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Oracle® Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス
12c リリース1 (12.1)
B71281-05
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31 DBMS_AUTO_REPORT

DBMS_AUTO_REPORTパッケージは、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)で取得されたSQL監視データおよびリアルタイムの自動データベース診断モニター(ADDM)データを表示するためのインタフェースを提供します。また、これらのデータのAWRでの取得方法を制御するサブプログラムも提供します。


関連項目:

データベース操作のレポート作成の詳細は、『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。

この章では、次の項目について説明します。

DBMS_AUTO_REPORTの使用

概要

このパッケージは、AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを表示するためのインタフェースを提供します。また、これらのデータのAWRでの取得方法の動作を制御するサブプログラムも提供し、DBA_HIST_REPORTSおよびDBA_HIST_REPORTS_DETAILSという2つのビューで公開します。

セキュリティ・モデル

このパッケージは、PUBLICで使用可能で、独自のセキュリティ・チェックが実行されます。

DBMS_AUTO_REPORTサブプログラムの要約

表31-1 DBMS_AUTO_REPORTパッケージのサブプログラム

サブプログラム 説明

FINISH_REPORT_CAPTUREプロシージャ


START_REPORT_CAPTUREプロシージャで開始されたSQL監視データ全体の取得を終了します。

REPORT_REPOSITORY_DETAILファンクション


指定したレポートIDの格納済レポートを取得します。

REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XMLファンクション


指定したレポートIDの格納済XMLレポートを取得します。

REPORT_REPOSITORY_LIST_XMLファンクション


AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを一覧表示する、XMLレポートを取得します。

START_REPORT_CAPTUREプロシージャ


取得サイクルを前回実行した後に新たに監視されるようになったSQLのSQL監視データを毎分取得し、AWRに格納します。


FINISH_REPORT_CAPTUREプロシージャ

このプロシージャは、START_REPORT_CAPTUREプロシージャで開始されたSQL監視データ全体の取得を終了します。このサブプログラムは、すぐに最終の取得サイクルを実行して任意の新しいデータを取得し、1分毎の全体取得を終了します。

このサブプログラムがコールされた後も、すべてのアクティブなSQLではなく、監視が完了したSQLのうち重要だと思われるトップ5のSQL(経過時間、あるいはPQの場合は経過時間*DOPに応じる)に対しては、1分毎にデータが取得されます。

構文

DBMS_AUTO_REPORT.FINISH_REPORT_CAPTURE;

REPORT_REPOSITORY_DETAILファンクション

このプロシージャは、指定されたレポートIDの格納済レポートを、XMLやHTMLなどの指定された形式で取得します。

構文

DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_DETAIL (
   rid              IN NUMBER    DEFAULT NULL,
   type             IN VARCHAR2  DEFAULT 'XML',
   base_path        IN VARCHAR2  DEFAULT NULL)
 RETURNS CLOB

パラメータ

表31-2 REPORT_REPOSITORY_DETAILファンクションのパラメータ

パラメータ 説明

rid

ファンクションによって戻される格納済レポートのID。

type

レポートの目的の形式。値は'XML''TEXT''HTML''EM'または'ACTIVE'です。最後の2つのオプションは、アクティブなHTMLという同じ形式でレポートを生成します。デフォルト値は'XML'です。

base_path

未使用/操作不能


戻り値

指定したレコードIDの永続化されたレポート。

REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XMLファンクション

このプロシージャは、指定したレポートIDの格納済XMLレポートを取得します。

構文

DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XML (
   rid              IN NUMBER    DEFAULT NULL,
   base_path        IN VARCHAR2  DEFAULT NULL)
 RETURNS XMLTYPE

