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Oracle® Databaseプラットフォーム・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72962-10
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A RAWパーティションへの表領域の格納

この付録では、表領域のデータ・ファイルをRAWパーティションに格納するためのシステム構成方法について説明します。

この付録の項目は次のとおりです。


注意:

Oracle RACには、追加の構成ツールが必要になります。論理パーティションの作成およびシンボリック・リンクの割当ての詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。Oracle RAC用のパーティションを作成する場合は、この付録を参照しないでください。

RAWパーティションの概要

表領域のデータ・ファイルは、ファイル・システムまたはRAWパーティションに格納できます。RAWパーティションは、最下位レベルでアクセスされる物理ディスクの一部です。ファイル・システムが配置されているパーティションへの入出力(I/O)と比べ、RAWパーティションへのI/Oではパフォーマンスが約5から10%向上します。

物理ディスクについて

物理ディスクは、ディスク全体を示し、次のように指定します。

\Device\Harddiskx\Partition0

シンボリック・リンク名\\.\PhysicalDrivexは、コンピュータ内のすべてのハード・ディスクに対して、Windowsによって自動的に定義されます。たとえば、3つのハード・ディスクがあるコンピュータには、次のシンボリック・リンクがあります。

\\.\PhysicalDrive0 
\\.\PhysicalDrive1 
\\.\PhysicalDrive2 

これらの名前は、内部的に次のように展開されます。

\\.\PhysicalDrive0 =\Device\Harddisk0\Partition0 
\\.\PhysicalDrive1 =\Device\Harddisk1\Partition0 
\\.\PhysicalDrive2 =\Device\Harddisk2\Partition0 

Partition0は、そのディスク上のパーティション・スキームが何であっても、物理ディスク全体を表す特別なパーティション番号です。Windowsにより、認識しているすべてのディスクの最初のブロックに署名が書き込まれます。ブロックの上書きを防ぐために、Oracle Databaseでは、Oracle Databaseデータ・ファイルに使用される物理RAWパーティションの最初のブロックがスキップされます。


注意:

物理ディスクを使用することもできますが、論理パーティションの使用をお薦めします。

論理パーティションについて

論理パーティションは、\Device\Harddiskx\Partition0以外のドライブを示します。論理パーティションには、ドライブ名(\\.\drive_letter:)の付いた名前が最初に割り当てられ、シンボリック・リンク名(\\.\symbolic link name)が再度割り当てられるのが一般的です。たとえば、\\.\D:にシンボリック・リンク名\\.\ACCOUNTING_1が割り当てられているとします。ドライブ名とシンボリック・リンク名のいずれが使用されているかにかかわらず、論理パーティションはディスク全体ではなくディスク内の特定のパーティションを表すように定義されます。これらの名前は、内部的に次のように展開されます。

\\.\D:= \Device\Harddisk2\Partition1 
\\.\ACCOUNTING_1= \Device\Harddisk3\Partition2 

注意:

Oracle Databaseでは、Oracle Databaseデータ・ファイルに使用される論理RAWパーティションの最初のブロックはスキップされません。

物理ディスクと論理パーティションに関する考慮事項について

使用するRAWパーティションを決定する際に、次のことを考慮してください。

  • 物理ディスクは、ディスク全体を表すようWindowsによって自動的に定義されます。ユーザーが定義することはできません。

  • 論理パーティションは、ディスク内の特定のパーティションを表すようにユーザーが定義する必要があります。これらのパーティションは、拡張パーティションに含まれる論理パーティションまたはドライブにしてください。Partition0として定義することはできません。

  • ディスク全体(Partition0)をOracle Databaseデータ・ファイルに使用することと、ディスク全体を占めるパーティションをOracle Databaseデータ・ファイルに使用することは同じことではありません。1つのパーティションがディスク全体を占めている場合でも、ディスクにはパーティションに含まれていないわずかな領域が残っています。

  • ディスク全体(Partition0)をOracle Databaseデータ・ファイル用に使用する場合は、Windowsが提供する定義済の物理RAW名を使用します。

