド数、および有効化されデプロイされたアプリケーションのリストをダンプします。アクティブのスレッド数は、非アクティブ化されたリソースを含むすべてのリソースにわたって使用されているスレッド数です。作業割当ての詳細は、表4-3ess.workallocの項目を参照してください。

    アプリケーションがリクエストを処理していない場合、プロセッサが実行中であり、アプリケーションがサーバーにデプロイされて有効になっていることを確認してください。

    executeDump(name="ess.processor",appName="ESSAPP")

  • 非ターミナル状態の処理グループ内のすべてのリクエストについての詳細情報をダンプします。コアおよび拡張システムのプロパティおよびCPパラメータを含みます。

    executeDump(name="ess.requests",appName="ESSAPP")

  • 分離グループ内のすべてのアクティブのサーバーをダンプします。各サーバーは一定の間隔(デフォルトは1分)でチェックインする必要があります。1分を過ぎてもサーバーがチェックインしない場合、問題があることが考えられます。サーバーがしばらくの期間チェックインしなかった場合、ESSは、サーバーがダウンし、そのサーバー上で処理されていたリクエストがフェイルオーバーしたとみなすことがあります。

    executeDump(name="ess.servers",appName="ESSAPP")

  • 最大リソースおよび現在の割当てを含む作業割当てについての詳細情報をダンプします。whereClause情報は、作業割当ての効果的な特殊化を示し、これは排他モードでバインドされた作業割当てに相当します。

    このダンプではすべての完了したバインドを示さない場合があります。バインドが完了したかどうかを確認するには、ess.bindingsダンプを使用します。バインドがない場合、ダンプにはデフォルトの作業割当てについての情報が示されます。

    executeDump(name="ess.workalloc",appName="ESSAPP")

  • プロセス・グループ内のすべての作業ユニットをダンプします。

    executeDump(name="ess.workunits",appName="ESSAPP")

4.5.3 Oracle Enterprise Schedulerのインシデントの作成

Oracle Enterprise Schedulerには、メッセージIDESS-99999を使用して、すべてのOracle Enterprise Scheduler診断ダンプでインシデントを作成する便利な方法があります。次に例を示します。

createIncident(messageId="ESS-99999",appName="ESSAPP", description="ESS incident with all dumps")

インシデント・ファイルはADRHomeディレクトリに配置され、listADRHOmes()コマンドを使用してそれらを一覧表示できます。

Oracle Enterprise Schedulerは次のパスを使用します。

ADRBase = ${MW_HOME}/user_projects/domains/base_domain/servers/SERVER/adr

ADRHome = ${ADRBase}/diag/ofm/base_domain/SERVER

4.6 「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」

実行を簡単にするため、ネイティブのWLSTコマンドを呼び出すラッパー・シェル・スクリプト(Linux/Unixでは.sh、Windowsでは.cmd)が用意されています。このスクリプトは、wlst.shを使用してWLSTネイティブ・コマンドを呼び出す前に、CLASSPATHなどの環境プロパティを設定します。これらのすべてのスクリプトは、$ORACLE_HOME/binディレクトリにあります。

.shおよび.cmdコマンドは、WLSサーバーに接続してから対応するWLSTコマンドを実行します。デフォルトでは、サーバー接続の詳細は、コマンドを実行しているユーザーのHOMEディレクトリ(通常、Linux/Unixでは/home/UserId、WindowsではC:\Documents and Settings\UserId)にあるserver.propertiesという名前のファイルから読み取られます。デフォルトのファイルは、代替ファイルを指定するか、コマンド行で明示的な値(ホスト、ポート、ユーザー名、パスワード)を提供することによってオーバーライドできます。コマンド行で指定されたホスト、ポート、ユーザー名およびパスワードの値は、ファイル内の対応する値よりも優先されます。

接続の詳細は、server.propertiesファイルまたはコマンド行で指定された代替ファイルにおいて、次の構文で指定される必要があります。

ADMIN_SERVER_HOST=host.example.com
ADMIN_SERVER_PORT=7001
ADMIN_USER_NAME=weblogic
ADMIN_PASSWORD=weblogic1
ESS_SERVER_NAME=ess_server1

管理性チェックリストの要件を順守するため、シェル・スクリプト起動時のコマンド行引数にパスワードを指定することはできません。パスワードは、server.propertiesファイルの一部とするか、対話形式で入力できます。次のいずれかの方法を使用して、対話型のパスワード発行を自動化できます。

