SQLパフォーマンス・アナライザを実行する前に、分析対象のSQLワークロードを表すSQL文のセットを本番システムで取得します。
取得したSQL文には、次の情報が含まれています。
SQLテキスト
実行環境
SQL文を実行し、正確な実行統計を生成するために必要なバインド値であるSQLバインド
SQL文をコンパイルできる解析スキーマ
SQL文が実行される、初期化パラメータが含まれているコンパイル環境
SQL文の実行回数
SQLワークロードの取得は、本番システムのパフォーマンスにごくわずかな影響を与えますが、スループットには影響を与えません。より多くのSQL文が含まれているSQLワークロードでは、アプリケーションまたはデータベースの状態がよりよく表示されます。これによって、システム変更がSQLワークロードに与える可能性がある影響をSQLパフォーマンス・アナライザでより正確に予測できるようになります。そのため、可能なかぎり多くのSQL文を取得する必要があります。アプリケーションでコールされているすべてのSQL文またはデータベースで実行されているすべてのSQL文のいずれかを取得することをお薦めします。
取得したSQL文をSQLチューニング・セットに格納し、SQLパフォーマンス・アナライザの入力ソースとして使用できます。SQLチューニング・セットは、1つ以上のSQL文がその実行統計および実行コンテキストとともに含まれているデータベース・オブジェクトです。SQL文は、カーソル・キャッシュ、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)、SQLトレース・ファイル、既存のSQLチューニング・セットなどの様々なソースからSQLチューニング・セットにロードできます。SQLチューニング・セットを使用してSQLワークロードを取得すると、次のことができます。
単一の永続データベース・オブジェクトへのSQLテキストおよび必要な補助情報の格納
SQLチューニング・セット内の取得済SQL文の移入、更新、削除および選択
自動ワークロード・リポジトリ(AWR)やカーソル・キャッシュなどの様々なデータ・ソースからのコンテンツのロードおよびマージ
SQLワークロードを取得したシステムからのSQLチューニング・セットのエクスポート、および別のシステムへのSQLチューニング・セットのインポート
SQLチューニング・アドバイザやSQLアクセス・ アドバイザなどの他のアドバイザへの入力ソースとしてのSQLワークロードの再使用
関連項目:
Oracle Enterprise Managerを使用したSQLチューニング・セットの作成については、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。
APIを使用したSQLチューニング・セットの作成の詳細は、『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。