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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3 JMSリソース・アダプタの管理
12c (12.1.3)
E56272-02
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3 JMS RAの管理

この章では、外部アプリケーション・サーバーでWebLogic JMSを使用して相互運用するために、JMS RAを使用する際に必要な主要コンポーネント、設計オプションおよびその他の前提条件としての考慮事項を含む、WebLogic Server 12.1.3のJMS RA実装について説明します。

この章には次の項が含まれます:

JMS RAコンポーネント

JMS RAは、次の基本コンポーネントで構成されます。

  • ra.xmlファイル: 外部アプリケーション・サーバーとWebLogic JMSの間で相互運用するために、JMS RAを構成する際に使用されるxmlファイルです。

  • wlthint3client.jarファイル: WebLogicシンT3 Javaクライアントは、外部アプリケーション・サーバーおよびWebLogic Server上で実行されるアプリケーション間の統合を提供する、軽量のクライアントです。一般的なユースケースの1つに、WebLogic JMS宛先との統合があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発のWebLogicシンT3クライアントの理解に関する項を参照してください。

  • Oracleウォレットのサポート用のクラス・ファイルとJARファイル:

    • oraclepki.jar

    • osdt_cert.jar

    • osdt_core.jar

    • WalletUtilWrapper.class

    詳細は、「Oracleウォレットを使用した資格証明の保護」を参照してください。

  • weblogic.jms.ra.jarファイル: WebLogic Server Java EE Connector Architectureバージョン1.6準拠のリソース・アダプタの実装。

JMS環境でJMS RAを統合する方法

次の項では、JMS RAを外部アプリケーション・サーバーと統合して、アプリケーションがWebLogic JMSと相互運用できるようにするのに必要な手順の基本的な概要を説明します。

一般的な制限および考慮点

この項では、JMS RAを使用する場合の一般的な制限および考慮点について説明します。

  • 2つ以上のJMS RAが同じアプリケーション・サーバー上にデプロイされている場合、すべてのデプロイメントでwljmsra.rarファイルの同じWebLogicリリース・バージョンを使用する必要があります。異なるリリース・バージョンには、機能の変更およびバグ修正により異なるクラスが含まれる場合があるため、任意の時点でアプリケーション・サーバーによってロードされるJMS RAのクラスのバージョンを予測することはできません。

  • リスニングMDBが使用不可能になった場合、JMS RAによって恒久サブスクライバが自動的にサブスクライブ解除(削除)されることはありません。WebLogic Server MDBはサブスクライブ解除の機能をサポートしていますが、サブスクリプションを作成して名前を付けることもできます。外部アプリケーション・サーバーを使用すると、通常ユーザーはMDB構成でサブスクリプション名を指定できるため、指定された恒久サブスクライバのサブスクライブ解除が適切であるかどうかを判断することが困難になります。指定されたサブスクリプションの削除が適切であると判断できた場合でも、JCA規約では、サブスクライバを削除するためのコールバック・インタフェースの標準実装は提供されません。

  • JMSクライアントの自動フェイルオーバーはサポートされていません。「JMS RAアウトバウンド接続の制限」を参照してください。

  • WebLogic JMS RAを利用するアプリケーションは、外部アプリケーション・サーバーの接続マネージャに関連付けられているWebLogic JMS接続を使用します。様々なJava EE仕様で説明されているように、これらのJMSの管理対象接続は、他のアプリケーションによって再利用するために、作成および使用され、外部アプリケーション・サーバーの接続プールに合わせて再調整されます。これには次の制限があります。

    • 接続上でsetClientIDを使用することはできません。接続上に設定されたClientIDは削除することができないため、その接続を再利用するすべてのアプリケーションには知らずにClientID値が含まれることになります。また、このような接続を使用するアプリケーションでは、setClientIDは接続上ですでに実行されているため、この操作をコールすることができません。

    • JEE 6仕様で指定されているように、setExceptionListenerなどのコンテナによる接続管理を妨げる可能性のあるその他のメソッドはサポートされていません。