  • WLS管理者パスワードをファイルに書き込み、それを使用してコマンドに入力をリダイレクトします。次に例を示します。

    sh essManageRuntimeConfig.sh .... < input.txt

  • コマンドが終了した後に「<<EOF」を使用します。EOFは、実際のパスワード以外の任意の一意の文字列とすることができます。次の行にパスワードを記述し、その次の行にEOF(または<<の後に使用した任意の終端文字列)を続けます。次に例を示します。

    sh essManageRuntimeConfig.sh ... <<EOF
    wls_admin_password
    EOF

4.6.1 essManageRuntimeConfig

Oracle Enterprise Schedulerのランタイム構成パラメータを管理します。サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.1.1 構文

essManageRuntimeConfig.sh [-a | -m | -d] -A appname -t parameter_type [-n name] [-v value] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h]

4.6.1.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-a, --add

構成パラメータを追加します

-m, --mod

構成パラメータを変更します

-d, --del

構成パラメータを削除します。

-A, --app appname

ホスティング・アプリケーションの名前を指定します。

-t, --type parameter_type

構成パラメータのタイプを指定します。有効なタイプは、次のとおりです。

  • ESS - Oracle Enterprise Schedulerのパラメータ

  • APP - ユーザー定義のパラメータ

-n, --name name

構成パラメータの名前を指定します。

-v, --val value

構成パラメータの値を指定します。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.1.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.1.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 成功

  • -1: エラー

4.6.1.5

  • アプリケーションmyappに対するユーザー定義パラメータfooを値barとともに追加

    essManageRuntimeConfig.sh -a -A myapp -t APP -n foo -v bar
    
  • アプリケーションmyappに対するユーザー定義パラメータfooの値の取得

    essManageRuntimeConfig.sh -A myapp -t APP -n foo
    
  • アプリケーションmyappに対するすべてのユーザー定義パラメータのリストの取得

    essManageRuntimeConfig.sh -A myapp -t APP
    
  • アプリケーションmyappに対するユーザー定義パラメータfooの値のbaroneへの変更

    essManageRuntimeConfig.sh -m -A myapp -t APP -n foo -v barone
    
  • アプリケーションmyappに対するユーザー定義パラメータfooの削除

    essManageRuntimeConfig.sh -d -t APP -A myapp -n foo
    
  • myapp用のすべてのESSパラメータの表示

    essManageRuntimeConfig.sh -t ESS -A myapp

4.6.1.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.2 essGetOutputContent

すべての指定されたリクエストIDに対して、コンテンツ・ストアからリクエスト・ログおよび出力データ・ファイルを取得します。サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.2.1 構文

essGetOutputContent.sh [-t content_type] [-d dir] [-n lines] [-x disp] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h] requestId1

4.6.2.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-t, --content type

取得するコンテンツ・タイプを次の中から1つ指定します。

  • LOG

  • OUTPUT

  • TEXT_OUTPUT

  • BINARY_OUTPUT

このオプションが指定されない場合、ログおよび出力コンテンツの両方が取得されます。

-d, --outDir dir

コンテンツが格納されるディレクトリを指定します。デフォルトは、現行のディレクトリです。

-n, --logLines lines

取得するログの行数を指定します。デフォルトは1000です。

-x, --logDisplay disp

ログの行が表示される場所を指定します。有効な値はCONSOLEまたはFILEです。デフォルトはFILEです。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.2.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.2.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.2.5

  • リクエストID 123のリクエスト・ログの取得

    essGetOutputContent.sh -t LOG 123
    
  • リクエスト123のすべての出力を取得

    essGetOutputContent.sh -t OUTPUT 123
    
  • リクエスト123のすべての出力を取得し、それをディレクトリ/tmpに保存

    essGetOutputContent.sh -t OUTPUT -d "/tmp" 123
    
  • リクエストID 123のリクエスト・ログの最初の100行を取得

    essGetOutputContent.sh -t LOG -n 100 123
    
  • リクエスト123および124のリクエスト・ログおよび出力データを取得し、それを/tmpに保存

    essGetOutputContent.sh -d "/tmp" 123 124

4.6.2.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.3 essQueryRequests

ホスティング・アプリケーションの名前、状態、実行の経過時間に基づいて、リクエストを検索および一覧表示します。このコマンドは、長時間実行しているリクエストの検出に使用できます。サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.3.1 構文

essQueryRequests.sh [-a app_name] [-S state] [-d days] [-n hours] [-m minutes] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h]