パラメータ

表31-3 REPORT_REPOSITORY_DETAIL_XMLファンクションのパラメータ

パラメータ 説明

rid

ファンクションによって戻される格納済レポートのID。

base_path

未使用/操作不能


戻り値

指定したレコードIDの永続化されたXMLレポート。

REPORT_REPOSITORY_LIST_XMLファンクション

このプロシージャは、AWRで取得されたSQL監視データおよびリアルタイムADDMデータを一覧表示する、XMLレポートを取得します。入力パラメータを使用すると、このリスト・レポートに組み込む取得データを選択したり、制限することができます。すべてのパラメータはオプションです。

構文

DBMS_AUTO_REPORT.REPORT_REPOSITORY_LIST_XML (
    active_since              IN DATE     DEFAULT NULL,
    active_upto               IN DATE     DEFAULT NULL,
    snapshot_id               IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    dbid                      IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    inst_id                   IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    con_dbid                  IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    session_id                IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    session_serial            IN NUMBER   DEFAULT NULL,
    component_name            IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
    key1                      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
    key2                      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
    key3                      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
    report_level              IN VARCHAR2 DEFAULT 'TYPICAL',
    base_path                 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL)
RETURNS XMLTYPE

パラメータ

表31-4 REPORT_REPOSITORY_LIST_XMLファンクションのパラメータ

パラメータ 説明

active_since

データ選択に使用する時間範囲の開始時点。時間範囲を指定すると、その時間範囲内にアクティブであったデータのみがリストに含められます。値が指定されていない場合は、この時間範囲として、現在のシステム時間で終了する過去24時間が選択されます。

active_upto

時間範囲の終わりであること以外は、active_sinceと同様。

snapshot_id

値を指定すると、指定したスナップショットIDの期間内に取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、スナップショットIDによるフィルタリングは実行されません。

dbid

値を指定すると、指定したデータベースIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、データベースIDによるフィルタリングは実行されません。

inst_id

値を指定すると、指定したインスタンス番号で取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、インスタンスIDによるフィルタリングは実行されません。

con_dbid

値を指定すると、指定したコンテナDBIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、コンテナDBIDによるフィルタリングは実行されません。

session_id

値を指定すると、指定したセッションIDで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、セッションIDによるフィルタリングは実行されません。

session_serial

値を指定すると、指定したセッションで取得されたデータのみがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、セッション・シリアル番号によるフィルタリングは実行されません。このパラメータは、session_idパラメータと組み合せて使用する必要があります。

component_name

SQL監視データでは'sqlmonitor'、リアルタイムADDMデータでは'rtaddm'になります。値を指定すると、指定したコンポーネントのみに関連するデータがリスト・レポートに含められます。値が指定されていない場合は、フィルタリングは実行されません。

key1

コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、key1は、取得したSQL文のSQL IDです。値を指定すると、key1に指定された値を持つデータのみが含められます。値が指定されていない場合は、key1によるフィルタリングは実行されません。

key2

コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、key2は、取得したSQL文のSQL実行IDです。値を指定すると、key2に指定された値を持つデータのみが含められます。値が指定されていない場合は、key2によるフィルタリングは実行されません。

key3

コンポーネント関連のキー値。SQL監視の場合、key3は、取得したSQL文のSQL実行開始時間です。値を指定すると、key3に指定された値を持つデータのみが含められます。値が指定されていない場合は、key3によるフィルタリングは実行されません。

report_level

現時点では、'TYPICAL'のみが使用されています。

base_path

未使用/操作不能


START_REPORT_CAPTUREプロシージャ

このプロシージャは、取得サイクルを前回実行した後に新たに監視されるようになったSQLのSQL監視データを毎分取得し、AWRに格納します。各取得サイクルでは、現在実行もキューイングもされていないSQLのデータの取得が試みられます。これは、データ全体の取得です。新たに監視されるすべてのSQLのデータが取得されるからです。FINISH_REPORT_CAPTUREプロシージャで明示的に終了されるまで、毎分実行されます。RACシステムの場合は、クラスタ内の各ノードで取得が開始されます。

構文

DBMS_AUTO_REPORT.START_REPORT_CAPTURE;