自動ワークロード・リポジトリ(AWR)を使用して、Oracle RACデータベースに関連するパフォーマンスの統計を監視できます。AWRでは、パフォーマンス・データのスナップショットを1時間ごとに自動生成し、統計をワークロード・リポジトリに収集します。Oracle RAC環境では、AWRの各スナップショットがクラスタ内のすべてのアクティブなインスタンスからデータを取得します。取得される各スナップショット・セットのデータは、同じ時点のものです。AWRでは、すべてのインスタンスのスナップショット・データが同じ表に格納され、データはインスタンス修飾子で識別されます。たとえば、BUFFER_BUSY_WAIT
統計では、各インスタンスのバッファ待機の数が示されます。AWRでは、クラスタ全体から集計されるデータは格納されません。つまり、データは各インスタンスごとに個別に格納されます。
Automatic Database Diagnostic Monitor(ADDM)を使用すると、Oracle Databaseにおいて考えられるパフォーマンス上の問題がないか、AWRで収集された情報を分析できます。ADDMでは、クラスタ全体の観点からパフォーマンス・データを表示するため、全体的なパフォーマンス分析が可能です。Oracle RAC環境では、ADDMは、すべてのインスタンスから収集されたデータを使用してパフォーマンスを分析し、次のような様々なレベルの粒度で表示できます。
クラスタ全体の分析
特定のデータベース・インスタンスの分析
データベース・インスタンスのサブセットの分析
これらの分析を行うには、ADDMアドバイザをOracle RACのADDMのモードで実行してクラスタ全体の分析を行うか、ローカルADDMのモードで個々のインスタンスのパフォーマンスを分析するか、または部分ADDMモードでインスタンスのサブセットを分析します。Oracle Enterprise Managerのアドバイザ・セントラルまたはDBMS_ADVISOR
パッケージおよびDBMS_ADDM
PL/SQLパッケージを介したアドバイザ・フレームワークを使用して、ADDM分析をアクティブ化します。
関連項目:
AWRおよびADDMの詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。
Oracle Enterprise Managerを使用したグローバルおよびローカルADDMデータへのアクセス方法と分析方法の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。
DBMS_ADVISOR
およびDBMS_ADDM
パッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。