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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Oracle Solaris
B71326-09
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3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのオペレーティング・システムの構成

この章では、クラスタ用のOracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clustersをインストールする前に、サーバーで完了する必要があるオペレーティング・システム構成タスクについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 Oracle Solarisオペレーティング・システムのインストールのガイドライン

Oracle Solarisのサーバーへのインストールの詳細は、Solarisのドキュメントを参照してください。Oracle Solaris Automated Installer (AI)などのOracle Solaris 11のインストール・サービスを使用し、ネットワークを介してOracle Solaris 11オペレーティング・システムをインストールするサービスを作成し、管理することもできます。


関連項目:

インストール・メディアからのSolarisインストールまたはOracle Solaris Automated Installerの使用については、Oracle Solaris 11システムのインストレーション・ガイドを参照してください。

3.2 オペレーティング・システムとソフトウェアのアップグレードに関するベスト・プラクティスの確認

アップグレードに関して次の点を確認してください。

3.2.1 アップグレードの一般的なベスト・プラクティス

すでにOracleがインストールされている場合は、次の手順を実行します。


注意:

構成の変更を開始する前に、既存のデータベースのバックアップを必ず作成してください。

  • リリース番号、パッチ、およびその他の構成情報を記録します。

  • 既存のインストールのアップグレード手順を確認します。

  • インストールを進める前に、アップグレードに関するOracleドキュメントを確認し、その後の処理を確認します。

最新のソフトウェア更新情報や、アップグレードの前後、互換性、相互運用性に関する推奨ベスト・プラクティスについては、「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1

3.2.2 Oracle ASMのアップグレード通知

Oracle ASMアップグレードに関して、次の問題に注意してください。

  • Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM) 11gリリース1(11.1)以上では、クラスタ内の個別のノードに対して、または複数のノードに対してまとめてローリング・アップグレードを行うことで、Oracle RACデータベースを停止することなくアップグレードできます。ただし、Oracle ASMを使用するクラスタに単一インスタンス・データベースがある場合は、アップグレードの前にその単一インスタンス・データベースを停止する必要があります。Oracle ASM 10gからアップグレードする場合は、Oracle ASMクラスタ全体を停止してアップグレードを行う必要があります。

  • Oracle Grid Infrastructure 11.2リリースでは、Oracle ASMがOracle ClusterwareとともにOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)にインストールされるように、Oracle ASMホームの場所が変更されました。

    以前のリリースのOracle ASMホームがすでにある場合は、Oracle Clusterwareのアップグレードに使用する予定のユーザーが所有している必要があります。

3.2.3 ローリング・アップグレード手順の通知

ローリング・アップグレードに関して、次の情報に注意してください。

  • オペレーティング・システムのローリング・アップグレード時に、そのオペレーティング・システムの両方のバージョンが、使用しているOracle Databaseリリースで保証されている場合は、異なるオペレーティング・システム・バイナリを使用できます。

  • 異なるバージョンのオペレーティング・システムを混在させて使用できるのは、アップグレードの間のみ

    異なるバージョンのオペレーティング・システムを使用できるのは、アップグレードの間の数時間のみであることに注意してください。

  • Oracle Clusterwareでは、同じクラスタで異なる命令セット・アーキテクチャ(ISA)を使用するプロセッサを搭載するノードはサポートされていません。各ノードは、バイナリ・レベルでクラスタ内の他のノードとの互換性が必要です。

    たとえば、同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでSPARCプロセッサを使用することはできません。同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでAMD64プロセッサを使用することはできますが、これは、プロセッサが同じx86-64 ISAを使用し、同じバイナリ・バージョンのOracleソフトウェアを実行するためです。

3.3 オペレーティング・システム・セキュリティの共通プラクティスの確認

一般的なシステム・セキュリティにおいて、セキュアなオペレーティング・システムは重要な基盤です。ご使用のオペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されるように、一般的なセキュリティ・プラクティスに準拠していることを確認します。

