リプレイ・クライアントはマルチスレッド化されたプログラム($ORACLE_HOME/bin
ディレクトリにあるwrc
という名の実行可能ファイル)で、スレッドごとに取得済セッションからワークロードを発行します。リプレイが開始される前に、データベースはリプレイ・クライアントの接続を待機します。この時点で、リプレイ・クライアントを設定して起動する必要があり、このリプレイ・クライアントがリプレイ・システムに接続し、ワークロードに取得された内容に基づいてリクエストを送信します。
リプレイ・クライアントを開始する前に、次の項目を確認します。
リプレイ・クライアント・ソフトウェアが実行場所のホストにインストールされていること
リプレイ・クライアントがリプレイ・ディレクトリにアクセスできること
リプレイ・ディレクトリに事前処理された取得済のワークロードが含まれていること
リプレイ・ユーザーが正しいユーザーID、パスワードおよび権限を持っていること(リプレイ・ユーザーにはDBAロールが必要であり、SYS
ユーザーはリプレイ・ユーザーになることができない)
リプレイ・クライアントは、データベースが実行されているシステムでは起動しません。
リプレイ・クライアントは、データベース・ファイルが存在しているファイル・システムとは別のファイル・システム上の取得ディレクトリを読み取ります。
このため、取得ディレクトリをリプレイ・クライアントが実行されるシステムにコピーします。リプレイの完了後、取得ディレクトリは削除できます。
これらの前提条件を満たしたら、wrc
実行可能ファイルを使用してリプレイ・クライアントの設定および起動に進むことができます。wrc
実行可能ファイルでは、次の構文を使用します。
wrc [user/password[@server]] MODE=[value] [keyword=[value]]
パラメータuser
、password
、およびserver
は、リプレイ・データベースへの接続に使用するユーザー名、パスワード、および接続文字列を指定します。パラメータmode
は、wrc
実行可能ファイルの実行モードを指定します。使用可能な値はreplay
(デフォルト)、calibrate
、およびlist_hosts
です。パラメータkeyword
は、実行に使用するオプションを指定し、これは選択したモードにより異なります。使用可能なキーワードおよび対応する値を表示するには、引数なしでwrc
実行可能ファイルを実行します。
次の項では、wrc
実行可能ファイルの実行時に選択できるモードについて説明します。