この章では、TimesTenをシステムにインストールする前に確認する必要がある構成情報について説明します。内容は次のとおりです。
TimesTenをインストール、構成および削除する手順については、次の項を参照してください。
注意: このマニュアルでは、ExalyticsシステムへのTimesTenのインストールについては説明していません。Exalyticsのマニュアルは、次の場所を参照してください。
|
この章では、インストール後のTimesTenの構成、デモ・アプリケーションの操作、データベースの今回のリリースへの移行、およびTimesTenのドキュメントの表示についても説明します。
この章では、インストール処理中に発生する可能性のある問題のトラブルシューティングに役立つ情報について説明し、ライセンス情報へのリンクを掲載します。
UNIXでは、TimesTenの複数のインスタンスをインストールできます。インスタンスは、原則としてTimesTenのインストールに関連するファイルとプロセスのコレクションです。Windowsでは、TimesTenのいずれかのメジャー・リリースの1つのインスタンスのみをインストールできます(メジャー・リリースはリリース番号の最初の3つの部分(11.2.2など)によって示されます)。たとえば、同じWindowsコンピュータに11.2.1.9.0および11.2.2.5.0の両方をインストールすることはできますが、11.2.2.0.0および11.2.2.5.0の両方をインストールすることはできません。
TimesTen製品は、TimesTenインストール全体のプライベート・コピーを持つ各コンピュータなど、ローカルのプライベート・ディスク記憶域にインストールできます。TimesTenソフトウェアの単一のコピーを共有記憶域にインストールして、このコピーを複数のコンピュータで共有することはできません。
TimesTenのインストール・インスタンスの詳細は、次の項を参照してください。
インスタンスの名前は、TimesTenのインストールに関して必要なすべての情報にアクセスするためのキーになります。
UNIXシステムでは、このリリースのデフォルトのインスタンス名は、32-bitのインストールではtt1122_32
、64-bitのインストールではtt1122_64
です。インスタンス名は大/小文字が区別されません。また、255文字以内の英数字で指定します。アンダースコア(_)またはピリオド(.)は使用できますが、その他の特殊文字を使用することはできません。
同一リリースのTimesTenの中で2つ目のインスタンスをUNIXにインストールする場合は、一意のインスタンス名とポート番号を指定する必要があります。TimesTenのインストーラによって、特定のリリースのTimesTenのインスタンスがシステムに存在しているかどうかが検出され、TimesTenのメイン・デーモンの新しいインスタンス名およびポート番号の入力が求められます。
Windowsでは、インスタンス名は、32-bitのインストールではtt1122_32
、64-bitのインストールではtt1122_64
です。Windowsシステムでは、TimesTenのメジャー・リリース(11.2.2など)ごとのインスタンスは、1つのみです。
TimesTenインストーラでは、インストールするTimesTenのコンポーネントを選択できます。
UNIXでは、次のコンポーネントをインストールできます。また、インストール・スクリプトによって、TimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムおよびTimesTenドキュメント(クイック・スタート・チュートリアル・ページを含む)をインストールするプロンプトが表示されます。
TimesTenがインストールされていて、コンポーネントを追加または削除する場合は、インストーラを実行し、「Upgrade an existing instance」オプションを選択した後、変更するインスタンスを選択します。
Windowsでは、インストール時に適切なチェック・ボックスを選択または選択解除することによって、インストールするコンポーネントを選択できます。デフォルトでは、TimesTen Data Manager Debug Libraries以外のすべてのコンポーネントがインストールされます。
タイプ | 説明 |
---|---|
TimesTen Data Manager | TimesTen Data Managerをインストールします。TimesTen Data Managerをローカルで実行する場合は、このインストールを使用します。 |
TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリ | TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリがインストールされます。特に開発フェーズで使用することによって、発生する可能性のある問題をデバッグすることが可能になります。デフォルトでは、デバッグ・ライブラリはインストールされません。 |
TimesTen Server | TimesTen Data ServerおよびTimesTen Data Managerがインストールされます。 |
TimesTen Client | TimesTen Clientがインストールされます。このインストールを使用して、リモート・コンピュータのTimesTen Serverにアクセスできます。
注意: Windows 64-bitのインストーラには、64-bitのクライアント用と32-bitのクライアント用のオプションがあります。両方をインストールすることも(デフォルト)、いずれか一方をインストールすることも、いずれもインストールしないことも選択できます。 |
TimesTenクイック・スタート | TimesTenクイック・スタートのサンプル・プログラムがインストールされます。 |
TimesTenのドキュメント | TimesTenドキュメント・ライブラリとクイック・スタート・チュートリアル・ページがインストールされます。 |
TimesTenをインストールする前に、該当する要件がご使用のオペレーティング・システムで満たされていることを確認します。
JDBCがサポートされるUNIXおよびWindowsプラットフォームの両方でJDBCを使用するには、コンピュータに適切なバージョンのJDKをインストールしておく必要があります。
また、ファイアウォールに対応するために自動クライアント・フェイルオーバーを使用する場合は、UDPポートまたはポート範囲を指定する必要があることに注意してください。(また、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の「自動クライアント・フェイルオーバーの構成」に関する説明も参照してください。)
重要: TimesTenをTimesTen事前定義済内部ユーザーの名前(GRID 、PUBLIC 、SYS 、SYSTEM またはTTREP )と一致するオペレーティング・システム・ユーザーとしてインストールしないでください。TimesTenをこれらのいずれかの名前のユーザーとしてインストールした場合、一意制約違反エラーによりデータベース作成の試行が失敗します。 |
この項では、プラットフォーム固有の前提条件についても説明します。
一般的に、UNIXシステムでは、次の構成を行う必要があります。
セマフォの数
許容される共有メモリー
また、次の処理も実行する必要があります。
オペレーティング・システムに最新のパッチが適用されていることを確認します。
大規模ファイルを許容するファイル・システムを構成します。
Java環境を構成します。
クライアント/サーバー環境を構成します。
レプリケーションのネットワーク設定を構成します。
次の項では、UNIXシステムで行う必要がある変更の一部について、その概要を示します。また、いくつかの項では、TimesTenでサポートされているそれぞれのUNIXプラットフォームに必要な変更について説明します。
Veritasファイル・システムでは、DurableCommits=1
を使用するTimesTenアプリケーションをインストールする場合、永続性を保証するためにmincache=direct
およびconvosync=direct
オプションを使用します。
dsync
をsync
に変換するオプション、fdatasync
をsync
に変換するオプション、またはO_SYNC
を指定してファイルが開かれるようにすべての書込みを処理するオプションは使用しないでください。
Veritasファイル・システムでは、オプションdiscovered_direct_iosz
およびmax_direct_iosz
をそれぞれ3MBに設定する必要もあります。
ダイレクトI/Oがこのように設定されていないと、TimesTen操作におけるファイル・システムのパフォーマンスが低下する可能性があります。
これらのオプションを設定するには、root
としてログインし、次のコマンドを使用します。
# /usr/sbin/vxtunefs -o discovered_direct_iosz=3145728 # /usr/sbin/vxtunefs -o max_direct_iosz=3145728
TimesTenでは、アクティブ・データベースごとに1セットのセマフォ、クライアント/サーバーが共有メモリーで使用されるTimesTenインスタンスごと1セットのセマフォが使用されます。
各アクティブ・データベースで155のセマフォが使用され、さらに接続ごとに1つのセマフォが使用されます。クライアント/サーバーが共有メモリーで使用されるTimesTenインスタンスごとのセマフォの使用は、接続数に対応し、セマフォ数の最大値は最大接続数より少し大きくなります(TimesTenの内部接続用)。
プラットフォーム固有のセマフォ情報については、「セマフォ(Linux)」および「プロジェクトの作成(Solaris)」を参照してください。AIXでは、セマフォはカーネルにより動的に構成されます。
データベース同時接続の最大数を指定するTimesTenのConnections
属性については、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』の接続に関する説明を参照してください。
この項では、AIXの前提条件について説明します。
必要なパッチ・レベルが適用されたAIXシステムでは、TimesTenでラージ・ページを使用できます。ラージ・ページを使用すると、共有セグメントがメモリーにロックされるため、ページのサイズ設定ができなくなります。ユーザーには、CAP_BYPASS_RAC_VMM
およびCAP_PROPAGATE
機能が必要です。この機能は、root
ユーザーが/etc/security/user
ファイルを編集することによって付与されるか、またはローカルに認証されたユーザーに対して次のコマンドを使用して付与されます。
# chuser capabilities=CAP_BYPASS_RAC_VMM,CAP_PROPAGATE user_id
システムのデフォルトでは、ラージ・ページの物理メモリー・プールにメモリーは割り当てられていません。vmoコマンドを使用すると、ラージ・ページの物理メモリー・プールのサイズを構成できます。次の例では、ラージ・ページの物理メモリー・プールに4GBが割り当てられます。
# vmo -r -o lgpg_regions=256 -o lgpg_size=16777216
共有メモリーにラージ・ページを使用するには、次のコマンドを使用して、SHM_PIN
shmget()
システム・コールを有効にする必要があります。このコールは、システムを再起動した後も有効です。
# vmo -p -o v_pinshm=1
Linuxでは、TimesTenは、Oracle Linux、Asianux、Red Hat Enterprise Linux、MontaVista Linux Carrier Grade EditionおよびSuSE LINUX Enterprise Serverの各リリースでテスト済です。サポートされているリリースの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリリース・ノート』を参照してください。
重要: Oracle DatabaseはMontaVista Linux Carrier Grade Editionをサポートしていないため、このプラットフォーム上のTimesTen機能には大きな制限があります。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリリース・ノート』を参照してください。 |
次の各項では、LinuxシステムにTimesTenをインストールする前に実行する手順を説明します。
Linux共有メモリーは、共有メモリー・セグメントの最大サイズがTimesTenのメイン共有メモリー・セグメントを格納できる十分なサイズとなるように構成する必要があります。このセグメントのサイズを次のように求めます。
PermSize + TempSize + LogBufMB + 64 MB
これらは、TimesTenの固定メモリー領域、一時メモリー領域、およびログ・バッファのサイズを設定するTimesTen接続属性です。(詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』の接続属性に関する説明を参照してください。)また、データベース・ヘッダーを含む64MBのオーバーヘッドが許容されます。
共有メモリー・セグメントの最大サイズを増やすには、root
