SDO_GEOR_RAパッケージには、GeoRasterに関連するラスター代数および分析操作のためのサブプログラム(ファンクションおよびプロシージャ)が含まれます。この章では、そのサブプログラムのリファレンス情報を、例を使用して説明します。
構文
SDO_GEOR_RA.classify( inGeoRaster IN SDO_GEORASTER, expresssion IN VARCHAR2, rangeArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, valueArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
または
SDO_GEOR_RA.classify( georArray IN SDO_GEORASTER_ARRAY, expresssion IN VARCHAR2, rangeArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, valueArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
または
SDO_GEOR_RA.classify( inGeoRasters IN SYS_REFCURSOR, expresssion IN VARCHAR2, rangeArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, valueArray IN SDO_NUMBER_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
説明
指定した分類操作を1つ以上の入力GeoRasterオブジェクトに対して適用した後に、新しいGeoRasterオブジェクトを生成します。
パラメータ
入力GeoRasterオブジェクトを指定します。
GeoRasterオブジェクトの配列を指定します。データ型はSDO_GEOR_ARRAYで、VARRAY(10485760) OF SDO_GEORASTERとして定義されます。配列のGeoRasterオブジェクトの最大数は8ですが、すべてのGeoRasterオブジェクトのレイヤーの合計数に対する制限はありません。
入力GeoRasterオブジェクトのカーソル(SYS_REFCURSOR型)を指定します。カーソルのGeoRasterオブジェクトの最大数は8ですが、すべてのGeoRasterオブジェクトのレイヤーの合計数に対する制限はありません。
セル値を分類するために使用する算術式を指定します。このパラメータの指定方法の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。
セル値を分類するための範囲を定義する数値配列を指定します。配列には、1つ以上の要素が含まれている必要があります。
各範囲のターゲット・セル値を定義する数値配列を指定します。要素の数は、rangeArrayの要素より1つ多くする必要があります(その長さがrangeArray+1である必要があります)。
記憶域パラメータを示す文字列を指定します(「記憶域パラメータ」を参照)。
出力GeoRasterオブジェクトを指定します。
文字列TRUEでは、入力GeoRasterオブジェクトの任意のNODATAセルで、出力GeoRasterオブジェクトの対応するセルがnodataValueパラメータで指定された値に設定されます。文字列FALSE (デフォルト)では、NODATA値を含むセルが通常のデータとみなされます。NODATA値およびその値の範囲については、「NODATA値および値の範囲」を参照してください。
nodataパラメータ値が文字列TRUEである場合にNODATAセルを設定するために使用する値を指定します。
操作の並列度を指定します。指定する場合、parallel=nという形式である必要があります(nは1より大きい)。データベース・オプティマイザでは、このパラメータによって指定された並列度を使用します。指定しない場合、デフォルトでパラレル処理は行われません。(詳細は、「GeoRasterでのパラレル処理」を参照してください。)
parallelParamを指定すると、このプロシージャの結果をロールバックできません(「使用上の注意」を参照)。
使用上の注意
このプロシージャでは、1つ以上の入力GeoRasterオブジェクトおよびexpressionパラメータ(算術式の文字列)に基づいて、1レイヤーのGeoRasterオブジェクトが生成されます。出力GeoRasterオブジェクトのセルごとに、入力GeoRasterオブジェクトの対応するセル値に対してexpressionが評価され、次のアルゴリズムを使用して出力GeoRasterオブジェクトのセル値が計算されます。
if (value of expression < rangeArray[0]) cellValue=valueArray[0] else if (value of expression >= rangeArray[n-1]) cellValue=valueArray[n] else if rangeArray[m-1] <= value of expression < rangeArray[m] cellValue=valueArray[m]
expressionの計算:
rangeArrayの長さはn
valueArrayの長さはn+1
0 < m < n-1
詳細は、「ラスター代数言語」を参照してください。
parallelParamを指定すると、プロシージャのいくつかの実行単位は、自律型トランザクションとして実行され、プロシージャの実行中に一部の変更はコミットされるため、それらの変更はロールバックできません。このパラメータを指定しない場合、すべての変更をロールバックできます。