3.4 インストール修正スクリプトの使用

インストールの最小要件を満たしていない場合はOracle Universal Installer(OUI)によって検知され、要件を満たしていないシステム構成手順を実行するために、修正スクリプトと呼ばれるシェル・スクリプトが作成されます。OUIによって不完全な作業が検知されると、修正スクリプト(runfixup.sh)が生成されます。「修正および再チェック」をクリックした後で、修正スクリプトを実行できます。

CVUで、インストールの前に修正スクリプトを生成することもできます。


関連項目:

cluvfyコマンドの使用の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

修正スクリプトでは、次のことが実行されます。

  • 必要に応じて、インストールを正しく実行するために必要な値を次のカーネル・パラメータに設定します。

    • 共有メモリーのパラメータ

    • オープン・ファイル記述子とUDP送受信のパラメータ

  • Oracle Inventory(中央インベントリ)ディレクトリに権限を作成し、設定します。

  • インストール所有者、必要な場合はOracleインベントリ・ディレクトリおよびオペレーティング・システム権限グループの、プライマリおよびセカンダリ・グループ・メンバーシップが作成または再構成されます。

  • 必要に応じて、シェル制限に必須の値を設定します。

インストールに使用するユーザー・アカウントのために、クラスタ・メンバー・ノード間でSSHを構成している場合は、インストール前にクラスタ構成を確認し、インストールを開始する前にオペレーティング・システムの変更を行うための修正スクリプトを生成できます。

これを行うには、インストールを実行するユーザー・アカウントでログインし、runcluvfyコマンドがあるステージング領域に移動し、次のコマンド構文を使用します。nodeは、クラスタ・メンバーにするノードをカンマで区切ったリストです。

$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node -fixup -verbose

たとえば、node1とnode2の2ノードがあるクラスタを構成する場合は、次のコマンドを入力します。

$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2 -fixup -verbose

3.5 X端末を使用したリモート・システムへのログイン

インストール中は、rootまたは他のユーザーとして、リモート端末上で作業を行う必要があります。リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、次の手順を実行します。


注意:

別のユーザー(oracleなど)としてログインする場合は、そのユーザーでもこの手順を繰り返します。

リモート表示を可能にするには、次のいずれかの手順を実行します。

  • ソフトウェアをX Window SystemワークステーションまたはX端末からインストールする場合は、次の手順を実行します。

    1. インストールを実行するサーバーでX端末セッション(xterm)を開始します。

    2. Xサーバーのアクセス制御リストにローカル・ルート・アカウントを追加します。Xサーバーにログインしたユーザーとして、次のコマンドを実行します。

      # xhost +si:localuser:root
      
    3. ソフトウェアを別のシステムにインストールし、そのシステムをX11ディスプレイとして使用する場合は、次の構文を使用してコマンドを入力し、リモート・ホストがローカルのXサーバーでXアプリケーションを表示できるようにします。

      # xhost + RemoteHost
      

      RemoteHostは完全修飾されたリモートのホスト名です。次に例を示します。

      # xhost + somehost.example.com
      somehost.example.com being added to the access control list
      
    4. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、sshコマンドを使用してソフトウェアをインストールするシステムに接続します。

      # ssh -Y RemoteHost
      

      RemoteHostは完全修飾されたリモートのホスト名です。-Yフラグ(Yes)により、元のX11ディスプレイに対する完全なアクセス権がリモートのX11クライアントに付与されます。次に例を示します。

      # ssh -Y somehost.example.com
      

      ssh -Vコマンドを使用して、使用しているSSHバージョンがSun_SSHまたはOpenSSHかどうかを確認します。

    5. rootユーザーでログインしていない場合は、次のコマンドを入力してユーザーをrootに切り替えます。

      $ su - root
      password:
      #
      
  • Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする場合は、次の手順を実行します。


    注意:

    必要に応じて、この手順の実行の詳細は、X Window Systemのドキュメントを参照してください。ご使用のXサーバー・ソフトウェアによっては、異なった順序で作業を実行する必要があります。

