DBMS_ILMパッケージでは、自動データ最適化(ADO)ポリシーを使用して情報ライフサイクル管理(ILM)計画を実装するためのインタフェースが提供されます。
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関連項目:
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この章では、次の項目について説明します。
概要
セキュリティ・モデル
定数
例外
ILM戦略を実装するために、Oracle Databaseのヒート・マップを使用すればデータのアクセスと変更を追跡できます。自動データ最適化(ADO)も使用すれば、データベース内の異なる層のストレージ間で、データの圧縮および移動を自動化できます。
DBMS_ILMパッケージでは、即時評価のほか、自動データ最適化(ADO)関連のタスクの実行がサポートされます。このパッケージでは、ADOアクションをスケジューリングする次の2つの方法がサポートされます。
データベース・ユーザーがオブジェクト・セット上でADOポリシーの即時実行をスケジュールします。
データベース・ユーザーがオブジェクト・セットでのADOポリシーの評価結果を確認します。次に、ユーザーは、このセットのオブジェクトを追加または削除して、ADOポリシーの評価結果を再確認します。ユーザーは、この手順を繰り返して、ADO実行の対象となるオブジェクト・セットを決定します。さらに、このオブジェクト・セットでは、ユーザーによってADOアクションの即時スケジューリングを実行できます。
次のプロシージャでは2つの使用モードがサポートされます。プロシージャの説明の前に、特定の評価を追跡可能なエンティティとしてのADOタスクの概念とADOポリシーの(評価および実行の)概念について説明します。個々のADOタスクは次のいずれかの状態になります。
非アクティブ
アクティブ
完了
DBMS_ILMパッケージでは、表79-1「DBMS_ILMの定数」に示す定数が使用されます。
表79-1 DBMS_ILMの定数
| 定数 | 値 | タイプ | 説明 |
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オブジェクトのADOポリシーをすべて選択します。 |
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1 |
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ADOアクションの実行中にオブジェクトをオフラインにできるように指定します。 |
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ADOアクションの実行中にオブジェクトがオンラインになるように指定します。 |
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1 |
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データベース内のすべてのADOポリシーを選択します。 |
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現在のスキーマ内のすべてのADOポリシーを選択します。 |
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1 |
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即時実行するADOタスクをスケジュールします。 |
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行をアクティブにする表で行アーカイブが有効化されたものの |
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行を非アクティブにする表で行アーカイブが有効化されたものの |
表79-3 DBMS_ILMパッケージのサブプログラム
| サブプログラム | 説明 |
|---|---|
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引数で指定されたオブジェクトを特定のADOタスクに追加して、このオブジェクト上のADOポリシーを評価します。 |
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行アーカイブが有効化された表の |
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ADOタスクを実行します。 |
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以前に評価されたADOタスクを実行します。 |
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引数で指定された有効範囲のすべてのADOポリシーを評価します。 |
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引数で指定されたオブジェクトを特定のADOタスクから削除します。 |
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特定のADOタスクに作成されたADO関連のジョブを停止します。 |
このプロシージャは、引数で指定されたオブジェクトを特定のADOタスクに追加して、このオブジェクト上のADOポリシーを評価します。このプロシージャは、非アクティブ状態のADOタスクでのみ実行できます。このオブジェクト上のADOポリシーの評価結果は、ロールとアクセスに応じた適切なビュー(USER_ILMTASKSまたはDBA_ILMTASKS、USER_ILMEVALUATIONDETAILSまたはDBA_ILMEVALUATIONDETAILS、USER_ILMRESULTSまたはDBA_ILMRESULTS)を使用して確認できます。
このファンクションでは、行アーカイブが有効化された表のORA_ARCHIVE_STATE列の値を戻します。
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関連項目: 『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』のインデータベース・アーカイブの使用に関する項を参照してください。 |
このプロシージャは、ADOタスクを実行します。
このプロシージャには、2つのオーバーロードがあります。最初のオーバーロードは、オブジェクトのセットに対してADOタスクを実行し、事前にこれらの評価を実行しません。2番目のオーバーロードは、特定のオブジェクトに対してADOポリシーを実行します。
構文
DBMS_ILM.EXECUTE_ILM ( task_id OUT NUMBER, ilm_scope IN NUMBER DEFAULT SCOPE_SCHEMA, execution_mode IN NUMBER DEFAULT ILM_EXECUTION_ONLINE); DBMS_ILM.EXECUTE_ILM ( owner IN VARCHAR2, object_name IN VARCHAR2, task_id OUT NUMBER, subobject_name IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, policy_name IN VARCHAR2 DEFAULT ILM_ALL_POLICIES, execution_mode IN NUMBER DEFAULT ILM_EXECUTION_ONLINE);
パラメータ
表79-6 EXECUTE_ILMプロシージャのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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特定のADOタスクを識別します。 |
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ADO実行の対象となるオブジェクト・セットを決定します。デフォルトは、スキーマ内のオブジェクトのみが対象となります。 |
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ADOタスクをオンライン( |
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オブジェクトの所有者 |
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オブジェクト名。 |
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サブオブジェクトの名前(パーティション化された表の場合はパーティション名)。 |
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オブジェクト上で評価されるADOポリシーの名前。オブジェクト上のすべてのADOポリシーを評価する場合は、パッケージ定数の |
このプロシージャは、以前に評価されたADOタスクを実行し、アクティブ状態に移行させます。
このプロシージャは、ILM_SCOPE引数を使用して指定されたオブジェクト上でADOポリシーを評価します。これは、特定のADOタスクを識別するtask_idとして数値を戻します。これを使用して、ロールとアクセスに応じた適切なビュー(USER_ILMTASKSまたはDBA_ILMTASKS、USER_ILMEVALUATIONDETAILSまたはDBA_ILMEVALUATIONDETAILS、USER_ILMRESULTSまたはDBA_ILMRESULTS)でポリシー評価の結果を確認できます。
PREVIEW_ILMプロシージャではADOタスクが非アクティブ状態のままになります。1度結果をプレビューすると、このタスクにオブジェクトの追加または削除ができます。
パラメータ
表79-8 PREVIEW_ILMプロシージャのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
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特定のADOタスクを識別します。 |
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実行の有効範囲を識別します。 |