この章では、Oracle Database 12cの新しいネットワーキング機能について説明し、関連項目も示します。この章の内容は次のとおりです。
Oracle Database 12cリリース1(12.1)の『Oracle Database Net Servicesリファレンス』での変更点は、次のとおりです。
Oracle Net Servicesでの新機能は、次のとおりです。
セッション・データ・ユニット・サイズの拡張
Oracle Netでは、大きなセッション・データ・ユニット(SDU)サイズがサポートされ、新しい上限は2MBです。アプリケーションの特性に応じて、使用するSDUのサイズを大きくすると、帯域幅遅延積が高く、リソースをホストするネットワークで使用可能なネットワーク帯域幅を効率よく利用できます。
関連項目: SDUの構成の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
拡張ネットワーク圧縮
拡張ネットワーク圧縮は、ネットワーク経由で送信されるデータの量を削減するもう1つの新機能です。sqlnet.ora
ファイルの新しいパラメータにより、圧縮および優先圧縮レベルの選択が可能になります。拡張ネットワーク圧縮は、拡張圧縮オプションの一部として使用できます。
終了クライアントの検出
終了クライアントの検出が強化され、終了した接続の検出にかかる時間が短縮されました。終了クライアントを検出するには、sqlnet.ora
ファイルでSQLNET.EXPIRE_TIMEパラメータを設定する必要があります。システムでTCPのキープアライブ設定のチューニングがサポートされている場合、Oracle Net Servicesでは自動的に強化された検出モデルを使用して、TCPのキープアライブ設定のパラメータをチューニングします。
インテリジェント・クライアント接続
この機能では、接続記述子のアドレス文字列内の応答のないノードへの接続試行の優先度を低くします。この機能を使用するために構成を変更する必要はありません。
プロセス障害用インシデントの生成
プロセス障害の場合、次のOracle Net Servicesコンポーネント用にインシデントが生成されます。
Oracle Net Listener
リスナー制御ユーティリティ(LSNRCTL)
Connection Manager Administration (CMADMIN)
Oracle Connection Managerゲートウェイ(CMGW)
インシデントには、コール・スタックの他に診断情報も含まれています。インシデントの生成と自動診断リポジトリ(ADR)により、クリティカル・エラーのダンプ情報がインシデントに構成されます。ADRが無効の場合、インシデントの生成も無効になります。
登録のための有効ノードのチェック
Oracle Net Listenerにより、データベース・インスタンスからのサービス登録リクエストをスクリーニングできます。データベース・インスタンスが有効ノードで実行されている場合、そのインスタンスはサービスを登録できます。データベース管理者は、有効ノードと除外ノードのリストを指定します。有効ノードのリストでは、インスタンスがそこからサービスをリスナーに登録できるホストおよびサブネットを指定します。除外ノードのリストでは、インスタンスがそこからサービスをリスナーに登録できないホストおよびサブネットを指定します。データベース管理者は、有効ノードのチェックを無効にすることもできます。
デフォルトでは、登録のための有効ノードのチェック(VNCR)は有効で、ローカル・ホストで実行されているインスタンスから登録ができます。サブネットまたはリモート・ホストは、有効ノードのリストで構成する必要があります。この構成は、Oracle Real Application Clustersインストールの一部として、Single Client Access Name (SCAN)リスナーに対して自動的に実行されます。
Oracle Databaseの非推奨機能は次のとおりです。これはOracle Databaseの構成および使用を簡素化するためのものです。
ドメイン認証用のNT LAN Manager (NTLM)プロトコル
NTLMドメイン認証は、Oracle Windowsアダプタから非推奨とされています。NTSアダプタには、Kerberos認証のみが使用されます。
NTLMは、ローカル・ユーザー認証の他、データベース・サービスがローカル・ユーザーとして実行されている場合にも、まだ使用されています。
Oracle Restart
Oracle Restartは、Oracle Grid Infrastructureの一部として提供されます。Oracle RestartはOracle Databaseインスタンス、Oracle NetリスナーおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスを監視して、再起動できます。Oracle Restartはシングル・インスタンスのOracle DatabaseおよびOracle ASMインスタンスの管理だけに制限されており、将来のリリースではサポートされなくなります。Oracle ASMは引き続き、スタンドアロンおよびクラスタ・デプロイメント用のOracle Grid Infrastructureインストールの一部として提供されます。Oracle Restartの非推奨に関する発表とその代替製品の追加情報については、My Oracle Supportノート1584742.1を参照してください。
次のパラメータは非推奨となりました。
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION
関連項目:
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本書に以前まで記載されていた一部の機能は、Oracle Database 12cリリース1(12.1)ではサポート対象外になっています。サポート対象外の機能の完全なリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
Oracle Net接続プーリング
関連項目:
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Oracle Names
関連項目:
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Oracle Net Listenerパスワード
サポートされないパラメータ
次のパラメータは、サポートされなくなりました。
SQLNET.KERBEROS5_CONF_MIT