    1. X Window Systemソフトウェアを起動します。

    2. X Window Systemソフトウェアのセキュリティ設定を、リモート・ホストでローカル・システムのXアプリケーションを表示できるように構成します。

    3. ソフトウェアをインストールするリモート・システムに、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの所有者(gridoracle)として接続し、システムでX端末(xterm)などの端末セッションを開始します。

    4. リモート・システム上で別の端末セッションを開き、rootユーザーとしてリモート・システムにログインします。プロンプトが表示されたら、rootとしてスクリプトを実行できます。

3.6 オペレーティング・システムの要件について

インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・カーネルおよびパッケージがインストールされていることを確認します。

このドキュメントに示された要件は、タイトル・ページに記載された日付時点での最新です。カーネル要件の最新情報については、Oracle Technology Networkでオンライン版を参照してください。URLは次のとおりです。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html

OUIによって、ご使用のシステムが示されたオペレーティング・システムの要件を満たしていることを確認する検証が実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。


注意:

オペレーティング・システムのアップグレード時を除いて、クラスタ・メンバー間で異なるオペレーティング・システム・バージョンを実行することはできません。各オペレーティング・システムがサポートされている場合でも、同じクラスタのメンバーで異なるオペレーティング・システム・バージョンのバイナリを実行することはできません。

3.7 SPARC (64-bit)のOracle Solarisのオペレーティング・システム要件

この項に示すOracle Solarisカーネルとパッケージは、SPARC 64-bitシステムで、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)向けにサポートされています。

3.7.1 SPARC (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 11リリース

サポートされるOracle Solaris 11リリースは、次の情報で確認してください。

表3-1 SPARC (64-Bit)でサポートされているOracle Solaris 11オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSH要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11オペレーティング・システム

Oracle Solaris 11 SRU 14.5以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のパッケージ

次のパッケージをインストールします。

  • pkg://system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4パッケージ(Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip

  • pkg://solaris/system/kernel/oracka (Oracle RACの場合のみ)


3.7.2 SPARC (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 10リリース

サポートされるOracle Solaris 10リリースは、次の情報で確認してください。

表3-2 SPARC (64-Bit)でサポートされているOracle Solaris 10オペレーティング・システムの要件

項目 要件

SSH要件

サーバーにOpenSSHがインストールされていることを確認します。OpenSSHは必須のSSHソフトウェアです。

Oracle Solaris 10オペレーティング・システム

Oracle Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10s_u11wos_24a)以上のアップデート。

Oracle Solaris 10のパッケージ

次のバージョン以上のパッケージがインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWi1of
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWxwfnt
147440-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html">>http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html

3.8 x86-64 (64-bit)プラットフォームのOracle Solarisのオペレーティング・システム要件

示されているOracle Solarisカーネルとパッケージは、x86-64 (64-bit)システムで、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)向けにサポートされています。

3.8.1 x86-64 (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 11リリース

サポートされるOracle Solaris 11リリースは、次の情報で確認してください。

表3-3 x86-64 (64-bit)のサポートされるOracle Solaris 11オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSH要件

セキュア・シェルはOracle Solarisのインストール時に構成されます。

Oracle Solaris 11オペレーティング・システム

Oracle Solaris 11 SRU 14.5以上のSRUおよびアップデート

Oracle Solaris 11のパッケージ

次のパッケージをインストールします。

  • pkg://system/dtrace

  • pkg://solaris/developer/assembler

  • pkg://solaris/developer/build/make

  • pkg://solaris/system/xopen/xcu4パッケージ(Oracle Solaris 11の標準インストールの一部としてインストールされていない場合)

  • pkg://solaris/x11/diagnostic/x11-info-clients

  • pkg://solaris/compress/unzip

  • pkg://solaris/system/kernel/oracka (Oracle RACの場合のみ)


