この章では、Oracle Universal Installer(OUI)を起動してクラスタ用Oracle Grid Infrastructureをインストールする前に完了する必要があり、クラスタにOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールする場合に完了する必要があるシステム構成作業について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
アップグレードに関して次の点を確認してください。
すでにOracleがインストールされている場合は、次の手順を実行します。
注意: 構成の変更を開始する前に、既存のデータベースのバックアップを必ず作成してください。 |
バージョン番号、パッチおよびその他の構成情報を記録します
既存のインストールのアップグレード手順を確認します。
インストールを進める前に、アップグレードに関するOracleドキュメントを確認し、その後の処理を確認します。
最新のソフトウェア更新情報や、アップグレードの前後、互換性、相互運用性に関する推奨ベスト・プラクティスについては、「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)を参照してください。
https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1
Oracle ASMアップグレードに関して、次の問題に注意してください。
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM) 11gリリース1(11.1)以上では、クラスタ内の個別のノードに対して、または複数のノードに対してまとめてローリング・アップグレードを行うことで、Oracle RACデータベースを停止することなくアップグレードできます。ただし、Oracle ASMを使用しているクラスタにスタンドアロン・データベースがある場合、アップグレードする前にそのスタンドアロン・データベースを停止する必要があります。Oracle ASM 10gからアップグレードする場合は、Oracle ASMクラスタ全体を停止してアップグレードを行う必要があります。
Oracle Grid Infrastructure 11 gリリース2 (11.2)では、Oracle ASMがOracle ClusterwareとともにOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)にインストールされるように、Oracle ASMホームの場所が変更されました。
以前のリリースのOracle ASMホームがすでにある場合は、Oracle Clusterwareのアップグレードに使用する予定のユーザーが所有している必要があります。
ローリング・アップグレードに関して、次の情報に注意してください。
オペレーティング・システムのローリング・アップグレード時に、そのオペレーティング・システムの両方のバージョンが、使用しているOracle Databaseリリースで保証されている場合は、異なるオペレーティング・システム・バイナリを使用できます。
異なるバージョンのオペレーティング・システムを混在させて使用できるのは、アップグレードの間のみです。
異なるバージョンのオペレーティング・システムを使用できるのは、アップグレードの間の数時間のみであることに注意してください。
Oracle Clusterwareでは、同じクラスタで異なる命令セット・アーキテクチャ(ISA)を使用するプロセッサを搭載するノードはサポートされていません。各ノードは、バイナリ・レベルでクラスタ内の他のノードとの互換性が必要です。
たとえば、同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでIA-64(Itanium)プロセッサを使用することはできません。同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでAMD64プロセッサを使用することはできますが、これは、プロセッサが同じx86-64 ISAを使用し、同じバイナリ・バージョンのOracleソフトウェアを実行するためです。
セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。
インストールの最小要件を満たしていない場合はOracle Universal Installer(OUI)によって検知され、要件を満たしていないシステム構成手順を実行するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプトが作成されます。OUIによって不完全な作業が検知されると、修正スクリプト(runfixup.sh
)が生成されます。「修正および再チェック」をクリックした後で、修正スクリプトを実行できます。
CVUで、インストールの前に修正スクリプトを生成することもできます。
関連項目: cluvfy コマンドの使用の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
修正スクリプトでは、次のことが実行されます。
必要に応じて、インストールを正しく実行するために必要な値を次のカーネル・パラメータに設定します。
共有メモリのパラメータ
オープン・ファイル記述子とUDP送受信のパラメータ
Oracle Inventory(中央インベントリ)ディレクトリに権限を作成し、設定します。
インストール所有者、必要な場合はOracle Inventoryディレクトリおよびオペレーティング・システム権限グループの、プライマリおよびセカンダリ・グループ・メンバーシップを作成または再構成します。
必要に応じて、シェル制限に必須の値を設定します。
インストールに使用するユーザー・アカウントのために、クラスタ・メンバー・ノード間でSSHを構成している場合は、インストール前にクラスタ構成を確認し、インストールを開始する前にオペレーティング・システムの変更を行うための修正スクリプトを生成できます。
これを行うには、インストールを実行するユーザー・アカウントでログインし、runcluvfyコマンドがあるステージング領域に移動し、次のコマンド構文を使用します(ここで、node
は、クラスタ・メンバーにするノードをカンマで区切ったリストです)。
$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node -fixup -verbose
たとえば、node1
とnode2
の2ノードがあるクラスタを構成する場合は、次のコマンドを入力します。
$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2 -fixup -verbose
インストール中は、rootまたは他のユーザーとして、リモート端末上で作業を行う必要があります。リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、次の手順を実行します。
注意: 別のユーザー(oracle など)としてログインする場合は、そのユーザーでもこの手順を繰り返します。 |
リモート表示を可能にするには、次のいずれかの手順を実行します。
ソフトウェアをX Window SystemワークステーションまたはX端末からインストールする場合は、次の手順を実行します。
Xターミナル・セッション(xterm
