オプティマイザは、パーティション・ワイズ結合を使用するかどうかを決定する場合に、次の情報に基づいてメリットとデメリットを比較します。
レンジ・パーティション化の場合、パーティション・サイズが異なると、データの偏りによって応答時間が長くなることがあります。つまり、パラレル実行サーバーによっては、他のサーバーより結合完了までの時間が長くなります。ハッシュ・(サブ)パーティション化を使用して、パーティション・ワイズ結合を使用可能にすることをお薦めします。パーティションの数が2の累乗であれば、ハッシュ・パーティション化によって偏りが発生する可能性が低く抑えられるためです。偏りの発生を最小限にするために、ハッシュ・パーティション化キーが一意であることが理想的です。
パーティション・ワイズ結合に使用されるパーティションの数は、可能であれば問合せサーバーの数の倍数にします。たとえば、並列度が16の場合は、パーティションの数を16、32または64にします。パーティションの数が半端な場合、一部のパラレル実行サーバーの使用率が低くなります。たとえば、17組の均等に分散されたパーティションがある場合、1組のみが最後の結合で処理され、そのときに他の組は待機する必要があります。これは、実行開始時には、各パラレル実行サーバーが別のパーティションの組に対して動作するためです。この最初のフェーズ後には、1組のみが残ります。そのため、1つのパラレル実行サーバーがこの残った組を結合し、その間、他のすべてのパラレル実行サーバーはアイドル状態になります。
パラレル結合によって、リモートI/O処理が発生する場合があります。たとえば、MPP構成で実行されるOracle Real Application Clusters環境では、一致するパーティションの組が同じノードに存在しない場合、パーティション・ワイズ結合を行うために、リモートI/Oのための追加のノード間通信が必要になります。これは、結合が実行されるノードに、少なくとも1つのパーティションを転送する必要があるためです。この場合は、パーティション・ワイズ結合を使用するより、データを明示的に再配置する方が適しています。