この章では、クラスタ用のOracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をインストールする前に、サーバーで完了する必要があるオペレーティング・システム構成タスクについて説明します。この章に示す値は、最低限のインストール用です。計画されたシステム負荷に応じて、本番システムを設定することをお薦めします。
この章の内容は次のとおりです。
注意: この項で説明するコマンドを実行するのにroot 権限は必要ありません。 |
次のコマンドを実行して、現在のシステム情報を収集します。
使用可能なRAM領域およびスワップ領域を確認するには、sar
コマンドを使用します。たとえば、使用可能な空きメモリー領域およびスワップ領域を確認するために次のコマンドを入力すると、空きメモリー領域およびスワップ領域が2秒間隔で10回確認されます。
# sar -r 2 10
使用可能なRAMが不足しそうなときは、続行する前にメモリーを増設する必要があります。
次のコマンドを入力して、構成されたスワップ領域のサイズを確認します。
# /usr/sbin/swap -l
注意: 予想されるシステム負荷に応じたスワップ領域を構成します。インストール・ガイドには、インストールのみの最小値が記載されています。メモリー・チューニングの詳細は、Oracle Solarisのマニュアルを参照してください。 |
次のコマンドを入力して、/tmp
ディレクトリで使用できる領域の大きさを確認します。
# df -k /tmp
このコマンドでは1KBブロック単位でディスク領域が表示されます。ほとんどのシステムでは、-h
フラグ付きのdf
コマンド(df -h
)を使用して、「24G」や「10M」など、判読可能な書式で出力を表示できます。/tmp
ディレクトリで使用できるディスク領域が1GB未満の場合(1048576 1k-blocks未満)、次のいずれかの手順を完了します。
必要な領域を確保するために、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
oracle
ユーザーの環境の設定時に、TEMP
およびTMPDIR
環境変数を設定します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。
ファイル・システムのディスクの空き領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。
# df -kh
次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでOracleソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。
# /bin/isainfo -kv
プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。
次に、64-bitオペレーティング・システムでのレスポンスの例を示します。
64-bit SPARCインストール:
64-bit sparcv9 kernel modules
64-bit x86インストール:
64-bit amd64 kernel modules
ご使用のOracleソフトウェアがプロセッサ・タイプに適したOracleソフトウェアであることを確認します。
注意: ご使用のOracleソフトウェアが書き込まれるシステムとご使用のシステム・アーキテクチャが一致しないことがコマンドの出力に示される場合、ソフトウェアをインストールすることはできません。次の手順に進む前に、ご使用のシステム・アーキテクチャに適したソフトウェアを入手してください。 |
同じ命令セット・アーキテクチャのサーバーを選択します(同じクラスタ・スタックで32-bitおよび64-bitのOracleソフトウェア・バージョンを実行することはできません)。
サーバーが実行レベル3 (NFSリソースを共有するマルチユーザーの状態)で起動されていることを確認します。who -r
コマンドを使用して実行レベルの情報を表示します。
システム・コンソールベースのインストールを実行する間、OUIが正しく表示されるように、ディスプレイ・カードのディスプレイ解像度を1024×768以上にします。
各サーバーで、同じオペレーティング・システム・バイナリが実行されていることを確認します。
Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、同一クラスタ内でハードウェアが異なるサーバーを使用できます。クラスタに異なる処理速度やサイズのCPUを搭載するノードをインストールできますが、ハードウェア構成が同じノードを使用することをお薦めします。
異なる構成を使用してクラスタを構成する場合、サーバー・カテゴリ化管理ポリシーの一部として同種のプールにクラスタ・ノードを分類することをお薦めします。
関連項目: サーバーの状態と構成属性の詳細およびサーバー・プールを使用してリソースとワークロードを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 |
各システムは、次の最小記憶域要件を満たしている必要があります。
/tmp
ディレクトリに1GBの領域。
/tmp
ディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。
必要な領域を確保するために、/tmp
ディレクトリから不要なファイルを削除します。
/tmp
ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。
クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に8.0GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。
トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタによって生成された診断収集用に、グリッド・インフラストラクチャ所有者のOracleベース・ディレクトリに10GBの追加の領域。
Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(Gridユーザー)のOracleベース用に12GB以上の領域。Oracleベースには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMのログ・ファイルが含まれます。
Oracle SolarisプラットフォームでOracle Databaseをインストールする場合は、Oracleホーム(Oracle Databaseソフトウェア・バイナリの場所)用に5.2GBのディスク領域を割り当てます。
Oracle Databaseのインストールでは、自動バックアップを構成する場合は、高速リカバリ領域用に追加の領域(ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementディスク・グループ)が必要です。
関連項目: 高速リカバリ領域のサイジングの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照 |
システム・アーキテクチャに応じて、システムが次の最小要件を満たしていることを確認します。
注意: スワップ領域のサイズが足りないというOUIエラーが発生したにもかかわらず、スワップ領域はここに記載された要件を満たしている場合は、エラーを無視してかまいません。 |
各システムは、次のメモリー要件を満たしている必要があります。
Cluster用Oracle Grid Infrastructureインストール用に4GB以上のRAM(Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。
次の表に示す使用可能なRAMの倍数と同等のスワップ領域
表2-1 64-Bit Oracle SolarisOracle Solarisに必要なスワップ領域
使用可能なRAM | 必要なスワップ領域 |
---|---|
4GBから16GB |
RAMと同等 |
16GBを超える |
16GBのRAM |
注意: Oracle Databaseは共有メモリーを広く使用します。Oracle Solarisの共有メモリー環境のチューニングの詳細は、『Oracle Database管理者リファレンスfor Linux and UNIX-Based Operating Systems』を参照してください。 |
Oracle DatabaseまたはOracle RACデータベースをクラスタ上にインストールする場合、各サーバーの共有メモリーのマウント領域は、サーバーのデータベースのシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)よりも大きいサイズである必要があることに注意してください。SGAおよびPGAの予想サイズをデータベース管理者に確認し、データベースをクラスタにインストールした後に共有メモリーのマウント領域を増やす必要がないようにしてください。