エクスポート・ユーティリティには、次の4種類の操作モードがあります。
全体エクスポート: データベース全体をエクスポートします。EXP_FULL_DATABASE
ロールを所有するユーザーのみが使用できます。FULL
パラメータを使用してこのモードを指定します。
表領域モード: 特権ユーザーが表領域をOracle Database間で移動できます。TRANSPORT_TABLESPACE
パラメータを使用してこのモードを指定します。
ユーザー・モード: 所有するすべてのオブジェクト(表、権限、索引、プロシージャなど)をエクスポートできます。特権ユーザーがユーザー・モードでインポートする場合、指定したユーザー・グループのユーザーのスキーマにあるすべてのオブジェクトをインポートできます。エクスポート・ユーティリティでOWNER
パラメータを使用してこのモードを指定します。
表モード: 特定の表およびパーティションをエクスポートできます。特権ユーザーは、インポートする表を含むスキーマを指定して、その表を修飾できます。スキーマ名が指定されていない表は、デフォルトでエクスポート実行者のスキーマ名になります。TABLES
パラメータを使用してこのモードを指定します。
表22-1に、各モードでエクスポートおよびインポートされるオブジェクトのリストを示します。
注意:
遅延セグメント作成によって作成された表に、作成されたセグメントがない場合、オリジナルのエクスポート・ユーティリティではエクスポートされません。セグメントを作成する最も一般的な方法は表に行を格納することですが、ALTER TABLE ALLOCATE EXTENTS
のような他の操作では、セグメントも作成されます。セグメントが存在する表をエクスポートすると、SEGMENT CREATION DEFERRED
句は、オリジナルのインポート・ユーティリティによって実行されるCREATE TABLE
文に含まれません。
従来型パス・エクスポートまたはダイレクト・パス・エクスポートを使用すると、表領域モード以外のどのモードでもエクスポートできます。従来型パス・エクスポートとダイレクト・パス・エクスポートの違いについては、「従来型パス・エクスポートとダイレクト・パス・エクスポート」を参照してください。
表22-1 各モードでエクスポートされるオブジェクト
オブジェクト | 表モード | ユーザー・モード | 全データベース・モード | 表領域モード |
---|---|---|---|---|
分析クラスタ |
なし |
あり |
あり |
なし |
分析表/統計 |
あり |
あり |
あり |
あり |
アプリケーション・コンテキスト |
なし |
なし |
あり |
なし |
監査情報 |
あり |
あり |
あり |
なし |
Bツリー索引、ビットマップ索引、ドメイン・ファンクション索引 |
あり脚注1 |
あり |
あり |
あり |
クラスタ定義 |
なし |
あり |
あり |
あり |
列コメントおよび表コメント |
あり |
あり |
あり |
あり |
データベース・リンク |
なし |
あり |
あり |
なし |
デフォルト・ロール |
なし |
なし |
あり |
なし |
ディメンション |
なし |
あり |
あり |
なし |
ディレクトリ別名 |
なし |
なし |
あり |
なし |
外部表(データなし) |
あり |
あり |
あり |
なし |
外部関数ライブラリ |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の所有者以外のユーザーが所有する索引 |
あり(特権ユーザーのみ) |
あり |
あり |
あり |
索引タイプ |
なし |
あり |
あり |
なし |
JavaリソースおよびJavaクラス |
なし |
あり |
あり |
なし |
ジョブ・キュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
ネストした表のデータ |
あり |
あり |
あり |
あり |
オブジェクト権限 |
あり(表および索引のみ) |
あり |
あり |
あり |
表で使用されるオブジェクト型定義 |
あり |
あり |
あり |
あり |
オブジェクト型 |
なし |
あり |
あり |
なし |
演算子 |
なし |
あり |
あり |
なし |
パスワード履歴 |
なし |
なし |
あり |
なし |
インスタンスの事後処理およびオブジェクト |
なし |
なし |
あり |
なし |
スキーマの事後プロシージャ処理およびオブジェクト |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の事後処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表の事後プロシージャ処理およびオブジェクト |
あり |
あり |
あり |
あり |
スキーマの事前プロシージャ・オブジェクトおよび処理 |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の事前処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表の事前プロシージャ処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
プライベート・シノニム |
なし |
あり |
あり |
なし |
プロシージャ・オブジェクト |
なし |
あり |
あり |
なし |
プロファイル |
なし |
なし |
あり |
なし |
パブリック・シノニム |
なし |
なし |
あり |
なし |
参照整合性制約 |
あり |
あり |
あり |
なし |
リフレッシュ・グループ |
なし |
あり |
あり |
なし |
リソース・コスト |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロール権限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロール |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロールバック・セグメント定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表のセキュリティ・ポリシー |
あり |
あり |
あり |
あり |
順序番号 |
なし |
あり |
あり |
なし |
スナップショット・ログ |
なし |
あり |
あり |
なし |
スナップショットおよびマテリアライズド・ビュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
システム権限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表制約(主キー制約、一意制約、CHECK制約) |
あり |
あり |
あり |
あり |
表データ |
あり |
あり |
あり |
あり |
表定義 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表領域定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表領域の割当て制限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
トリガー |
あり |
あり脚注2 |
あり脚注3 |
あり |
他のユーザーが所有するトリガー |
あり(特権ユーザーのみ) |
なし |
なし |
なし |
ユーザー定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
ユーザー・プロキシ |
なし |
なし |
あり |
なし |
ユーザー・ビュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
ユーザー・ストアド・プロシージャ、ユーザー・ストアド・パッケージおよびユーザー・ストアド・ファンクション |
なし |
あり |
あり |
なし |
脚注1
非特権ユーザーがエクスポートおよびインポートできるのは、そのユーザー自身が所有する表に関する索引のみです。他のユーザーが所有する表に関する索引や、ユーザー自身が所有する表に関して他のユーザーが作成した索引はエクスポートできません。特権ユーザーは、エクスポートおよびインポート対象に指定したユーザーの表に関する索引が、表の所有者以外のユーザーが作成したものであっても、その索引をエクスポートおよびインポートできます。指定したユーザーが他のユーザーの表に関する索引を所有しているときは、エクスポートするユーザーのリストに表の所有者であるユーザーを指定しないかぎり、その索引はエクスポートされません。
脚注2
特権ユーザーも非特権ユーザーも、そのユーザー自身が所有するすべてのトリガーを(他のユーザーが所有する表に関するトリガーの場合でも)、エクスポートおよびインポートできます。
脚注3
全体エクスポートでは、スキーマSYSが所有するトリガーはエクスポートされません。SYSトリガーは、全体インポートの前後のいずれかに手動で再作成する必要があります。このトリガーによってインポートの進行を妨げるような処理が定義されないように、インポートの後に再作成することをお薦めします。