4.6.3.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-a, --appName app_name

ホスティング・アプリケーション名を指定します。

-S, --state state

リクエスト状態を次の中から1つ指定します。

  • WAIT

  • READY

  • RUNNING

  • COMPLETED

  • BLOCKED

  • HOLD

  • CANCELLING

  • EXPIRED

  • CANCELLED

  • ERROR

  • WARNING

  • SUCCEEDED

  • PAUSED

  • PENDING_VALIDATION

  • VALIDATION_FAILED

  • SCHEDULE_ENDED

  • FINISHED

  • ERROR_AUTO_RETRY

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

-d, --days days

実行時間を日数で指定します。

-n, --hours hours

実行時間を時間単位で指定します。

-m, --minutes minutes

実行時間を分単位で指定します。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.3.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.3.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.3.5

  • 実行中のすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -S RUNNING
    
  • 取り消されたすべてのリクエストの取得

    eessQueryRequests.sh -S CANCELLED
    
  • 実行してから2日を過ぎているすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -d 2
    
  • 実行してから10時間を過ぎているすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -n 10
    
  • アプリケーションmyappに対して実行しているすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -a myapp
    
  • アプリケーションmyappに対するCANCELLING状態のすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -a myapp -S CANCELLING
    
  • アプリケーションmyappに対して2.5日を過ぎても実行しているすべてのリクエストの取得

    essQueryRequests.sh -a myapp -d 2 -n 12
    

4.6.3.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.4 essManageRequests

リクエストIDで指定された1つ以上のリクエストを取消し、リカバリまたは完了します。サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.4.1 構文

essManageRequests.sh [-c] [-r] [-C] [-g] [-S status] [-M message] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h] requestId1

4.6.4.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-c, --cancel

リクエストを取り消します。

-r, --recover

リクエストをリカバリします

-C, --complete

リクエストを完了したものとしてマークします。

-g, --getdetail

リクエストの詳細を取得します。

-S, --asyncStatus status

リクエストを完了としてマークする場合、最終処理ステータスを次の中から1つ指定します。

  • SUCCESS

  • PAUSE

  • WARNING

  • ERROR

  • CANCEL

  • UPDATE

  • BIZ_ERROR

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

-M, --statusMessage message

リクエストを完了としてマークする場合、操作を説明する限定的なメッセージを指定します。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.4.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.4.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.4.5

  • リクエスト123および124の取消し

    essManageRequests.sh -c 123 124
    
  • リクエスト123のリカバリ

    essManageRequests.sh -r 123
    
  • リクエスト123の完了

    essManageRequests.sh -C -S ERROR -M "Completed by Admin" 123
    

4.6.4.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.5 essManageServer

サーバーで実行中のOracle Enterprise Schedulerアプリケーションの起動、停止およびステータスの取得を行います。Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを起動すると、Oracle Enterprise Schedulerプロセッサ・スレッドが起動され、リクエスト処理を開始できるようになります。Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを停止すると、Oracle Enterprise Schedulerプロセッサが停止または休止され、新しいリクエストが処理されなくなります。サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.5.1 構文

essManageServer.sh [-start] [stop] [-status] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h]

4.6.5.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-n, --start

Oracle Enterprise Schedulerのプロセッサ・スレッドを起動します。

-x, --stop

Oracle Enterprise Schedulerのプロセッサ・スレッドを停止します。

-S, --status

Oracle Enterprise Schedulerのプロセッサ・スレッドの現在の状態を表示します。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.5.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.5.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.5.5

