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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Linux
B71312-13
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3 Oracle Preinstallation RPMによるOracle Linuxの自動構成

Oracle Linux 7、Oracle Linux 6またはOracle Linux 5をインストールし、Oracle RPMを使用して、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのインストール用にオペレーティング・システムを構成することをお薦めします。Oracle Linux 7およびOracle Linux 6の場合は、Oracle Preinstallation RPMを実行します。Oracle Linux 5の場合、Oracle Validated RPMを実行します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 Oracle RPMを使用したOracle Linuxの構成の概要

Oracle LinuxディストリビューションのOracle RPMおよびOracle RDBMSのリリースでは、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのインストールに必要な追加のパッケージが自動的にインストールされ、インストールのためのカーネル・パラメータおよびオペレーティング・システムのその他の基本的な要件の設定など、サーバー・オペレーティング・システムが自動的に構成されます。Oracle RPMで実行される内容の詳細は、次のURLを参照してください。

https://linux.oracle.com

Oracle LinuxおよびOracle Preinstallation RPMを使用してサーバーを構成する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Linuxをインストールします。

  2. LinuxディストリビューションをOracle Unbreakable Linux Network (ULN)に登録するか、ご使用のOracle Linuxリリース用のOracle Linux yumサーバーを使用してシステムのyumリポジトリをダウンロードおよび構成します。

  3. Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのリリース用のRPMを使用して、Oracle Preinstallation RPMまたはOracle Validated RPMをインストールし、Linuxのリリースを更新します。

  4. 同じ名前とID番号を持つロール割当てされたグループとユーザーを作成します。

  5. クラスタ・ノードの候補ごとに、ネットワーク・インタフェースの構成を行います。

  6. 標準またはコア・ノード・クラスタの候補ごとに、必要に応じて、共有ストレージ・アクセスのためのシステム構成を行います。

これらの手順が終了すると、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのインストールに進むことができます。

3.2 DVDまたはイメージからの新規Oracle Linuxインストールのインストール

次の手順を使用して、新規Oracle Linuxインストールをインストールし、Oracle Preinstallation RPMでのシステム構成を実行します。

  1. Oracle Linuxを入手するには、Oracle StoreでOracle Linuxメディア・パックを注文するか、Oracle LinuxおよびOracle VMのOracle Software Delivery CloudのWebサイトからディスク・イメージをダウンロードします。

    Oracle Shop:

    https://shop.oracle.com
    

    Oracle Software Delivery CloudのWebサイト:

    https://edelivery.oracle.com/linux
    
  2. Oracle Linuxインストールを開始し、環境に適切な値で、インストール画面に応答します。

  3. 最初のソフトウェア選択画面(タスク固有のソフトウェア・オプションを示す画面)を確認します。画面の下部には、すぐにカスタマイズするか、または後でカスタマイズするかのオプションがあります。「すぐにカスタマイズ」を選択し、「次へ」をクリックします。

  4. Oracle Linux 7およびOracle Linux 6では、画面の左側でサーバーを選択し、画面の右側でシステム管理ツールを選択します(オプションはリリースによって異なることがあります)。

    Packages in System Toolsウィンドウが開きます。

  5. パッケージ・リストからOracle Preinstallation RPMまたはOracle Validated RPMパッケージ・ボックスを選択します。

    使用するOracle Databaseのリリースに対応した最新のOracle Preinstallation RPMまたはOracle Validatedパッケージ・オプションがない場合は(使用するOracle LinuxインストールがOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのリリースよりも古いことが原因です)、そのリリースに対応するRPMのインストールを手動で、オペレーティング・システムのインストール完了後に行ってください。

  6. オプションのパッケージ・ウィンドウを閉じ、「次へ」をクリックします。

  7. その他の画面の指示に従って、Oracle Linuxのインストールを完了します。

    Oracle Linuxは、自動的に標準(ロール割当てなし)のOracleインストール所有者とグループを作成し、Oracleインストールの必要に応じて他のカーネル構成設定を設定します。

  8. 手順2から6を他のすべてのクラスタ・メンバー・ノードで繰り返します。

3.3 ULNサポートを使用したOracle Preinstallation RPMのインストール

次の手順を使用して、Unbreakable Linux Network (ULN) Oracle Linuxチャネルをサブスクライブし、Oracle Preinstallation RPMを配布するOracle Linuxチャネルを追加します。

  1. Unbreakable Linux Network(ULN)にサーバーを登録します。デフォルトでは、ご使用のオペレーティング・システムおよびハードウェアのOracle Linux Latestチャネルに登録されています。

  2. 次のURLでUnbreakable Linux Networkにログインします。

    https://linux.oracle.com

  3. 「システム」タブをクリックし、「システム・プロファイル」リストで、登録されているサーバーを選択します。「システム詳細」ウィンドウが開き、サーバーのサブスクリプションが表示されます。

