この項では、Oracle Text 10gリリース2(10.2)へのアプリケーションの移行に関連する問題について説明します。この情報は、Oracle Textの1つ前のリリースからアップグレードするユーザーと、最新リリースへのアップグレードに必要な移行手順に関する情報を必要とするユーザーを対象としています。
Oracle Text 11gリリース1以上では、INSO_FILTER
フィルタ型がAUTO_FILTER
フィルタ型で置き換えられています。既存のOracle Textアプリケーションとの互換性を維持するために、INSO_FILTER
機能はAUTO_FILTER
でサポートされ、INSO_FILTER
フィルタ型は保持されますが、その動作はAUTO_FILTER
の動作と一致するように変更されています。
大部分のTextアプリケーションでは、フィルタ型を変更しても大きな影響はなく、ほとんどのアプリケーションは変更不要です。新しいフィルタ型に移行する措置は特に必要ありません。フィルタ型の変更による最も重要な変更点は次のとおりです。
AUTO_FILTER
では、INSO_FILTER
とは異なるドキュメント・タイプ・セットがサポートされます。サポートされているドキュメント・タイプのリストは、『Oracle Textリファレンス』の付録「Oracle Textでサポートされているドキュメント形式」を参照してください。
新規フィルタからのHTML出力の表示特性は、旧フィルタからの出力とは異なる場合があります。
AUTO_FILTER
タイプをサポートしているプラットフォーム・セットは、INSO_FILTER
とは異なります。サポートされているプラットフォームのリストは、『Oracle Textリファレンス』の付録「Oracle Textでサポートされているドキュメント形式」を参照してください。
INSO_FILTER
からAUTO_FILTER
への変更に伴い、フィルタの移行には関連する変更点もいくつか含まれています。
MAIL_FILTER
のINSO_TIMEOUT
およびINSO_OUTPUT_FORMATTING
属性は、それぞれAUTO_FILTER_TIMEOUT
およびAUTO_FILTER_OUTPUT_FORMATTING
属性に置き換えられています。
MAIL_FILTER
のメール構成ファイルで使用されていたINSOFILTER
ディレクティブは、AUTO_FILTER
ディレクティブに置き換えられています。
CTX_OUTPUT.ADD_TRACE
などのプロシージャで使用されていたトレーシング用のPL/SQL定数TRACE_IDX_INSO_FILTER
は、TRACE_IDX_AUTO_FILTER
フィルタに置き換えられています。
システム定義プリファレンスCTXSYS.INSO_FILTER
は、CTXSYS.AUTO_FILTER
プリファレンスに置き換えられています。
DEFAULT_FILTER_FILE
およびDEFAULT_FILTER_BINARY
システム・パラメータのデフォルト値が変更されていない場合は、新規インストールおよびデータベースをこのリリースにアップグレードできるように、これらのデフォルト値がCTXSYS.INSO_FILTER
からCTXSYS.AUTO_FILTER
に変更されています。このリリースにアップグレードするデータベースでこれらのデフォルト値が変更済の場合は、変更済のデフォルト値が引き続き使用されます。
下位互換性を保つために、このリリースではINSO_FILTER
とほとんどの関連フィルタ型、定数および属性が保持されています。ただし新規アプリケーションでは、Textアプリケーションの開発者がAUTO_FILTER
を使用し、古いアプリケーションをできるだけ更新する必要があります。
ほとんどのアプリケーションは、変更しなくてもAUTO_FILTER
型への変更が反映されます。このリリースへのアップグレード時に、次の移行手順が自動的に実行されます。
既存の索引でINSO_FILTER
フィルタ型が使用されている場合は、AUTO_FILTER
フィルタ型に移行されます。
既存の索引でMAIL_FILTER
フィルタ型が使用されている場合は、INSO_TIMEOUT
およびINSO_OUTPUT_FORMATTING
属性がそれぞれAUTO_FILTER_TIMEOUT
およびAUTO_FILTER_OUTPUT_FORMATTING
属性に移行されます。
システム・パラメータDEFAULT_FILTER_FILE
およびDEFAULT_FILTER_BINARY
のデフォルト値が変更されていない場合は、CTXSYS.INSO_FILTER
からCTXSYS.AUTO_FILTER
に移行されます。
AUTO_FILTER
フィルタ・システムに移行するために必要なアクションはありませんが、Oracle Textユーザーがデータベースをこのリリースにアップグレードする場合、次の手順を実行して、このリリースで非推奨となったAPIを使用しないで移行する必要があります。
索引でデフォルト以外のメール構成ファイルとともにMAIL_FILTER
フィルタ型が使用されている場合は、ファイルを編集し、使用されているINSOFILTER
ディレクティブをすべてAUTO_FILTER
ディレクティブで置き換えます。
アプリケーションで使用されているPL/SQL定数TRACE_IDX_INSO_FILTER
をTRACE_IDX_AUTO_FILTER
定数に置き換えます。
アプリケーションで使用されているシステム定義プリファレンスCTXSYS.INSO_FILTER
をCTXSYS.AUTO_FILTER
に置き換えます。