  • Oracle Enterprise Schedulerのプロセッサを停止します。

    essManageServer.sh --stop
    
  • Oracle Enterprise Schedulerプロセッサの現在の状態の取得

    essManageServer.sh --status
    

4.6.5.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.6 essSubmitRequest

ESSAPPに実行のジョブ・リクエストを発行します。ジョブ定義はMDSにあるとみなされます。ユーザーは、次の4つの方法でジョブ実行スケジュールを指定できます。

  • 即時: ジョブは即時のワンタイム実行をするように計画されます。

  • 一度: ジョブは、ユーザーに指定された固定時間に一度実行するようにスケジュールされます。

  • スケジュール: (MDSの)事前定義済のスケジュール名が提供され、ジョブはそのスケジュールで実行します。

  • 繰返し: このコマンドで関連する引数を指定することで、スケジュールをアドホック方式で作成できます。このスケジュールはリクエスト発行に使用され、今後の使用のためにMDSに格納されます。記憶域の場所は、指定されたスケジュール名に基づきます。

スケジュール方法が指定されない場合、即時実行が使用されます。

注意:

ジョブ定義は事前定義する必要がありますが、スケジュールはこのコマンドを使用してアドホック方式で定義できます。

jobNameおよびschNameオプションは、パッケージ名を含む完全修飾名である必要があります。完全修飾されていない場合、パッケージ/oracle/apps/ess/customが使用されます。

サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.6.1 構文

essSubmitRequest.sh appName jobName [-n reqNote] [-I | -O time | -R params | -S schName] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h] [prop=value ]

4.6.6.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

appName

ジョブのホスティング・アプリケーションの名前を指定します。

jobName

現在のリクエストに使用されるジョブ定義の名前を指定します。

-n, --note reqNote

ジョブ・リクエストの簡単な説明を指定します

-S, --schName schName

事前定義済のスケジュール定義の名前を指定します。

-A, --RschName name

スケジュールを-Rオプションを使用して定義した場合、スケジュールの名前を指定します。

-C, --schDesc desc

定義されているアドホック・スケジュールの説明を指定します。デフォルト値は「Custom Ad-Hoc Schedule」です。

-I, --immediate

ジョブがすぐに実行されるように指定します。他のスケジュールが指定されない場合、これがデフォルトとして使用されます。

-O, --o_time time

ワンタイム実行の時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-R, --recurring

スケジュールの繰返しを指定します。

-b, --begin_time time

繰返しスケジュールの開始時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-F, --frequency value

繰返しの頻度を指定します。有効な値: [SECOND,MINUTE,HOUR,DAY,WEEK,MONTH,YEAR]

-N, --freqNum num

繰返しの頻度の間隔を示す整数値を指定します。

-c, --count num

繰返しの最大数を整数値で指定します。

-e, --end_time time

繰返しの終了時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-m, --month month

頻度がYEARに設定された場合、何月かを定義します。有効な値は[1-12]です。

-w, --week week

ある月の週を指定します。有効な値は[1-6, LAST]です。

-d, --day day

曜日を指定します。有効な値は[1-7]で、1は月曜日を表します。

-D, --date date

月の特定の日を指定します。有効な値は[1-31, LAST]です。

prop=value

prop1=val1 prop2=val2などと指定された他のリクエスト・パラメータまたはプロパティを指定します。これらの値はコマンドにおいて最後のオプションとして追加する必要があります。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.6.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.6.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.6.5

次の値は例のすべてに対して適用されます。

HOSTING_APP = EssDemoApp

SCHEDULE_NAME= /oracle/apps/ess/custom/MySch

JOB_DEF_NAME= /oracle/apps/ess/demopackage/BasicJavaJob

また、サーバー接続プロパティは~/server.propertiesファイルで定義されます。

注意:

[prop-value ...]値は、コマンドにおいて最後のオプションとして追加する必要があります。

  • 即時ジョブ実行のリクエストを発行(ワンタイムのみ)

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME
    
  • 指定された時間にワンタイム・ジョブ実行のリクエストを発行。

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME -O 21:10:30:03:05:2012
    
  • 繰返しスケジュールでジョブ・リクエストを発行。この繰返しは次のように定義されます。

    • 実行は2分ごとに繰り返し

    • 2012年5月3日の21:10:30に開始

    • 3回の反復で完了

    • 追加のリクエスト・パラメータは、eqName=testおよびPRIORITY=10です。この繰返しは、今後の使用のためにMDSリポジトリに保持されます。

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME -R -A SCHEDULE_NAME -F MINUTE -N 2 -c 3 -b 21:10:30:03:05:2012 reqName=test PRIORITY=10
    