例
次の例では、1番目のレイヤーのセル値に基づいてセル値を分類します。
DECLARE
geor SDO_GEORASTER;
geor1 SDO_GEORASTER;
rangeArray SDO_NUMBER_ARRAY;
valueArray SDO_NUMBER_ARRAY;
BEGIN
rangeArray:=sdo_number_array(70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180);
valueArray:=sdo_number_array(70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190);
select georaster into geor from georaster_table where georid = 1;
insert into georaster_table values (5, sdo_geor.init('rdt_1', 5)) returning georaster into geor1;
sdo_geor_ra.classify(geor,'{0}',rangeArray,valueArray,null,geor1);
update georaster_table set georaster = geor1 where georid = 5;
commit;
END;
/
構文
SDO_GEOR_AGGR.findCells( inGeoRaster IN SDO_GEORASTER, condition IN VARCHAR2, storageParam IN VARCHAR2 outGeoRaster OUT SDO_GEORASTER, bgValues IN SDO_NUMBER_ARRAY DEFAULT NULL, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
説明
入力GeoRasterオブジェクトに基づいて新しいGeoRasterオブジェクトを生成しますが、conditionパラメータの指定を満たしていないすべてのセルをマスクします。
パラメータ
入力GeoRasterオブジェクトを指定します。
セルを除外するために使用する式文字列を指定します。(詳細は、「使用上の注意」を参照してください。)
記憶域パラメータを示す文字列を指定します(「記憶域パラメータ」を参照)。
出力GeoRasterオブジェクトを指定します。
入力GeoRasterオブジェクトの空のラスター・ブロックでセルの値を表す背景値を指定します。SDO_NUMBER_ARRAYオブジェクト内の要素の数は、1つ(すべてのバンドに同じ入力値を使用)またはバンド次元のサイズ(各バンドにそれぞれ異なる入力値を使用)のいずれかであることが必要です。たとえば、SDO_NUMBER_ARRAY(1,5,10)では、1番目のバンドに1、2番目のバンドに5、3番目のバンドに10が入力されます。デフォルトのbgValuesは0 (ゼロ)です。
入力値は、スパース・データへの入力用としてターゲットのセル深度の背景値で指定された有効なセル値であることが必要です。
文字列TRUEでは、GeoRasterオブジェクトのNODATAセルに元の値を維持するように指定します。文字列FALSE (デフォルト)では、NODATA値を含むセルが通常のデータとみなされます。NODATA値およびその値の範囲については、「NODATA値および値の範囲」を参照してください。
操作の並列度を指定します。指定する場合、parallel=nという形式である必要があります(nは1より大きい)。データベース・オプティマイザでは、このパラメータによって指定された並列度を使用します。指定しない場合、デフォルトでパラレル処理は行われません。(詳細は、「GeoRasterでのパラレル処理」を参照してください。)
parallelParamを指定すると、このプロシージャの結果をロールバックできません(「使用上の注意」を参照)。
使用上の注意
このプロシージャでは、入力GeoRasterオブジェクトおよびexpressionパラメータ(ブール式文字列のbooleanExpr)に基づいて、新しいGeoRasterオブジェクトが生成されます。出力GeoRasterオブジェクトのセルごとに、入力GeoRasterオブジェクトの対応するセル値に対して条件が評価されます。セルのconditionがTRUEの場合、出力GeoRasterオブジェクトでは元のセル値が維持されますが、それ以外の場合、出力GeoRasterオブジェクトのセルに対してbgValuesが入力されます。
詳細は、「ラスター代数言語」を参照してください。
parallelParamを指定すると、プロシージャのいくつかの実行単位は、自律型トランザクションとして実行され、プロシージャの実行中に一部の変更はコミットされるため、それらの変更はロールバックできません。このパラメータを指定しない場合、すべての変更をロールバックできます。
例
次の例では、2番目のレイヤーのセル値が200以下の場合に、セル値をデフォルトの背景値0に変更します。
DECLARE
geor SDO_GEORASTER;
geor1 SDO_GEORASTER;
BEGIN
select georaster into geor from georaster_table where georid = 1;
insert into georaster_table values (5, sdo_geor.init('rdt_1', 5)) returning georaster into geor1;
sdo_geor_ra.findcells(geor, '{1}>200',null,geor1);