としてログインし、/etc/sysctl.conf
ファイルを編集してshmmax
メモリー・カーネル・パラメータを更新します。この値はバイト値です。また、システム全体の共有メモリー・セグメントの総サイズを設定するshmall
メモリー・カーネル・パラメータの値を増やすことも必要になる場合があります。この値はページ数で、Linux x86およびx86-64システムでは通常のページ・サイズは4KBです。最小値として、1メモリー・セグメントが必要で、shmall
にshmmax/page_size
以上のサイズ(page_size
を4096バイトに変換)を設定する必要があります。
TimesTenデータベース・サイズ(メイン共有メモリー・セグメント・サイズ)が64GBでその他の共有メモリー・セグメントを必要としない次の例を考慮します。
kernel.shmmax=68719476736 kernel.shmall=16777216
(64 x 1024 x 1024 x 1024 = 68719476736および68719476736 / 4096 = 16777216)
注意: これまでの説明および例では、shmall 値の計算でPL/SQL共有メモリー・セグメントを考慮していません。PL/SQLセグメントのサイズはPLSQL_MEMORY_SIZE 接続属性により決まり、デフォルトは32MBです。比較的小さいサイズのため、通常はメイン共有メモリー・セグメントの未使用オーバーヘッドは十分であり、前述の計算ではPL/SQLセグメントがシステム全体のリミットであるshmall 内に収まります。 |
システムを再起動せずにこれらの値を設定するには、次のコマンドを使用します。
% /sbin/sysctl -p
max seg size
およびmax total shared memory
の値を表示するには、次のコマンドを使用します。
% ipcs -lm
これらの値はそれぞれshmmax
およびshmall
の設定を反映しますが、両方ともKBで表示される点に注意してください。
より効率的なメモリー管理を行うため、ラージ・ページ(LinuxではHugePages)の構成をお薦めします(サポートされている場合)。TimesTenメイン共有メモリー・セグメントのサイズが256GBを超える場合は、HugePagesが必要になります。
HugePagesがサポートされている場合、次のコマンドで表示される値には、HugePages_Total
およびHugePages_Free
などのHugePagesパラメータが含まれます。
% cat /proc/meminfo
HugePagesを構成するには、TimesTenメイン共有メモリー・セグメントのサイズ、システム上のHugePagesサイズ、およびTimesTenメイン・デーモン・プロセスを実行しているユーザー(通常はインスタンス管理者)のグループIDを知っているか、取得する必要があります。
メイン共有メモリー・セグメントの詳細は、前述の共有メモリー(Linux)に関する説明を参照してください。
HugePagesサイズは通常は2MBです。meminfo
出力のHugepagesize
(KB表示)を参照してください。
インスタンス管理者または他の該当するユーザーのグループIDを取得するには、id -g
コマンドを使用します。たとえば、インスタンス管理者myadmin
の場合、次のようにします。
% id -g myadmin
HugePagesを設定するには、次の手順を実行します。
root
ユーザーは/etc/sysctl.conf
ファイルにHugePages値を設定します。
vm.nr_hugepages
: 必要なHugePages数
TimesTenメイン共有メモリー・セグメント・サイズをHugePagesサイズで除算して求めます。
(設定/proc/sys/vm/nr_hugepages
が同等ですが、永続的でないため、推奨されません。)
vm.hugetlb_shm_group
: ユーザーのグループID
TimesTen main共有メモリー・セグメントのサイズが64GB (65536MB)、HugePagesサイズが2MB、インスタンス管理者グループIDが900の例を考慮します。
vm.nr_hugepages = 32768 vm.hugetlb_shm_group = 900
sysctl.conf
を編集した後、動的かつ即時に変更を行うために次のコマンドを実行します。(このコマンドを実行しない場合は、sysctl.conf
への変更はシステムを再起動するまで反映されません。)
% /sbin/sysctl -p
前の例では、meminfo
の値は次のようになります(2048KBは2MBと同等)。
HugePages_Total: 32768 HugePages_Free: 32768 Hugepagesize: 2048 kB
TimesTenでHugePagesを使用するため、HugePages_Free
の値が適宜に変更されます。
root
ユーザーが、インスタンス管理者または該当ユーザー向けの/etc/security/limits.conf
ファイルのmemlock
エントリを設定(または確認)します。これらのエントリ(KB表示)により、意図したユーザーがロックできるメモリー量が制御されます。hard memlock
およびsoft memlock
を設定します。64GBのメイン共有メモリー・セグメント、インスタンス管理者myadmin
の場合は次のようになります。
myadmin soft memlock 67108864 myadmin hard memlock 67108864
(64 x 1024 x 1024 = 67108864)
変更を反映するには、ユーザーがログアウトして再度ログインする必要があります。
TimesTenのインストール後 TimesTenをインストールしたら、デーモン・オプション・ファイルinstall_dir
/srv/info/ttendaemon.options
の-linuxLargePageAlignment
Size_in_MBを設定してTimesTenのHugePagesを有効にします。HugePagesのサイズは2MBです。
-linuxLargePageAlignment 2
TimesTenでHugePagesを使用しているかを確認するには、ttStatus
ユーティリティを実行します。出力には次のようなエントリが含まれている必要があります。
Shared Memory KEY 0x1202031f ID 2457616 (LARGE PAGES, LOCKED)
TimesTenのインストール後および使用後にHugePages構成を変更する場合は、新しい構成を反映するために次の手順を実行する必要があります。
データベースをメモリーからアンロードします。「メモリーからのデータベースのアンロード」を参照してください。
TimesTenデーモンを停止します。
% ttDaemonAdmin -stop
注意: または、-stop および-start のかわりにttDaemonAdmin -restart を使用します。 |
デーモンを再起動します。
% ttDaemonAdmin -start
データベースをメモリーに再ロードします。「メモリーへのデータベースの再ロード」を参照してください。
注意:
|
「セマフォ(UNIX全般)」も参照してください。
Linuxでは、次の式をガイドとして使用できます。ただし、SEMMNS
は、SEMMNI
* SEMMSL
より大幅に小さい値になる可能性があります。
SEMMNS = (SEMMNI * SEMMSL)
既存のカーネル・パラメータ設定を表示するには、root
としてログインし、次のコマンドを使用します。
# /sbin/sysctl -a
Linuxシステムでは、kernel.sem
の最初のパラメータは128以上である必要があります。TimesTenは155のSEMMSL
を使用し、さらに、アクティブな接続ごとに1つを使用します。多数の接続を使用する予定がある場合は、カーネル・パラメータ設定を増やす必要があります。
たとえば、接続を200使用する場合、/etc/sysctl.conf
ファイルでkernel.sem
を次のように指定します。
kernel.sem = 355 32000 100 128
(155 + 200 = 355.)
最初のパラメータは、配列ごとのセマフォの最大数(SEMMSL
)となり、ここでは最も重要です。この値は、最大接続数に関連し、TimesTenの内部接続の許可も一部含まれます。2つ目のパラメータはシステム全体のセマフォの最大数(SEMMNS
)、3つ目のパラメータはsemopコールごとの最大処理数(SEMOPM
)、4つ目のパラメータは最大配列数(SEMNI
)です。
次に、システムを再起動し、次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
Linuxシステムでは、ShmIpcクライアント・サーバー接続数を有効にするには、/etc/sysctl.conf
ファイルで、kernel.sem
設定のSEMMSL
の値を適切に設定する必要があります。詳細は、前の項の「セマフォ(Linux)」を参照してください。
次に、システムを再起動し、次のコマンドを実行します。
# /sbin/sysctl -p
MontaVista Linux上でTimesTenを正しく動作させるには、libaio
およびlibelf
ライブラリ・パッケージを含めます。
Solarisでは、ご使用のシステムにおけるTimesTenのパフォーマンスを向上させるために、インストールを開始する前に次の項に示す手順を実行します。
Solaris UFSファイル・システムでは、DurableCommits=1を使用するTimesTenアプリケーションをインストールする場合、「UNIXの一般的な要件」
の項に示すファイル・システム・オプションに加え、-forcedirectio
オプションを指定してファイル・システムをマウントします。
Solaris 10および11システムの場合、プロジェクトを作成してシステム・リソース(共有メモリー、ファイル記述子、セマフォなど)を管理する必要があります。
グループ・プロジェクトまたはユーザー・プロジェクトを作成できます。
注意: ユーザー・グループを作成する場合、インスタンス管理者は、TimesTenデーモンの再起動が必要となるたびにnewtask コマンドを実行する必要があります。TimesTenデーモンがシステムの起動時間に起動する場合、システムの起動スクリプトにnewtask コマンドを追加します。 |
たとえばグループtimesten
g500
のプロジェクトを500GBの共有メモリ、4096セマフォおよび65,535ファイル記述子で作成する場合は、次の手順を実行します。
ユーザーroot
としてログインします。
グループ・プロジェクトを追加します。
# projadd -G g500 timesten
グループの共有メモリを500GBに変更します。
# projmod -a -K "project.max-shm-memory=(priv,500GB,deny)" timesten
セマフォの最大数を4096に変更します。
# projmod -a -K "process.max-sem-nsems=(priv,4096,deny)" timesten
注意: TimesTenは、アクティブなデータベースごとに最小で155のSEMMSL を消費し、接続ごとに、さらにSEMMSL を1つ消費します。関連事項については、「セマフォ(UNIX全般)」および「セマフォ(Linux)」を参照してください。 |
ファイル記述子の最大数を65,535に変更します。
# projmod -a -K "process.max-file-descriptor=(priv,65535,deny)" timesten
TimesTenデーモンを再起動する前に、newtaskコマンドを実行します。
# newtask -p timesten -c $$
たとえばユーザーtimesten
のユーザー・プロジェクトを500GBの共有メモリ、4096セマフォおよび65,535ファイル記述子で作成する場合は、次の手順を実行します。
ユーザーroot
としてログインします。
ユーザー・プロジェクトを追加します。
# projadd -U timesten user.timesten
グループの共有メモリを500GBに変更します。
# projmod -a -K "project.max-shm-memory=(priv,500GB,deny)" user.timesten
セマフォの最大数を4096に変更します。
# projmod -a -K "process.max-sem-nsems=(priv,4096,deny)" user.timesten
注意: TimesTenは、アクティブなデータベースごとに155のSEMMSL を消費し、接続ごとに、さらにSEMMSL を1つ消費します。 |
ファイル記述子の最大数を65,535に変更します。
# projmod -a -K "process.max-file-descriptor=(priv,65535,deny)" user.timesten
すべてのユーザーおよびすべてのグループがデフォルト・プロジェクトに関連し、このプロジェクト下でプロセスが実行されています。ユーザーによって使用されるプロジェクトまたはプロセス設定は、/etc/project
ファイルにおいて最初に表示されるものです。project
ファイルをまだ変更していない場合、システムのデフォルト・プロジェクト設定が最初に表示されます。