  • 事前定義済のスケジュールを使用してジョブ・リクエストを発行

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME -S SCHEDULE_NAME 
    
  • 月の繰返しスケジュールでジョブ・リクエストを発行。リクエストの説明は、「Request with monthly schedule」です。繰返しスケジュール名および説明は、-Aおよび-C オプションによって指定されます。この繰返しは、2012年5月3日の21:10:30から2013年5月4日の21:10:30まで、2か月ごとに5週目(ある場合)の木曜日に実行されます。

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME -n "Request with monthly schedule" -R -A SCHEDULE_NAME -C Monthly_schedule -F MONTH -N 2 -b 21:10:30:03:05:2012 -w 5 -d 4 -e 21:10:30:04:05:2013
    
  • 1年ごとに繰返すスケジュールでジョブ・リクエストを発行。リクエストの説明は、「Request with yearly schedule」です。繰返しスケジュール名および説明は、-Aおよび-Cオプションによって指定されます。この繰返しは、2012年5月3日の21:10:30に始めて、3年ごとに5月の最終日に実行され、5回繰り返されます。

    essSubmitRequest.sh HOSTING_APP JOB_DEF_NAME -n "Request with yearly schedule" -R -A SCHEDULE_NAME-C "Yearly_schedule" -F YEAR -N 3 -b 21:10:30:03:05:2012 -m 5 -D LAST -c 5
    
  • 1時間ごとに繰返すスケジュールでジョブ・リクエストを発行。この繰返しは、現在の時刻に始めて、1時間ごとに実行されます。

    essQueryRequests.sh -a myapp -d 2 -n 12
    

4.6.7 essManageJobDefn

Oracle Enterprise Schedulerのジョブ定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズ、更新)します。

showオプション(-S)は、特定のアプリケーションの一部であるジョブ定義のリストを表示します。ジョブ名が指定された場合、このジョブ定義の詳細のみを表示します。createオプション(-N)は、MDSの関連するアプリケーション(パラメータとして指定)のネームスペースに新しいジョブ定義を作成します。deleteオプション(-D)は、MDSからジョブ定義を削除します。customizeオプション(-C)は、既存のジョブ定義のカスタマイズ可能なプロパティを変更します。updateオプション(-U)は、既存のジョブ定義を希望のプロパティ値で更新します(オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します)。

注意:

  • ジョブ定義の作成、削除および更新では、デフォルトのパッケージ・パス/oracle/apps/ess/custom/が常に指定されたジョブ名の前に付加されます。

  • /oracle/apps/ess/customネームスペースにあるジョブ定義のみを作成、削除、または更新できます。つまり、事前パッケージ済のジョブ定義は変更できません。

  • 顧客ネームスペース/oracle/apps/ess/customにあるジョブ定義はカスタマイズできません。それらの定義を変更するには更新オプションを使用してください。

  • jobTypeの指定では、完全修飾名を指定しない場合、デフォルト・パッケージ/oracle/as/ess/core/の接頭辞が名前に付加されます。

サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.7.1 構文

essManageJobDefn.sh appName [-j jobName] [-t jobType] [-d desc] -S | -N | -D | -C | -U [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h] [prop=value ]

4.6.7.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

appName

ジョブ用のホスティング・アプリケーションの論理名を指定します。

-j, --jobName jobDefn

ジョブ定義の名前を指定します。作成、削除および更新の操作では、デフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/custom/が指定された名前の前に付加されます。

-t, --jobType jobType

ジョブ定義の作成に使用される事前定義済のジョブ・タイプの名前を指定します。名前にパッケージ・パスが含まれない場合、名前の前にパス/oracle/as/ess/core/が付加されます。

-d, --desc description

ジョブ定義の説明を指定します。

-S, --show

特定のアプリケーションの一部であるジョブ定義のリストを表示します。ジョブ名が指定された場合、そのジョブ定義のみの詳細を表示します。appNameおよび-jとともに使用されます。

-N, --create

新しいジョブ定義を作成します。appName-j-t-dおよびprop=valueとともに使用されます。

-D, --delete

既存のジョブ定義を削除します。appNameおよび-jとともに使用されます。

-C, --customize

ジョブ定義のカスタマイズ可能なプロパティを変更します。プロパティは次のとおりです。

  • SYS_retries

  • SYS_priority

  • SYS_requestCategory

  • SYS_request_timeout

  • enableTrace

  • enableTimeStatistics

appName-jオプション、prop=valueとともに使用されます。

-U, --update

既存のジョブ定義を更新します。このオプションは現在の定義を新しいものと置き換え、オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します。appName-j、および-dまたはprop=valueのいずれかとともに使用されます。

prop=value

prop1=val1 prop2=val2などと指定された他のリクエスト・パラメータまたはプロパティを指定します。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.7.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.7.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.7.5