update georaster_table set georaster = geor1 where georid = 5;
commit;
END;
/
構文
SDO_GEOR.isOverlap( georaster1 IN SDO_GEORASTER, georaster2 IN SDO_GEORASTER, tolerance IN NUMBER DEFAULT 0.5 ) RETURN VARCHAR2;
または
SDO_GEOR_RA.isOverlap( georArray IN SDO_GEORASTER_ARRAY, tolerance IN NUMBER DEFAULT 0.5 ) RETURN VARCHAR2;
または
SDO_GEOR_RA.isOverlap( geor_cur IN SYS_REFCURSOR, tolerance IN NUMBER DEFAULT 0.5 ) RETURN VARCHAR2;
説明
文字列TRUE (2つ以上のGeoRasterオブジェクトが重複している場合)またはFALSE (2つ以上のGeoRasterオブジェクトが重複していない場合)を戻します。(地理参照の有無にかかわらず、2つのGeoRasterオブジェクトの重複を決定するために使用されるロジックについては、「使用上の注意」を参照してください。)
パラメータ
GeoRasterオブジェクトを指定します。
GeoRasterオブジェクトを指定します。
GeoRasterオブジェクトの配列を指定します。データ型はSDO_GEOR_ARRAYで、VARRAY(10485760) OF SDO_GEORASTERとして定義されます。
入力GeoRasterオブジェクトのカーソル(SYS_REFCURSOR型)を指定します。
セル空間の2つのセルがモデル空間で重複しているかどうかを決定するために使用される許容差の値を指定します。値は、0から1の間である必要があり、単位はセルです。たとえば、0.5 (デフォルト)では、セルの半分、つまり、2つのセル間の距離が0.5セル以下の場合にそれらのセルが重複していることになります。
使用上の注意
重複で比較されるGeoRasterオブジェクトは、すべて地理参照されているか、すべて地理参照されていない必要があります。
2つのGeoRasterオブジェクトが重複しているかどうかを決定するため、次のロジックが適用されます。
2つのGeoRasterオブジェクトの行または列の次元サイズが異なる場合、'FALSE'を戻します。それ以外の場合、次の手順に進みます。
両方のGeoRasterオブジェクトが地理参照されているかどうかをチェックします。
一方が地理参照され、他方が地理参照されていない場合、'FALSE'を戻します。
両方とも地理参照されておらず、両方のGeoRasterオブジェクトのultCoordinateが同じである場合、'TRUE'を戻しますが、それ以外の場合、'FALSE'を戻します。
両方とも地理参照されている場合、次の手順に進みます。
p、q、rおよびs多項式のpType、nVars、orderおよびnCoefficientsの値(「関数フィッティング地理参照モデル」を参照)をチェックします。いずれかが異なる場合、'FALSE'を戻しますが、それ以外の場合、次の手順に進みます。
セル空間からモデル空間に対して左上、右上、左下および右下の4つの点を計算します。2つのGeoRasterオブジェクトの対応する点の距離が許容差内である場合(セル空間からモデル空間への変換)、'TRUE'を戻しますが、それ以外の場合、'FALSE'を戻します。
GeoRasterのラスター代数ファンクションでは、異なるGeoRasterオブジェクトのラスター・レイヤーが同じサイズで、相互に完全に重複している必要があります。2つ以上のGeoRasterオブジェクトにラスター代数操作を適用するか、他の操作を実行する前に、SDO_GEOR_RA.isOverlapファンクションを使用して、GeoRasterオブジェクトが同じサイズであり、同じ土地を対象範囲としているかどうかを判別できます。
例
次の例では、2つのGeoRasterオブジェクトが重複しているかどうかをチェックします。(ここでは、2つの異なる構文のファンクションを使用しています。)
DECLARE
geor MDSYS.SDO_GEORASTER;
geor1 MDSYS.SDO_GEORASTER;
BEGIN
SELECT georaster INTO geor FROM georaster_table WHERE georid = 1;
SELECT georaster INTO geor1 FROM georaster_table WHERE georid = 30;
dbms_output.put_line(sdo_geor_ra.isOverlap(geor,geor1,0.5));
END;
/
DECLARE
mycursor sys_refcursor;
BEGIN
OPEN mycursor FOR
SELECT georaster FROM georaster_table WHERE georid = 1 or georid=30;
dbms_output.put_line(sdo_geor_ra.isOverlap(mycursor,0.5));
END;
/
構文
SDO_GEOR_RA.rasterMathOp( inGeoRaster IN SDO_GEORASTER, operation IN SDO_STRING2_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
または
SDO_GEOR_RA.rasterMathOp( georArray IN SDO_GEORASTER_ARRAY, operation IN SDO_STRING2_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
