Oracle® Fusion Middleware Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発 2.0 E56274-01 |
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この章では、モバイル・アプリケーションにおけるプッシュ通知メッセージの登録、およびそれらの処理方法を説明します。
この章には次の項が含まれます:
プッシュ通知は、サーバーなどの外部ソースからモバイル・デバイス上のアプリケーションに送信される通知です。これらは、アプリケーションの状態とユーザー設定に応じて、アラート・メッセージやバナーとして表示されます。図17-1は、iOSデバイスにおけるプッシュ通知アラートを示しています。
通知を受信したユーザーは、アプリケーションを起動するか、その通知を無視できます。この場合、アプリケーションはアクティブ化されません。通知のアラート・メッセージとともに、短く特徴的な音が鳴る場合もあります。
プッシュ通知を受信するには、アプリケーションを通知サービスに登録する必要があります。登録が成功すると、通知サービスからアプリケーションにトークンが発行されます。アプリケーションでは、このトークンを(リモート・サーバー上の)プロバイダと共有します。これにより、プロバイダから、通知サービスを通じてアプリケーションに通知を送信できるようになります。MAFでは、アプリケーションによって提供された登録構成を使用して、そのアプリケーションのかわりに登録を行います(第17.2項「モバイル・アプリケーションに対するプッシュ通知の有効化」を参照)。登録は、モバイル・アプリケーションが起動するたびに、トークンの有効性を保証する目的で行われます。登録が成功すると、MAFでは、プラットフォーム固有の通知サービスから取得したトークンをプロバイダと共有します。iOSの場合、この通知サービスはApple Push Notification Service (APNs)です。Google Cloud Messaging (GCM) for Androidでは、Androidデバイスにインストールされたアプリケーション用の通知サービスが提供されます。
モバイル・アプリケーションでは、その状態にかかわらずプッシュ通知を受信できます。これらのメッセージは、アプリケーションがフォアグラウンドで実行されていなくても表示される場合があり、その表示形式はモバイル・アプリケーションの状態とユーザー設定によって異なります。表17-1では、iOSオペレーティング・システムで、モバイル・アプリケーションの状態に応じて、どのようにプッシュ通知が処理されるかを説明します。
表17-1 iOSデバイスにおけるプッシュ通知の処理
状態 | アクション |
---|---|
モバイル・アプリケーションはインストールされているが、実行されていない。 |
通知メッセージが登録済の通知スタイル(なし、バナーまたはアラート)で表示されます。ユーザーがメッセージをタップ(バナー・スタイルの通知の場合)するか、アクション・ボタンをタッチ(メッセージがアラートとして表示される場合)すると、モバイル・アプリケーションが起動し、アプリケーション通知ハンドラが呼び出されます。 |
モバイル・アプリケーションがバックグラウンドで実行されている。 |
通知メッセージが登録済の通知スタイル(なし、バナーまたはアラート)で表示されます。ユーザーがメッセージをタップ(バナー・スタイルの通知の場合)するか、アクション・ボタンをタッチ(メッセージがアラートとして表示される場合)すると、モバイル・アプリケーションが起動し、アプリケーション通知ハンドラが呼び出されます。 |
モバイル・アプリケーションがフォアグラウンドで実行されている。 |
通知メッセージは表示されません。アプリケーション通知ハンドラが呼び出されます。 |
iOSおよびAndroidプラットフォームでは、アプリケーションがフォアグラウンドで実行されていない場合、そのアプリケーションに関連付けられているすべてのプッシュ通知メッセージが、iOS Notification CenterやAndroidデバイス上の通知ドロワーなど、特定の場所に格納されます。
次のタスクを実行することで、プッシュ通知を有効にできます。
図17-2に示すとおりに、maf-application.xml
概要エディタの「デバイス・アクセス」ページで「プッシュ通知」を選択し、モバイル・アプリケーションでプッシュ通知を受信できるようにします。詳細は、第21.6.1項「デバイス機能へのアクセスの有効化方法」を参照してください。
注意: デフォルトでは、モバイル・アプリケーションではプッシュ通知は許可されません(その他のデバイス・アクセスのデバイス・タイプも同様)。 |
アプリケーション・コントローラ・プロジェクトで、アプリケーション・ライフサイクル・イベント・リスナー(ALCL)・クラスを登録します。詳細は、第4.3項「モバイル・アプリケーションの基本情報の設定」および第4.7項「ライフサイクル・イベント・リスナーについて」を参照してください。