次の値は例のすべてに対して適用されます。

HOSTING_APP = ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME

JOB_DEF_PREDEF= /oracle/apps/ess/TestJob

JOB_DEF_NAME = TestJob_wlst

JOB_TYPE_NAME = JavaJobType

JOB_DESC = My WLST Test Defn

また、サーバー接続プロパティは~/server.propertiesファイルで定義されます。

  • HOSTING_APPのネームスペースにあるすべてのジョブ定義の表示

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -S
    
  • HOSTING_APPのジョブ定義JOB_DEF_PREDEF部分の詳細表示

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -S -j JOB_DEF_PREDEF
    
  • /oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstという名前の新しいジョブ定義をHOSTING_APPのネームスペースにジョブ・タイプ/oracle/as/ess/core/JavaJobTypeで作成

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -N -j JOB_DEF_NAME -t JOB_TYPE_NAME
    
  • /oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstという名前の新しいジョブ定義をHOSTING_APPのネームスペースにジョブ・タイプ/oracle/as/ess/core/JavaJobTypeおよび説明JOB_DESCで作成

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -N -j JOB_DEF_NAME -t JOB_TYPE_NAME -d JOB_DESC 
    
  • /oracle/apps/ess/custom/TestJob_wlstという名前の新しいジョブ定義をHOSTING_APPのネームスペースにジョブ・タイプ/oracle/as/ess/core/JavaJobTypeおよび説明JOB_DESC、プロパティSYS_retriesおよびmyParamで作成

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -N -j JOB_DEF_NAME -t JOB_TYPE_NAME -d JOB_DESC SYS_retries=1 myParam=xyz
    
  • ジョブ定義/oracle/apps/ess/custom+JOB_DEF_NAMEを新しい説明JOB_DESCで更新

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -U -j JOB_DEF_NAME -d JOB_DESC
    
  • ジョブ定義/oracle/apps/ess/custom+JOB_DEF_NAMEをプロパティSYS_retriesおよびmyParamで更新

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -U -j JOB_DEF_NAME SYS_retries=1 myParam=xyz
    
  • HOSTING_APPのジョブ定義/oracle/apps/ess/custom+JOB_DEF_NAMEを削除

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -D -j JOB_DEF_NAME
    
  • HOSTING_APPの事前パッケージ済ジョブ定義JOB_DEF_PREDEFをカスタマイズ可能なプロパティSYS_retriesおよびSYS_priorityを使用してカスタマイズ

    essManageJobDefn.sh HOSTING_APP -C -j JOB_DEF_PREDEF SYS_retries=2 SYS_priority=3
    

4.6.7.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.8 essManageSchedule

Oracle Enterprise Schedulerのスケジュール定義を管理(表示、作成、削除、カスタマイズおよび更新)。

showオプション(-S)は、特定のアプリケーションの一部であるスケジュール定義のリストを表示します。スケジュール名が指定された場合、そのスケジュール定義の詳細を表示します。

createオプション(-C)は、MDS内の(パラメータとして指定された)関連するアプリケーションのネームスペースに新しいスケジュール定義を作成します。

deleteオプション(-D)は、MDSから指定されたスケジュール定義を削除します。

updateオプション(-U)は、既存のスケジュール定義を、指定されたプロパティ値で更新します(オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します)。

サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

注意:

デフォルトのパッケージ名/oracle/apps/ess/custom/が常に、-nオプションで指定されたスケジュール名の前に付加されます。

4.6.8.1 構文

essManageSchedule.sh appName [-n schName] [-d desc] -S | -C | -D | -U -F value [-I interval] [-b begin_time] [-c count | -e end_time][-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name]

4.6.8.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

appName

ホスティング・アプリケーションの論理名を指定します。

-n, --schName schName

スケジュール定義の名前を指定します。作成、削除および更新の操作では、デフォルト・パッケージ/oracle/apps/ess/custom/が指定された名前の前に付加されます。

