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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
E49834-07
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5 Oracle Database Clientソフトウェアの削除

この章では、削除ツールを使用して、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。

削除ツールは、Oracle Database Clientインストールを削除します。

Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RACまたはOracle Databaseクライアントのインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除する際には、削除ツールを使用することをお薦めします。個々の製品やコンポーネントの削除はサポートされません。

次の各項では、削除ツールとそのツールを使用するための追加オプションについて説明します。

5.1 削除ツールについて

Oracle Database 12cから、データベース・インストール・メディアに削除ツールが統合されています。Oracle Database、Oracle Database ClientまたはOracle Grid Infrastructureインストール・メディアのベース・ディレクトリから、runInstallerコマンドに-deinstallおよび-homeオプションを指定して使用すると、削除ツールを実行できます。

また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall)として使用することも可能です。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリです。

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたレスポンス・ファイルを指定するには、–checkonlyオプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。

Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。


注意:

deinstallコマンドを実行した場合に、構成解除して削除しようとしているホーム以外の登録済ホームが中央インベントリ(oraInventory)に含まれていなければ、削除コマンドは、Oracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリ内の次のファイルとディレクトリ・コンテンツを削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • fast_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成すること、およびOracleソフトウェアが排他的に使用するOracleベースとOracleホーム・パスを予約することを強くお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータはdeinstallコマンドによって削除されます。


Oracleソフトウェア・インストールの所有者として削除ツールを実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall

deinstallコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

./deinstall [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input response file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

データベース・インストール・メディアから削除ツールを実行するには、-deinstallオプションの後に-homeオプションを指定したrunInstallerコマンドを使用し、削除するOracleホームのパスを次の構文で指定します(変数コンテンツはイタリックで示されています)。

./runInstaller -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input response file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] 
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。


注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを実行する必要があります。以前のリリースからOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは実行しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4 OracleホームからOracleソフトウェアを削除する場合、12.1.0.1のインストール・メディアから削除ツールを実行しないでください。

また、レスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行することも、次のオプションを選択してツールを実行することもできます。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。

    削除するOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、そのOracleホーム以外の場所にあるレスポンス・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    $ORACLE_HOME/deinstallパスからdeinstallを実行する場合は、実行されているホームの場所をツールが認識できるため、-homeフラグは不要です。インストール・メディアからrunInstaller -deinstallを使用する場合は、-homeが必須です。

  • -silent

    このフラグは、削除ツールを非対話モードで実行します。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。

    • インストールおよび構成の情報を判別するためにアクセスできる作業システム。失敗したインストールでは、-silentフラグは機能しません。

    • 削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたレスポンス・ファイル。

    使用または変更するレスポンス・ファイルは、-checkonlyフラグを指定してツールを実行すると生成できます。ツールにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。この方法でも、-silentオプションで使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。

    $ORACLE_HOME/deinstall/responseディレクトリにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonlyフラグを指定してツールを実行すると、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグを使用すると、削除ツールでの使用や、-silentオプションを指定しての使用が可能なレスポンス・ファイルが生成されます。

  • -paramfile 入力レスポンス・ファイルの完全パス

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるレスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行します。このフラグを使用する場合は、レスポンス・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージングの場所からの場合: /response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1=value name2=value name3=value . . .]

    このフラグは、作成しておいたレスポンス・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、レスポンス・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグは、レスポンス・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)が保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所からの場合: /response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時に一時ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -logdir ログ・ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時にログ・ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。


関連項目:

-localオプションの詳細は、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX』を参照してください。

5.2 削除ツールの実行例

インストール・メディアから、-deinstallオプションを指定してrunInstallerコマンドを使用して削除ツールを実行する場合、-homeフラグを入力し、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリへのパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、runInstallerコマンドがパス/directory_pathに指定されています(ここで、directory_pathはインストール・メディアのclientディレクトリへのパスで、/u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1/は削除するOracleホームへのパスです)。

$ cd /directory_path/
$ ./runInstaller -deinstall -home /u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1/

次の例では、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracleにあるレスポンス・ファイルが使用されています。

$ cd /directory_path/
$ ./runInstaller -deinstall -paramfile /home/usr/oracle/myparamfile.tmpl

5.3 Deinstallコマンドの実行例

$ORACLE_HOME/deinstallフォルダからdeinstallコマンドを使用して削除ツールを実行すると、Oracleホームの入力を求めるプロンプトを表示せずに削除を開始します。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、deinstallコマンドはパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1/deinstallに指定されており、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracleにあるレスポンス・ファイルが使用されます。

$ cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1/deinstall
$ ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/myparamfile.tmpl

5.4アンインストール・レスポンス・ファイルの例

deinstallコマンドを-paramfileオプションを指定して実行すると、レスポンス・ファイルで指定した値を使用できます。次に示すレスポンス・ファイルの例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)の場所はパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1/、Oracleベース(その他のOracleソフトウェアのインストール先)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、クライアントはclient1です。

ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
CRS_HOME=false
HOME_TYPE=CLIENT
silent=false
local=false
LOCAL_NODE=node1
ObaseCleanupPtrLoc=/var/tmp/install/orabase_cleanup.lst.
LOGDIR=/u01/app/oraInventory/logs/
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/client_1