注意: project ファイルから、デフォルトのプロジェクト設定を削除しないでください。かわりに、デフォルト設定上のproject ファイルの最上部にユーザーのプロジェクト設定を置きます。 |
ユーザー・プロジェクト手法またはグループ・プロジェクト手法の場合、指定したユーザーまたはグループをユーザーのプロジェクト設定に関連付けるために次の2つのオプションのいずれかを選択できます。
/etc/project
ファイルを編集して、デフォルトのエントリを続行するためにtimestenプロジェクトのエントリを移動します。
デーモンを再起動する前に、次のコマンドを実行します。プロジェクトが-G
のみによって作成されている場合に、これが必要です。
# newtask -p timesten -c $$
この項では、Windowsの前提条件について説明します。
Windowsでラージ・ページを使用するには、メモリー内のページのロック権限SeLockMemoryPrivilege
を付与する必要があります。Windows 7では、次の手順を実行します。
「コントロール・パネル」で「管理ツール」を選択します。
「管理ツール」ウィンドウが開きます。
「ローカル・セキュリティ・ポリシー」を選択します。
「ローカル・セキュリティ・ポリシー」ウィンドウが開きます(Windows XPでは「ローカル・セキュリティの設定」)。
「ローカル・セキュリティ・ポリシー」ウィンドウの左側のペインで、「ローカル・ポリシー」を展開し、「ユーザー権利の割り当て」を選択します。
「ローカル・セキュリティ・ポリシー」ウィンドウの右側のペインで、「メモリー内のページのロック」を選択します(Windows XPの場合は「アクション」→「セキュリティ」も選択)。
「メモリー内のページのロックのプロパティ」ウィンドウが開きます(Windows XPの場合は「ローカル・セキュリティ・ポリシー」ダイアログ)。
「ユーザーまたはグループの追加」を指定します(Windows XPの場合は「追加」)。
「ユーザー、コンピュータ、サービス アカウント、またはグループの追加」ダイアログが開きます(Windows XPの場合は「ユーザーまたはグループの追加」)。
「選択するオブジェクト名を入力してください」フィールドにインスタンス管理者または該当ユーザーの名前を入力します。次に「名前の確認」を指定します。(Windows XPの場合は、「名前」リストから適切な名前を選択し、「追加」を指定します。)
入浴した名前が認識されない場合、表示される「名前が見つかりません」ダイアログで問題を解決します。
「OK」を指定し、「ユーザー、コンピュータ、サービス アカウント、またはグループの選択」ダイアログ・ボックスを選択します。
「OK」を指定し、「メモリー内のページのロックのプロパティ」ウィンドウを選択します。
次のWindowsの前提条件に注意してください。
Vista、Windows 2008、Windows 7などの最近のWindowバージョンでは、TimesTenデーモンの起動や停止など、特定の操作を実行するために管理者権限が必要です。
Windowsの管理者権限でコマンド・プロンプト・ウィンドウを起動するには、cmd.exe
実行可能ファイルを右クリックします。(たとえばWindows 7の場合、この実行可能ファイルはC:\Windows\System32\
フォルダにあります。)コマンド・ウィンドウが開くと、タイトル・バーに「Administrator」と示されます。
TimesTenデバッグ・ライブラリは、Visual Studio 2005、2008または2010を使用します。デバッグ・ライブラリを使用するには、これらのいずれかのバージョンをインストールする必要があります。
TimesTenリリース11.2.2のデフォルトのインストール・ディレクトリは、次のとおりです。
Windows: C:\TimesTen
UNIX: $HOME
/TimesTen
一時ディレクトリは、オペレーティング・システムによって異なります。通常は次の場所にあります。
Windowsでは、%TMP%
環境変数に従います。通常は、次のような場所を指します。
C:\Documents and Settings\username\Local Settings\Temp
Window 7では、C:\Documents and Settings
がC:\Users
に置き換わります。
SolarisおよびLinux: /tmp
HP-UXおよびAIX: /var/tmp
一時ディレクトリの場所は、Windowsの場合はTMP
環境変数を設定すると変更できます。UNIXの場合は、TMPDIR
環境変数を設定すると変更できます。
注意: TimesTenでは、マルチバイト文字を含むファイル・パス名はサポートされていません。インストール・パス、データベース・パス、トランザクション・ログ・パスおよび一時ファイル・パスにマルチバイト・キャラクタが含まれていないことを確認してください。Windowsでは、正常にインストールを完了するために、一時ディレクトリのフルパスを190文字未満にする必要があります。 |
インストール時に、TimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムのインストールを選択した場合、インストーラによりDemoDataStore
ディレクトリの場所のプロンプトが表示されます。UNIXシステムでは、デフォルトでは、この場所は、TimesTenインストール・パスの下にあるinfo
ディレクトリの下になります。このディレクトリについては、TimesTenインストール・パス以外の代替場所を選択することを強くお薦めします。(Windowsでは、デフォルトの場所はユーザーのアプリケーション・データ・フォルダの下になります。)
また、データベース・ファイル(チェックポイント・ファイルおよびログ・ファイル)または他のユーザー・ファイルは、TimesTenインストール・パスの下に格納しないことも強くお薦めします。インストール・パスの下にあるファイル(TimesTen以外のものによってインストールされたファイルを含め)は、アップグレードまたはアンインストール操作時に削除されることがあります。
次の項では、オペレーティング・システム・グループを作成し、TimesTenのための正しいディレクトリ権限を設定する方法について説明します。
セキュリティを目的に、TimesTenインストールへのアクセス権を単一のオペレーティング・システム・グループのメンバーに制限しています。この権限で、TimesTenをインストールします。このグループはTimesTenユーザー・グループと呼ばれます。TimesTenユーザー・グループのメンバーだけが、TimesTenへのダイレクト・ドライバ接続を許可され、TimesTenデータベースに対する操作を実行できます。クライアント接続でTimesTenデータベースに接続しているユーザーは、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要はありません。
TimesTenをインストールするユーザーは、インスタンス管理者です。インスタンス管理者は、TimesTenインスタンス管理者グループのメンバーであり、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要があります。
WindowsにはUNIXと同じインスタンス管理者グループの概念はなく、TimesTenユーザー・グループが同等の役割を果たします。したがって、Windowsでのインストールのインスタンス管理者がTimesTenをインストールするには、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要があります。また、ダイレクト・ドライバ接続を実行するすべてのユーザーはTimesTenユーザー・グループのメンバーである必要があります。
UNIXでは、次のように、TimesTenインスタンス管理者グループとTimesTenユーザー・グループは、同じオペレーティング・システム・グループでも、異なるオペレーティング・システム・グループでもかまいません。
TimesTenインスタンス管理者グループ:TimesTenをインストールしているすべてのユーザーはこのグループのメンバーである必要があります。このグループは、/etc/TimesTen
(コンピュータ上にインストールされているすべてのTimesTenインスタンスに関する情報を含む)への読取りおよび書込みアクセスの権限を付与されている必要があります。
TimesTenユーザー・グループ:インスタンス管理者がTimesTenをインストールするには、このグループのメンバーである必要もあります。インストール後は、このオペレーティング・システム・グループのメンバーのみが、TimesTenへのダイレクト・ドライバ接続を許可され、TimesTenデータベースでの操作を実行できます。
UNIXで両方のオペレーティング・システム・グループを作成する方法については、「UNIXのTimesTenインスタンス管理者およびユーザー・グループの作成」を参照してください。
インストールが終了した時点では、TimesTenのファイルおよびディレクトリへの読取りおよび書込み権限は、TimesTenが「world accessible」としてインストールされていないかぎり、TimesTenユーザー・グループのメンバーに制限されています。
次の項では、WindowsおよびUNIXシステムにおけるディレクトリおよびファイルの権限について説明します。
Windowsでは、TimesTenのファイルおよびディレクトリにアクセスできるのは、TimesTenユーザー・グループのメンバーのみです。
world accessibleとしてTimesTenをインストールした場合(インストール時のオプション)、TimesTenのファイルおよびディレクトリにはすべてのユーザーがアクセスできるようになります。その場合は、TimesTenデータベース・ファイルおよび共有メモリー・セグメントに対し、誰でも、どんな操作でも実行することができます。ただし、推奨はされていません。コンピュータ上のすべてのユーザーが信頼でき、オペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効する場合のみ、このオプションを有効にします。
オペレーション・システム・グループの詳細は、「TimesTenインスタンス管理者およびユーザー・グループ」を参照してください。
Windowsの場合、TimesTenについての情報は、オペレーティング・システム・レジストリに格納されています。
UNIXでは、TimesTenは特定のコンピュータにインストールされたすべてのTimesTenインスタンスのレジストリを/etc/TimesTen
に格納します。インスタンスのレジストリ自体は操作に必要なものではありませんが、TimesTenを正常にインストールおよび削除する場合には必須です。TimesTenをインストールする前に、TimesTenをインストールするユーザーが、インスタンス管理者のグループのメンバーであり、/etc/TimesTen
ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持っていることを確認してください。
/etc/TimesTen
のディレクトリ権限をインスタンス管理者グループに設定する方法については、次の項「UNIXのTimesTen管理者およびユーザー・グループの作成」を参照してください。
注意: データベースのチェックポイント・ファイルおよびログ・ファイルは、別々のデバイスにインストールする必要があります。データベースのトランザクション・ログ・ファイルおよびチェックポイント・ファイルが同じファイル・システムにある場合は、サポート・ログにメッセージが書き込まれます。 |
次の項では、必須のオペレーティング・システム・グループを作成したり、UNIXでのTimesTenインストールのためにディレクトリ権限を設定する場合のインストール前の手順について説明します。
インストール時に、TimesTenユーザー・グループを指定する必要があります。デフォルトでは、インスタンスのためのTimesTenユーザー・グループは、TimesTenをインストールしているユーザーのプライマリ・オペレーティング・システム・グループになります。TimesTenユーザー・グループをインストーラのプライマリ・グループ以外に変更する場合は、インストール時にグループ名を指定する必要があります。
または、TimesTenインスタンスをworld accessibleにすることもできます。ただし、これは推奨されていません。
TimesTenユーザー・グループを変更するには、TimesTenインスタンスを削除して再インストールします。その際に、新しいグループ名を指定します。
TimesTenユーザー用のオペレーティング・システム・グループを用意していない場合は、TimesTenをインストールする前にroot
ユーザーとして次の操作を実行し、TimesTenユーザー・グループを作成します。
TimesTenインスタンスをインストールできるオペレーティング・システム・グループを作成します。このオペレーティング・システム・グループには、timesten
という名前を使用することをお薦めしますが、任意の名前を使用することも可能です。
注意: このマニュアルの例では、timesten はTimesTenユーザー・グループの名前です。 |
インストールを行っているユーザー、およびTimesTenを使用しているユーザーを、作成したTimesTenユーザー・グループに追加します。
