この章では、クラスタ用のOracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をインストールする前に、サーバーで完了する必要があるオペレーティング・システムの構成作業について説明します。この章に示す値は、最低限のインストール用です。計画されたシステム負荷に応じて、本番システムを設定することをお薦めします。
この章の内容は次のとおりです。
システムが各要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを入力して、物理RAMのサイズを確認します。
# /usr/contrib/bin/machinfo | grep -i Memory
システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合、次の手順に進む前にメモリーを増設する必要があります。
次のコマンドを入力して、構成されたスワップ領域のサイズを確認します。
# /usr/sbin/swapinfo -a
注意:
|
次のコマンドを入力して、/tmp
ディレクトリで使用できるディスク領域の大きさを確認します。
# bdf /tmp
/tmp
ディレクトリで使用できるディスク領域が7GB未満の場合、次のいずれかの手順を完了します。
必要なディスク領域を確保するために、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。
次のコマンドを入力して、システムの空きディスク領域の大きさを確認します。
# bdf
次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。
$ uname -m
プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。
想定した出力(ia64
)が表示されない場合、このシステムにそのソフトウェアはインストールできません。
共有メモリー・カーネル・パラメータ(shmmni
、shmseg
およびshmmax
)を表示して、システムに変更が必要かどうかを判断します。
kctune -v shmmni kctune -v shmseg kctune -v shmmax
kctune shmmni=1024
コマンドを使用して、メモリー・カーネル・パラメータを必要な値に設定します。共有メモリーの計画の詳細は、第2.4項「サーバーの最小メモリー要件」を参照してください。
同じ命令セット・アーキテクチャのサーバーを選択します(同じクラスタ・スタックで32-bitおよび64-bitのOracleソフトウェア・バージョンを実行することはできません)。
システム・コンソールベースのインストールを実行する間、OUIが正しく表示されるように、ディスプレイ・カードのディスプレイ解像度を1024×768以上にします。
各サーバーで、同じオペレーティング・システム・バイナリが実行されていることを確認します。
Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、同一クラスタ内でハードウェアが異なるサーバーを使用できます。クラスタに異なる処理速度やサイズのCPUを搭載するノードをインストールできますが、ハードウェア構成が同じノードを使用することをお薦めします。
異なる構成を使用してクラスタを構成する場合、サーバー・カテゴリ化管理ポリシーの一部として同種のプールにクラスタ・ノードを分類することをお薦めします。
関連項目: サーバーの状態と構成属性の詳細およびサーバー・プールを使用してリソースとワークロードを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
各システムは、次の最小記憶域要件を満たしている必要があります。
/tmp
ディレクトリに1GBの領域。
/tmp
ディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。
必要な領域を確保するために、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。
クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に8GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。
Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(Gridユーザー)のOracleベース用に12GB以上の領域。Oracleベースには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMのログ・ファイルが含まれます。
トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタによって生成された診断収集用に、グリッド・インフラストラクチャ所有者のOracleベース・ディレクトリに10GBの追加の領域。
Oracle Databaseのインストールでは、自動バックアップを構成する場合は、高速リカバリ領域用に追加の領域(ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementディスク・グループ)が必要です。
関連項目: 高速リカバリ領域のサイジングの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照 |
システム・アーキテクチャに応じて、システムが次の最小要件を満たしていることを確認します。
注意: スワップ領域のサイズが足りないというOUIエラーが発生したにもかかわらず、スワップ領域はここに記載された要件を満たしている場合は、エラーを無視してかまいません。 |
各システムは、次の最小メモリー要件を満たしている必要があります。
Cluster用Oracle Grid Infrastructureインストール用に4GB以上のRAM(Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。
次の表に示す使用可能なRAMの倍数と同等のスワップ領域
注意: 32ビット・システムはサポート対象外となりました。 |
Oracle DatabaseまたはOracle RACデータベースをクラスタ上にインストールする場合、各サーバーの共有メモリのマウント領域は、サーバーのデータベースのシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)よりも大きいサイズである必要があることに注意してください。SGAおよびPGAの予想サイズをデータベース管理者に確認し、データベースをクラスタにインストールした後に共有メモリのマウント領域を増やす必要がないようにしてください。