-d, --schDesc description

スケジュール定義の説明を指定します。

-S, --show

特定のアプリケーションの一部であるスケジュール定義のリストを表示します。スケジュール名が指定された場合、そのスケジュール定義のみの詳細を表示します。appName-nおよび-dとともに使用されます。

-C, --create

新しいスケジュール定義を作成します。appName-j-t-dおよびprop=valueとともに使用されます。

-D, --delete

既存のスケジュール定義を削除します。appNameおよび-nとともに使用されます。

-U, --update

既存のスケジュール定義を更新します。このオプションは現在の定義を新しいものと置き換え、オーバーライドされない場合は既存のパラメータを保持します。appName-n、および-dまたは-Fのいずれかとともに使用されます。

-b, --begin_time time

繰返しの開始時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-F, --frequency value

繰返しの頻度を指定します。有効な値: SECONDMINUTEHOURDAYWEEKMONTHYEAR

有効なオプション:

-F value [-I interval] [-b begin_time] [-c count | -e end_time] (valueSECONDMINUTEHOURDAYWEEKの場合で、それ以外の場合は次のいずれか)

-F MONTH [{-w week -d day} | {-D date}] [-b begin_time] [-c count | -e end_time]

-F YEAR [-m month ({-w week -d day} | {-D date})] [-b begin_time] [-c count | -e end_time]

-I, --interval num

-Fオプションの繰返し間隔として使用する整数値を指定します。

-c, --count num

繰返しの最大数を整数値で指定します。

-e, --end_time time

繰返しの終了時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-m, --month month

頻度がYEARに設定された場合、何月かを定義します。有効な値は[1-12]です。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.8.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.8.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.8.5

次の値は例のすべてに対して適用されます。

HOSTING_APP = ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME

PREDEF_SCHEDULE = /oracle/apps/ess/demo/seeded/MyPredefinedSch

SCHEDULE_NAME = MyWlstSchedule

SCH_DESC = Description for WLST test schedule

また、サーバー接続プロパティは~/server.propertiesファイルで定義されます。

  • HOSTING_APPのネームスペースにあるすべてのスケジュール定義の表示

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -S
    
  • HOSTING_APPのスケジュール定義PREDEF_SCHEDULEの詳細表示

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -S -n PREDEF_SCHEDULE
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに説明SCH_DESCとともに作成。この繰返しは、2012年5月3日の21:10:30に始めて、2分ごとに実行され、3回繰り返されます。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -C -n SCHEDULE_NAME -d SCH_DESC -F MINUTE -I 2 -c 3 -b 21:10:30:03:05:12
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。この繰返しは、2012年5月3日の21:10:30から2013年5月4日の21:10:30まで、2か月ごとに5週目(ある場合)の木曜日に実行されます。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -C -n SCHEDULE_NAME -F MONTH -I 2 -b 21:10:30:03:05:12 -w 5 -x 4 -e 21:10:30:04:05:13 
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。この繰返しは、2012年5月3日の21:10:30に始めて、5月の最終日に実行され、3年ごとに5回繰り返されます。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -C -n SCHEDULE_NAME -F YEAR -I 3 -b 21:10:30:03:05:12 -m 5 -y LAST -c 5
    
  • /oracle/apps/ess/custom/MyWlstScheduleという名前の新しい繰返しスケジュール定義をHOSTING_APPのネームスペースに作成。この繰返しは、現在の時刻から始めて、1時間ごとに実行されます。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -C -n SCHEDULE_NAME -F HOUR
    
  • スケジュール定義/oracle/apps/ess/custom+SCHEDULE_NAMEを新しい説明SCH_DESCで更新します。繰返しは変更はされません。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -U -n SCHEDULE_NAME -d SCH_DESC
    
  • スケジュール定義/oracle/apps/ess/custom+SCHEDULE_NAMEを、1分ごとに実行される次の新しい繰返しで更新します。

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -U -n SCHEDULE_NAME -F MINUTE
    
  • HOSTING_APPのスケジュール定義/oracle/apps/ess/custom+SCHEDULE_NAMEを削除

    essManageSchedule.sh HOSTING_APP -D -n SCHEDULE_NAME
    

4.6.8.6 関連ネイティブ・コマンド

4.6.9 essBatchDeleteRequests

バッチ削除ジョブのリクエストを発行します。(MDS内の)事前定義済のスケジュールを使用するか、ワンタイム実行時間を指定できます。これらのどちらも指定されない場合、リクエストはただちに開始されます。