または
SDO_GEOR_RA.rasterMathOp( inGeoRasters IN SYS_REFCURSOR, operation IN SDO_STRING2_ARRAY, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
または
SDO_GEOR_RA.rasterMathOp( georaster0 IN SDO_GEORASTER, georaster1 IN SDO_GEORASTER, constant IN NUMBER, operator IN PLS_INTEGER, storageParam IN VARCHAR2, outGeoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, bgValues IN SDO_NUMBER_ARRAY DEFAULT NULL, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', nodataValue IN NUMBER DEFAULT 0, parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
説明
最初の3つの構文では、operationパラメータの指定に基づいて、1つ以上の入力GeoRasterオブジェクトのレイヤーから新しいGeoRasterオブジェクトを生成します。最後の構文では、1つまたは2つの入力GeoRasterオブジェクトの各レイヤーの対応するすべてのセルに対して数学的操作を適用します。
パラメータ
入力GeoRasterオブジェクトを指定します。
GeoRasterオブジェクトの配列を指定します。データ型はSDO_GEOR_ARRAYで、VARRAY(10485760) OF SDO_GEORASTERとして定義されます。配列のGeoRasterオブジェクトの最大数は8ですが、すべてのGeoRasterオブジェクトのレイヤーの合計数に対する制限はありません。
入力GeoRasterオブジェクトのカーソル(SYS_REFCURSOR型)を指定します。カーソルのGeoRasterオブジェクトの最大数は8ですが、すべてのGeoRasterオブジェクトのレイヤーの合計数に対する制限はありません。
左側のオペランドを指定します。
右側のオペランドを指定します。
出力GeoRasterオブジェクトのラスター・セル値を計算するために使用されるarithmeticExpr式文字列の配列を指定します。配列の各要素は、出力GeoRasterオブジェクトのレイヤーに対応します。データ型はSDO_STRING2_ARRAYで、VARRAY(2147483647) OF VARCHAR2(4096)として定義されます。
arithmeticExpr式の構文については、「ラスター代数言語」を参照してください。
addConstやdivConstantなどの一部の演算子(operatorパラメータを参照)の定数値を指定します。
SDO_GEOR_RAパッケージに定義されている次の数学演算子のいずれかを指定します。
OPERATOR_ABSOLUTE OPERATOR_ADD OPERATOR_ADDCONST OPERATOR_DIVIDE OPERATOR_DIVIDECONST OPERATOR_EXP OPERATOR_INVERT OPERATOR_LOG OPERATOR_MULTIPLY OPERATOR_MULTIPLYCONST OPERATOR_SUBTRACT OPERATOR_SUBTRACTCONST
これらの演算子の定義については、「使用上の注意」を参照してください。
記憶域パラメータを示す文字列を指定します(「記憶域パラメータ」を参照)。
出力GeoRasterオブジェクトを指定します。
入力GeoRasterオブジェクトの空のラスター・ブロックでセルの値を表す背景値を指定します。SDO_NUMBER_ARRAYオブジェクト内の要素の数は、1つ(すべてのバンドに同じ入力値を使用)またはバンド次元のサイズ(各バンドにそれぞれ異なる入力値を使用)のいずれかであることが必要です。たとえば、SDO_NUMBER_ARRAY(1,5,10)では、1番目のバンドに1、2番目のバンドに5、3番目のバンドに10が入力されます。デフォルトのbgValuesは0 (ゼロ)です。
入力値は、スパース・データへの入力用としてターゲットのセル深度の背景値で指定された有効なセル値であることが必要です。
文字列TRUEでは、入力GeoRasterオブジェクトの任意のNODATAセルで、出力GeoRasterオブジェクトの対応するセルがnodataValueパラメータで指定された値に設定されます。文字列FALSE (デフォルト)では、NODATA値を含むセルが通常のデータとみなされます。NODATA値およびその値の範囲については、「NODATA値および値の範囲」を参照してください。
nodataパラメータ値が文字列TRUEである場合にNODATAセルを設定するために使用する値を指定します。
操作の並列度を指定します。指定する場合、parallel=nという形式である必要があります(nは1より大きい)。データベース・オプティマイザでは、このパラメータによって指定された並列度を使用します。指定しない場合、デフォルトでパラレル処理は行われません。(詳細は、「GeoRasterでのパラレル処理」を参照してください。)
parallelParamを指定すると、このプロシージャの結果をロールバックできません(「使用上の注意」を参照)。
使用上の注意
