この項ではSQLDAのデータ構造を詳しく説明します。SQLDAの宣言方法、格納されている変数、初期化の方法、プログラム内での使用方法を理解できます。
選択リスト項目の数またはバインド変数のプレースホルダの数が不明の動的SQL文には、方法4を使用する必要があります。このような動的SQL文を処理するには、プログラムでSQLDA (記述子とも呼ばれます)を明示的に宣言する必要があります。記述子はそれぞれ構造体になっています。記述子はプログラムにコピーまたはハードコードする必要があります。
選択記述子には、選択リスト項目の記述、選択リスト項目の名前および値が格納されている出力バッファのアドレスが保持されます。
注意:
選択リスト項目の名前には、列名、列の別名あるいはsal + comm などの式のテキストを指定できます。
バインド記述子には、バインド変数と標識変数の記述、およびバインド変数と標識変数の名前と値が格納されている入力バッファのアドレスが保持されます。
プログラムにアクティブな動的SQL文が2つ以上ある場合は、それぞれの文が専用のSQLDAを持つ必要があります。別の名前で任意の数のSQLDAを宣言できます。たとえば、sel_desc1、sel_desc2およびsel_desc3という名前を付けて3つの選択SQLDAを宣言すると、同時にOPENされている3つのカーソルからFETCHできます。ただし、非並行のカーソルではSQLDAを再利用できます。
SQLDAを宣言するには、sqlda.h
ヘッダー・ファイルをインクルードします。SQLDAの内容は、次のとおりです。
struct SQLDA { long N; /* Descriptor size in number of entries */ char **V; Ptr to Arr of addresses of main variables */ int *L; /* Ptr to Arr of lengths of buffers */ short *T; /* Ptr to Arr of types of buffers */ short **I; * Ptr to Arr of addresses of indicator vars */ long F; /* Number of variables found by DESCRIBE */ char **S; /* Ptr to Arr of variable name pointers */ short *M; /* Ptr to Arr of max lengths of var. names */ short *C; * Ptr to Arr of current lengths of var. names */ char **X; /* Ptr to Arr of ind. var. name pointers */ short *Y; /* Ptr to Arr of max lengths of ind. var. names */ short *Z; /* Ptr to Arr of cur lengths of ind. var. names */ };
SQLDAの宣言後に、次の構文のライブラリ関数SQLSQLDAAlloc()
(Oracle8以前のバージョンではsqlaldt()
に相当)を使用して、記憶域を割り当てます。
descriptor_name = SQLSQLDAAlloc (runtime_context, max_vars, max_name, max_ind_name);
説明:
構文 | 説明 |
---|---|
runtime_context |
ランタイム・コンテキストへのポインタ |
max_vars |
記述子が記述できる選択リスト項目またはプレースホルダの最大数。 |
max_name |
選択リスト名またはプレースホルダ名の最大長。 |
max_ind_name |
オプション指定でプレースホルダ名に付加される標識変数名の最大長。このパラメータはバインド記述子専用です。したがって、選択記述子を割り当てるときは、このパラメータを0(ゼロ)に設定します。 |
記述子の他に、SQLSQLDAAlloc()
は記述子変数が指すデータ・バッファも割り当てます。
関連項目:
SQLSQLDAAlloc()
の詳細は、SQLDA変数の使用についてを参照してください。
図15-1に、変数がSQLSQLDAAlloc()
コール、DESCRIBEコマンド、FETCHコマンドまたはプログラム割当てのうち、どの方法で設定されるかを示します。