リクエスト・パラメータは削除基準の指定に使用します。バッチ削除ジョブの実行時、ジョブは完了した絶対的な親とインスタンス親のどちらのリクエストがそのバッチ削除リクエストに対して指定された削除基準を満たしているかを判断し、それらのリクエストに対するリクエスト階層を削除します。

有効なバッチ削除パラメータの一覧および説明は、「バッチ削除パラメータ」を参照してください。

サーバー接続パラメータは、「Oracle Enterprise Schedulerの便利なスクリプト」で説明されているファイルを使用して指定します。ただし、コマンド行で明示的に指定するか、-fオプションを使用して代替ファイルを指定してデフォルト値をオーバーライドできます。WLSの管理サーバー・パスワードは、ファイル内で指定するか、対話形式で入力する必要があります。

4.6.9.1 構文

essBatchDeleteRequests.sh [-d desc] [-S schId] [-b beginTime] [-e endTime] [-f filename] [-H hostname] [-P port] [-u user] [-s server_name] [-h] [prop=value ]

4.6.9.2 オプション

次の表に、コマンドオプションを一覧表示して説明します。

オプション 説明

-d, --desc desc

バッチ削除リクエストの説明を指定します。

-S, --schId schId

使用するスケジュールの完全修飾名を指定します。デフォルト・パッケージ(パッケージが指定されない場合に使用)は/oracle/as/ess/essapp/custom/です。

-b, --begin beginTime

リクエストが開始される時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

-e, --end endTime

リクエストを超過して実行してはならない時間を指定します。形式: HH:MM:SS:DD:MM:YYYY

prop=value

prop1=val1 prop2=val2などと指定された他のリクエスト・パラメータまたはプロパティを指定します。パラメータの一覧は「バッチ削除パラメータ」を参照してください。

-f, --file filename

サーバー接続パラメータを含むファイルの名前を指定します。指定されない場合、デフォルトのファイル$HOME/server.propertiesが使用されます。

-H, --host hostname

WLSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

-P, --port port

接続するポート番号を指定します。

-u, --user username

ユーザー名を指定します。

-s, --serv server_name

ESSAPPが実行されているサーバーの名前を指定します。

-h

コマンドの使用方法を表示します。

4.6.9.3 関連ファイル

このコマンドで次のファイルが使用されます。

server.properties: サーバー接続情報が含まれます

4.6.9.4 終了値

このコマンドは次の可能な値で終了します。

  • 0: 正常終了

  • -1: エラー

4.6.9.5

次の例では、サーバー接続プロパティは~/server.propertiesファイルで定義されていることを前提としています。

  • すべてのパージ可能リクエストの削除。

    essBatchDeleteRequests.sh
    
  • アプリケーションESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEのすべてのパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh --desc "My purge for ESS NativeApp" CriteriaApplication=ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAME
    
  • ジョブ定義がJobDefinition://oracle/apps/ess/custom/MyDefのアプリケーションESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEのすべてのパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh --desc "My purge for ESS NativeApp" CriteriaApplication=ESS_NATIVE_HOSTING_APP_LOGICAL_NAMEsCriteriaJobDefn=JobDefinition://oracle/apps/ess/custom/MyDef
    
  • スケジュール/oracle/as/ess/essapp/custom/WeeklySchを使用したバッチ削除ジョブ・リクエストの発行

    essBatchDeleteRequests.sh --desc "Purge using WeekSch" --schId /oracle/as/ess/essapp/custom/WeeklySch
    
  • ユーザーweblogicに発行されたすべてのパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaSubmitUser=weblogic
    
  • 最大10個のパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaProcessLimit=10
    
  • ジョブ実行タイプがJAVA_TYPEのパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaJobExecType=JAVA_TYPE
    
  • 5日以上前に完了したパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaMinimumAge=5
    
  • パージ可能リクエストを削除、ただし過去5日間に正常に完了したリクエストは保持

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaRetentionAgeSuccess=5
    
  • 「DemoProduct」という名前の製品に属するパージ可能リクエストの削除

    essBatchDeleteRequests.sh CriteriaProduct=DemoProduct
    

4.6.9.6 関連ネイティブ・コマンド