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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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13.2.1 Enterprise Managerを使用したワークロード・リプレイ・レポートへのアクセス

この項では、Oracle Enterprise Managerを使用してワークロードのリプレイ・レポートを生成する方法について説明します。

ワークロードのリプレイ・レポートを生成するための主ツールは、Oracle Enterprise Managerです。なんらかの理由でOracle Enterprise Managerが使用できない場合は、「APIを使用したワークロードのリプレイ・レポートの生成」で説明されているように、APIを使用してワークロードのリプレイ・レポートを生成できます

Enterprise Managerを使用したワークロード・リプレイ・レポートにアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Manager Cloud Controlコンソールの「エンタープライズ」メニューで、「クオリティ管理」「データベース・リプレイ」の順に選択します。

    「データベース・ログイン」ページが表示されたら、管理者権限のあるユーザーとしてログインします。

    「データベース・リプレイ」ページが表示されます。

  2. 「リプレイ・タスク」タブをクリックして、レポートにアクセスするリプレイを選択します。
  3. 「レポート」タブをクリックして、個別のレポートにアクセスします。

    完了したワークロードのリプレイに対して表示できるレポートには、次の数種類があります。

    • データベース・リプレイ

      このレポートは、リプレイの相違およびワークロード・プロファイルを含む表形式の完全なリプレイ統計を表示する場合に使用します。

    • 期間比較ADDM

      このレポートは、1つのワークロード・リプレイとその取得、または同じ取得の別のリプレイとの高レベルの比較を実行する場合に使用します。このレポートでは、5分以上のデータベース時間を含むワークロード・リプレイのみを比較できます。

      レポートの次のセクションを調べ、2つの期間の間のパフォーマンス変化とその変化の原因を把握します。

      • 概要

        レポートのこの部分に、両方の期間に共通するSQL文の平均的なリソース消費に基づいて基本期間および比較期間を比較できるSQLの共通性が表示されます。

        100%の共通性とは、両方の期間でのワークロードの署名が同一であることを示します。リプレイ中のワークロードが同じ(リプレイ・フィルタを使用していないと想定)であるので、このような場合に100%の共通性が期待されます。0%の値は、特定のワークロード・ディメンションについて2つの期間に共通するものがないことを示します。

        共通性は入力タイプ(つまり実行されているSQL)と、実行中のSQL文の負荷に基づいています。つまり、ある期間でのみ実行されるが、時間がかからないSQL文は共通性に影響を与えません。そのため、一部のSQL文が2つの期間のいずれかでのみ実行されている場合でも、それらのSQL文が多くのリソースを消費していない条件で2つのワークロードの100%の共通性を確保できます。

      • 構成

        表示される情報には、インスタンス、ホストおよびデータベース別に分類された各種パラメータのベース期間と比較期間の値が含まれます。

      • 結果

        結果にパフォーマンスの向上が示され、システム変更による主なパフォーマンスの差異を識別できる可能性があります。原因を把握してこれを解決すると、マイナスの結果が解消されます。

        基本期間および比較期間に表示される値は、データベース時間に関するパフォーマンスを表します。

        「影響の変更」の値は、ある期間から別の期間のパフォーマンスの変化の規模の測定値を表します。これは、それぞれの期間で消費したデータベースの合計時間によって測定した問題またはアイテムに適用できます。絶対値は降順でソートされます。

        値がプラスの場合は増加、マイナスの場合は減少を示します。たとえば、影響の変化が200%の場合は、期間2が期間1より3倍低速であることを意味します。

        ADDMおよびSQLチューニング・アドバイザなどのパフォーマンス・チューニング・ツールを実行して、比較期間の問題を修正し、全体的なシステム・パフォーマンスを向上させることができます。

      • リソース

        表示される情報は、両方の期間のデータベース時間分割のサマリーと、CPU、メモリー、I/Oおよび相互接続のリソース使用率を示します(Oracle RACのみ)。

    • SQLパフォーマンス・アナライザ

      このレポートは、ワークロード取得のSQLチューニング・セットを、ワークロード・リプレイの別のSQLチューニング・セットと、または2つのワークロード・リプレイの2つのSQLチューニング・セットと比較する場合に使用します。SQLチューニング・セットをデータベース・リプレイと比較すると、SQL文ごとにすべての実行計画が検討され、表示されるのに対し、SQLパフォーマンス・アナライザのテスト実行では、SQLを試行するごとに1SQL文につき1つの実行計画しか生成されないため、前者の方がより多くの情報が得られます。

    • リプレイの期間比較レポート

      このレポートは、1つのワークロード・リプレイのAWRデータをその取得、または同じ取得の別のリプレイと比較する場合に使用します。このレポートを実行する前に、取得またはリプレイしたワークロードのAWRデータを事前にエクスポートしておく必要があります。

      このレポートの使用方法の詳細は、「リプレイの期間比較レポートの確認」を参照してください。リプレイの期間比較レポートの解釈方法の詳細は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

    • リプレイASH分析

      リプレイASH分析レポートには、ドロップダウン・メニューで選択したカテゴリにリプレイされたワークロードの指定した期間のアクティブ・セッション履歴(ASH)情報が含まれます。このレポートを実行する前に、取得またはリプレイしたワークロードから事前にAWRデータをエクスポートしておく必要があります。

      チャートには、待機クラスのワークロード・アクティビティ・ブレークダウン値が表示され、システムに悪影響を与えているトップ・アクティビティ・セッションの詳細な統計が示されます。

      システム・アクティビティのグラフィカル・ビューを表示するには、オプションでロード・マップを使用できます。ロード・マップは、選択した期間内でアクティビティの変更を時系列で確認しない場合に1次元または多次元レイアウトのアクティビティを表示する際に役立ちます。

      このレポートの詳細は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。