この項では、Windowsシステム環境で共有またはローカルOracleホームをクローニングして、既存のOracle RAC環境にノードを追加する方法について説明します。
Oracle DatabaseとOracle RACソフトウェアをクローニングするには、次の手順を実行します。
ローカルOracleホームがある場合は、ZIPユーティリティを使用して、既存ノードでOracle RACを含むOracle Databaseホームのアーカイブを作成し、それを新規ノードにコピーします。それ以外の場合は、次の手順に進みます。
ZIPファイルのOracle DatabaseとOracle RACのホームのファイルを、新規ノードで同じディレクトリ(既存ノードでOracle RACとともにOracle Databaseホームが配置されていた場所)に解凍します。たとえば、新規ノードのコピー先のOracle RACのホームの場所を%ORACLE_HOME%とします。
新規ノードで、%ORACLE_HOME%\clone\binディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します(ここで、Oracle_HomeはOracle Databaseホーム、Oracle_Home_NameはOracle Databaseホームの名前、Oracle_BaseはOracleベース・ディレクトリ、user_nameはクローニングされるOracleホームのOracleホーム・ユーザー(管理者以外のユーザー)の名前、existing_nodeは既存のノードの名前、new_nodeは新規ノードの名前です)。
perl clone.pl ORACLE_HOME=Oracle_Home ORACLE_BASE=Oracle_Base ORACLE_HOME_NAME=Oracle_Home_Name ORACLE_HOME_USER=user_name -O 'CLUSTER_NODES={existing_node,new_node}' -O LOCAL_NODE=new_node
Oracle RACを含む共有Oracle Databaseホームがある場合は、コマンドに-cfsオプションを追加し、Oracleホームが共有されていることを示します。次に例を示します。
perl clone.pl ORACLE_HOME=Oracle_Home ORACLE_BASE=Oracle_Base ORACLE_HOME_NAME=Oracle_Home_Name ORACLE_HOME_USER=user_name -O 'CLUSTER_NODES={existing_node,new_node}' -O LOCAL_NODE=new_node [-cfs -noConfig]
注意:
セキュアなOracleホームをクローニングする場合にのみ、ORACLE_HOME_USERが必須です。
-cfsおよび-noConfigオプションは、Oracle RACを含む共有Oracle Databaseホームに使用します。
ORACLE_HOME_NAMEパラメータの値は、クローニングするノードの値である必要があります。ORACLE_HOME_NAMEを取得するには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\oracle\KEY_OraCRs12c_home1の下のORACLE_HOME_NAMEパラメータ・キーを、クローニングするノードのレジストリで検索します。
既存ノードで、%ORACLE_HOME%\oui\binディレクトリから次のコマンドを実行し、Oracle_homeで指定されるOracle RACを含むOracle Databaseホームのインベントリを更新します。existing_nodeは既存ノードの名前、new_nodeは新規ノードの名前です。
setup.exe -updateNodeList ORACLE_HOME=Oracle_home "CLUSTER_NODES= {existing_node,new_node}" LOCAL_NODE=existing_node
クローニングしたノードから、DBCAを実行して、新規ノードにOracle RACデータベース・インスタンスを追加します。