)を開始します。
ソフトウェアを別のシステムにインストールし、そのシステムをX11ディスプレイとして使用する場合は、次の構文を使用してコマンドを入力し、リモート・ホストがローカルのXサーバーでXアプリケーションを表示できるようにします。
# xhost + RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。
# xhost + somehost.example.com somehost.example.com being added to the access control list
ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、ssh
コマンドを使用してソフトウェアをインストールするシステムに接続します。
# ssh -Y RemoteHost
RemoteHost
は完全修飾されたリモートのホスト名です。-Y
フラグ(Yes)により、元のX11ディスプレイに対する完全なアクセス権がリモートのX11クライアントに付与されます。次に例を示します。
# ssh -Y somehost.example.com
root
ユーザーでログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをroot
に切り替えます。
$ su - root password: #
Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。
注意: 必要に応じて、この手順の実行の詳細についてX Window Systemのドキュメントを参照してください。使用しているXソフトウェアによっては、異なる順序でタスクを実行することが必要な場合があります。 |
X Window Systemソフトウェアを起動します。
X Window Systemソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。
ソフトウェアをインストールするリモート・システムに、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの所有者(grid
、oracle
)として接続し、システムでX端末(xterm
)などの端末セッションを開始します。
リモート・システム上で別の端末セッションを開き、root
ユーザーとしてリモート・システムにログインします。プロンプトが表示されたら、root
としてスクリプトを実行できます。
インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルとパッケージがインストールされていることを確認してください。パッチ要件は必要最小限のパッチ・バージョンであり、前のパッチ番号は後のパッチ更新に含められていることに注意してください。
このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。カーネル要件の最新情報については、次のURLのOracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html
OUIによって、ご使用のシステムが示されたオペレーティング・システムの要件を満たしていることを確認する検証が実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。
表3-1 HP-UX Itaniumの要件
項目 | 要件 |
---|---|
SSH要件 |
Oracle ClusterwareにはSSHが必要です。必要なSSHソフトウェアは、オペレーティングシステムに付属のデフォルトのSSHです。 |
オペレーティング・システム |
HP-UX 11iV3パッチ・バンドルSep/ 2008 (B.11.31.0809.326a)以上 |
HP-UX 11.31パッケージとバンドル |
次のパッチがインストールされている必要があります。 PHCO_43503 - 11.31 diskowner(1M) cumulative patch PHKL_38038 - 11.31 vm cumulative patch PHKL_38938 - 11.31 SCSI cumulative I/O patch PHKL_40941 - 11.31 scheduler cumulative patch PHSS_36354 - 11.31 assembler patch PHSS_37042 - 11.31 hppac PHSS_37959 - Libcl patch for alternate stack issue fix (QXCR1000818011) PHSS_38141 - 11.31 aC++ Runtime PHSS_39094 - 11.31 linker + fdp cumulative patch PHSS_39100 - 11.31 Math Library Cumulative Patch PHSS_39102 - 11.31 Integrity Unwind Library |
Oracle Clusterware |
Oracle Clusterwareの追加要件はありません。 このリリースの時点では、Hyper Messagingプロトコル(HMP)はサポートされていません。 HP Serviceguard A.11.20をサポートしています。 注意: HP Serviceguardはオプションです。必要となるのは、Oracle Clusterwareまたはデータベース・ファイルに共有論理ボリュームを使用する場合のみです。 |
追加のドライバやパッケージをインストールする必要はありませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することが可能です。
Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Open Database Connectivity (ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。
HP-UX Itaniumでは、Oracle ODBCドライバはODBCドライバ・マネージャ2.3.1について動作保証されています。ODBCを使用するには、gcc 4.2.3以上もインストールする必要があります。
Oracle ClusterwareまたはOracle DatabaseにODBCドライバは必要ありません。
ODBCドライバを次のWebサイトからダウンロードし、インストールします。
Oracle Messaging Gatewayのインストールについては、次の項を確認してください。
Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Databaseの機能の1つです。これを使用すると、Oracle以外のメッセージ・システムとOracle Streams Advanced Queuingに基づくアプリケーション間の通信が可能になります。
Oracle Messaging Gatewayでは、Oracle Streams Advanced Queuing (AQ)とWebSphereおよびTIBCO Rendezvousをベースとするアプリケーションとの統合がサポートされています。サポートされるバージョンについては、『Oracle Databaseアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Messaging GatewayはOracle Databaseでインストールされます。
My Oracle Supportの証明書で最新の要件を確認してください。証明書は次のURLで入手できます。
https://support.oracle.com
IBM WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
プログラミング環境をインストールする場合は、次の項を確認してください。
Oracle Databaseでは、様々な環境でのアプリケーション開発用に複数のプログラミング言語がサポートされています。一部の言語では、使用しているオペレーティング・システムの追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。
プログラミング環境は任意です。Oracle Databaseに必須ではありません。
関連項目: プログラミング環境の概要は、Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイドを参照してください。 |
システムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認してください。
表3-2 HP-UX Itaniumシステムのプログラミング環境の要件
プログラミング環境 | サポート要件 |
---|---|
Java Database Connectivity (JDBC) / Oracle Call Interface (OCI) |
Oracle Java Database ConnectivityおよびOracle Call InterfaceのドライバとJNDI拡張機能付きJDK 6 ( このリリースでは、JDK 1.6.0.16がインストールされています。 注意: これらはOracle Grid Infrastructureのインストールにおいて必須ではありません。 |
Pro*C/C++、 |
コンパイラ・バージョン: A.06.20 (HP C/aC++ Swlist Bundle - C.11.31.04) - Sep 2008 HP-UX Itanium上のHP-UX 11i V3(11.31)用パッチ:
デプロイするアプリケーションに応じて、追加のパッチが必要な場合があります。 |
Pro*COBOL |
Micro Focus Server Express 5.1 |
Pro*FORTRAN |
HP FORTRAN/90 - Sep 2008リリース |
VERITASファイル・システム |
PHKL_39773: 11.31 VRTS 5.0 GARP6 VRTSvxfs Kernel Patch 注意: VERITAS File Systemはオプションです。このパッチは、VERITAS File System 5.0を使用する場合にのみ必要です。 |
Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用する場合のみ、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでEnterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。
https://support.oracle.com
関連項目: Enterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスする手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。 |
システムがこれらの要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを入力して、インストールされているHP-UXのバージョンを確認します。
# uname -a
"HP-UX hostname
B.11.31 U ia64 4156074294 unlimited-user license"
この例では、HP-UX 11iのバージョンはItanium上の11.31です。
次のコマンドを使用して、システムが最小パッチ・バンドル要件を満たしていることを確認します。
# /usr/sbin/swlist -l bundle |grep QPK
QPK(Quality Pack)バンドルには、B.11.31.0809.326a(2008年9月リリースの場合)や、B.11.31.0903.334a(2009年3月リリースの場合)という形式のバージョン番号が付いています。必要なバンドル、製品またはファイルセットがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。製品のインストールについては、ご使用のオペレーティング・システムまたはソフトウェアのマニュアルを参照してください。
注意: 前の段落にリストされているパッチのバージョンより新しいパッチがシステムにインストールされている場合があります。記載のパッチがインストールされていない場合、記載のバージョンをインストールする前に、それより新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。 |
必要なパッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。
http://itresourcecenter.hp.com">>http://itresourcecenter.hp.com
Webサイトに表示されるパッチのバージョンの方が新しい場合は、そのバージョンをダウンロードしてインストールします。
WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。
注意: リストされているパッチのバージョンより新しいパッチがシステムにインストールされている場合があります。リストされているパッチがインストールされていない場合、リストされているバージョンをインストールする前に、より新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認します。 |
Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードで同じのタイムゾーン設定が必要です。インストール中に、インストール・プロセスは、OUIを実行しているノードでグリッド・インストール所有者のタイムゾーン設定を選択し、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ設定として、すべてのノードでその設定を使用します。このデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。
時間の同期には2つの方法があります。
オペレーティング・システムで構成されたネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)
Oracleクラスタ時刻同期化サービス
Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracle Cluster時刻同期化デーモン(ctssd)は、オブザーバ・モードで起動します。NTPデーモンがない場合、ctssdはアクティブ・モードで起動し、外部時間サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間で時刻を同期します。
