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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for HP-UX Itanium
E52983-07
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このリリースでの『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』の変更点

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1)の変更点

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1のOracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドには、次の変更点があります。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1.0.2)の新機能

  • Oracleホームの迅速なプロビジョニング

    高速ホーム・プロビジョニングは、クラウド・コンピューティング環境で、データベース、ミドルウェア、アプリケーションなどのOracleソフトウェアのホーム・イメージ(ゴールド・イメージと呼ばれます)を格納する単一のクラスタから、ソフトウェアのホームをノードにデプロイする方法です。高速ホーム・プロビジョニング・サーバー(RHPS)クラスタは、高速ホーム・プロビジョニング・クラスタ(RHPC)のゴールド・イメージを提供します。

    『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • クラスタおよびOracle RAC診断ツールの拡張機能

    トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタは、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に自動的にインストールされます。トレース・ファイル・アナライザ・コレクタは、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACシステムの診断データの収集を簡素化する、診断を収集するためのユーティリティです。


    関連項目:

    トレース・ファイル・アナライザ・コレクタの使用に関する詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリの自動インストール

    グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリは、Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1.0.2)とともに自動的にインストールされます。


    注意:

    グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ機能は、HP-UX Itanium構成ではサポートされていません。

  • Oracle RACキャッシュ・フュージョン・アクセラレータ

    Oracle RACは、キャッシュ・フュージョン・プロトコルとグローバル・キャッシュ・サービス(GCS)を使用して、高速で信頼性の高いインスタンス間データ通信をOracle RACクラスタで実現するため、複数インスタンスの個々のメモリー・バッファ・キャッシュが、データベースに対して1つのグローバル・キャッシュとして機能します。キャッシュ・フュージョン・プロバイダを使用すると、ほとんどのアプリケーションでほぼリニアなスケーラビリティが実現します。このリリースでは、すべてのアプリケーションでスケーラビリティを強化するキャッシュ・フュージョン・プロトコルのアクセラレーション機能が用意されています。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1.0.1)の新機能

  • Oracle Flex Cluster

    Oracle Flex Clusterは新しい概念であり、少数のノード数を持つ従来の密結合クラスタを、多数の疎結合ノードと結合します。この新しい概念を使用して作成された様々な構成をサポートするため、SRVCTLでは、インストールと構成を容易にする、新しいコマンドおよびコマンド・オプションが提供されています。

    第4.10項「Oracle Flex Clusterの構成要件」を参照してください。


    関連項目:

    Oracle Flex Clusterの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を、Oracle Flex Clusterのデプロイメントの詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • ASMディスク・グループでのOracle Cluster Registryバックアップのサポート

    Oracle Cluster Registry (OCR)バックアップ・メカニズムによりOracle ASMディスク・グループでOCRのバックアップを格納することができます。Oracle ASMディスク・グループにOCRのバックアップを格納すると、OCRのリカバリが必要になった場合にクラスタの任意のノードからOCRバックアップへのアクセスを許可することによって、OCR管理が簡素化されます。

  • パブリック・ネットワークに対するIPv6のサポート

    Oracle Clusterware 12cリリース1 (12.1)では、IPv6ベースのパブリックIPアドレスおよびパブリックVIPアドレスがサポートされます。

    今日のデータ・センターでの情報テクノロジ・インフラストラクチャでは、IPv6ベースのIPアドレスが標準になってきています。このリリースでは、Oracle RACおよびOracle Grid Infrastructureで、この標準がサポートされます。インストール時に、同じネットワークでIPv4またはIPv6アドレスを使用してクラスタ・ノードを構成できます。データベース・クライアントは、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスのどちらにも接続できます。単一クライアント・アクセス名(SCAN)のリスナーは、クライアントの接続要求を、そのクライアント要求のIPプロトコルに適したデータベース・リスナーへ自動的にリダイレクトします。

    第4.4項「IPv4およびIPv6のプロトコル要件」を参照してください。

  • Grid Infrastructureのインストールとアップグレードのスクリプト自動化

    この機能によって、インストーラおよびその他の構成アシスタントを使用したroot権限を必要とするすべてのスクリプトを実行できるので、デプロイ時に手動でrootベースのスクリプトを実行する必要はなくなりました。

    インストールとアップグレードのスクリプト自動化を使用すると、Oracle Grid Infrastructureのインストールまたはアップグレードの最終手順で、各ノードでスクリプトを手動で実行する必要がなくなります。

    第1.1.2項「Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RAC環境のチェックリスト」を参照してください。

  • Oracle Grid Infrastructureの個別パッチ対応ローリング・マイグレーション

    Oracle Grid Infrastructureの個別パッチのローリング移行およびOracle ASMとOracle Clusterwareへのアップグレードにより、個別パッチによる、クラスタ化されたOracle Grid Infrastructureノードへのアップグレードまたはパッチ適用を、データベースの可用性に影響することなく、独立して実行することができます。この機能により、稼働時間を大きく向上させ、柔軟にパッチ適用を行うことができます。また、このリリースでは、新しいクラスタ状態(「ローリング・パッチ」)が導入されています。パッチ静止状態で可能な操作は、既存のローリング・アップグレード・クラスタ状態と類似しています。

    B.9.5項「Oracle Automatic Storage Managementのローリング・アップグレードの実行」を参照してください


    関連項目:

    ASMのローリングでの移行およびパッチの詳細は、『Oracle Database Storage管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Flex ASMサーバーとOracle CloudFS

    Oracle Flex ASMによって、Oracle ASMインスタンスをデータベース・サーバーから切り離し、データベース・サーバーとは別の物理サーバーでOracle ASMインスタンスを実行することができます。任意の数のOracle ASMインスタンスをクラスタ化し、多数のデータベース・クライアントをサポートすることができます。これは、Oracle CloudFSのコンポーネント機能です。