最初の3つの構文を使用して、operationパラメータに基づいて、1つ以上の入力GeoRasterオブジェクトのレイヤーから新しいGeoRasterオブジェクトを生成します。たとえば、次の例では、3つのレイヤーを持つ新しいGeoRasterオブジェクトを生成します(各レイヤーの値は、入力GeoRasterオブジェクトのセル値から10を引いた値になります)。
sdo_geor_ra.rasterMathOp(geor,SDO_STRING2_ARRAY('{0,0}-10','{0,1}-10','{0,2}-10'),null,geor1);
4番目の構文では、入力GeoRasterオブジェクトの各レイヤーの対応するすべてのセルに対して数学的操作を適用し、最初の入力GeoRasterオブジェクト(geoRaster0)と同じ次元サイズで新しいGeoRasterオブジェクトを生成します。2つの入力GeoRasterオブジェクトの行、列およびバンドの次元サイズは、同じである必要があります。
4番目の構文では、すべてのピラミッドが結果のGeoRasterオブジェクトで削除されますが、最初の入力GeoRasterオブジェクトのマスクは結果のGeoRasterオブジェクトで維持されます。
operatorパラメータでは、演算子は次の定義を持ちます。
OPERATOR_ABSOLUTE :
if (src[x][y][b] < 0) {
dst[x][y][b] = -src[x][y][b];
} else {
dst[x][y][b] = src[x][y][b];
}
OPERATOR_ADD
dst[x][y][b]=src1[x][y][b]+src2[x][y][b]
OPERATOR_ADDCONST
dst[x][y][b]=src[x][y][b] +constant --constant is the third parameter
OPERATOR_DIVIDE
dst[x][y][b]=src1[x][y][b]/src2[x][y][b]
OPERATOR_DIVIDECONST
dst[x][y][b]=src[x][y][b]/constant --constant is the third parameter
OPERATOR_EXP
dst[x][y][b]=exp(src[x][y][b])
OPERATOR_INVERT :
Inverts the cell values: dst[x][y][b]=-src[x][y][b]
OPERATOR_LOG :
dst[x][y][b]=log(src[x][y][b])
OPERATOR_MULTIPLY
dst[x][y][b]=src1[x][y][b]*src2[x][y][b]
OPERATOR_MULTIPLYCONST
dst[x][y][b]=src[x][y][b]*constant --constant is the third parameter
OPERATOR_SUBTRACT
dst[x][y][b]=src1[x][y][b]-src2[x][y][b]
OPERATOR_SUBTRACTCONST
dst[x][y][b]=src[x][y][b]-constant --constant is the third parameter
ラスター代数言語の詳細は、「ラスター代数言語」を参照してください。
parallelParamを指定すると、プロシージャのいくつかの実行単位は、自律型トランザクションとして実行され、プロシージャの実行中に一部の変更はコミットされるため、それらの変更はロールバックできません。このパラメータを指定しない場合、すべての変更をロールバックできます。
例
次の例では、入力GeoRasterオブジェクトのすべてのセル値に定数10を追加します。
DECLARE
geor SDO_GEORASTER;
geor1 SDO_GEORASTER;
BEGIN
select georaster into geor from georaster_table where georid = 1;
insert into georaster_table values (5, sdo_geor.init('rdt_1', 5)) returning georaster into geor1;
sdo_geor_ra.rasterMathOp(geor,null,10,sdo_geor_ra.OPERATOR_ADDCONST,null,geor1);
update georaster_table set georaster = geor1 where georid = 5;
commit;
END;
/
次の例では、入力GeoRasterオブジェクトの3つのレイヤーから新しい3レイヤーのGeoRasterオブジェクトを生成します(新しいGeoRasterオブジェクトの各セル値は、対応する古いセル値を2で割った値になります)。
DECLARE
geor SDO_GEORASTER;
geor1 SDO_GEORASTER;
geo_array SDO_GEORASTER_ARRAY;
BEGIN
select georaster into geor from georaster_table where georid = 2;
insert into georaster_table values (20, sdo_geor.init('rdt_1', 20)) returning georaster into geor1;
geo_array:=SDO_GEORASTER_ARRAY(geor);
sdo_geor_ra.rasterMathOp(geo_array,SDO_STRING2_ARRAY('{0,0}/2','{0,1}/2','{0,2}/2'),null,geor1);
update georaster_table set georaster = geor1 where georid = 20;
commit;
END;