3.8.2 x86-64 (64-bit)向けにサポートされるOracle Solaris 10リリース

サポートされるOracle Solaris 10リリースは、次の情報で確認してください。

表3-4 x86-64 (64-bit)のサポートされるOracle Solaris 10オペレーティング・システム要件

項目 要件

SSH要件

サーバーにOpenSSHがインストールされていることを確認します。OpenSSHは必須のSSHソフトウェアです。

Oracle Solaris 10オペレーティング・システム

Solaris 10 Update 11 (Oracle Solaris 10 1/13 s10x_u11wos_24a)以上のアップデート。

Oracle Solaris 10用のパッケージおよびパッチ

次のバージョン以上のパッケージがインストールされている必要があります。

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWcsl
SUNWdtrc
SUNWeu8os
SUNWhea
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWi1of
SUNWi1cs (ISO8859-1)
SUNWi15cs (ISO8859-15)
SUNWxwfnt
147441-25

注意: ロケールに応じて、追加のJava用フォント・パッケージが必要になる場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/solaris-font-requirements-142758.html


3.9 Oracle Solaris用の追加ドライバとソフトウェア・パッケージ

ドライバおよびパッケージの追加インストールは要求されませんが、次のリストのドライバおよびパッケージをインストールまたは構成することができます。

3.9.1 Open Database Connectivityのインストール要件

Open Database Connectivity (ODBC)をインストールする場合は、次の項を確認してください。

3.9.1.1 ODBCドライバとOracle Databaseについて

Open Database Connectivity (ODBC)は、データベースにアクセスするためのAPIのセットで、データベースに接続してデータベース上でSQL文を実行します。ODBCドライバを使用するアプリケーションは、スプレッドシートやカンマ区切りファイルなど、不均一なデータ・ソースにアクセスできます。

3.9.1.2 Oracle Solaris用のODBCドライバのインストール

ODBCをOracle Solarisで使用するには、次のパッケージが必要です。

unixODBC-2.3.1以上

ODBCドライバを次のWebサイトからダウンロードし、インストールします。

http://www.unixodbc.org/

3.9.2 Oracle Messaging Gatewayのインストール要件

Oracle Messaging Gatewayのインストールについては、次の項を確認してください。

3.9.2.1 Oracle Messaging Gatewayの概要

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Databaseの機能の1つです。これによってOracle以外のメッセージ・システムとOracle Streams Advanced Queuingに基づくアプリケーション間の通信が可能になります。

Oracle Messaging Gatewayでは、Oracle Streams Advanced Queuing (AQ)とWebSphereおよびTIBCO Rendezvousをベースとするアプリケーションとの統合がサポートされています。サポートされるバージョンについては、『Oracle Databaseアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

3.9.2.2 Oracle Messaging Gatewayのインストール

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle DatabaseのEnterprise Editionとともにインストールされます。

IBM WebSphere MQのCSDが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。

http://www.ibm.com

3.9.3 Lightweight Directory Access Protocolのインストール要件

Lightweight Directory Access Protocolのインストールについては、次の項を確認してください。

3.9.3.1 LDAPとOracleプラグインについて

Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)は、IPネットワーク上の分散型ディレクトリ情報サービスへのアクセスおよびメンテナンスのためのアプリケーション・プロトコルです。Oracle Internet Directory向けのOracle Databaseスクリプトodisrvregoidca、またはサード・パーティのLDAPディレクトリ向けschemasyncを含め、LDAPを必要とする機能を使用するには、LDAPパッケージが必要です。

3.9.3.2 LDAPパッケージのインストール

LDAPは、デフォルトのOracle Solarisオペレーティング・システムのインストールに含まれます。

3.9.4 Oracle Solarisのプログラミング環境のインストール要件

プログラミング環境のインストールについては、次の項を確認してください。

3.9.4.1 プログラミング環境とOracle Databaseについて

Oracle Databaseは、異なる環境でのアプリケーション開発のための複数のプログラミング言語をサポートします。一部の言語では、オペレーティング・システムに応じて追加のコンパイラ・パッケージをインストールする必要があります。

プログラミング環境は、オプションです。それらは、Oracle Databaseでは必要ありません。


参照:

プログラミング環境の概要は、Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイドを参照してください。

3.9.4.2 プログラミング環境のサポートの構成

ご使用のシステムが、構成するプログラミング環境の要件を満たしていることを確認します。

表3-5 Oracle Solaris用のプログラミング環境の要件

プログラミング環境 サポート要件

Java Database Connectivity

JDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37以上の1.6へのアップデート): JNDI拡張およびOracle Java Database Connectivityを含みます。

Solaris 11でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kit release 1.7.0)

Solaris 10でサポート: JDK 7 (Java SE Development Kit release 1.7.0)

このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。

Oracle Call Interface(OCI)

JNDI拡張を含むJDK 6 (Java SE Development Kitリリース1.6.0_37)およびOracle Call Interfaceドライバ。このリリースでは、JDK 1.6がインストールされています。


Oracle C++
Oracle C++ Call Interface
Pro*C/C++
Oracle XML Developer's Kit (XDK)

Oracle Solaris Studio 12

デプロイするアプリケーションに応じて、追加のパッチが必要な場合があります。

Oracle Solaris Studioを次のURLからダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solarisstudio/overview/index.html

Pro*COBOL

Micro Focus Server Express 5.1

Pro*FORTRAN

Oracle Solaris Studio 12(Fortran 95)


3.9.5 Webブラウザのインストール要件

Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用するには、Webブラウザが必要です。Webブラウザは、JavaScript、HTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでOracle Enterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。

https://support.oracle.com


関連項目:

Oracle Enterprise Manager動作保証マトリックスへのアクセスについては、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

3.10 SPARCでのOracle Solaris Cluster構成

SPARCプロセッサのサーバーにOracle Grid Infrastructureをインストールする場合は、次の情報を確認します。

Oracle Solaris Cluster 3.3以上またはOracle Solaris Cluster 4.0以上を使用する場合は、Oracle Grid InfrastructureのインストールおよびOracle RACのインストールを開始する前に、Oracle Solaris Clusterドキュメント・ライブラリを参照してください。特に、Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clustersガイドを参照してください(次のURLで参照可能)。

http://download.oracle.com/docs/cd/E18728_01/html/821-2852/index.html

UDLMおよびネイティブのクラスタ・メンバーシップ・インタフェースに関する次の追加情報を確認します。

  • Oracle Solaris Cluster 3.3以上では、UDLMを使用しないことをお薦めします。かわりに、UDLMがデプロイされていない場合にOracle Solaris Cluster 3.3とともに自動的にインストールされる、ネイティブのクラスタ・メンバーシップ・インタフェース機能(ネイティブSKGXN)を使用することをお薦めします。このインタフェースを使用するのに追加のパッケージは必要ありません。

  • Oracle UDLMは、Oracle RAC 12.1リリース以上ではサポートされていません。UDLMを使用する以前のリリースからアップグレードする場合、まずOracle Solaris ClusterのネイティブSKGXNに移行してからアップグレードする必要があります。Oracle Solaris ClusterのネイティブSKGXNに移行する手順は、次のURLで説明しています。

    http://docs.oracle.com/cd/E18728_01/html/821-2852/gkcmt.html#scrolltoc

  • 12.1より前のOracle RACリリースにUDLMを使用することを選択した場合は、このリリース向けにサポートされているOracle Solaris ClusterバージョンのORCLudlmパッケージをインストールする必要があります。

  • ネイティブのOracle Solaris ClusterインタフェースとUDLMインタフェースは同じOracle RACクラスタに共存できないため、Oracle RACクラスタのすべてのノードにORCLudlmがインストールされているか、Oracle RACクラスタのどのノードにもORCLudlmがインストールされていないかのいずれかである必要があります。

  • Oracle Solaris Zonesを使用すると、1つの物理サーバーで複数のOracle RACクラスタをホストでき、それぞれが独立したコンテナ・クラスタ内にあります。これらの各ゾーン・クラスタは、使用されるメンバーシップ・モデルに関して自己一貫性がある必要があります。ただし、各ゾーン・クラスタは独立した環境であるため、ゾーン・クラスタを使用すると、1つの物理システムでORCLudlmのOracle RACクラスタとネイティブのクラスタ・メンバーシップ・インタフェースのOracle RACクラスタを組み合せることができます。

3.11 ソフトウェア要件の確認

システムがこれらの要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているOracle Solarisのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    5.11
    

    この例で示されているバージョンは、Oracle Solaris 11(5.11)です。必要な場合、オペレーティング・システムのアップグレードについては、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

  2. リリース・レベルを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/release
    Oracle Solaris 11.1 SPARC
    

    この例で示されているリリース・レベルは、Oracle Solaris 11.1 SPARCです。

  3. 必要なパッケージがOracle Solaris 10にインストールされているかどうかを調べるために、次のコマンドを入力します。

    pkginfo -i pkg_name

    ここで、pkg_nameはチェックする対象のパッケージの名前です。

    次に例を示します。

    # pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWcsl SUNWhea SUNWlibC SUNWlibm SUNWlibms \ 
    SUNWsprot SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt
    

    Oracle Solaris 11でpkg listコマンドを使用して、必要なパッケージがインストールされているかどうかを確認します。

    システム・アーキテクチャに必要なパッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールについては、ご使用のオペレーティング・システムまたはソフトウェアのマニュアルを参照してください。

3.12 ネーム・サービス・キャッシュ・デーモンの有効化

Oracle ClusterwareがNASデバイスまたはNFSマウントの使用によるネットワーク障害をより許容できるようにするには、ネーム・サービス・キャッシュ・デーモン(nscd)を有効にします。

Oracle Solaris 11から、nscdを有効化すると、nscdによってすべての名前サービスが検索されます。このリリースの前まで、nscdでは、検索結果の一部がキャッシュされました。デフォルトでは、nscdは、システムの起動中に実行レベル3 (NFSリソースを共有するマルチユーザーの状態)で起動されます。

nscdが実行されているかどうかを確認するには、次のService Management Facility (SMF)コマンドを入力します。

# svcs name-service-cache
STATE          STIME    FMRI
online         Oct_08   svc:/network/nfs/status:default
online         Oct_30   svc:/system/name-service-cache:default

Solaris 11の場合、SMFサービスsvc:/system/name-service/cacheには、nscdの構成情報が含まれます。ファイル/etc/nscd.confは非推奨です。svc:/system/name-service-cacheはSolaris 11システムに存在していても接続されていないことに注意してください。

nscdサービスがオンラインでない場合、次のコマンドを使用して有効化できます。

# svcadm enable svc:/system/name-service-cache:default

関連項目:

nscdを複数のラベル付けされたゾーンで有効化する方法については、Oracle Solaris 10からOracle Solaris 11への移行に関する説明、およびOracle Solarisのnscd.conf(4)manページおよび次のURLの「Administering Network Services in Oracle Solaris」を参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E26502_01/index.html


3.13 Oracle Solaris 11のオペレーティング・システム・パッケージの確認

pkg listコマンドを使用して、パッケージに更新があるかどうか、更新をインストールできるかどうか、パッケージが廃止されていないか、または名前が変更されていないかを確認します。

pkg installコマンドを使用して、現在インストールされていないパッケージをインストールして、すでにインストールされているパッケージを更新します。pkg installコマンドには、1つ以上のパッケージ名が必要です。

pkg verifyコマンドを使用して、パッケージ・シグネチャの有効性を確認します。


関連項目:



注意:

表示されたパッケージのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。表示されたパッケージがインストールされていない場合は、そのバージョンをインストールする前に、より新しいバージョンがインストールされていないことを確認してください。

3.14 Oracle Solaris 10のオペレーティング・システム・パッチの確認


注意:

表示されたパッチのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。表示されたパッチがインストールされていない場合は、そのバージョンをインストールする前に、より新しいバージョンがインストールされていないことを確認してください。

