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Oracle® Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71300-05
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1 概要

Oracle Database管理者(DBA)は、Oracle Databaseのパフォーマンスを適切に保つ責任があります。データベースをチューニングして要求されるパフォーマンス・レベルを満たすことは、特に新しくOracle Databaseを使用することになったDBAにとって難しい問題です。『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』は、Oracle Diagnostics Pack、Oracle Tuning PackおよびOracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)で用意されている機能を使用して、日常のデータベース・パフォーマンス・チューニング・タスクの実行方法を学習するクイック・スタート・ガイドです。

この章の内容は次のとおりです。

このマニュアルについて

このマニュアルを使用する前に、次のことを行っておく必要があります。

  • Oracle Databaseの管理について理解しておきます。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • データベースをチューニングするツールに示されている必要な製品およびツールの入手。

『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』はタスク指向です。チューニング・タスクの実行が必要な理由および時期について説明することを目的としています。

このマニュアルでは、Oracle Databaseのあらゆる概要について包括的に説明してはいません。このような情報については、『Oracle Database概要』を参照してください。

このマニュアルでは、基本的なOracle Databaseの管理タスクについては説明していません。このような情報については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

このガイドで使用する主なインタフェースはEnterprise Manager Cloud Controlコンソールです。このマニュアルでは、Oracle Databaseのパフォーマンスに関するすべてのチューニング機能については説明していません。また、このマニュアルで説明しているチューニング・オプションと同等である、使用可能なアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)についても説明していません。このような情報については、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』および『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。

Oracle DBAの一般的なタスク

Oracle DBAとして、次のタスクに関わることが予想されます。

  • Oracleソフトウェアのインストール

  • Oracle Databaseの作成

  • 新しいリリースへのデータベース・ソフトウェアのアップグレード

  • データベースの起動および停止

  • データベースの記憶域構造の管理

  • ユーザー・アカウントおよびセキュリティの管理

  • 表、索引、ビューなどのスキーマ・オブジェクトの管理

  • データベースのバックアップおよびリカバリの実行(必要時)

  • データベースの状況の事前の監視および予防または修正アクションの実行(必要な場合)

  • データベースのパフォーマンスの監視およびチューニング

このマニュアルでは、前述のリストの最後の2つのタスクを実行する方法を説明します。

データベースをチューニングするツール

このマニュアルは、Oracle Databaseのパフォーマンスを迅速で効率的にチューニングおよび最適化することを目的としています。

このマニュアルを使用するには、次の製品、ツール、機能およびユーティリティを入手する必要があります。

  • Oracle Database 12cリリース1 (12.1) Enterprise Edition

    Oracle Databaseは企業クラスのパフォーマンスを持ち、クラスタ・サーバー構成および単一サーバー構成で拡張性および信頼性を備えています。このガイドで使用されている多くのパフォーマンス機能が含まれています。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud Control

    データベースを管理する主要なツールは、Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)のWebベース・インタフェースです。Oracleソフトウェアのインストール、データベースの作成またはアップグレード、およびネットワークの構成後、データベースを管理するCloud Controlを使用できます。さらに、Cloud Controlではパフォーマンス・アドバイザのインタフェース、およびSQL*Loader、Recovery Manager (RMAN)などのデータベース・ユーティリティのインタフェースを使用できます。

  • Oracle Diagnostics Pack

    Oracle Diagnostics Packでは、パフォーマンスのボトルネックの自動識別、解決策の指示、包括的なシステム監視などの独自の機能により、Oracle Database環境のパフォーマンス管理について、完全でコスト効率が高く、簡単に使用できる解決策を提供します。このマニュアルでは、Oracle Diagnostics Packの主要機能である自動ワークロード・リポジトリ(AWR)、自動データベース診断モニター(ADDM)およびアクティブ・セッション履歴(ASH)を使用します。

  • Oracle Database Tuning Pack

    Oracle Database Tuning Packでは、データベースのアプリケーション・チューニング・プロセスを自動化できます。これにより、データベースの管理コストが大幅に抑制されるとともに、パフォーマンスと信頼性が向上します。このガイドで使用されるOracle Database Tuning Packの主要な機能は、次のとおりです。

    • SQLチューニング・アドバイザ

      この機能を使用すると、入力として1つ以上のSQL文を発行し、出力として、文のチューニング方法に関するアドバイスや推奨、各推奨の論理および予測されるメリットを受け取ることができます。推奨事項には、オブジェクトに関する統計の収集、新しい索引の作成、SQL文の再構成、またはSQLプロファイルの作成に関するものがあります。

    • SQLアクセス・アドバイザ

      この機能を使用すると、指定したSQLワークロードに対して適切なマテリアライズド・ビュー、マテリアライズド・ビュー・ログ、索引およびパーティションが推奨されるため、SQL問合せのデータ・アクセス・パスを最適化できます。

  • Oracle Real Applicationテスト

    Oracle Real Applicationテストには、次の主要な機能があります。

    • データベース・リプレイ

      この機能を使用すると、本番システムのデータベース・ワークロードを取得し、同じバージョンまたは新しいバージョンのOracle Database上のテスト・システムで、本番システムと同じタイミングおよび同時実行性でそのデータベース・ワークロードを再生できます。

    • SQLパフォーマンス・アナライザ

      この機能を使用すると、低下または向上したSQL文、あるいは変化なしのSQL文を識別することによって、システム変更がSQLパフォーマンスに及ぼす影響を判断できます。

    これらの機能の使用方法は、『Oracle Database Testingガイド』を参照してください。

注意:

Oracle Diagnostics PackやOracle Database Tuning Packなど、前述の製品およびツールには、個別のライセンスが必要なものがあります。詳細は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。

データベースのホームページのアクセス

データベースのホームページは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)のメインのデータベース管理ページです。Cloud Controlにログイン後、Cloud Controlで管理するターゲット・データベースの、データベース・ホーム・ページに移動します。

Cloud Controlのデータベース・ホーム・ページへアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlを起動します。

    Cloud Controlへのアクセスに使用するURLの構文は次のとおりです。

    http://hostname.domain:portnumber/em

  2. ようこそページで、Cloud Controlユーザー名とパスワードを入力し、「ログイン」をクリックします。
  3. 「ターゲット」メニューから「データベース」を選択します。

    「データベース」ページが表示されます。

  4. データベース・ページで、「検索リスト」を選択し、利用可能なターゲット・データベースを表示します。
  5. 「名前」列で、確認または変更するターゲット・データベースを選択します。

    ターゲット・データベースのホーム・ページが表示されます。「パフォーマンス」メニューなどの一部のメニューのオプションを初めて選択する場合、「データベース・ログイン」ページが表示されます。

  6. ターゲット・データベースのログイン・ページで、該当する権限を持つユーザーとしてログインします。たとえば、SYSDBA権限を持つユーザーSYSとしてログインします。
    • ユーザー名: SYSと入力します。

    • パスワード: SYSユーザーのパスワードを入力します。

    • 接続モード: 「ロール」リストから、SYSDBAを選択します。