    Oracle CloudFSは、クラウド・コンピューティング環境の主な要件であるリソース・プーリング、ネットワーク・アクセス可能性、迅速な弾力性とプロビジョニングによる、ストレージのクラウド・インフラストラクチャです。

    この機能によって、すべての記憶域要件をディスク・グループの1つの設定に統合できるようになります。これらすべてのディスク・グループは、単一のCluster Synchronization Services (CSS)クラスタで動作している少数のOracle ASMインスタンスによって管理されます。様々なOracle ASMクライアントが、ディスク・グループ内の自身のファイルにどのようにアクセスするかについて、性能要件に応じてポリシーを決定することができます。

    Oracle Flex ASMでは、Oracle Database 12 cリリース1 (12.1)以上がサポートされます。Oracle Database 10 gリリース2 (10.2)以上からOracle Database 11 gリリース(11.2)までは、パッチをインストールするという要件はなく、ASMディスク・グループの使用を続けることができます。

    第4.6項「Oracle Flex ASMクラスタのネットワークについて」を参照してください。


    関連項目:

    Oracle Flex ASMサーバー使用の詳細は、『Oracle Databaseストレージ管理者ガイド』を参照してください。

  • ポリシーベースのクラスタ処理および管理

    Oracle Grid Infrastructureでは、1つのクラスタで複数のアプリケーションを実行することができます。ポリシーベースの方法を使用すると、これらのアプリケーションによって発生するワークロードを、ポリシーを使用したクラスタ全体に振り分けることができます。またポリシー設定によって、時間の経過とともに必要に応じて異なるポリシーをクラスタに適用することができます。ポリシー設定は、Webベースのインタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して定義することができます。

    同じクラスタ内で様々なワークロードを受け入れることで、共有インフラストラクチャにワークロードを集約することができ、高可用性とスケーラビリティが実現されます。集中管理されたポリシーベースの方法を使用することで、要求の変化に応じてリソースを動的に再配分し、優先度付けが可能になります。

    ポリシーを使用してアプリケーションを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • 複数のクラスタに渡る共有グリッド・ネーミング・サービス(GNS)

    以前のリリースのグリッド・ネーミング・サービス(GNS)は、1つのOracle Grid Infrastructureベースのクラスタ専用であり、自身のクラスタ・メンバー・ノードに対してのみ名前解決が可能でした。このリリースでは、1つのOracle GNSで、自身のクラスタのクラスタ・メンバー・ノードを管理することや、名前解決がOracle GNSに委任されたデータ・センターのすべてのクラスタに渡るすべてのノードの名前解決が可能です。

    データ・センターのOracle Grid Infrastructureクラスタに属するすべてのノードに対して、1つのOracle GNSを使用すると、ネーミング規則が簡素化されるだけではなく、データ・センター・クラウドの日々の管理労力を最小限にすることができます。

    第4.5項「Oracle Grid InfrastructureのIP名およびアドレスの要件」を参照してください。

  • データベース管理義務の分離のサポート

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、SYSDBA管理権限を必要としない、タスク固有の管理権限と最小管理権限が導入されたことにより、Oracle Databaseの管理業務の分離がサポートされます。これらの新しい権限には、バックアップおよびリカバリのSYSBACKUP、Oracle Data GuardのSYSDGおよび暗号化鍵管理のSYSKMがあります。

    第5.1.8.3項「役割区分による拡張されたOracle Databaseグループ」を参照してください。


    参照:

    • システム権限およびオペレーティング・システム認証の概要については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

    • システム権限の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。


非推奨となった機能

次の機能は今回のリリースで非推奨となり、今後のリリースではサポートされない可能性があります。このリリースの非推奨となった機能の完全なリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • スタンドアロン削除ツールの変更点

    削除ツールはインストール・メディアに統合されました。

  • -cleanupOBaseの非推奨

    削除ツールの-cleanupOBaseフラグは、このリリースでは非推奨です。このフラグの代替機能はありません。

サポート対象外機能

次の機能は、Oracleではサポートされなくなりました。サポート対象外の機能のすべてのリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Manager Database Control

  • CLEANUP_ORACLE_BASEプロパティは削除済

  • RAWデバイスおよびブロック・デバイスはサポートされていません

その他の変更

  • ドキュメント構造の変更

    このマニュアルは、Oracle ClusterwareとOracle Automatic Storage Managementのインストールで構成される、Oracle Grid Infrastructureインストールのためのチェックリストを記載するために、構成が変更されています。チェックリストを使用して、インストールの準備をします。詳細は、インストール前のタスクをカテゴリ・トピックに細分化した章を参照してください。

  • インストール前の作業の変更内容

    クラスタ・デプロイメントを簡素化するため、インストールの最小要件を満たしていない場合はOracle Universal Installer (OUI)およびCluster Verification Utility (CVU)によって検知され、要件を満たしていないシステム構成の多くを解決するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプト・プログラムが作成されます。「修正可能」とマークされている不完全な作業がOUIで検知されたときは、「修正および再チェック」ボタンをクリックして修正スクリプトを生成することで、簡単に問題を解決できます。

    修正スクリプトは、システム・チューニングのかわりになるものではありませんが、初期のデプロイメントに必要な手動のシステム構成の量は低減されます。このため、修正スクリプトが実行するいくつかの手動のタスクが、付録に移動されています。その場合は、手動でサーバーの構成を続けることができます。

    第3.3項「インストール修正スクリプトの使用」および付録E「インストール作業を手動で行う方法」を参照してください。

  • サポート対象外の32ビット・プラットフォーム

    Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Real Application Clustersは32ビット・システムにはインストールできません。