この手順はOracle Solaris 10にのみ適用されます。


必要なオペレーティング・システム・パッチがあることを確認します。システムがこれらの要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. オペレーティング・システム・パッチがインストールされているかどうかと、それが適切なバージョンなのかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number
    

    たとえば、いずれかのバージョンの119963パッチがインストールされているかを確認するには、次のコマンドを使用します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep 119963
    

    オペレーティング・システム・パッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    https://support.oracle.com
    
  2. pkg infoコマンドを使用して、パッケージに更新があるかどうか、更新をインストールできるかどうか、パッケージが廃止されていないか、または名前が変更されていないかを確認します。

  3. pkgaddまたはpatchaddコマンドを使用して、現在インストールされていないパッケージをインストールして、すでにインストールされているパッケージを更新します。


注意:

表示されたパッケージのより新しいバージョンが、システムにインストールされている場合があります。表示されたパッチがインストールされていない場合は、そのバージョンをインストールする前に、より新しいバージョンがインストールされていないことを確認してください。

3.15 Oracle Solaris Clusterを使用するx86でのRootpre.shスクリプトの実行

Oracle Solarisを実行するx86 (64-bit)プラットフォームでは、Oracle Clusterwareに加えてOracle Solaris Clusterをインストールする場合、次のタスクを実行します。

  1. ユーザーをrootに切り替えます。

    $ su - root
    
  2. インストールの場所に応じて、次のいずれかの手順を実行します。

    • インストール・ファイルがDVDにある場合、次のようなコマンドを入力します。mountpointは、ディスク・マウント・ポイント・ディレクトリ、またはDVD上のデータベース・ディレクトリのパスです。

      # mountpoint/grid/rootpre.sh
      
    • インストール・ファイルがハード・ディスクにある場合は、/Disk1に移動してから、次のコマンドを入力します。

      # ./rootpre.sh
      
  3. rootアカウントを終了します。

    # exit
    
  4. クラスタ内のすべてのノードで手順1から3を繰り返します。

3.16 クラスタ時刻同期のためのネットワーク・タイム・プロトコルの設定

Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードで同じタイムゾーン変数設定が必要です。インストール中、インストール・プロセスによって、OUIが実行されるノードのGridインストール所有者のタイムゾーンの環境変数設定が取得され、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ環境変数設定としてすべてのノードで、そのタイムゾーン値が使用されます。このタイムゾーンのデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。

時間の同期には2つの方法があります。

  • オペレーティング・システムで構成されたネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)

  • Oracleクラスタ時刻同期化サービス

Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracleクラスタ時刻同期化デーモン(ctssd)がオブザーバ・モードで起動します。NTPデーモンがない場合は、ctssdがアクティブ・モードで起動し、外部の時刻サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間の時刻が同期されます。

Oracle Solaris Clusterシステムでは、Oracle Solaris Clusterソフトウェアによって、すべてのクラスタ・ホスト間でピア関係を確立するntp.conf.cluster(インストール済クラスタ・ホストの/etc/inet/ntp.conf.clusterを参照)というテンプレート・ファイルが提供されます。1つのホストを優先ホストとして指定します。ホストは、プライベート・ホスト名によって識別されます。クラスタ・インターコネクト全体で時刻の同期が行われます。/etc/inet/ntp.confファイルまたは/etc/inet/ntp.conf.clusterファイルで、Oracle Solaris Cluster NTPまたは外部のNTPサーバーがシステムのデフォルトのNTPサーバーに設定されていることがOracle Clusterwareで検出された場合、CTSSはオブザーバ・モードに設定されます。Oracle Solaris用のNTPの構成については、Oracle Solaris 11 Information Libraryを参照してください。


注意:

Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。

サーバー上にNTPデーモンがあっても時間サーバーの時刻と同期されるように構成できない場合に、クラスタ時刻同期化サービスを使用してクラスタ内で同期化サービスを提供する場合は、NTPを無効化します。

NTPサービスを無効化するには、次のコマンドをrootユーザーとして実行します。

# /usr/sbin/svcadm disable ntp

NTPプロトコルがアクティブでないとインストーラによって判断されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。NTPが構成されていると判断された場合は、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でOracle Clusterwareによるアクティブな時刻同期化は行われません。

インストール後にctssdがアクティブになっていることを確認するには、グリッド・インストール所有者として次のコマンドを入力します。

$ crsctl check ctss

NTPを使用しており、クラスタ時刻同期化サービスではなくNTPを使用し続けたい場合は、NTP構成を変更して-xフラグを設定し、逆向きの時間調整が行われないようにします。この作業が終わった後で、ネットワーク・タイム・プロトコル・デーモンを再起動します。

これを実行するには、次の例のように/etc/sysconfig/ntpdファイルを編集して-xフラグを追加します。

# Drop root to id 'ntp:ntp' by default.
OPTIONS="-x -u ntp:ntp -p /var/run/ntpd.pid"
 
# Set to 'yes' to sync hw clock after successful ntpdate
SYNC_HWCLOCK=no
 
# Additional options for ntpdate
NTPDATE_OPTIONS=""

そして、NTPサービスを再起動します。

# /sbin/service ntpd restart

無効化されたNTPを有効化するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/svcadm enable ntp

3.17 インストール時におけるSSHの自動構成の使用

Oracleソフトウェアをインストールするには、すべてのクラスタ・メンバー・ノード間にセキュア・シェル(SSH)の接続が設定されている必要があります。OUIは、インストール中にsshおよびscpコマンドを使用して、他のクラスタ・ノードに対してリモート・コマンドを実行し、そのクラスタ・ノードにファイルをコピーします。これらのコマンドを使用する際にパスワードを求めるプロンプトが表示されないように、SSHを構成する必要があります。


注意:

Oracleコンフィギュレーション・アシスタントは、ローカル・ノードからリモート・ノードに対する構成操作にSSHを使用します。Oracle Enterprise ManagerもSSHを使用します。RSHは現在サポートされていません。

OUIインタフェースから、インストール中に、インストールを実行しているユーザー・アカウントにSSHを構成することができます。自動構成によって、パスワードなしのSSH接続をすべてのクラスタ・メンバー・ノード間に作成することができます。可能なかぎり、この自動手順を利用することをお薦めします。

スクリプトを実行できるようにするには、すべてのOracleソフトウェア・インストール所有者のプロファイルからsttyコマンドを削除するとともに、ログイン時にトリガーされる他のセキュリティ手段で、端末に対してメッセージを生成するものを削除する必要があります。これらのメッセージやメール・チェックなどが表示されていると、Oracleソフトウェア・インストール所有者は、Oracle Universal Installerに組み込まれているSSH構成スクリプトを使用できません。これらの表示が無効になっていない場合は、SSHを手動で構成してからでなければ、インストールを実行できません。

デフォルトでは、OUIはディレクトリ/usr/local/etc/でSSH公開鍵、/usr/local/binでssh-keygenバイナリを検索します。ただし、Oracle Solarisの場合、SSH公開鍵は通常はパス/etc/sshにあり、ssh-keygenバイナリはパス/usr/binにあります。OUIでSSHを設定できるようにするには、次のコマンドを使用してソフト・リンクを作成します。

# ln -s /etc/ssh /usr/local/etc
# ln -s /usr/bin /usr/local/bin

まれに、リモート・ノードがSSH接続を閉じると、「AttachHome」操作時にOracle Clusterwareインストールが失敗する場合があります。この問題を回避するために、すべてのクラスタ・ノードでSSHデーモン構成ファイル/etc/ssh/sshd_configに次のパラメータを設定し、タイムアウト待機時間を無制限に設定します。

LoginGraceTime 0

関連項目:

ユーザー・プロファイルのsttyコマンドを削除する方法の詳細は、第5.2.5項「インストール中に端末出力コマンドによって発生するエラーの防止」を参照してください。