  4. 「サブスクリプションの管理」をクリックします。「システム・サマリー」ウィンドウが開きます。

  5. 使用可能チャネルリストから、Linuxインストール・メディアのコピーを選択し、ご使用のOracle Linuxディストリビューションに対応するパッチ・チャネルを更新します。たとえば、ディストリビューションがOracle Linux 5 Update 6 for x86_64の場合は、次のチャネルを選択します。

    • Oracle Linux 5 Update 6インストール・メディアのコピー(x86_64)

    • Oracle Linux 5 Update 6 Patch (x86_64)

  6. 「サブスクライブ」をクリックします。

  7. ご使用のプラットフォームに応じて、ターミナル・セッションを開始し、次のコマンドをrootとして入力します。次に例を示します。

    Oracle Linux 6およびOracle Linux 7:

    # yum install oracle-rdbms-server-12cR1-preinstall
    

    Oracle Linux 5:

    # yum install oracle-validated
    

    Oracle Linuxチャネルに登録していて、パッケージがインストールされていることを示す出力が表示されます。次に例を示します。

    el5_u6_i386_base
    el5_u6_x86_64_patch
    

    Oracle Linuxは、自動的に標準(ロール割当てなし)のOracleインストール所有者とグループを作成し、Oracleインストールの必要に応じて他のカーネル構成設定を設定します。

  8. クラスタ内の他のすべてのサーバーで手順1から8を繰り返します。


    注意:

    RPMログ・ファイルを参照して、システム構成の変更を確認します。たとえば、Oracle Linux 5では、次を参照します。
    /var/log/oracle-validated/results/orakernel.log
    

3.4 Unbreakable Linux NetworkからのOracle Preinstallation RPMのインストール

次の手順を使用して、Oracle Linuxチャネルをサブスクライブし、Oracle Preinstallation RPMを配布するOracle Linuxチャネルを追加します。

  1. デフォルトのOracle Linuxワークステーション・インストールを実行します。

    Oracle Software Delivery CloudからOracle Linuxをダウンロードできます。

    https://edelivery.oracle.com/linux

  2. Unbreakable Linux Network(ULN)にサーバーを登録します。デフォルトでは、ご使用のオペレーティング・システムおよびハードウェアのOracle Linux Latestチャネルに登録されています。

  3. 次のURLでUnbreakable Linux Networkにログインします。

    https://linux.oracle.com

  4. 「システム」タブをクリックし、「システム・プロファイル」リストで、登録されているサーバーを選択します。「システム詳細」ウィンドウが開き、サーバーのサブスクリプションが表示されます。

  5. 「サブスクリプションの管理」をクリックします。「システム・サマリー」ウィンドウが開きます。

  6. 使用可能チャネルリストから、Enterprise Linuxインストール・メディアのコピーを選択し、ご使用のOracle Linuxディストリビューションに対応するパッチ・チャネルを更新します。たとえば、ディストリビューションがOracle Linux 5 Update 5 for x86_64の場合は、次のチャネルを選択します。

    • Oracle Linux 5 Update 5インストール・メディアのコピー(x86_64)

    • Oracle Linux 5 Update 5 Patch(x86_64)

  7. 「サブスクライブ」をクリックします。

  8. ご使用のプラットフォームに応じて、ターミナル・セッションを開始し、次のコマンドをrootとして入力します。

    Oracle Linux 6およびOracle Linux 7:

    yum install oracle-rdbms-server-12cR1-preinstall
    

    Oracle Linux 5:

    # yum install oracle-validated
    

    Oracle Linuxチャネルを登録していることを示す出力が表示されます。次に例を示します。

    el5_u5_i386_base
    el5_u5_x86_64_patch
    

    Oracle Linuxは、自動的に標準(ロール割当てなし)のOracleインストール所有者とグループを作成し、Oracleインストールの必要に応じて他のカーネル構成設定を設定します。

  9. rootとして次のコマンドを入力して、システムsysctl.conf設定を更新します:

    # sysctl -p
    

    注意:

    RPMパッケージは、デフォルトで、Oracleソフトウェア・ユーザーをoracleに設定します。Oracle Databaseのインストールの前に、etc/security/limits.d/oracle-rdbms-server-12cR1-preinstall.confファイルおよびその他の構成ファイル内のOracleユーザー名を更新できます。

  10. クラスタ内の他のすべてのサーバーで手順1から9を繰り返します。


    注意:

    RPMログ・ファイルを参照して、システム構成の変更を確認します。たとえば、Oracle Linux 5では、次を参照します。
    /var/log/oracle-validated/results/orakernel.log
    

3.5 DVDまたはイメージからのOracle Preinstallation RPMのインストール

次の手順を使用して、Oracle LinuxディストリビューションからOracle Preinstallation RPMをインストールします。

  1. Oracle Linuxディスクを入手するには、Oracle StoreでOracle Linuxメディア・パックを注文するか、Oracle LinuxおよびOracle VMのOracle Software Delivery CloudのWebサイトからディスク・イメージをダウンロードします。

