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Oracle® Textアプリケーション開発者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71317-04
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Oracle Text 10gリリース2 (10.2)への移行について

この項では、Oracle Text 10gリリース2(10.2)へのアプリケーションの移行に関連する問題について説明します。この情報は、Oracle Textの1つ前のリリースからアップグレードするユーザーと、最新リリースへのアップグレードに必要な移行手順に関する情報を必要とするユーザーを対象としています。

フィルタの比較(INSO_FILTERとAUTO_FILTER)

Oracle Text 11gリリース1以上では、INSO_FILTERフィルタ型がAUTO_FILTERフィルタ型で置き換えられています。既存のOracle Textアプリケーションとの互換性を維持するために、INSO_FILTER機能はAUTO_FILTERでサポートされ、INSO_FILTERフィルタ型は保持されますが、その動作はAUTO_FILTERの動作と一致するように変更されています。

大部分のTextアプリケーションでは、フィルタ型を変更しても大きな影響はなく、ほとんどのアプリケーションは変更不要です。新しいフィルタ型に移行する措置は特に必要ありません。フィルタ型の変更による最も重要な変更点は次のとおりです。

  • AUTO_FILTERでは、INSO_FILTERとは異なるドキュメント・タイプ・セットがサポートされます。サポートされているドキュメント・タイプのリストは、『Oracle Textリファレンス』の付録「Oracle Textでサポートされているドキュメント形式」を参照してください。

  • 新規フィルタからのHTML出力の表示特性は、旧フィルタからの出力とは異なる場合があります。

  • AUTO_FILTERタイプをサポートしているプラットフォーム・セットは、INSO_FILTERとは異なります。サポートされているプラットフォームのリストは、『Oracle Textリファレンス』の付録「Oracle Textでサポートされているドキュメント形式」を参照してください。

INSO_FILTERからAUTO_FILTERへの変更に伴い、フィルタの移行には関連する変更点もいくつか含まれています。

  • MAIL_FILTERINSO_TIMEOUTおよびINSO_OUTPUT_FORMATTING属性は、それぞれAUTO_FILTER_TIMEOUTおよびAUTO_FILTER_OUTPUT_FORMATTING属性に置き換えられています。

  • MAIL_FILTERのメール構成ファイルで使用されていたINSOFILTERディレクティブは、AUTO_FILTERディレクティブに置き換えられています。

  • CTX_OUTPUT.ADD_TRACEなどのプロシージャで使用されていたトレーシング用のPL/SQL定数TRACE_IDX_INSO_FILTERは、TRACE_IDX_AUTO_FILTERフィルタに置き換えられています。

  • システム定義プリファレンスCTXSYS.INSO_FILTERは、CTXSYS.AUTO_FILTERプリファレンスに置き換えられています。

  • DEFAULT_FILTER_FILEおよびDEFAULT_FILTER_BINARYシステム・パラメータのデフォルト値が変更されていない場合は、新規インストールおよびデータベースをこのリリースにアップグレードできるように、これらのデフォルト値がCTXSYS.INSO_FILTERからCTXSYS.AUTO_FILTERに変更されています。このリリースにアップグレードするデータベースでこれらのデフォルト値が変更済の場合は、変更済のデフォルト値が引き続き使用されます。

下位互換性を保つために、このリリースではINSO_FILTERとほとんどの関連フィルタ型、定数および属性が保持されています。ただし新規アプリケーションでは、Textアプリケーションの開発者がAUTO_FILTERを使用し、古いアプリケーションをできるだけ更新する必要があります。

AUTO_FILTERフィルタ型への移行について

ほとんどのアプリケーションは、変更しなくてもAUTO_FILTER型への変更が反映されます。このリリースへのアップグレード時に、次の移行手順が自動的に実行されます。

  • 既存の索引でINSO_FILTERフィルタ型が使用されている場合は、AUTO_FILTERフィルタ型に移行されます。

  • 既存の索引でMAIL_FILTERフィルタ型が使用されている場合は、INSO_TIMEOUTおよびINSO_OUTPUT_FORMATTING属性がそれぞれAUTO_FILTER_TIMEOUTおよびAUTO_FILTER_OUTPUT_FORMATTING属性に移行されます。

  • システム・パラメータDEFAULT_FILTER_FILEおよびDEFAULT_FILTER_BINARYのデフォルト値が変更されていない場合は、CTXSYS.INSO_FILTERからCTXSYS.AUTO_FILTERに移行されます。

AUTO_FILTERフィルタ・システムに移行するために必要なアクションはありませんが、Oracle Textユーザーがデータベースをこのリリースにアップグレードする場合、次の手順を実行して、このリリースで非推奨となったAPIを使用しないで移行する必要があります。

  • 索引でデフォルト以外のメール構成ファイルとともにMAIL_FILTERフィルタ型が使用されている場合は、ファイルを編集し、使用されているINSOFILTERディレクティブをすべてAUTO_FILTERディレクティブで置き換えます。

  • アプリケーションで使用されているPL/SQL定数TRACE_IDX_INSO_FILTERTRACE_IDX_AUTO_FILTER定数に置き換えます。

  • アプリケーションで使用されているシステム定義プリファレンスCTXSYS.INSO_FILTERCTXSYS.AUTO_FILTERに置き換えます。