この項では、リリースが異なるエクスポート・ユーティリティおよびOracle Databaseを使用することに関連した互換性の問題について説明します。
異なるリリースのOracle Database間でデータを移動するときは、必ず次の基本的な規則に従います。
インポート・ユーティリティとデータのインポート先データベース(ターゲット・データベース)は同じバージョンである必要があります。たとえば、インポート・ユーティリティ9.2.0.7を使用して9.2.0.8のデータベースにインポートしようとすると、エラーが発生する場合があります。
エクスポート・ユーティリティのバージョンは、ソースまたはターゲット・データベースの古い方のバージョンに合わせる必要があります。
たとえば、新しいリリースのデータベースにインポートするためにエクスポート・ファイルを作成する場合は、ソース・データベースと同じエクスポート・ユーティリティのバージョンを使用します。一方、古いリリースのデータベースにインポートするためのエクスポート・ファイルを作成する場合は、ターゲット・データベースのバージョンと同じバージョンのエクスポート・ユーティリティを使用します。
通常は、Oracle8リリースのエクスポート・ユーティリティを使用して、Oracle9iサーバーからエクスポートし、Oracle8エクスポート・ファイルを作成できます。
異なるリリースのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティを使用する場合、次の制限があります。
エクスポート・ダンプ・ファイルは、特別なバイナリ形式で格納されているため、インポート・ユーティリティによる読取り専用です。
すべてのエクスポート・ダンプ・ファイルは、上位リリースのOracle Databaseにインポートできます。
インポート・ユーティリティでは、上位のメンテナンス・リリースまたはバージョンのエクスポート・ユーティリティで作成されたエクスポート・ダンプ・ファイルの読取りはできません。たとえば、リリース9.2のエクスポート・ダンプ・ファイルは、リリース9.0.1のインポート・ユーティリティではインポートできません。
下位バージョンのエクスポート・ユーティリティを上位バージョンのOracle Databaseで実行すると、下位バージョンに存在しないデータベース・オブジェクトのカテゴリは、常に、エクスポートから除外されます。
Oracle9iのエクスポート(ダイレクト・パスまたは従来型パス)によって生成されたエクスポート・ファイルは、以前のリリースのインポート・ユーティリティと互換性がありません。したがって、インポートにはOracle9iのインポートのみを使用できます。下位互換性が問題になる場合は、Oracle9iデータベースよりも古いリリースのエクスポート・ユーティリティを使用してください。
表23-5に、異なるリリースのOracle Database間でデータを移動させる場合に使用するエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティのリリースの例を示します。
表23-5 リリースが異なるエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティの使用
エクスポート元>インポート先 | 使用するエクスポート・ユーティリティのリリース | 使用するインポート・ユーティリティのリリース |
---|---|---|
8.1.6 -> 8.1.6 |
8.1.6 |
8.1.6 |
8.1.5 -> 8.0.6 |
8.0.6 |
8.0.6 |
8.1.7 -> 8.1.6 |
8.1.6 |
8.1.6 |
9.0.1 -> 8.1.6 |
8.1.6 |
8.1.6 |
9.0.1 -> 9.0.2 |
9.0.1 |
9.0.2 |
9.0.2 -> 10.1.0 |
9.0.2 |
10.1.0 |
10.1.0 -> 9.0.2 |
9.0.2 |
9.0.2 |
表23-5に、オリジナルのエクスポートおよびインポート・ユーティリティ間のデータ移動を示します。Oracle Database 10gリリース1 (10.1)以上では、ほとんどの場合にデータ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポート・ユーティリティを使用することをお薦めします。これらのユーティリティは、オリジナルのエクスポートおよびインポート・ユーティリティと比較して、パフォーマンスが著しく向上しています。
関連項目:
10.1以上のリリースを含めた異なるリリース間でのデータのエクスポートおよびインポートの詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。