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Oracle® Database Global Data Services概要および管理ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71351-03
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4 トラブルシューティング

この章には、Global Data Servicesで発生する可能性のある問題のトラブルシューティングに役立つトピックが含まれます。

この章の内容は次のとおりです。

Oracleエラー・コードのトラブルシューティング

この項には、発生する可能性のある次のような特定のOracleエラー・メッセージのトラブルシューティングに関する情報が含まれます。

ORA-01045: ユーザーGSMADMIN_INTERNALにはCREATE SESSION権限がありません。ログオンが拒否されました。

ユーザーGSMADMIN_INTERNALは内部専用のユーザーです。ロックが解除されることはなく、データベース・ログインに使用されることはありません。Oracleテクニカル・サポートから指示されないかぎり、Global Data Servicesスキーマ・オブジェクトを直接変更しないでください。

ORA-12514: TNS: リスナーは現在、接続記述子でリクエストされているサービスを認識していません

グローバル・サービスが停止している可能性があります。プール・データベースが実行されており、サービスが起動していることを確認してください。

グローバル・サービスが無効である可能性があります。プール・データベースが実行されており、サービスが有効で起動していることを確認してください。

GDSプール・データベースが停止している可能性があります。GDSプール・データベースが実行されており、サービスが有効で起動していることを確認してください。

ORA-12516: TNS: リスナーは、一致するプロトコル・スタックが使用可能なハンドラを検出できませんでした。

GDSプール・データベースのローカル・リスナーが停止している可能性があります。GDSプール・データベースのローカル・リスナーが実行されていることを確認してください。

ORA-12541: TNS: リスナーがありません。

すべてのグローバル・サービス・マネージャが停止している可能性があります。グローバル・サービス・マネージャが実行されていることを確認してください。

GSM-45034: GDSカタログへの接続が確立されていません

GDSカタログ・データベースまたはそのリスナーが停止している可能性があります。GDSカタログ・データベースとそのローカル・リスナーが実行されていることを確認してください。

GSM-45054: GSMエラーまたはNET-40006: GSMを起動できません

GDSカタログ・データベースまたはそのリスナーが停止している可能性があります。GDSカタログ・データベースとそのローカル・リスナーが実行されていることを確認してください。

一般的な問題の解決方法

この項には、発生する可能性のある次のような一般的な問題を解決するための情報が含まれます。

グローバル・サービス・マネージャが実行されていない場合のGDS構成データベースへの接続

複数のアドレス・リストが必要です。第1リストはリージョン・グローバル・サービス・マネージャ・リスナー専用とする必要があり、第2リストにはバディ・リージョンのグローバル・サービス・リスナーを含め、第3リストにはローカル・リスナーを含めます。

グローバル・サービス・マネージャが実行中は必ずグローバル・サービス・マネージャ経由で接続し、すべてのグローバル・サービス・マネージャ・リスナーが停止しているときのみローカル・リスナーにフェイルオーバーすることができます。

テンプレート:

(DESCRIPTION=
  (FAILOVER=on)
  (ADDRESS_LIST=
    (LOAD_BALANCE=ON)
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
   )
  (ADDRESS_LIST=
    (LOAD_BALANCE=ON)
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
    (ADDRESS=(global_protocol_address_information))
   )
  (ADDRESS_LIST=
    (LOAD_BALANCE=ON)
    (ADDRESS=(local_protocol_address_information))
    (ADDRESS=(local_protocol_address_information))
   )
  (CONNECT_DATA=
   (SERVICE_NAME=global_service_name)
   (REGION=region_name)))

次に例を示します。

(DESCRIPTION=
     (FAILOVER=on)
     (ADDRESS_LIST=
       (LOAD_BALANCE=ON)
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost1)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost2)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost3)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
      )
     (ADDRESS_LIST=
       (LOAD_BALANCE=ON)
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost4)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost5)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
       (ADDRESS=(HOST=gsmhost6)(PORT=1523)(PROTOCOL=TCP))
      )
     (ADDRESS_LIST=
       (LOAD_BALANCE=ON)
       (ADDRESS=(HOST=server1)(PORT=1521)(PROTOCOL=TCP))
      )
     (CONNECT_DATA=
      (SERVICE_NAME=sales_read_service.dbpoolora.oradbcloud)
      (REGION=WEST)))

注意:

Oracle RAC対応のGDSデータベースの場合、第3のアドレス・リストにはローカルのOracle RACデータベースのSCANリスナーが含まれます。

グローバル・サービス・マネージャが実行されていない場合のカタログ・データベースへの接続

グローバル・サービス・マネージャが停止している場合でも、ローカル・リスナーを使用してGDSカタログ・データベースにアクセスできます。

このアクセスは、グローバル・サービス・マネージャが実行されていない状態で、DB管理またはメンテナンス・アクティビティをカタログ・データベースで行う場合に必要になることがあります。

Global Data Servicesコンポーネントの実行ステータスの取得

statusコマンドを使用すると、GDSコンポーネントの実行ステータスを取得できます。

GDSCTL>status gsm
 
GDSCTL>status service
 
GDSCTL>status database

Global Data Servicesコンポーネントの静的構成情報の表示

gdsctl configコマンドを使用すると、様々なGDSコンポーネントの静的構成情報を取得できます。

GDSCTL>config

GDSCTL>config gsm

GDSCTL>config region

GDSCTL>config gdspool

GDSCTL>config database

GDSCTL>config service

GDSCTL>config invitednode

グローバル・サービス・マネージャでのトレースの有効化および無効化

set trace_levelコマンドを使用すると、トレースを有効にできます。

GDSCTL>set trace_level -gsm gsm_name SUPPORT

SUPPORTオプションによって、Oracleサポート・サービス用のトラブルシューティング情報とともにトレースを取得できます。その他のオプションはADMINおよびUSERです。

トレースを無効にするには、次のようにします。

GDSCTL>set trace_level -gsm gsm_name OFF

グローバル・サービス・マネージャのログ・ファイルおよびトレース・ファイルの使用

特定のグローバル・サービス・マネージャのログ・ファイルとトレース・ファイルの正確な場所は、次の例に示すとおり、status gsmコマンドを使用して取得できます。

GDSCTL>status gsm
 
Alias                     MYGSM
Version                   12.1.0.0.2
Start Date                13-OCT-2012 12:20:16
Trace Level               support
Listener Log File         /scratch/oracle/diag/gsm/myhost/mygsm/alert/log.xml
Listener Trace File       /scratch/oracle/diag/gsm/myhost/mygsm/trace/ora_1829_47542149303936.trc
Endpoint summary          (ADDRESS=(HOST=myhost.com)(PORT=1571)(PROTOCOL=tcp))
GSMOCI Version            0.1.7
Mastership                N
Connected to GDS catalog  Y
Process Id                1833
Number of reconnections   0
Pending tasks.     Total  0
Tasks in  process. Total  0
Regional Mastership       TRUE
Total messages published  34261
Time Zone                 -07:00
Orphaned Buddy Regions:   None
GDS region                east
Network metrics:
   Region: euro RTT:34 Bandwidth:40

この例で、myhostはグローバル・サービス・マネージャのホスト名で、mygsmはグローバル・サービス・マネージャの名前です。

テキスト・ベースのリスナー・ログは、/scratch/oracle/diag/gsm/hostname/gsm_name/traceディレクトリにあります。ファイル名はalert_gsm*.logになります(alert_gsm1.logなど)。

GDS環境でのSYS_CONTEXTパラメータの使用

グローバル・サービスへの接続を使用して確立されたセッションの場合、ネームスペースUSERENVのいくつかのパラメータは、同じデータベースのローカル・サービスに接続したときに設定された値とは異なる値を持ちます。グローバル・サービスの異なる値は、データベース・プールが多くのインスタンスを持つ単一のデータベースとしてクライアントに認識されるように設定されます。これには、サービスの複数のインスタンスがOracle RACデータベースにのみ存在する必要のある12cより前のクライアントとの下位互換性を保持する目的があります。

クライアントがグローバル・サービスに接続すると、GDSによって、次の項目が異なる方法でセッション・コンテキストに設定されます。

  • DB_UNIQUE_NAMEおよびDB_DOMAINは、<gdspool_name>.<config_name>に設定されます。

  • INSTANCEは、GDS構成内で一意のシステム生成番号<inst_num>に設定されます。

  • INSTANCE_NAMEは、<gdspool_name>%<virtual_instance_num>に設定されます。

  • SERVICE_NAMEは、<region_name>%<service_name>に設定されます。