デフォルトのTimesTenユーザー・グループと名前が異なる場合は、インストール時に適宜このグループの名前を指定します。
TimesTenインストールのディレクトリおよびファイル権限には、インストール時に定義したグループとして指定されたグループがあります。これによって、ほとんどのディレクトリ、ファイル、チェックポイント・ファイル、トランザクション・ログ・ファイル、共有メモリー・セグメントおよびセマフォに対する読取りおよび書込み権限を制限するための権限が、定義したこのグループに設定されます。特定のリソースの場合の例外がTimesTenによって定義されています。権限の詳細は、「ディレクトリおよびファイルの権限」を参照してください。
注意: Solarisシステムでは、1または2を設定したMemoryLock を使用して、root としてインストールする必要があります。Solarisシステムでは、TimesTenのroot 以外のインスタンスのデータベースは、この属性に3および4の設定を使用できます。 |
UNIXプラットフォームでは、インスタンス・レジストリは/etc/TimesTen
にあります。/etc/TimesTen
ディレクトリを初めて作成する場合はroot
アクセスが必要なことがあります。このディレクトリの作成は、インストール前の手順としてコンピュータごとに行う必要があります。
TimesTenをインストールしているユーザーが、/etc/TimesTen
ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持っていない場合は、TimesTenをインストールする前に、root
ユーザーとして次の手順を実行する必要があります。
TimesTenインスタンス管理者グループ用のオペレーティング・システム・グループを作成します。このグループには任意の名前を使用できますが、この例ではttadmin
という名前を使用します。たとえば、LinuxやSolarisでは次のようになります。
# groupadd ttadmin
ディレクトリ/etc/TimesTen
がない場合は作成します。
# mkdir /etc/TimesTen
このディレクトリのファイルに必要なディスク領域は、100KB以上です。
/etc/TimesTen
ディレクトリに対する所有および権限を、TimesTenインスタンス管理者グループに割り当てます。こうすることで、インスタンス管理者のみにアクセスおよび実行が許可されます。インストール時に、instance_info
ファイルが/etc/TimesTen
ディレクトリに追加されます。このファイルは、インスタンスの管理者グループによる読取りと書込みが可能である必要があります。
TimesTenをインストールする前に、/etc/TimesTen
の権限モードを770に、また/etc/TimesTen
にあるすべてのファイルの権限モードを660に設定します。
次のコマンドでは、TimesTenディレクトリのグループ所有権をttadmin
グループに変更し、このディレクトリにあるすべてのファイルに対する権限を、ttadmin
グループのメンバーについて読み書き両用に変更します。
# chgrp -R ttadmin /etc/TimesTen # chmod 770 /etc/TimesTen/ # chmod 660 /etc/TimesTen/*
これで、UNIXシステムにTimesTenをインストールできます。インストーラによって、/etc/TimesTen
の有無と権限が検証され、権限が正しくなかった場合、インストールは失敗します。
インスタンスは、TimesTenインスタンス管理者が十分な権限を所有している任意のディレクトリにインストールすることができます。
UNIXシステムでのTimesTenのインストールについては、次の項を参照してください。
TimesTenをUNIXシステムにするには、次の手順を実行します。
現行のリリースに対応した適切なTimesTen ZIP/TARファイルをダウンロードします。ファイル名は、プラットフォームおよびリリース番号を示しています。
TimesTenインスタンス管理者としてログインします。
ファイルの内容を抽出します。
プラットフォーム・ディレクトリに移動します。
% cd platform
Linuxシステムの例:
% cd linux8664
TimesTenのsetupスクリプトを実行します。
% ./setup.sh
TimesTenのインストールにオプションは必要ありませんが、setup.sh
スクリプトは次のオプションを使用します。
オプション | 説明 |
---|---|
-install |
TimesTenをインストールします(デフォルトでは有効)。 |
-uninstall |
TimesTenをアンインストールします。
「UNIXシステムにおけるTimesTenの削除」も参照してください。 |
-batch filename |
プロンプトなしのインストールまたはアンインストールを可能にします。バッチ・ファイルfilename はオプションです。
バッチ・ファイルを作成し、インストール先のインスタンス名を具体的に指定することをお薦めします。 |
-help |
ヘルプ・メッセージを表示します。 |
-installDoc |
TimesTenドキュメント・ライブラリとクイック・スタート・チュートリアル・ページがインストールされます。(ドキュメントのみのインストールも可能です。) |
-quickstart |
既存のインストールにTimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムがインストールされます。 |
-record filename |
インストール時の質問に対する応答を、filename で指定したファイルに記録します。その後、このファイルは-batch オプションに対するパラメータとして使用できます。 |
-verbose |
その他のインストール情報を表示します。 |
setupスクリプトのプロンプトへの応答を入力します。
注意: プロンプトに応答せずにTimesTenをインストールまたは削除するには、setup.sh スクリプトで-batch フラグを使用します。
変更を行うたびに |
setupスクリプトによって、次の処理が実行されます(ユーザーの応答が原因で、インストール処理が終了した場合を除きます)。
次のいずれかを選択するように求められます。
新しいインスタンスのインストール。
既存のインスタンスをアップグレードします(インプレース・アップグレード).このオプションでは、同じメジャー・リリース内の新しいパッチ・リリースにアップグレードできます。たとえば、11.2.2.4.0から11.2.2.5.0にアップグレードします。(「インプレース・アップグレード」を参照してください。)
重要: アップグレード前に、データベースまたは重要なファイルがTimesTenインストール・ディレクトリにないことを確認してください。関連情報については、「データベース・ファイルおよびその他のユーザー・ファイルの場所に関する考慮事項」を参照してください。
既存のインスタンスに関する情報の表示。
インストールの終了。
デフォルトのインスタンス名の選択またはTimesTenインスタンスの名前の選択を行うように求められます。
注意: それぞれのTimesTenインストールは一意のインスタンス名によって識別されます。インスタンス名は、nullを含まない255文字以下の英数字である必要があります。 |
次のいずれかのコンポーネントをインストールするように求められます。
Client/ServerおよびData Manager
Data Managerのみ
Clientのみ
TimesTenインスタンスの場所の入力を求めます。デフォルトでは、$HOME
/TimesTen
以下のサブディレクトリにインストールされます。サブディレクトリは、TimesTenのインスタンス名に合わせて名前が付けられます。TimesTenのドキュメントでは、このインストール・ディレクトリをinstall_dir
と表します。
TimesTenデーモンのホーム・ディレクトリの位置の指定を求められます。デフォルトの場所はinstall_dir
/info
です。
デーモンのホーム・ディレクトリは、TimesTenデーモンおよび関連プロセスの作業ディレクトリです。特に、このディレクトリには、デーモン・オプション・ファイル(ttendaemon.options
)、プロセスIDファイル(timestend.pid
)、ユーザー・ログ・ファイル、サポート・ログ・ファイル、DBIファイルなどの、デーモンが読取りおよび書込みを行うファイルが含まれています。また、sys.odbc.ini
、sys.ttconnect.ini
、cluster.oracle.ini
などのTimesTen .ini
ファイルも含まれています。
TimesTenデーモンのログ・ファイルの位置の指定を求められます。このリリースでは、デーモン・ログは、サポート・ログおよびエラー・ログに置き換えられています。デフォルトの場所はinstall_dir
/
info
です。
デーモン・ポート番号の指定を求められます。(デフォルトのポート番号(64-bitシステムの場合は53396、32-bitシステムの場合は53392)が使用されていない場合、それらが表示されます。)
注意:
|
TimesTenユーザー・グループの指定またはworld accessibilityの選択を求められます。これらのオプションの詳細は、「オペレーティング・システム・グループおよびファイル権限のインストール前の要件」を参照してください。次のような処理が可能です。
グループdefault group
へのアクセスを制限します。
異なるグループへのアクセスを制限します。
TimesTenインスタンスをworld accessibleにする(非推奨)。コンピュータ上のすべてのユーザーが信頼でき、オペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効する場合のみ、このオプションを選択します。
このインスタンスに対してPL/SQLをインストールにするかどうかの確認を求められます。デフォルトの応答は、yesです。PL/SQLのインストールを選択しない場合は、TimesTenのttmodinstall
ユーティリティを使用して、後からPL/SQLをインストールできます。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttmodinstallに関する説明を参照してください。
注意: 一部のTimesTenライブラリのサイズが増加しますが、PL/SQLをインストールすることをお薦めします。一部の機能はこれに依存しています。 |
TNS_ADMIN
環境変数の設定を求められます。この値は、tnsnames.ora
ファイルのあるディレクトリの場所です。
この手順はスキップできます。インストール時に場所を指定しない場合、ttmodinstall
ユーティリティを使用して後で設定できます。ただし、TimesTen Application-Tier Database Cache (TimesTen Cache)を使用するには、指定する必要があります。
サーバー・ポート番号の指定を求められます。(デフォルトのポート番号(64-bitシステムの場合は53397、32-bitシステムの場合は53393)が使用されていない場合、それらが表示されます。)
クイック・スタート・サンプル・プログラムおよびTimesTenドキュメントのインストールが求められます。TimesTenのクイック・スタート・プログラムでは、最大で64MBのディスク領域が必要になる場合があります。デフォルトのディレクトリは、install_dir
/quickstart
およびinstall_dir
/doc
です。
デモ・データベースの場所の指定を求められます。クイック・スタート・サンプル・プログラムをインストールする場合は、この場所にTimesTenデモ・データベース・ファイルがインストールされます。デフォルトの場所はinstall_dir
/info/DemoDataStore
ディレクトリです。他の場所を選択する際の推奨事項は、「データベース・ファイルおよびその他のユーザー・ファイルの場所に関する考慮事項」を参照してください。
Oracle ClusterwareとともにTimesTenレプリケーションをインストールするかどうかの決定を求められます。コンピュータ上のOracle Clusterwareのインストール先となるパスと、TimesTen Clusterwareエージェントのためのポート番号の入力が求められます。
TimesTen 11.2.2では、Clusterwareのリリース11.2.0.2および11.2.0.3のみがサポートされることに注意してください。(TimesTen 11.2.1では、Clusterwareのリリース11.1.0.7、11.2.0.2、および11.2.0.3がサポートされます。)
インストーラによってOracle Clusterwareが構成済のノードが確認され、Oracle Clusterwareが含まれているTimesTenレプリケーションのノード・リストの指定が求められます。(TimesTenのインストール後に、ttmodinstall
ユーティリティを使用して、Oracle Clusterwareをインストールまたは構成できます。)
アップグレードをインストールする場合、今回のリリースのTimesTenの以前のインストールはすべて削除されます。
TimesTenコンポーネントが適切なディレクトリにインストールされます。
