プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

generic_applicationリソース・タイプを使用するリソースの作成

高可用性が必要で、アクション・スクリプトの作成が不要なタイプのアプリケーションのモデル化する場合は、crsctl add resourceコマンドでgeneric_applicationリソース・タイプを使用してリソースを作成します。この項には、generic_applicationリソース・タイプを使用するリソースをLinux/UNIXプラットフォームで作成する2つの例が示されています。

関連項目:

generic_applicationリソース・タイプの詳細は、Oracleクラスタウェアのリソース・タイプを参照してください。

次のコマンドの例では、高可用性のSambaサーバー・リソースが作成されます。

$ crsctl add resource samba1 -type generic_application -attr
  "START_PROGRAM='/etc/init.d/smb start',
   STOP_PROGRAM='/etc/init.d/smb stop',
   CLEAN_PROGRAM='/etc/init.d/smb stop',
   PID_FILES='/var/run/smbd.pid,/var/run/nmbd.pid'"

前述の例で、リソースを定義する属性は次のように構成されます。

  • START_PROGRAM='/etc/init.d/smb start': この属性には、Sambaサーバーを起動するスクリプトへの完全なパスおよび引数が含まれています

  • STOP_PROGRAM='/etc/init.d/smb stop': この属性には、Sambaサーバーを停止するスクリプトへの完全なパスおよび引数が含まれています

  • CLEAN_PROGRAM='/etc/init.d/smb stop': この属性には、Sambaサーバーの起動または停止に障害が起きた場合に、サーバーを強制的に終了し、クリーンアップするスクリプトの完全なパスおよび引数が含まれています

  • PID_FILES='/var/run/smbd.pid,/var/run/nmbd.pid': この属性には、プロセスID (PID)をリストしているテキスト・ファイルのパスが含まれており、このリストを監視して、Sambaサーバーおよびそのコンポーネントすべてが実行されているようにする必要があります

注意:

  • このSambaサーバー構成にスクリプト・ベースの監視が必要な場合、次のように、PID_FILESの代わりに、CHECK_PROGRAMS属性を使用できます。

    CHECK_PROGRAMS='/etc/init.d/smb status'
    
  • Sambaサーバー・リソースのHOSTING_MEMBERSSERVER_POOLSPLACEMENTおよびCARDINALITY属性を構成して、標準的なOracle Clusterwareの配置およびカーディナリティ・プロパティを指定できます。

2番目のコマンドの例では、高可用性のデータベース・ファイル・サーバー(DBFS)リソースが作成されます。DBFSは、Oracle Databaseに格納されたデータにアクセスできるFilesystem in Userspace (FUSE)ファイル・システムを提供します。

関連項目:

DBFSの詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

generic_applicationリソース・タイプを使用してDBFSファイル・システムに相当するリソースを定義できます。このDBFSリソースを使用して、DBFSファイル・システム・マウント・ポイントを起動、停止、監視およびフェイルオーバーすることができます。このリソースを作成するコマンドの構文は、次のとおりです。

$ crsctl add resource dbfs1 -type generic_application -attr
  "START_PROGRAM='/app/oracle/12.1/bin/dbfs_client -o wallet 
   /@inst1 /scratch/mjkeenan/data/dbfs_mount',
   STOP_PROGRAM='/bin/fusermount -u /scratch/mjkeenan/data/dbfs_mount',
   CHECK_PROGRAMS='ls /scratch/mjkeenan/data/dbfs_mount/dbfsdata1',
   ENVIRONMENT_VARS='ORACLE_HOME=/app/oracle/12.1,
         LD_LIBRARY_PATH=/app/oracle/12.1/lib:/app/oracle/12.1/rdbms/lib,
         TNS_ADMIN=/app/oracle/12.1/network/admin',
   CLEAN_PROGRAM='/bin/fusermount -u -z /scratch/mjkeenan/data/dbfs_mount',
   START_DEPENDENCIES='hard(ora.inst1_srv.svc)',
   STOP_DEPENDENCIES='hard(ora.inst1_srv.svc)'"

上記の例には、必須のSTART_PROGRAMSTOP_PROGRAMCHECK_PROGRAMSおよびCLEAN_PROGRAM属性の他に、次のような属性が含まれています。

  • ENVIRONMENT_VARS属性は、プログラムを起動したり停止するときに渡されるカスタム環境変数を指定します。

  • START_DEPENDENCIESおよびSTOP_DEPENDENCIES依存属性は、DBFSファイル・システムのデータベース・ストアの基になっているデータベース・サービスに起動依存性および停止依存性を作成します。

    DBFSファイル・システムのアプリケーション要件に基づいた上位レベルのアプリケーション・リソースのDBFSリソースに依存性を作成できます。

注意:

  • 前述の構文に示されているORACLE_HOMEディレクトリは例です。

  • DBFSファイル・システム・リソースのHOSTING_MEMBERSSERVER_POOLSPLACEMENTおよびCARDINALITY属性を構成して、Oracle Clusterware標準の配置およびカーディナリティ・プロパティを指定できます。