ALCLにoracle.adfmf.application.PushNotificationConfig
インタフェースを実装します。このインタフェースにより、プッシュ通知サービスに正常に登録するために必要な構成が提供されます。
PushNotificationConfig
インタフェースのgetNotificationStyle
およびgetSourceAuthorizationId
メソッドをオーバーライドおよび実装します。getNotificationStyle
メソッドにより、アプリケーションを登録する通知スタイルを指定できます。getSourceAuthorizationId
メソッドを使用すると、モバイル・アプリケーションへのメッセージの送信を許可されたアカウントのGoogleプロジェクト番号を入力できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Mobile Application Framework Java APIリファレンスを参照してください。
アプリケーション・コントローラ・プロジェクトで、プッシュ通知イベントを処理するプッシュ通知イベント・リスナー・クラス(NativePushNotificationListener
など)を作成します。このクラスには、イベント・リスナーを定義するoracle.adfmf.framework.event.EventListener
インタフェースを実装する必要があります。oracle.adfmf.framework.event.EventListener
インタフェースの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Mobile Application Framework Java APIリファレンスを参照してください。
通知イベントに登録して通知イベントを受信するには、onOpen
、onMessage
およびonError
メソッドをオーバーライドおよび実装します。プッシュ通知サービスへの登録が成功すると、MAFでは、アプリケーション開発者がプロバイダと共有する必要がある登録トークンを使用して、onOpen
メソッドをコールします。通知サービスへの登録時にエラーが発生した場合は、プッシュ通知サービスにより戻されるAdfException
としてカプセル化されたエラーを使用して、onError
メソッドが呼び出されます。
MAFでは、アプリケーションが通知を受信するたびに、通知ペイロードを使用してonMessage(Event e)
メソッドをコールします。Event
オブジェクトを使用すると、通知ペイロードおよびアプリケーションの状態に関する有用な情報を取得できます。通知ペイロードを取得するには、Event.getPayload
メソッドを使用します。通知時のアプリケーションの状態を取得するには、Event.getApplicationState
メソッドを使用します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Mobile Application Framework Java APIリファレンスのEvent
クラスに関する項を参照してください。
ALCLクラスのstart
メソッド内にある、ネイティブ・プッシュ通知イベントのソースを表すEventSource
オブジェクトを取得します。
EventSource evtSource = EventSourceFactory.getEventSource(EventSourceFactory.NATIVE_PUSH_NOTIFICATION_ REMOTE_EVENT _SOURCE_NAME);
プッシュ通知イベント・リスナー・クラスのオブジェクトを作成し、イベント・ソースに追加します。
evtSource.addListener(new NativePushNotificationListener());
MAFでは、JSON形式のペイロードに対して、次のキーを尊重します。
alert
: 通知プロンプトに表示されるテキスト・メッセージ。
sound
: 通知を受信したときに再生されるサウンド。
badge
: iOSのアプリケーション・アイコンに表示する番号。
注意: Androidでは、ペイロードをキーと値のペアを持つJSONオブジェクトにすることができます。GCMサーバーではアプリケーションに値を送信する前に、文字列以外の値を文字列に変換するため、値は常に文字列化されます。APNでは値のタイプが保持されるため、これは当てはまりません。詳細は、『Google Cloud Messaging』の「Implementing GCM Server」で、dataメッセージ・パラメータの説明を参照してください。このドキュメントは、Android開発者のWebサイト( |