デーモンが起動されます。(関連する情報は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTenデーモンの起動および停止に関する説明を参照してください。)
TimesTenデーモンが実行されていると、TimesTenのシステム管理用およびアプリケーションのデバッグ用に、エラー、警告、情報およびデバッグ・メッセージが生成されます。インストール時に、これらのメッセージを、標準的なファイルに格納するか、syslog
機能に送信するかを指定します。syslog
機能の使用はお薦めしませんが、使用する場合は、オペレーティング・システム・ドキュメントを参照してください。
syslog
を使用してメッセージがログに記録されている場合は、デフォルトでLOG_USER
syslog機能が使用されます。
syslog
機能を使用してTimesTenデーモンおよびサブデーモンのメッセージを記録するには、ttendaemon.options
ファイルの別の行に、次の行を追加します。
-facility name
nameに指定できる値は、auth
、cron
、daemon
、local0-local7
、lpr
、mail
、news
、user
またはuucp
です。
インスタンス・レジストリを使用すると、TimesTenインスタンスに対してTCP/IPポートの一意性を保証できますが、TimesTenメイン・デーモンのポートとTimesTen以外のアプリケーションが使用するポートの競合の可能性が常に存在します。
ttmodinstall
ユーティリティを使用すると、インスタンス管理者はTimesTenのメイン・デーモンがリスニングしているポート番号を変更できます。ttmodinstall
を使用する前にTimesTenデーモンを停止していない場合、ユーティリティはデーモンを停止してからポート番号を変更します。ポートが変更されると、デーモンは自動的に再起動されます。この機能は、TimesTenをインストールし、その後にポートが使用されていることを検出する場合に役に立ちます。
このユーティリティは、-port
オプションに引数として新しいポート番号を指定して、コマンドラインから実行します。例:
% ttmodinstall -port 12345
ttmodinstallの詳細は、
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。
TimesTenのすべてのコンポーネントを削除するには、次の手順を実行します。
TimesTenインスタンス管理者としてログインします。
TimesTenのsetupスクリプトは、install_dir
/bin
ディレクトリにあります。このスクリプトは、インストール・ディレクトリ以外のディレクトリから、-uninstall
オプションを指定して実行します。
% install_dir/bin/setup.sh -uninstall
削除すると、TimesTenのすべてのライブラリおよび実行可能ファイルが削除され、デーモンとサーバーも停止および削除されます。ps
を実行すると、TimesTenのすべてのプロセスが停止されていることを確認できます。TimesTenが正常に削除されたことを確認するには、install_dir
が存在しないことを確認します。
重要: 削除する前に、TimesTenインストール・ディレクトリにデータベースまたは重要なファイルがないことを確認してください。関連情報については、「データベース・ファイルおよびその他のユーザー・ファイルの場所に関する考慮事項」を参照してください。 |
この項では、Windowsシステムでのインストールおよびその関連項目について説明します。インストールを開始する前に、「インストールの前提条件」に示す条件が満たされていることを確認する必要があります。
使用に関しては、次の点に注意してください。
Windowsシステムでは、同じTimesTenメジャー・リリースの複数のインスタンスを共存させることはできません。たとえば、11.2.2.4.0インストールと11.2.2.5.0インストールは共存できません。別のメジャー・リリースのTimesTenインスタンスは共存可能です。たとえば、11.2.2.x.xインストールと11.2.1.x.xインストールを共存させることができます。
TimesTenでは、32-bitのインストールと64-bitのインストールで別々のインストーラが用意されています。64-bit Windowsシステムでは、64-bitのインストールか32-bitのインストールのいずれかをインストールできます。ただし、前述の制限と同じように、同じリリースの64-bitのインストールと32-bitのインストールの両方を共存させることはできません。32-bitのインストールと64-bitのインストールは、異なるメジャー・リリースの場合にのみ共存させることができます。たとえば、11.2.2.x.xリリースの64-bitのインストールと11.2.1.x.xリリースの32-bitのインストールは共存させることができます。
64-bitのインストールには、64-bitのクライアント用と32-bitのクライアント用のオプションがあります。通常は64-bitのクライアントを使用しますが、両方またはいずれかのクライアントをインストールできます。
次の項で、WindowsシステムにTimesTenをインストールする手順を示します。
TimesTenをWindowsシステムにインストールするには、次の手順を実行します。
現行のリリースに対応した適切なTimesTen ZIPファイルをダウンロードします。ファイル名は、プラットフォームおよびリリース番号を示しています。
ファイルの内容を抽出します。
ZIPファイルからWin64
またはWin32
ディレクトリに配置された、setup.exe
実行可能ファイルを実行します。
インストールの場所を指定するよう求めます。デフォルトでは、C:\TimesTen
以下のサブディレクトリにTimesTenがインストールされます。サブディレクトリはTimesTenインスタンス名に合わせて名前が付けられます。たとえば、C:\TimesTen\tt1122_32
(32-bitのインストール)またはtt1122_64
(64-bitのインストール)です。TimesTenのドキュメントでは、このインストール・ディレクトリをinstall_dir
と表します。
インストールするコンポーネントを選択するよう求められます。
TimesTen Data Manager
TimesTen Data Managerデバッグ・ライブラリ
TimesTen Server
TimesTen Client
64-bitのインストールには、64-bitのクライアント用と32-bitのクライアント用のオプションがあります。両方を選択することも(デフォルト)、いずれか一方を選択することも、いずれも選択しないことも選択できます。32-bitのクライアントをインストールする場合は、tt1122_64\client32
ディレクトリにインストールされます。
任意のコンポーネント
TimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラム
TimesTenドキュメント(クイック・スタート・チュートリアル・ページなど)
詳細は、「Windowsで使用可能なコンポーネント」を参照してください。
デモ・データベースのインストール場所の指定を求められます。TimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムをインストールすると、次の場所がデフォルトのDemoDataStore
ディレクトリにデモ・データベース・ファイルがインストールされます。
%APPDATA%\TimesTen\DemoDataStore\
次のような場所です。
C:\Documents and Settings\username\Application Data\TimesTen\DemoDataStore\
Window 7では、C:\Documents and Settings
がC:\Users
に置き換わります。例:
C:\Users\username\Application Data\TimesTen\DemoDataStore\
Application Data
は、(Windows 7のAppData\Roaming
などに対する)シンボリック・リンクである場合があることに注意してください。デモ・データベース・ファイルの場所を選択する際の推奨事項については、「データベース・ファイルおよびその他のユーザー・ファイルの場所の考慮事項」を参照してください。
TNS_ADMIN
環境変数の設定を求められます。この値は、tnsnames.ora
ファイルのあるディレクトリの場所です。
このフィールドは空のままでかまいません。インストール時に場所を指定しない場合、ttmodinstall
ユーティリティを使用して後で設定できます。ただし、TimesTen Application-Tier Database Cache (TimesTen Cache)を使用するには、指定する必要があります。
プログラム・フォルダを選択するよう求められます。参照して、このインストール用のフォルダを既存のフォルダまたは新しいフォルダを選択します。デフォルトは、TimesTen 11.2.2 (32-bit)
またはTimesTen 11.2.2 (64-bit)
です。
コンピュータへのアクセス権のあるすべてのユーザーが読み書きできるようにこのインストールに対する権限を設定するかどうかが尋ねられます。ただし、推奨はされていません。無効にすると、権限はTimesTenユーザー・グループのメンバーであるユーザーに制限されます。権限およびworld accessibilityの詳細は、「オペレーティング・システム・グループおよびファイル権限のインストール前の要件」を参照してください。このオプションは、このインストールに対するオペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効にする場合のみ選択します。
このインスタンスに対してPL/SQLをインストールにするかどうかの確認を求められます。デフォルトの応答は、yesです。PL/SQLのインストールを選択しない場合は、TimesTenのttmodinstall
ユーティリティを使用して、後からPL/SQLをインストールできます。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttmodinstallに関する説明を参照してください。
注意: 一部のTimesTenライブラリのサイズが増加しますが、PL/SQLをインストールすることをお薦めします。一部の機能および特徴はこれに依存しています。 |
環境変数を登録するよう求められます。選択した場合、インストール・プログラムによって、TimesTenディレクトリがシステム環境変数PATH
、LIB
およびINCLUDE
に追加され、その他の適切な変数も設定されます。環境変数をインストール時には登録しない場合は、セッションごとにinstall_dir
\bin\ttenv.bat
バッチ・ファイルを実行し、インストール後の任意のタイミングで環境変数を設定することができます。ttenvについては、「TimesTenの環境変数の設定」
を参照してください。
注意: 複数リリースのTimesTenをインストールする場合、パスによって予期しない動作が発生することがあるため、これはお薦めしません。(複数のリリースは異なるメジャー・リリース・ラインである必要があります。Windowsでは、同じメジャー・リリースの複数のパッチ・リリースは共存できません。) |
CLASSPATH
変数に追加するJDKのバージョンを選択するよう求められます(ある場合)。
TimesTenのインストールを続行する前に、インストール時の選択項目が表示されます。
リリース・ノートが表示され、クイック・スタートが起動します。クイック・スタートの詳細は、「TimesTenクイック・スタート」を参照してください。
TimesTenでは、レスポンス・ファイルと呼ばれるバッチ・ファイルにインストール・オプションを保存できます。これを後で使用すると、ダイアログ・ボックスの各オプションに回答しないでTimesTenをインストールできます。
デフォルトの場所にレスポンス・ファイルを作成するには、次のコマンドを使用します。
C:> setup.exe /r
このコマンドでは、表示される指示に従って通常のセットアップ操作を行い、デフォルトで、応答がファイルC:\Windows\setup.iss
に保存されます。
デフォルトのレスポンス・ファイルに保存されたオプションを使用して、後でサイレント・インストールを行うには、次のコマンドを使用します。
C:> setup.exe /s
レスポンス・ファイルから、インストール・オプションが取得されます。ダイアログ・ボックスは表示されません。(サービスの開始を通知する情報ポップアップ・ダイアログなど、いくつかの情報ポップアップ・ダイアログが表示されます。)
あるいは、f1
オプションを使用して、レスポンス・ファイルの名前および場所を指定できます。
C:\Temp
にレスポンス・ファイルmysetup.iss
を作成するには、次のコマンドを使用します。
C:> setup.exe /r /f1"C:\Temp\mysetup.iss"
サイレント・インストールにこのレスポンス・ファイルを使用するには、次のコマンドを使用します。
C:> setup.exe /s /f1"C:\Temp\mysetup.iss"