注意: Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。 |
サーバー上にNTPデーモンがある場合でも、時間サーバーの時刻と同期されるように構成できず、クラスタ時刻同期化サービスを使用して、クラスタ内で同期化サービスを提供する場合は、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)を非アクティブにし、削除します。
NTPサービスを非アクティブ化するには、既存のntpd
サービスを停止し、初期化シーケンスでは無効化し、ntp.conf
ファイルを削除します。この手順を行うには、次のコマンドをroot
ユーザーとして実行します。
# /sbin/init.d/xntpd stop # rm /etc/ntp.conf
または、mv /etc/ntp.conf
/etc/ntp.conf.org
を実行します。
NTPプロトコルがアクティブでないとインストーラによって判断されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。NTPが構成されていると判断された場合は、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でOracle Clusterwareによるアクティブな時刻同期化は行われません。
インストール後にctssd
がアクティブになっていることを確認するには、グリッド・インストール所有者として次のコマンドを入力します。
$ crsctl check ctss
Oracleソフトウェアをインストールするには、すべてのクラスタ・メンバー・ノード間にセキュア・シェル(SSH)の接続が設定されている必要があります。OUIは、インストール中にssh
およびscp
コマンドを使用して、他のクラスタ・ノードに対してリモート・コマンドを実行し、そのクラスタ・ノードにファイルをコピーします。これらのコマンドを使用する際にパスワードを求めるプロンプトが表示されないように、SSHを構成する必要があります。
注意: SSHは、Oracle Configuration Assistantによる、ローカル・ノードからリモート・ノードに対する構成操作に使用されます。Enterprise Managerでも使用されます。 |
OUIインタフェースから、インストール中に、インストールを実行しているユーザー・アカウントにSSHを構成することができます。自動構成によって、パスワードなしのSSH接続をすべてのクラスタ・メンバー・ノード間に作成することができます。可能なかぎり、この自動手順を利用することをお薦めします。
スクリプトを実行できるようにするには、すべてのOracleソフトウェア・インストール所有者のプロファイルからstty
コマンドを削除するとともに、ログイン時にトリガーされる他のセキュリティ手段で、端末に対してメッセージを生成するものを削除する必要があります。これらのメッセージやメール・チェックなどが表示されていると、Oracleソフトウェア・インストール所有者は、Oracle Universal Installerに組み込まれているSSH構成スクリプトを使用できません。これらの表示が無効になっていない場合は、SSHを手動で構成してからでなければ、インストールを実行できません。
まれに、リモート・ノードがSSH接続を閉じると、「AttachHome」操作時にOracle Clusterwareインストールが失敗する場合があります。この問題を回避するために、すべてのクラスタ・ノードでSSHデーモン構成ファイル/opt/ssh/etc/sshd_config
に次のパラメータを設定し、タイムアウト待機時間を無制限に設定します。
LoginGraceTime 0
注意: この作業は、Motif 2.1開発環境パッケージ(X11MotifDevKit.MOTIF21-PRG)がインストールされていない場合にのみ必要です。 |
このソフトウェアをインストールした後で、Oracle製品を正常に再リンクできるようにするには、次のコマンドを使用して、必須のXライブラリ・シンボリック・リンクを/usr/lib
ディレクトリに作成します。
# cd /usr/lib # ln -s libX11.3 libX11.sl # ln -s libXIE.2 libXIE.sl # ln -s libXext.3 libXext.sl # ln -s libXhp11.3 libXhp11.sl # ln -s libXi.3 libXi.sl # ln -s libXm.4 libXm.sl # ln -s libXp.2 libXp.sl # ln -s libXt.3 libXt.sl # ln -s libXtst.2 libXtst.sl
Oracle Universal Installerでは、前提条件チェック時に、すべてのノードの/dev/async
デバイスのマイナー番号がデバイス・ファイルで0x4
または0x104
に設定されているか確認します。デフォルトでは、マイナー番号は0x0
に設定されます。インストールの開始前にマイナー番号を変更するには、次の手順を実行します。
root
ユーザーとしてログインします。
/dev/async
が存在するか確認します。デバイスが存在しない場合、次のコマンドを使用し作成します。
# /sbin/mknod /dev/async c 101 0x4
また、次のコマンドを使用するとマイナー番号値を0x104に設定できます。
# /sbin/mknod /dev/async c 101 0x104
/dev/async
が存在する場合、次の例のとおりマイナー番号の現在の値を確認します。
# ls -l /dev/async
crw-r--r-- 1 root sys 101 0x000000 Sep 28 10:38 /dev/async
ファイルの現在のマイナー番号が0x4
または0x104
でない場合、次のいずれかのコマンドを使用し、期待の値に変更します。
# /sbin/mknod /dev/async c 101 0x4 or # /sbin/mknod /dev/async c 101 0x104
Oracle ClusterwareがNASデバイスまたはNFSマウントの使用によるネットワーク障害をより許容できるようにするには、ネーム・サービス・キャッシュ・デーモン(nscd
)を有効にします。nscd
によって、最も一般的なネーム・サービス・リクエストに対するキャシング・メカニズムが提供されます。システムがマルチユーザーの状態で起動すると、自動的に起動します。Oracleソフトウェアでは、サーバーがマルチユーザー実行レベル(3)で起動される必要があります。これはHP-UXのデフォルトです。
サーバーが3に設定されていることを確認するには、コマンドwho -r
を入力します。次に例を示します。
# who -r .run-level 3 Jan 4 14:04 3 0 S
実行レベルの変更が必要な場合は、ご使用のオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
パスワードおよびグループのキャッシュ・デーモン(pwgrd
)が実行されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。
ps -aef |grep pwgrd