    • 接続ファクトリの設定の一部として、setSubscriptionSharingPolicyなどの接続プロパティを設定します。そうでない場合、接続上でプロパティを直接設定する前に、管理対象接続プールに接続およびセッションが作成されていることを確認する必要があります。

  • メッセージドリブンBeanのメッセージ・リスナーの場合、<trans-attribute>要素に使用できる値は、REQUIREDおよびNOT_SUPPORTEDのみです。http://docs.oracle.com/javaee/6/api/javax/ejb/TransactionAttributeType.htmlを参照してください。

weblogic.jms.extension APIのサポート

次の項では、このリリースのJMS RAでweblogic.jms.extensions APIをサポートする方法について説明します。

サポートされているweblogic.jms.extensionインタフェース

JMS RAはカスタム・ラッパー・クラスを使用して、サポートされているweblogic.jms.extensionsインタフェースを自動的に実装し、順序単位(UOO)やメッセージ・スケジューリングなどのWebLogic機能をサポートします。JMS RA ra.xmlファイルには、適切なWebLogic JMSラッパー・クラスに対応するエントリが事前に入力されているため、サポートされているWebLogic JMS機能にアクセスするための追加の構成は必要ありません。


注意:

weblogic.jms.extensionsを使用する場合、WebLogic接続ファクトリを使用します。「JMS RA接続ファクトリ」を参照してください。

このリリースのJMS RAでは、次のweblogic.jms.extensionsインタフェースをサポートしています。

  • weblogic.jms.extensions.WLConnection

  • weblogic.jms.extensions.WLSession

  • weblogic.jms.extensions.WLQueueSession

  • weblogic.jms.extensions.WLTopicSession

  • weblogic.jms.extensions.WLDestination

  • weblogic.jms.extensions.WLMessageProducer

  • weblogic.jms.extensions.WLMessage

  • weblogic.jms.extensions.XMLMessage

サポートされているweblogic.jms.extensionクラス

すべてのweblogic.jms.extensionsがサポートされています。

JMS RAのサンプル

Oracleでは、WebLogic環境にサンプルをインストールするときに確認するためのJMS RAのサンプルを提供します。このサンプルは、外部アプリケーション・サーバーにデプロイされたJMS RAを利用し、単純な従業員クロックイン・アプリケーションを使用して、WebLogic JMSサービスと相互運用する方法を示しています。

サンプルは、次の方法を示したものです。

  • WebLogic Serverクラスタの構成および使用

  • WebLogic接続ファクトリの構成および使用

  • 分散トピックとキューの構成および使用

  • サポートされている外部アプリケーション・サーバーへのJMS RAのデプロイ「サポートされているアプリケーション・サーバー」を参照してください。

  • 次のものを含むJMS RA config-propertiesの構成

    • JMSサービスを提供するWebLogic ServerのWebLogic JNDIコンテキスト

    • DistributedQueueとしてWebLogic JNDIにバインドされている宛先に、ローカルJNDI名sample/destination/queueをマッピングするadminobject要素

    • DistributedTopicとしてWebLogic JNDIにバインドされている宛先に、ローカルJNDI名sample/destination/topicをマッピングするadminobject要素

    • weblogic.jms.ConnectionFactoryとしてWebLogic JNDIにバインドされている接続ファクトリにマッピングされる、sample/factoryとしてローカルJNDI名にバインドされている接続ファクトリ

  • JMS RAの接続ファクトリおよび宛先に定義されているローカルJNDI名にマッピングされる、サーブレットのweb.xmlの要素resource-refおよびresource-env-refの構成

  • メッセージドリブンBean (MDB)がインバウンド・メッセージを消費できるために必要なactivation-config要素の構成

JMS RAのサンプルは、EXAMPLES_HOME\wl_server\examples\src\examples\jms\resourceAdapterにあり、ここでEXAMPLES_HOMEは、WebLogic Serverコード・サンプルが構成されているディレクトリを表しています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションとコード・サンプルに関する項を参照してください。