注意: TimesTenリリース11.2.2より前のバッチ・ファイルを使用して、今回のリリースをインストールしないでください。今回のリリースのインストーラのすべての新しいプロンプトにはデフォルトの応答が割り当てられるため、異なるリリースのバッチ・ファイルが使用されると、予期しない結果が発生する可能性があります。 |
TimesTenが正常にインストールされたことを確認するには、ドライバ・ファイルが使用可能であり、サービスが実行中であることを確認します。
TimesTen 11.2.2のショートカット(たとえば、「TimesTen 11.2.2 (64-bit)」)が、「すべてのプログラム」に表示されることを確認します。
「管理ツール」から、「データソース(ODBC)」を選択します。これによって、「ODBC データソース アドミニストレータ」が表示されます。
「ドライバ」タブを選択します。TimesTen Data Manager 11.2.2ドライバがインストールされているかどうかを確認します。(TimesTen Clientをインストールした場合は、どのドライバも表示されます。次の項「TimesTen ClientおよびServerのインストールの確認」を参照してください。)「OK」をクリックします。
「管理ツール」から、「サービス」を選択し、TimesTen Data Manager 11.2.2のサービスの「状態」が「開始」になっていることを確認します。(関連する情報は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTenデーモンの起動および停止に関する説明を参照してください。)
次の手順を実行して、クライアントとサーバーが正常にインストールされたことを確認します。
注意: この項の説明は、32-bit TimesTenを32-bit Windowsへインストールする場合または64-bit TimesTenを64-bit Windowsへインストール場合に有効です。ただし、32-bitのTimesTenを64-bitのWindowsへインストールする場合は、次のもの(32-bitバージョンのODBCデータ ソース アドミニストレータ)を実行し、TimesTen ODBCエントリを確認してください。
|
「管理ツール」から、「データソース(ODBC)」を選択します。これによって、「ODBC データソース アドミニストレータ」が表示されます。
「ドライバ」タブを選択します。TimesTen Client 11.2.2ドライバがインストールされているかどうかを確認します。(TimesTen Data Manager 11.2.2ドライバも確認してください。前の項「インストールの確認」を参照してください。)「OK」をクリックします。
注意: 64-bitのインストールに32-bitのクライアントをインストールする場合は、ドライバ・エントリを表示するために32-bitのODBCデータ ソース アドミニストレータを使用する必要があります(前述の注意を参照)。
「システムDSN」タブを選択します。
sampledbCS_1122
サンプル・データベースを選択し、「構成」をクリックします。
注意:
|
「TimesTen Client Data Source Setup」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Test Oracle TimesTen Server Connection」をクリックして、サーバーとの接続を試行します。
ODBC アドミニストレータはTimesTen Serverに接続し、成功するとメッセージを表示します。このボタンをクリックすると、TimesTen Clientによって、次の検証が行われます。
ODBC、Windows sockets、TimesTen Clientがシステムにインストールされます。
選択したTimesTen Serverが定義されます。
TimesTen Serverが実行されます。
「Test Data Source Connection」をクリックして、TimesTen Serverのデータソースに接続します。
ODBC データソース アドミニストレータはTimesTenのデータソースに接続し、成功するとメッセージを表示します。「Test Data Source Connection」をクリックすると、TimesTen Clientによって、検証が行われます。
選択したデータソースがサーバーに定義されます。
TimesTen Clientはデータソースに接続できます。
TimesTenでは、エラー・メッセージがtterrors.log
ファイルに書き込まれます。このファイルは、install_dir
\srv\info
ディレクトリにあります。ttDaemonLog
ユーティリティを使用すると、TimesTen Data Managerによって記録されたメッセージを表示できます。システム管理ユーティリティについては、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のユーティリティに関する説明を参照してください。
その他のプログラムと同様に、Windows上のTimesTenをアンインストールできます。
重要: 削除する前に、TimesTenインストール・ディレクトリにデータベースまたは重要なファイルがないことを確認してください。関連情報については、「データベース・ファイルおよびその他のユーザー・ファイルの場所に関する考慮事項」を参照してください。 |
「プログラムの追加と削除」(またはWindows 7の場合は「プログラムと機能」)に移動します。
プログラムの一覧からTimesTenを選択します。たとえば、「Oracle TimesTen In-Memory Database 11.2.2 (64-bit)」を選択します。
「削除」(またはWindows 7の場合は「アンインストール」)を選択します。
インストールに関連付けられたDSN定義を削除するかどうかの指定を求められます。「Yes」を選択すると、すべての定義が削除されます。ユーザー定義DSN、TimesTenインストール・プロセスで作成されたDSNも含まれます。
重要: インプレース・アップグレード(「インプレース・アップグレードの実行」に記載)と同等のアップグレードの一環として削除する場合は、DSNを保持する必要があります。
正常に削除されたことを確認するには、次の内容を確認します。
「すべてのプログラム」からTimesTen 11.2.2が削除されている。
「サービス」リストから、TimesTen Data Manager 11.2.2が削除されている。
「ODBCデータ ソース アドミニストレータ」にある「ドライバー」タブからTimesTen 11.2.2ドライバが削除されている。
「サービス」リストおよび「ODBCデータ ソース アドミニストレータ」の詳細は、「インストールの確認」を参照してください。
Mac OS XシステムでのTimesTen Clientのインストールについては、次の項を参照してください。
Mac OS XシステムでTimesTen Clientをインストールするには、次の手順を実行します。
現行のリリースに対応した適切なTimesTenクライアントZIP/TARファイルをダウンロードします。ファイル名は、プラットフォームおよびリリース番号を示しています。
TimesTenインスタンス管理者としてログインします。
ファイルの内容を抽出します。
プラットフォーム・ディレクトリに移動します。
% cd macos64
TimesTenのsetupスクリプトを実行します。
% ./setup.sh
TimesTen Clientのインストールにオプションは必要ありませんが、setup.sh
スクリプトは次のオプションを使用します。
オプション | 説明 |
---|---|
-install |
TimesTen Clientをインストールします(デフォルトでは有効)。 |
-uninstall |
TimesTen Clientのアンインストール
「Mac OS XシステムでのTimesTen Clientのアンインストール」も参照してください。 |
-batch filename |
プロンプトなしのインストールまたはアンインストールを可能にします。バッチ・ファイルfilename はオプションです。
バッチ・ファイルを作成し、インストール先のインスタンス名を具体的に指定することをお薦めします。 |
-record filename |
インストール時の質問に対する応答を、filename で指定したファイルに記録します。その後、このファイルは-batch オプションに対するパラメータとして使用できます。 |
-installDoc |
TimesTenドキュメント・ライブラリとクイック・スタート・チュートリアル・ページがインストールされます。(ドキュメントのみのインストールも可能です。) |
-quickstart |
既存のインストールにTimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムがインストールされます。 |
-help |
ヘルプ・メッセージを表示します。 |
-verbose |
その他のインストール情報を表示します。 |
注意: プロンプトに応答せずにTimesTen Clientをインストールまたは削除するには、setup.sh スクリプトで-batch フラグを使用します。
変更を行うたびに |
setupスクリプトによって、次の処理が実行されます(ユーザーの応答が原因で、インストール処理が終了した場合を除きます)。
デフォルトのインスタンス名の選択またはTimesTen Clientインスタンスの名前の選択を行うように求められます。
注意: それぞれのTimesTen Clientインストールは一意のインスタンス名によって識別されます。インスタンス名は、nullを含まない255文字以下の英数字である必要があります。 |
TimesTen Clientインスタンスの場所を選択するよう求めます。次のいずれかを選択します。
[1] $HOME [2] $PWD [3] Specify a location [q] Quit the installation
TimesTenは、specified_dir
/TimesTen
の下のサブディレクトリにインスタンスをインストールします。サブディレクトリは、TimesTen Clientのインスタンス名に合わせて名前が付けられます。TimesTenのドキュメントでは、このインストール・ディレクトリをinstall_dir
と表します。
TimesTenユーザー・グループの指定またはworld accessibilityの選択を求められます。これらのオプションの詳細は、「オペレーティング・システム・グループおよびファイル権限のインストール前の要件」を参照してください。次のような処理が可能です。
グループdefault_group
へのアクセスを制限します。
異なるグループへのアクセスを制限します。
TimesTenインスタンスをworld accessibleにする(非推奨)。コンピュータ上のすべてのユーザーが信頼でき、オペレーティング・システム・レベルのすべてのアクセス制御を無効する場合のみ、このオプションを選択します。
TNS_ADMIN
環境変数を設定するよう求めます。この値は、tnsnames.ora
ファイルのあるディレクトリの場所です。
この手順はスキップできます。インストール時に場所を指定しない場合、ttmodinstall
ユーティリティを使用して後で設定できます。ただし、TimesTen Application-Tier Database Cacheを使用するには、指定する必要があります。
クイック・スタート・サンプル・プログラムおよびTimesTenドキュメントのインストールが求められます。クイック・スタート・サンプル・プログラムとTimesTenドキュメントのデフォルト・ディレクトリは、それぞれinstall_dir
/quickstart
とinstall_dir
/doc
です。
クイック・スタート・サンプル・プログラムでは、最大で64MBのディスク領域が必要になる場合があります。あるいは、TimesTenドキュメントのみのインストールを選択できます。
TimesTenサーバーを実行しているホストの名前を入力するよう求めます。値は、TimesTenサーバーが実行されているコンピュータの論理名、ドメイン名、またはIPアドレスです。この値は、次の場所のすべてで設定されます。
odbc.ini
ファイルにある、すべてのサンプル・データベース定義のTTC_Server
属性値
ttconnect.ini
ファイルにある論理サーバー名
ttconnect.ini
ファイルにある前述の論理サーバー名のNetwork_Address
属性値
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の論理サーバー名の定義に関する説明を参照してください。
TimesTenサーバーのTCP/IPポート番号を入力するよう求めます。(デフォルトのポート番号を示します。)この値は、ttconnect.ini
ファイルにある前述の論理サーバー名のTCP_Port
属性として設定されます。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のTCP_Portに関する説明を参照してください。
TimesTen Clientコンポーネントが適切なディレクトリにインストールされます。
TimesTen Clientのすべてのコンポーネントを削除するには、次の手順を実行します。
TimesTen Clientインスタンス管理者としてログインします。
TimesTen Clientのsetupスクリプトは、install_dir
