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Pro*C/C++プログラマーズ・ガイド
12c リリース1(12.1)
B71397-03
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トランザクション用語の定義

トランザクションの説明に入る前に、この項で定義されている用語に慣れる必要があります。

Oracleが管理するジョブまたはタスクは、セッションと呼ばれます。アプリケーション・プログラムまたはSQL*Formsなどのツールを実行してデータベースに接続すると、ユーザー・セッションが開始されます。

Oracleでは、ユーザー・セッションを同時に機能させ、コンピュータ・リソースを共有できます。そのために、Oracleは同時実行性、つまり多数のユーザーによる同一データへのアクセスを制御する必要があります。同時実行性の制御が十分でないと、データの整合性が失われる可能性があります。つまり、データまたは構造への変更が誤った順序で行われるおそれがあります。

Oracleでは、ロック(エンキューとも呼ばれます)を使用してデータへの同時アクセスを制御します。ロックにより、データの表や行などのデータベース・リソースのユーザーに一時的な所有権が与えられます。そのため、ロックを使用しているユーザーが変更を終了するまで、他のユーザーはデータを変更できません。

デフォルトのロック機能がOracleのデータおよび構造を保護するため、明示的にリソースをロックする必要はありません。ただし、デフォルトのロックをオーバーライドした方が有利な場合は、表または行に対するデータ・ロックを要求できます。行の共有排他など、数種類のロック・モードから選択できます。

複数のユーザーが同じデータベース・オブジェクトへのアクセスを試みると、デッドロックが発生する可能性があります。たとえば、同じ表を更新するユーザーが2人いる場合、それぞれ相手が現在ロックしている行の更新を試みると待機状態になります。それぞれのユーザーが、相手が使用中のリソースを待つことになるため、Oracleによりデッドロックが解除されるまで、どちらも処理を続行できません。Oracleでは、最低作業量を完了した関連するトランザクションにエラー信号が送られ、「リソース待機の間にデッドロックが検出されました。」というOracleエラー・コードがSQLCAのsqlcodeに戻されます。

1人のユーザーによって問合せが行われている表を、同時に別のユーザーが更新すると、Oracleでは問合せ用の表データの読取り一貫性ビューが生成されます。つまり、ある問合せが開始され、進行していく間、その問合せによって読み込まれたデータは変更されません。更新アクティビティが続行している間、Oracleでは、表データのスナップショットを取り、変更内容をロールバック・セグメントに記録します。Oracleでは、ロールバック・セグメント内の情報に基づいて、読取り一貫性のある問合せ結果が作成され、必要に応じて変更内容が取り消されます。