/
構文
SDO_GEOR_RA.rasterUpdate( geoRaster IN OUT SDO_GEORASTER, pyramidLevel IN NUMBER, conditions IN SDO_STRING2_ARRAY, vals IN SDO_STRING2_ARRAYSET, bgValues IN SDO_NUMBER_ARRAY DEFAULT NULL, nodata IN VARCHAR2 DEFAULT 'FALSE', parallelParam IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
説明
valsの指定から計算された値を使用して、conditionsの指定がTRUEのすべてのセルを更新します。
パラメータ
入力および出力で使用されるGeoRasterオブジェクトを指定します(更新は指定した条件に基づきます)。
更新するピラミッド・レベルを指定します。このパラメータがNULLの場合、すべてのピラミッド・レベルが更新されます。
セルを選択するために使用するbooleanExpr式文字列の配列を指定します。(詳細は、「使用上の注意」を参照してください。)データ型はSDO_STRING2_ARRAYで、VARRAY(2147483647) OF VARCHAR2(4096)として定義されます。
各条件に対応する外部配列と各レイヤーに対応する内部配列を持つarithmeticExpr式の1つ以上の配列を指定します。データ型はSDO_STRING2_ARRAYSETで、VARRAY(2147483647) OF SDO_STRING2_ARRAYとして定義されます。
入力GeoRasterオブジェクトの空のラスター・ブロックでセルの値を表す背景値を指定します。SDO_NUMBER_ARRAYオブジェクト内の要素の数は、1つ(すべてのバンドに同じ入力値を使用)またはバンド次元のサイズ(各バンドにそれぞれ異なる入力値を使用)のいずれかであることが必要です。たとえば、SDO_NUMBER_ARRAY(1,5,10)では、1番目のバンドに1、2番目のバンドに5、3番目のバンドに10が入力されます。デフォルトのbgValuesは0 (ゼロ)です。
入力値は、スパース・データへの入力用としてターゲットのセル深度の背景値で指定された有効なセル値であることが必要です。
文字列TRUEでは、GeoRasterオブジェクトのNODATAセルを更新しないように指定します。文字列FALSE (デフォルト)では、NODATA値を含むセルが通常のセルとみなされるため、更新対象になります。NODATA値およびその値の範囲については、「NODATA値および値の範囲」を参照してください。
操作の並列度を指定します。指定する場合、parallel=nという形式である必要があります(nは1より大きい)。データベース・オプティマイザでは、このパラメータによって指定された並列度を使用します。指定しない場合、デフォルトでパラレル処理は行われません。(詳細は、「GeoRasterでのパラレル処理」を参照してください。)
parallelParamを指定すると、このプロシージャの結果をロールバックできません(「使用上の注意」を参照)。
使用上の注意
このプロシージャは、入力されたGeoRasterオブジェクトのデータを上書きするため、元のGeoRasterオブジェクトをコピーし、そのコピーしたオブジェクトに対してこのプロシージャを使用してください。このプロシージャの結果を確認してから、必要に応じて元のGeoRasterオブジェクトを廃棄します。
このプロシージャでは、conditionsパラメータに指定されたbooleanExpr文字列に基づいて、指定されたGeoRasterオブジェクトからセルを選択し、valsパラメータに指定されたarithmeticExpr式文字列を計算して対応するセル値を更新します。たとえば、次の場合を検討します。
conditions = SDO_STRING2_ARRAY('{0}=48','{0}=108')
vals = SDO_STRING2_ARRAYSET(SDO_STRING2_ARRAY('123','54','89'),SDO_STRING2_ARRAY('98','56','123'))
この場合、次のようになります。
1番目のレイヤーの値が48に等しいすべてのセルで、その1番目、2番目、3番目のレイヤーの値がそれぞれ123、54、89に設定されます。
1番目のレイヤーの値が108に等しいすべてのセルで、その1番目、2番目、3番目のレイヤーの値がそれぞれ98、56、123に設定されます。
詳細は、「ラスター代数言語」を参照してください。
parallelParamを指定すると、プロシージャのいくつかの実行単位は、自律型トランザクションとして実行され、プロシージャの実行中に一部の変更はコミットされるため、それらの変更はロールバックできません。このパラメータを指定しない場合、すべての変更をロールバックできます。
例
次の例では、valsの指定から計算された値を使用して、conditionsの指定がTRUEのすべてのセルを更新します。
DECLARE
geor SDO_GEORASTER;
BEGIN
select georaster into geor from georaster_table where georid = 1;
sdo_geor_ra.rasterUpdate(geor,0,SDO_STRING2_ARRAY('(abs({0}-{1})=48)&({2}-{1}=-101)','2*{0}-{1}/3=108'),SDO_STRING2_ARRAYSET(SDO_STRING2_ARRAY('123','54','89'),SDO_STRING2_ARRAY('98','56','123')));
END;
/