/bin
ディレクトリにあります。このスクリプトは、インストール・ディレクトリ以外のディレクトリから、-uninstall
オプションを指定して実行します。
% ./install_dir/bin/setup.sh -uninstall
アンインストールすると、TimesTenのライブラリと実行可能ファイルがすべて削除されます。TimesTen Clientが正常に削除されたことを確認するには、install_dir
が存在しないことを確認します。
TimesTenをExalogicシステムにインストールするには、「UNIXシステムへのTimesTenのインストール」の手順に記載されているように、TimesTenインストーラのプロンプトに従ってください。また、Oracle Linuxインストールの前提条件に合致していることも確認します。「Linuxの前提条件」を参照してください。
Exalogicシステムの各計算ノードに、TimesTenをインストールすることをお薦めします。
注意: 複数の計算ノードで使用される共有ディスクへのTimesTenバイナリのインストールは、サポートされていません。 |
TimesTenインストール・ファイルの場所に関する考慮事項は、次となります。
TimesTenチェックポイントおよびトランザクション・ログ・ファイルがZFS共有記憶域に存在する必要がある場合、-allowNetworkFiles
オプションをttendaemon.options
ファイルに追加する必要があります。『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のNFSマウントされたシステム上でのデータベース・アクセスの許可に関する説明を参照してください。
簡易なローリング・アップグレードを可能にするために、データベースおよびログ・ディレクトリは、TimesTenインスタンスのホーム・ディレクトリ外に存在する必要があります。
各ノードのTimesTenインストール、チェックポイントおよびトランザクション・ログ・ファイルを表1-1に示された場所に格納することを、強くお薦めします。
表1-1 インストール、チェックポイント・ファイルおよびトランザクション・ログ・ファイルの場所
コンポーネント | ディレクトリ |
---|---|
インストール |
|
データベース |
|
ログ・ディレクトリ |
|
Oracle Databaseドキュメントの説明に従ってOracle Clusterwareをインストールします。
「Installing and Upgrading」リンクを選択します。
ご使用のプラットフォームのGrid Infrastructureインストール・ガイドを参照します。
『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』のOracle Clusterwareのインストールの概要に関する説明も参照してください。
TimesTen 11.2.2では、Clusterwareのリリース11.2.0.2および11.2.0.3のみがサポートされることに注意してください。(TimesTen 11.2.1では、Clusterwareのリリース11.1.0.7、11.2.0.2、および11.2.0.3がサポートされます。)
次の推奨事項に従います。
OCRおよび投票ディスクの両方に使用されるZFS 7320ストレージ・アプライアンスに、NFS共有を作成します。NFS共有を投票ディスクとして使用するためには特別なNFSパラメータが必要です(詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』のOracle Cluster Registryおよび投票ディスクの管理に関する説明を参照してください)。
ZFS 7320ストレージ・アプライアンスにClusterwareをインストールします。ソリッド・ステート・ディスク(SSD)ファイル・システムでは、容量が不足する可能性があります。
注意: 共有Oracleホームへのインストールは、Oracle Clusterwareのローリング・アップグレードが許可されないことから、お薦めしません。かわりに、各計算ノードにClusterwareを個別にインストールする必要があります。 |
各計算ノードにClusterwareをインストールします。Clusterwareインストールへのパスは、各計算ノードにおいて同一である必要があります。したがって、個別のClusterwareインストールにアクセスするために、各計算ノードが同じパスを使用できるディレクトリ構造を設定する必要があります。
共有記憶域では、各計算ノードに対して個別のディレクトリが存在します。
計算ノード1の場合、ディレクトリは次となります。
/export/compute_node_1/general
計算ノード2の場合、ディレクトリは次となります。
/export/compute_node_2/general
計算ノードn
の場合、ディレクトリは次となります。
/export/compute_node_n/general
NFSマウントを使用して、ノード固有のディレクトリを、各計算ノードにおいて同一のパスへとマップします。
ホスト1では、次のようにします。
mkdir -p /opt/oracle
mount storage-server:/export/compute_node_1/general /opt/oracle
ホスト2では、次のようにします。
mkdir -p /opt/oracle
mount storage-server:/export/compute_node_2/general /opt/oracle
ホストn
では、次のようにします。
mkdir -p /opt/oracle
mount storage-server:/export/compute_node_n/general /opt/oracle
各ホストでは、/opt/oracle/crs
にOracle Clusterwareをインストールします。
ODBC SDKの再配布可能なコンポーネントは、WindowsシステムのC:\Windows\System32
にインストールされます。Microsoft社はTimesTenによるODBC SDKの一部の再配布のみを許可しており、それらは自動的にインストールされます(インストールされていない場合)。Microsoft社のサンプル・プログラム、オンライン・ヘルプ・ファイル、C言語ヘッダー・ファイルなど、その他のコンポーネントは、Microsoft ODBC SDKの一部としてMicrosoft社から個別に入手でき、必要に応じて個別にインストールできます。また、ODBC C言語ヘッダー・ファイルおよびODBCオンライン・ヘルプは、Microsoft Visual .NET 2003、Microsoft Visual Studio 2005、2008または2010の一部としてバンドルされています。ほとんどのTimesTen開発者は、SDKを個別にインストールする必要はありません。
UNIXシステムでは、SDKを個別にインストールする必要はありません。
この項では、ユーザーのアプリケーションで使用するTimesTenの機能に応じて設定が必要となる様々な環境変数について説明します。次の表に、この項またはこのドキュメントの他の項で説明する環境変数のサマリーをアルファベット順に示します。プラットフォーム固有の環境変数もあります。
環境変数 | 設定 | 追加情報 |
---|---|---|
LIB 、LIBPATH 、LD_LIBRARY_PATH 、LD_LIBRARY_PATH_64 、DYLD_LIBRARY_PATH |
TimesTenインストール・ディレクトリにあるlib ディレクトリを含みます。 |
「共有ライブラリ・パス環境変数」 |
NLS_LANG |
接続のキャラクタ・セットを指定する場合に指定します。NLS_LANG によって上書きされない場合、sys.odbc.ini またはユーザーodbc.ini ファイルの設定がデフォルトで使用されます。キャラクタ・セットを明示的に設定することをお薦めします。通常、デフォルトはAMERICAN_AMERICA.US7ASCII です。
注意:
|
『Oracle TimesTen In-Memory Database C開発者ガイド』の「キャラクタ・セット」。ここではOCIの説明が中心ですが、一般的な情報、詳細情報のリンクも含まれます。
『Oracle TimesTen In-Memory Database リファレンス』の「サポートされているキャラクタ・セット」。 |
ODBCINI |
TimesTenデータベースが使用するodbc.ini ファイルが検出される場所を含みます。 |
「ODBCINI環境変数」 |
PATH |
TimesTenインストール・ディレクトリにあるbin ディレクトリを含みます。Windowsでは、TimesTen Cacheオプションを使用している場合、Oracle Databaseインストールへのパスも含まれます。 |
「PATH環境変数」、「共有ライブラリ・パス環境変数」および「WindowsシステムへのTimesTenのインストール」 |
SYSODBCINI |
TimesTenシステム・データベースが使用するsys.odbc.ini ファイルが検出される場所を設定します。デフォルトの場所は通常は十分であるため、設定しないでおくことも可能です。 |
「SYSODBCINI環境変数」 |
SYSTTCONNECTINI |
TimesTen Clientアプリケーションが論理サーバー名の定義に使用するsys.ttconnect.ini ファイルの場所を設定します。デフォルトの場所は通常は十分であるため、設定しないでおくことも可能です。 |
「SYSTTCONNECTINI環境変数」 |
TMP またはTMPDIR |
一時ディレクトリの場所を設定します。TimesTenは、リカバリやその他の処理時にこのディレクトリを使用します。 | 「デフォルトのインストール・ディレクトリ」 |
TNS_ADMIN |
TimesTen Cacheを使用している場合、この値をtnsnames.ora ファイルの場所に設定する必要があります。 |
「TNS_ADMIN環境変数」 |
Java | Javaアプリケーションの場合、設定する必要のある環境変数があります。 | 「Java環境変数」 |
次の項では、TimesTenにおける環境変数および設定方法について説明します。
インストール後に環境変数をTimesTenの標準設定にする場合は、UNIXではttenv
スクリプトを使用し、Windowsではttenv.bat
バッチ・ファイルを実行します。TimesTenユーティリティが優先して実行されるよう、パスおよびクラスパス(UNIXシステムの場合はライブラリ・パスも含む)の設定も含まれます。すべての変更を有効にするには、TimesTenを起動する前にttenv
を実行する必要があります。
UNIXプラットフォームでは、install_dir
/bin
ディレクトリで、使用するシェルに適切なttenv.sh
またはttenv.csh
のいずれかのスクリプトを使用します。ローカル・ディレクトリがbin
ディレクトリ(またはフルパスを指定)の場合の例は次のようになります。
sh
、bash
、zsh
、ksh
などのBourne型のシェルの場合
./ttenv.sh
csh
またはtcsh
シェルの場合
source ttenv.csh
Windowsプラットフォームでは、install_dir
/bin/ttenv.bat
バッチ・ファイルを実行します。
注意: Windowsでは、「環境変数の削除」を有効(デフォルトで有効)にしている場合には、パス、クラスパス、およびライブラリ・パスがインストール時に設定されます。 |
前項の説明のとおり、主要な環境設定はttenv
で行います。詳細情報が必要な場合は、次の項に示す環境変数の詳細、およびttenv
で設定されかどうかの記述を参照してください。
次の環境変数について説明します。
TimesTenには、TimesTenアプリケーションの管理とデバッグを行うためのユーティリティが用意されています。これらのユーティリティを使用するには、PATH設定に
install_dir/bin
を含めます。
注意: この変数はttenv で設定されるか、Windowsでは、環境変数が登録されている場合(デフォルト)はインストール時に設定されます。 |
TimesTenアプリケーションはodbc.ini
ファイルを使用して、データソースおよびその接続属性を定義します。(接続属性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』の接続属性に関する説明を参照してください。)UNIXプラットフォームの場合、デフォルトではTimesTenアプリケーションを実行しているユーザーのホーム・ディレクトリのユーザーodbc.ini
ファイルが最初に検索されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenアプリケーションを起動する前にODBCINI
環境変数で適切なパスとファイル名を指定する必要があります。
TimesTenがユーザーDSNファイルの場所を検索できない場合は、install_dir
/info
にある sys.odbc.ini
ファイルが検索されます。(次の項のSYSODBCINI
環境変数の説明も参照してください。)詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のユーザーおよびシステムDSNの概要に関する説明を参照してください。