  • 特定のパーティションを使用し、そのパーティションがディスク全体を占める場合は、論理パーティションを使用します。

  • Windowsディスク管理ツールで作成した特定のパーティションを使用する場合は、(ディスク全体を占める場合でも)論理パーティション番号ではなくシンボリック・リンク名を定義して使用します。


注意:

物理RAW規則および論理RAW規則のいずれの場合も、バックアップ処理のためにRAWパーティションの内容を標準ファイル・システムに転送するにはOCOPYを使用します。

互換性の問題について

論理パーティションを作成し、それらの論理パーティションに物理ディスク規則名を定義できます。次に例を示します。

\\.\PhysicalDriveACCOUNTING_1 = \Device\Harddisk2\Partition1 
\\.\PhysicalDriveACCOUNTING_2 = \Device\Harddisk3\Partition1 

Oracle Databaseでは、実際には論理パーティションであったとしても、物理ディスク規則を使用してデータ・ファイルを処理します。物理ディスク・ネーミング規則を使用しているかぎり、これによってデータが壊れたり失われたりすることはありません。できるだけ早い時期に論理パーティション規則に変換することをお薦めします。

Partition0を表す論理名も作成できますが、これはお薦めしません。次に例を示します。

\\.\ACCOUNTING_1 = \Device\Harddisk1\Partition0 

これは重大な問題を引き起こします。ディスク管理は通常、各ディスクの最初のブロックにシグネチャを書き込むため、データ・ファイルのヘッダー部分が上書きされる可能性があります。これによってデータの損失が発生する可能性もあります。Partition0を論理パーティション規則と組み合せて使用しないようにしてください。

物理的なレベルで行う規則では余分なブロックは処理されないため、物理パーティション規則と論理パーティション規則との間に互換性はありません。これは、パーティションの内容に互換性がないため、OCOPYを使用して物理ディスクから論理パーティションにコピーすることはできないことも意味します。

物理規則から論理規則に変換するには、次のようにします。

  1. (ローカル)ファイル・システムに全データベースのエクスポートを実行します。

  2. 論理パーティションを作成し、これらのパーティションに論理名を定義します。

  3. 新しい論理パーティションを使用してデータベースを再作成します。

  4. 新しく作成したデータベースに全データベースのインポートを実行します。

データベースのインストールで論理パーティションに物理ディスク規則を使用している場合は、前述の手順に従ってできるだけ早い時期に論理パーティション規則に変換することをお薦めします。


関連項目:

拡張パーティションと論理パーティションの作成の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

Oracle Automatic Storage Managementのディスクの構成

ダイレクト・アタッチド・ストレージ(DAS)またはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)でOracle Automatic Storage Managementを使用するには、asmtoolまたはasmtoolg(GUIバージョン)を使用して、ディスクにヘッダーを付ける必要があります。


関連項目:

asmtoolgまたはasmtoolgの使用に関する説明は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』に記載されている、Oracle Automatic Storage Managementを実施するためのディスクの手動設定に関する項を参照してください。

DASディスクまたはSANディスクにはそれぞれ、1つずつパーティション表が必要です。ディスクごとに、全体を含むパーティションを1つのみ作成することをお薦めします。Microsoft Computer Managementまたはコマンドライン・ツールdiskpartを使用して、パーティションを作成することをお薦めします。パーティションの作成が完了したら、asmtoolgまたはasmtoolを実行してください。これらのツールは、ディスクに意味のある永続的な名前を関連付けることによって、Oracle Automatic Storage Managementでこれらのディスクを使用しやすくします。Oracle Automatic Storage Managementではディスクのグループを一目見てすぐに処理できるようにディスク文字列が使用されるため、asmtoolで名前を作成しておくと、Windowsのドライブ名を使用するときよりもディスクを扱いやすくなります。asmtoolで作成したディスク名には必ず、接頭辞ORCLDISKが先頭に付加され、区別が付くようになっています。

Oracle Automatic Storage Managementでは、ディスク検出時に検索パスとして、初期化パラメータASM_DISKSTRINGの値を使用します。ASM_DISKSTRINGのデフォルト値は、\\.\ORCLDISKnです。別の検索パスを使用する場合は、このパラメータに別の値を指定する必要があります。


関連項目:

Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド