この付録では、トラブルシューティングについて説明します。内容は次のとおりです。
関連項目: Oracle Configuration Managerの使用中に発生する可能性がある一部のエラーの詳細と、これらのエラーのトラブルシューティングに関するヒントは、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』の第6章「Oracle Configuration Managerのトラブルシューティング」を参照してください。 |
この付録に示すトラブルシューティングの手順を実行する前に、システムが要件を満たしていること、および第4章に説明されているインストール前の作業をすべて完了していることを確認してください。
製品をインストールする前に、その製品に関するリリース・ノートを参照してください。リリース・ノートの最新バージョンは、次の場所から入手できます。
http://docs.oracle.com
Oracle Universal Installerをリモート・システム上で実行し、ローカル・システム上でOracle Universal Installerのユーザー・インタフェースを表示しようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。
"Failed to connect to server" "Connection refused by server" "Can't open display"
このうちいずれかのエラー・メッセージが表示された場合は、次の手順を実行してください。
注意: この手順は、UNIXワークステーションのユーザーにのみ適用されます。Xサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたは他のシステムを使用している場合、リモート・システムでローカル・システムにXアプリケーションを表示できるようにする方法については、Xサーバーのドキュメントを参照するか、Xサーバーのベンダーまたはシステム管理者に問い合せてください。 |
ローカル・ターミナル・ウィンドウから、X Windowセッションを起動したユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
$ xhost fully_qualified_remote_host_name
次に例を示します。
$ xhost somehost.example.com
次のコマンドを入力します。workstation_name
は、ワークステーションのホスト名またはIPアドレスです。
Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:
$ DISPLAY=workstation_name:0.0
$ export DISPLAY
Cシェルの場合:
% setenv DISPLAY workstation_name:0.0
次のコマンドを入力して、ローカル・システムでX Windowアプリケーションが正しく表示されているかどうかを確認します。
$ xclock
Xクロックがモニターに表示されます。
Xクロックが表示されたら、Xクロックを閉じ、Oracle Universal Installerを再起動します。
関連項目: 追加の情報は、PC-X Serverまたはオペレーティング・システム・ベンダーのドキュメントを参照してください。 |
リモート端末からインストールを実行したり、su
コマンドを使用してユーザーを変更すると、次のようなエラーが発生する場合があります。
Could not execute auto check for display colors using command /usr/X11R6/bin/xdpyinfo
このエラーは、DISPLAY
変数が設定されていないか、インストールを実行しているユーザーにX Windowを開く権限が付与されていない場合に発生します。たとえば、su
コマンドを使用して、X Windowを開く権限が付与されているユーザーから、ディスプレイにX Windowを開く権限が付与されていないユーザー・アカウント(root
ユーザーのコンソール・ディスプレイでウィンドウを開いているより低い権限のユーザーなど)に変更する場合です。
この問題をトラブルシューティングするには、echo $DISPLAY
コマンドを実行してDISPLAY変数が正しいビジュアルまたは正しいホストに設定されていることを確認します。DISPLAY変数が正しく設定されている場合は、X Windowを開く権限を付与されたユーザーとしてログインしていることを確認するか、xhost +
コマンドを実行して任意のユーザーがX Windowを開くことができるようにします。
インストール中にエラーが発生した場合は、次のように操作してください。
Oracle Universal Installerを終了しないでください。
インストール画面の1つに間違った情報を入力して「次へ」をクリックした場合は、「戻る」をクリックして元の画面に戻り、情報を訂正します。
Oracle Universal Installerがファイルをコピーまたはリンクしているときにエラーが発生した場合、インストール・ログで詳細を確認してください。
ファイル・コピーのエラーでは、次のログを確認します。
/u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install
.log /u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install
.err /u01/app/oraInventory/logs/timestamp for date of install
.out
リンク中のエラーでは、次のログを確認します。
$ORACLE_HOME/install/make.log
Oracle Universal Installerの実行中にエラーが発生した場合は、-debug
オプションを指定してOracle Universal Installerを再度実行します。
$./runInstaller -debug
ログ・ファイルの詳細を確認します。「インストール・セッションのログの確認」を参照してください。
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にエラーが発生した場合は、「コンフィギュレーション・アシスタントのトラブルシューティング」を参照してください。
問題を解決できない場合は、「インストール失敗後のクリーン・アップ」の手順に従って、失敗したインストールの内容を削除してください。
インストール中には、Oracle Universal Installerにより実行されるすべてのアクションがログ・ファイルに記録されます。インストール中にエラーが発生した場合は、問題の原因と考えられる情報をログ・ファイルで確認してください。
