Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド リリース4.2 for Oracle Database 12c B71338-03 |
|
前 |
次 |
HTTP(HTMLページの配布に最も一般的に使用されるプロトコル)は、ステートレスなプロトコルです。Webブラウザは、ページ全体をダウンロードするために必要な時間のみサーバーに接続します。また、サーバーでは、各ページ・リクエストは、発生済または将来発生する他のページ・リクエストと関連しない個別のイベントとして処理されます。後続のページのあるページに入力したフォーム値にアクセスするには、値をセッション・ステートとして格納する必要があります。Oracle Application Expressは透過的にセッション・ステートを保持するため、開発者は、アプリケーションの任意のページでセッション・ステートの値を取得および設定できます。
内容は次のとおりです。
セッションは、ページ・ビュー間で永続性(またはステートフルな動作)を確立する論理的な構成体です。各セッションには、一意の識別子が割り当てられています。Application Expressエンジンは、この識別子(セッションID)を使用して、各ページ・ビューの前後に、アプリケーションで作業中のデータ・セット(セッション・ステート)を格納および取得します。
個々のセッションは相互に完全に独立しているため、任意の数のセッションがデータベース内に同時に存在できます。また、ユーザーは複数のブラウザで、アプリケーションの複数のインスタンスを同時に実行できます。
セッションは、ページ・リクエストの処理に使用されるOracle Databaseセッションとは論理的にも物理的にも異なります。ユーザーはアプリケーションを、1つのOracle Application Expressセッションで、ログインからログアウトまで実行します。この期間は、通常分単位か時間単位です。このセッション中にページがリクエストされるたびに、Application ExpressエンジンはOracle Databaseセッションを作成または再利用してデータベース・リソースにアクセスします。多くの場合、これらのデータベース・セッションは、数分の1秒のみ存続します。
関連項目: Oracle Application Express管理ガイドの「アクティブ・セッションの表示」を参照してください。 |
Application Expressエンジンは、ページ・リクエストごとにユーザーのアイデンティティを証明し、データベースからセッション・ステートをフェッチするためにセッションIDを確立します。セッションIDは、ページ・リクエストのURL内に明示的に示されています。URLの第3パラメータとしてセッションIDが表示されます。次に例を示します。
http://apex.somewhere.com/pls/apex/f?p=4350:1:220883407765693447
この例では、セッションIDは220883407765693447です。
また、ページのHTML POSTデータにも明示的に示され、セッションのCookieのコンテンツ内にも間接的に示されています。このCookieは、認証時にApplication Expressエンジンによって送信され、アプリケーション(またはブラウザ)セッションの存続中、維持されます。
Oracle Application Expressは、認証プロセス中に新しいセッションIDを割り当て、認証されたユーザーのアイデンティティをセッションIDとともに記録し、続けて各ページ・リクエストのURLまたはPOSTデータをセッションのCookieおよびデータベースのセッション・レコードと照合して確認します。この確認によって、柔軟性とセキュリティが向上します。
セッションIDがセッション・ステート用のキーであるのに対し、セッションのCookieおよびセッション・レコードは、セッションIDとユーザーの認証ステータスの整合性を保証します。
Oracle Application Expressアプリケーションの動作は、通常、セッション・ステートの値によって決まります。たとえば、ボタンは、アイテムのセッション・ステートの値に基づいて、条件付きで表示できます。ページのセッション・ステートを表示するには、開発者ツールバーの「セッション」をクリックします。
セッション・ステート・ページは、現在実行中のアプリケーションのセッションに関する有益な情報を提供します。特定のページを検索するには、ページ・フィールドにページ番号を入力して「実行」をクリックします。表2-1に、セッション・ステート・ページで参照可能な様々な情報を示します。
表2-1 セッション・ステート・ページで参照可能な情報
ヘッダー | 説明 |
---|---|
アプリケーション |
アプリケーションの名前を表示します。 |
セッション |
カレント・セッションのセッション・ステートのサマリーを表示します。 |
ユーザー |
現行ユーザーを表示します。 |
ワークスペース |
現行のワークスペースIDを表示します。 |
ブラウザ言語 |
現行のブラウザ言語を表示します。 |
ページ・アイテム |
アプリケーションID、ページ番号、アイテム名、アイテムの表示方法(チェック・ボックス、日付ピッカー、表示のみ、テキスト・フィールド、非表示、ポップアップ、ラジオ・グループなど)、セッション・ステートのアイテム値、ステータスなどのページ・アイテムの属性が表示されます。 「ステータス」列には、セッション・ステートのステータスが示されます。表示される値を次に示します。
関連項目: 「ページ・レベル・アイテムの理解」 |
アプリケーション・アイテム |
アプリケーション・アイテムは、ページに存在しないアイテムです。アプリケーション・アイテムは、関連付けられたユーザー・インタフェース・プロパティを持たないセッション・ステート変数です。 関連項目: アイテム値を参照する方法については、「アプリケーション・レベル・アイテムの理解」および「置換文字列の理解」を参照してください。 |