TimesTenアプリケーションはsys.odbc.ini
ファイルを使用して、システム・データソースおよびその接続属性を定義します。システム・データソースは、すべてのユーザーが使用できます。Windowsでは、ODBCデータソース管理者タブの「システムDSN」でシステムDSNが定義されます。UNIXでは、ファイルinstall_dir
/info/sys.odbc.ini
でシステムDSNが定義されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTenアプリケーションを起動する前にSYSODBCINI
環境変数にsys.odbc.ini
ファイルのパス名を設定します。
TimesTenでは、ユーザーodbc.ini
ファイルのDSNが最初に検索されます。(次の項のODBCINI
環境変数の説明も参照してください。)見つからない場合は、sys.odbc.ini
ファイルが検索されます。
TimesTen Clientアプリケーションは、sys.ttconnect.ini
ファイルを使用して、論理サーバー名を定義します。論理サーバー名については、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTen ClientおよびServerの使用に関する説明を参照してください。UNIXプラットフォームの場合、デフォルトでは、install_dir
/sys.ttconnect.ini
が検索されます。実行時にこのファイルの名前および場所を上書きするには、TimesTen Clientアプリケーションを起動する前に、SYSTTCONNECTINI
環境変数を設定します。
Windowsシステムの場合、論理サーバー名は、ODBCデータソース・アドミニストレータを使用して構成できます。
TimesTen CacheがサポートされているプラットフォームでOracle Databaseのデータを使用するには、TNS_ADMIN
環境変数でtnsnames.ora
ファイルのディレクトリを指定する必要があります。
注意: UNIXシステムでは、この変数は、ttenv を実行すると設定されます。Windowsでは、インストール時にオプションとして設定できます。 |
-tns_adminオプションを指定したttmodinstall
ユーティリティを使用すると、インストール後にこの環境変数の値を設定できます。ttmodinstallの詳細は、
『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。
Linuxシステムでは、LD_LIBRARY_PATH
環境変数にinstall_dir
/lib
を追加します。
Solarisシステムでは、LD_LIBRARY_PATH
またはLD_LIBRARY_PATH_64
環境変数にinstall_dir
/lib
を追加します。
AIXシステムでは、LIBPATH
環境変数にinstall_dir
/lib
を追加します。
Windowsシステムでは、LIB
環境変数にinstall_dir
\lib
を追加します。
Mac OS Xシステムでは、DYLD_LIBRARY_PATH
環境変数にinstall_dir
/lib:
install_dir
/ttoracle_home/instantclient_11_2
を追加します。
注意: UNIXシステムでは、適用できる変数は、ttenv を実行すると設定されます。Windowsでは、LIB は、環境変数が登録されている場合(デフォルト)、インストール時に設定されます。 |
次の項では、TimesTen Javaアプリケーションの環境に影響する環境変数について説明します。
Javaクラスおよびクラス・ライブラリはCLASSPATH
で設定します。いずれかのTimesTen JDBCドライバをロードするJavaプログラムを実行する前に、CLASSPATH
環境変数にクラス・ライブラリ・ファイルが含まれている必要があります。
install_dir/lib/ttjdbcjdk_ver.jar
jdk_ver
は、使用中のJDKのバージョンです。たとえば、JDK 5.0ではjdk_ver
は5になり、ファイル名はttjdbc5.jar
となります。JDK 6ではjdk_ver
は6になり、ファイル名はttjdbc6.jar
となります。
注意:
|
UNIXでは、CLASSPATH
要素はコロンで区切ります。たとえば、次のように記述します(sh
型のシェル)。
CLASSPATH=.:install_dir/lib/ttjdbc6.jar
export CLASSPATH
または次のように実行します(csh
型のシェル)。
setenv CLASSPATH .:install_dir/lib/ttjdbc6.jar
Windowsでは、CLASSPATH
要素はセミコロンで区切ります。
また、Windowsでは、ディレクトリ・パス名に空白が含まれている場合でも、CLASSPATH
環境変数を設定するときに引用符を使用しないでください。
正しい例を示します。
set CLASSPATH=.;install_dir\lib\ttjdbc6.jar
間違った例を示します。
set CLASSPATH=.;"install_dir\lib\ttjdbc6.jar"
システムにインストールしたJDKのバージョンが不明確な場合は、次のように入力します。
> java -version
JMS/XLAインタフェースを使用する場合は、CLASSPATH
に次も追加する必要があります。
install_dir/lib/timestenjmsxla.jar install_dir/3rdparty/jms1.1/lib/jms.jar install_dir/lib/orai18n.jar
たとえば、CLASSPATH
は次の例のようになります(install_dir
は該当する値に置き換えてください)。
.:install_dir/lib/ttjdbc6.jar:install_dir/lib/timestenjmsxla.jar :install_dir/3rdparty/jms1.1/lib/jms.jar:install_dir/lib/orai18n.jar
デフォルトでは、JMS/XLAは現行の作業ディレクトリにあるjmsxla.xml
という構成ファイルを検索します。別の名前および場所を使用する場合は、InitialContext
クラスの環境変数の一部として指定し、CLASSPATH
設定にその場所を追加する必要があります。jmsxla.xml構成ファイルの詳細は、
『Oracle TimesTen In-Memory Database Java開発者ガイド』を参照してください。
TimesTen JDBCドライバをロードするJavaプログラムを使用する前に、TimesTen install_dir
/lib
ディレクトリを含めるようにシステム環境変数の共有ライブラリ・パスを設定する必要があります。共有ライブラリ・パスに使用する変数の名前は、使用するシステムによって異なります。
システム | 変数名 |
---|---|
Linux | LD_LIBRARY_PATH |
Solaris | LD_LIBRARY_PATH |
AIX | LIBPATH |
Windows | PATH |
Mac OS X | DYLD_LIBRARY_PATH |
TimesTen JDBCドライバは、ネイティブ・スレッドを使用します。グリーン・スレッドはサポートされていません。
一部のUNIXプラットフォームでネイティブ・スレッド・パッケージを使用するには、THREADS_FLAG
環境変数をネイティブに設定する必要があります。フラグの設定方法は、シェルの種類によって異なります。
csh
での構文は次のとおりです。
setenv THREADS_FLAG native
sh
での構文は次のとおりです。
THREADS_FLAG=native export THREADS_FLAG
インストール時に、クイック・スタート・チュートリアル・ページやTimesTenクイック・スタート・サンプル・プログラムなどのTimesTenドキュメントをインストールできます。クイック・スタート・ドキュメントはデフォルトでinstall_dir
/quickstart
ディレクトリにインストールされます。UNIXでは、他の場所を指定するオプションがあります。インストール場所にかかわらず、詳細情報についてのホーム・ページはinstall_dir
/quickstart.html
です。
クイック・スタートでは、管理、アクセス制御、アプリケーション開発、レプリケーションおよびキャッシュに関するチュートリアル、サンプル・プログラム、サンプル・コードが提供されます。次の領域についての情報が提供されます。
構成および設定:
TimesTenデータベースの作成、ロードおよびアンロード
ユーザー・アカウントおよび権限の設定
システム操作のためのTimesTenユーティリティおよび組込みプロシージャの使用
Oracle DatabaseをキャッシュするためのTimesTen Application-Tier Database Cacheの設定
アクティブ・スタンバイ・ペアおよびOracle Clusterwareを使用したレプリケーションの設定
Java EEまたはJ2EEアプリケーション・サーバーをTimesTenと連携させるための構成
TimesTenでのOracle SQL Developerの使用
TimesTenでのOracle Enterprise Managerの使用
アプリケーション開発
ODBCおよびXLAを使用するCアプリケーション
Oracle Call Interface(OCI)またはPro *C/C++ Precompilerを使用するCアプリケーション
TimesTen TTClassesおよびXLAを使用するC++アプリケーション
JDBCおよびJTAを使用するJavaアプリケーション
PL/SQLアプリケーション
パフォーマンスおよびベスト・プラクティス
レスポンス時間サンプル・プログラム
プログラミングのヒント
データベース・スキーマの設定のヒント
ハードウェア構成のヒント
オペレーション・システム構成のヒント
サンプル・プログラムをインストールした場合、クイック・スタートのホーム・ページからサンプル・プログラムを設定および実行するための情報を入手できます。
サンプル・プログラム・スキーマおよび設定: build_sampledb
スクリプトは、サンプル・データベースおよびデモ・スキーマを作成します。サンプル・プログラムを使用する前にこれを実行する必要があります。
サンプル・プログラム環境および設定: ttquickstartenv
スクリプト(通常、TimesTenの設定に使用するttenv
スクリプトのスーパーセット)によって、デモ環境を設定します。これは、サンプル・プログラムをコンパイルおよび実行するセッションに入るごとに実行する必要があります。
サンプル・プログラムおよび設定: クイック・スタート・サンプル・プログラムは、quickstart/sample_code
ディレクトリの下のサブディレクトリにあります。プログラムのコンパイルと実行については、サブディレクトリにあるREADMEファイルを参照してください。また、クイック・スタートのホーム・ページにある「Getting Started」および「Sample Programs」の下にある様々なAPIリンクも参照してください。
クイック・スタート・チュートリアル・ページなどのTimesTenドキュメントは、TimesTen製品とともにインストールされます。ただし、ドキュメントをインストールしないように選択した場合は除きます。(クイック・スタート・サンプル・プログラムは、個別のオプションとしてインストールされます。)ドキュメントはHTMLおよびPDF形式で提供されます。HTMLはブラウザを使用して参照できます。PDFはAdobe Acrobat Readerを使用して参照できます。Acrobat Readerをインストールしていない場合は、Adobe Systems社のWebページhttp://www.adobe.com
からダウンロードできます。
ドキュメントは、install_dir
/doc
ディレクトリにインストールされます。
TimesTenドキュメントも、次のURLのOracle Technology Networkで入手できます。
http://www.oracle.com/technetwork/database/database-technologies/timesten/documentation/index.html
このドキュメント・ライブラリは、TimesTenとともにインストールしたライブラリよりも新しい場合があります。
インストール時の問題を回避するには、前提条件をすべて満たす必要があります。このインストレーション・ガイドおよび『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリリース・ノート』の情報を使用して、次のことを確認します。
必要なオペレーティング・システム・パッチをすべて適用していること。サポートされているバージョンのオペレーティング・システムを実行していること。
必要なカーネル構成の変更をすべて行っていること。
十分なディスク領域があること。
UNIXでは、TimesTen管理者グループのメンバーであること。「TimesTenインスタンス管理者およびユーザー・グループ」を参照してください。
Windowsでは、ローカルのAdministrators
グループのメンバーであるユーザーAdministratorとしてインストールすること。