ログ・ファイルを表示する手順は、次のとおりです。
必要な場合は、次のコマンドを入力して、oraInventory
ディレクトリの位置を確認してください。
Linux x86-64およびIBM: システムz上のLinux:
$ cat /etc/oraInst.loc
oraInventory
ディレクトリの位置は、このファイルのinventory_loc
パラメータで指定します。
次のコマンドを入力して、ディレクトリをOracle Universal Installerのログ・ファイル・ディレクトリに変更します。orainventory_location
には、oraInventory
ディレクトリの位置を指定します。
$ cd /orainventory_location/logs
次のコマンドを入力して、ログ・ファイルの名前を指定します。
$ ls -ltr
これらのコマンドを実行すると、ファイルが作成順に表示され、最新のファイルが最後に示されます。インストーラのログ・ファイルには、次のような名前が付けられます(date_time
はインストールが開始された日時を示します)。
installActionsdate_time.log oraInstalldate_time
.err oraInstalldate_time
.out
問題に関する情報が含まれている可能性が高いログ・ファイルの最新エントリを表示するには、次のようなコマンドを入力します。
$ tail -50 installActionsdate_time.log | more
このコマンドを実行すると、ログ・ファイルの最後の50行が表示されます。
Oracle Universal Installerにより表示されたエラーまたはログ・ファイルに記録されたエラーが、再リンクに問題があることを示している場合は、次のファイルで詳細を確認してください。
$ORACLE_HOME/install/make.log
-deconfig
-force
フラグを使用してroothas.sh
コマンドを実行すると、インストールしたバイナリを削除せずにOracle Restartを構成解除できます。この機能は、スタンドアロン・サーバー用Oracle Grid Infrastructureのインストール時、root.sh
コマンドの実行でオペレーティング・システム・パッケージがないなどのエラーが発生した場合に有用です。roothas.sh -deconfig -force
を実行してOracle Restartを構成解除し、エラーの原因を修正して再度root.sh
を実行できます。
注意: Oracle Restartを構成解除する前に、インストールされ実行されているすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止してください。 |
Oracle Restartを構成解除する手順:
root
ユーザーとしてログインします。
Grid_home/crs/install
ディレクトリに移動します。次に例を示します。
# cd /u01/app/12.1.0/grid/crs/install
-deconfig -force
フラグを指定してroothas.sh
を実行します。次に例を示します。
# roothas.sh -deconfig -force
注意: Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)以上では、Oracle Grid Infrastructureホームのroothas.pl スクリプトはroothas.sh スクリプトに置き換わりました。 |
Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のホスト名を変更すると、Oracle CSSデーモンは起動しません。この問題を解決するには、次の手順を実行します。
root
ユーザーとしてログインします。
roothas.sh
を実行し、CSSの構成を解除します。
# cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid/crs/install # perl roothas.sh -deconfig -force
これにより、古いホスト名を参照していたシステム上の構成が削除されます。
root.sh
を実行し、新しいホスト名を使用してCSSを再構成します。
# cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid # ./root.sh
Gridホームのbin
ディレクトリに移動します。-c SINGLE
フラグを指定したsrvctl add database
コマンドを使用して、Oracle Restart構成内にデータベースを追加します。また、srvctl add
コマンドを使用して、リスナー、Oracle ASMインスタンス、すべてのOracle ASMディスク・グループおよびデータベース・サービスをOracle Restart構成に追加します。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』 |
注意: Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)以上では、Oracle Grid Infrastructureホームのroothas.pl スクリプトはroothas.sh スクリプトに置き換わりました。 |
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に発生したインストール・エラーのトラブルシューティング方法は、次のとおりです。
「インストール・セッションのログの確認」に示したインストール・ログ・ファイルを確認します。
$ORACLE_HOME/cfgtoollogs
ディレクトリにある特定のコンフィギュレーション・アシスタントのログ・ファイルを確認します。エラーの原因となった問題を修正します。
次が表示された場合、「致命的エラー。再インストール」メッセージ、ログ・ファイルを確認して問題の原因を調べます。これ以降の手順は、「リカバリ不能なエラー」を参照してください。
Oracleのコンフィギュレーション・アシスタントの障害は、インストール画面の最下部に表示されます。追加情報がある場合は、コンフィギュレーション・アシスタントのインタフェースに表示されます。コンフィギュレーション・アシスタントの実行ステータスは、次のファイルに格納されます。
oraInventory_location/logs/installActionsdate_time.log
次の表に、実行ステータス・コードを示します。
ステータス | 結果コード |
---|---|
コンフィギュレーション・アシスタントの正常終了 | 0 |