    Oracle Store:

    https://shop.oracle.com
    

    Oracle Software Delivery CloudのWebサイト:

    https://edelivery.oracle.com/linux
    
  2. Oracle Linuxのインストールを開始します。

  3. 最初のソフトウェア選択画面(タスク固有のソフトウェア・オプションを示す画面)を確認します。画面の下部には、すぐにカスタマイズするか、または後でカスタマイズするかのオプションがあります。「すぐにカスタマイズ」を選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「カスタマイズ」ページで、画面の左側のリストでベース・システムを選択してから、画面の右側でシステム・ツールを選択します。その後、「オプションのパッケージ」をクリックします。

    Packages in System Toolsウィンドウが開きます。

  5. パッケージ・リストからOracle Preinstallation RPMパッケージ・ボックスを選択して「次へ」をクリックします。

  6. その他の画面の指示に従って、Oracle Linuxのインストールを完了します。

    Oracle Linuxは、自動的に標準(ロール割当てなし)のOracleインストール所有者とグループを作成し、Oracleインストールの必要に応じて他のカーネル構成設定を設定します。

  7. 手順2から6を他のすべてのクラスタ・メンバー・ノードで繰り返します。

3.6 Oracle Linux YumサーバーによるOracle Linuxのインストールのサポート

次の手順を実行して、Oracle Linuxをインストールし、Oracle Linux Yumサーバーを使用して、セキュリティ・エラータまたはバグ修正更新用にLinuxインストールを構成します。

  1. Oracle StoreからOracle Linux DVDを入手するか、Oracle Software Delivery CloudからOracle Linuxをダウンロードします。

    Oracle Store:

    https://shop.oracle.com
    

    Oracle Software Delivery CloudのWebサイト:

    https://edelivery.oracle.com/linux

  2. ISOまたはDVDイメージからOracle Linuxをインストールします。

  3. rootユーザーでログインします。

  4. Oracle Linux yumサーバーWebサイトで参照できる手順を使用して、http://yum.oracle.com/から、ご使用のLinuxディストリビューションのyumリポジトリ・ファイルをダウンロードします。次に例を示します。

    # cd /etc/yum.repos.d/
    # wget http://yum.oracle.com/public-yum-ol6.repo
    

    olrelease_latestファイル(Oracle Linux 6の場合にはol6_latestなど)はOracle Preinstallation RPMを含むリポジトリであるため、これが有効であることを確認します。

  5. (オプション)他のリポジトリを有効化するには、repoファイルを編集します。たとえば、リポジトリol6_UEK_latestを有効化するには、テキスト・エディタを使用して、ファイルにenabled=1を設定します。

  6. コマンドyum repolistを実行して、登録されたチャネルを検証します。

  7. ご使用のプラットフォームに応じて、ターミナル・セッションを開始し、次のコマンドをrootとして入力します。次に例を示します。

    Oracle Linux 6およびOracle Linux 7:

    yum install oracle-rdbms-server-12cR1-preinstall
    

    Oracle Linux 5:

    # yum install oracle-validated
    

    Oracle Linuxチャネルに登録していて、パッケージがインストールされていることを示す出力が表示されます。次に例を示します。

    el5_u6_i386_base
    el5_u6_x86_64_patch
    

    Oracle Linuxは、自動的に標準(ロール割当てなし)のOracleインストール所有者とグループを作成し、Oracleインストールの必要に応じて他のカーネル構成設定を設定します。

    インストール後に、必要に応じてコマンドyum updateを実行して、Oracle Linuxインストールの最新のセキュリティ・エラータおよびバグ修正を取得します。

3.7 オペレーティング・システムの構成の追加作業

次のオプションの構成作業を実行します。

3.7.1 Oracle LinuxのOracle Kspliceリポジトリの構成

ULNで使用可能なOracle Linux Premier Supportサブスクリプションおよびアクセス・キーがある場合、Oracle Kspliceを使用できます。Kspliceの詳細(試用版を含む)は、http://www.ksplice.com/を参照してください。

システムをKspliceに登録するには、次の作業を実行します。

  1. 次のURLで、カーネル・ディストリビューションを確認します。

    http://www.ksplice.com/uptrack/supported-kernels#

  2. rootユーザーでログインします。

  3. Kspliceを使用するサーバー上で、インターネットにアクセスできることを確認します。たとえば、プロキシ・サーバーを使用している場合は、次のようなコマンドを使用して、シェルにプロキシ・サーバーおよびポート値を設定します。

    # export http_proxy=http://proxy.example.com:port
    # export https_proxy=http://proxy.example.com:port
    
  4. 次のURLでKsplice UptrackリポジトリのRPMパッケージをダウンロードします。

    https://www.ksplice.com/yum/uptrack/ol/ksplice-uptrack-release.noarch.rpm

  5. 次のコマンドを実行します。

    rpm -i ksplice-uptrack-release.noarch.rpm
    yum -y install uptrack
    

3.7.2 追加のオペレーティング・システム機能の構成

必要に応じて、IPMIや追加のプログラミング環境など、その他の機能のためにオペレーティング・システムを構成する場合、第4章「Oracle Databaseのインストール前の作業」を参照してください。