コンフィギュレーション・アシスタントの異常終了 | 1 |
コンフィギュレーション・アシスタントの取消し | -1 |
コンフィギュレーション・アシスタントの実行中にリカバリ不能なエラーが発生した場合は、次の手順に従って現在のインストールを削除し、Oracleソフトウェアを再インストールしてください。
「インストール失敗後のクリーン・アップ」の説明に従って、失敗したインストールの内容を削除します。
リカバリ不能なエラーの原因を修正します。
Oracleソフトウェアを再インストールします。
Oracleホームで次のいずれかの状況が発生した場合は、opatch lsinventory -detail
コマンドを実行してインベントリの内容を表示し、Oracle Universal Installerユーザーズ・ガイドのインベントリの破損からのリカバリに関する項で、問題の修正についての情報を参照してください。
インベントリの手順を完了せずに、Oracleホームがクローニングされている場合。
不良インベントリが存在する場合。
インベントリが使用できないのに、別のOracleホームにOracle Enterprise Manager Agentがインストールされた時に作成されている場合。
画面の解像度を640x480または800x600にしてOracleデータベースに接続している場合、タスクバーの背後に隠れてしまうため、GUIの「次へ」ボタンが表示されません。この問題を解決するには、次のいずれかを実行します。
タスクバーを非表示にします。
Oracle Universal Installerの画面を上に移動します。
画面の解像度を1024x768以上に設定します。
Linuxシステムで、オペレーティング・システムの/dev/shm
マウント・サイズが、Oracleのシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)に対して小さすぎる場合、次のエラーが発生します。
ORA-00845: MEMORY_TARGET not supported on this system
初期化パラメータMEMORY_TARGET
またはMEMORY_MAX_TARGET
を設定する「メモリー・サイズ(SGAおよびPGA)」は、オペレーティング・システムの共有メモリー・ファイル・システム(/dev/shm
)より大きい値にはできません。
ORA-00845
エラーが発生した場合の対処方法は、/dev/shm
マウントポイント・サイズを大きくすることです。
次に例を示します。
# mount -t tmpfs shmfs -o size=7g /dev/shm
システムを再起動してもこの変更が保持されるようにするには、/etc/fstab
に次のようなエントリを追加します。
shmfs /dev/shm tmpfs size=7g 0 0
ファイル記述子のサイズが正しくない場合、様々なOracleプロセスでエラーが発生し、Oracle以外のプロセスでもLinux Error EMFILE (Too many open files)
エラーが発生する可能性があります。
ORA-27123: unable to attach to shared memory segment
回避するためには、各Oracleインスタンスのファイル記述子数を512*
PROCESSES
以上にします。各プロセスの記述子数は512以上である必要があります。
サイレント・モード・インストールが正常に実行されたかどうかを判断するには、次のログ・ファイルを参照してください。
/oraInventory_location/logs/silentInstalldate_time.log
必要な場合は、前項を参照してoraInventory
ディレクトリの位置を確認してください。
サイレント・インストールは、次の場合に失敗します。
レスポンス・ファイルを指定していない場合
不正または不完全なレスポンス・ファイルを指定している場合
Oracle Universal Installerにディスク領域不足などのエラーが発生した場合
Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは、実行時にレスポンス・ファイルを検証します。妥当性検査に失敗すると、サイレント・モード・インストールまたは構成プロセスは終了します。
インストールが失敗した場合は、インストールの際にOracle Universal Installerによって作成されたファイルを、削除ツールを使用して削除する必要があります。
削除ツールの実行方法の詳細は、第10章「Oracle Databaseソフトウェアの削除」および「Oracle Restartのトラブルシューティングおよび構成解除」を参照してください。
スタンドアロン・サーバーに対するOracle Grid Infrastructureのインストールまたはアップグレードの最中に、サーバーで再起動が求められ、次のようなエラーが表示される場合があります。
ACFS-9427 Failed to unload ADVM/ACFS drivers. A system reboot is recommended ACFS-9428 Failed to load ADVM/ACFS drivers. A system reboot is recommended
この問題を回避するには、次の手順を実行します。
コンピュータを再起動します。
root
としてログインし、orainstRoot.sh
スクリプトを実行します。次に例を示します。
$ sudo -s # cd /u01/app/oraInventory # ./orainstRoot.sh
ディレクトリをGridホームに変更し、root.sh
スクリプトを実行します。次に例を示します。
# cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid # ./root.sh
レスポンス・ファイルを構成し、インストール用のパスワードを指定します。レスポンス・ファイルの作成方法の詳細は、「レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成」を参照してください。
アップグレードまたはインストールを完了するには、ソフトウェア・インストール所有者としてログインしてから、$ORACLE_HOME/cfgtoollogs/configToolAllCommands
のパスにあるconfigToolAllCommands
スクリプトを実行して、作成したレスポンス・ファイルを指定します。たとえば、レスポンス・ファイルがgridinstall.rsp
の場合は次のとおりです。
$ cd $ORACLE_HOME/cfgtoollogs/configToolAllCommands $ ./configToolAllCommands RESPONSE_FILE=gridinstall.rsp